LMS(Learning Management System:学習管理システム)は、企業や教育機関での「学習」を効果的に管理するためのプラットフォームです。社員や学生が必要なスキルを身につけるプロセスを支援し、進捗を把握しやすくすることで、効率的な人材育成が可能になります。
リモートワークの普及に伴い、どこからでも学習できる環境を整え、組織全体の成長を促進する手段として、LMSが注目されています。本コラムでは、LMSの基本構造や導入メリット、選び方のポイントについて解説し、導入により実現できることをご紹介します。
また、第3章では、「タレントマネジメントシステム(TMS)」についても触れさせていただき、具体的な違いについてもご紹介します。
これを読めば、
LMSを活用し、学習の効率化と組織の成長を実現するためのヒントをお届けします。ぜひ最後までご覧ください。
目次
ここでは、LMS「Learning Management System(学習管理システム)」の基本的な仕組みや役割、どのようなシーンで活用されるのかについて解説します。
LMSとは「Learning Management System(学習管理システム)」の略であり、eラーニングやオンライン研修など、社内のあらゆる研修を集約して管理できるシステムです。LMSといえば、「eラーニングの配信ツール」というイメージをお持ちの方も多いかもしれないです。しかし、LMSはeラーニングやオンライン研修の配信だけでなく、学習のプラットフォームとして社内のさまざまな研修を効果的・効率的に管理できます。具体的には、以下のような機能を活用できます。
〈人事向け機能〉
・学習教材の管理・配信:コースの作成・管理、受講者の追加・登録。動画・スライド・テストなどの教材を一元管理し、自動配信
・自動メール通知:受講者への研修案内、リマインド、未受講者への通知を自動化
・進捗・成績の管理:受講状況を可視化し、必要に応じたフォローアップが可能
〈受講者向け機能〉
・研修の申込・受講:必須研修の受講、公募研修の申込をプラットフォーム上で簡単に実施
・受講履歴の確認・継続学習:自由なタイミングで学習内容を振り返り、スキルアップを継続
LMSは、eラーニングの配信にとどまらず、組織全体で学習を支える「学びのプラットフォーム」として幅広い場面で利用されています。
・人事側が受講者を指名して必須で受講させる必修研修
・受講者側の任意で受講できる公募研修
・受講者が自由に学習できる自己啓発型の学習
などのいずれの研修区分においても活用できます。では、実際にどのようなシーンで活用できるのか見ていきましょう。
【企業が自社社員向けにLMSを活用する場合】
LMSは、企業内でのさまざまな研修や学習プログラムを効率化するツールとして利用されます。以下のようなケースで特に効果を発揮します。
・全社員向け研修
コンプライアンスやセキュリティ研修など、全社員が対象となる必須研修では、LMSは大いに役立ちます。日程調整や受講案内、進捗管理が容易になり、事務作業の負担を軽減。受講者全員へのリマインドや資料配布も自動化でき、研修運営のミスを防ぐことができます。
・新入社員研修
新卒採用を行っている企業の場合、新入社員や内定者に向けて行う新入社員研修にもLMSを活用できます。ビジネスマナー研修やコミュニケーション研修など、eラーニングコンテンツを事前に準備しておけば、LMSを通じて学んでもらうことができます。eラーニングであれば、講師や研修場所の確保などの手間や費用もかかりません。
またLMSでは、eラーニングだけでなくリアル/オンラインの集合研修やハイブリッド研修なども管理できるため、自社で実施している新入社員研修の形式に合わせて活用することができます。一度研修方法を確立すれば、毎年の新入社員研修をスムーズに運用できるようにもなります。
加えて、新入社員研修での活用だけでなく、OJTにもLMSを活用することができます。活用事例は、以下の記事をご参照ください。
▼ 株式会社明光ネットワークジャパン様事例
GLOPLA LMSの活用によって、研修やOJTにおける学習体験の質が向上
・階層別研修・管理職研修・職種別研修
中堅社員や管理職などの階層別、営業部署や技術部門向けといった職種別の研修も、LMSで効率良く学習できます。階層や職種によって必須となるスキルや知識は異なりますが、LMSを活用すれば特定の対象者に向けて特定の学習教材の配信や研修の受講案内が可能となるので、スムーズなスキル習得に役立つでしょう。
・自己啓発・自主学習
社員に対してキャリアアップや資格取得を促したり、社員自身が自律的に自己啓発に取り組んだりする場合にもLMSは有効です。キャリア研修や英会話学習など、社員が取り組みたくなる研修・学習教材をLMSに掲載することで、学習環境を整えることができます。
ただし、学びの機会を用意しても社員が自律的に学習しなければ意味がありません。そのため、学習を評価に反映する制度の設置や、学習結果に対してフィードバックを行う仕組み、上長から受講を推奨してもらうなどの工夫やサポートが必要です。
▶【参考記事】自律学習する組織づくり
【自社以外の対象者にLMSを活用する場合】
自社の正社員以外にLMSを提供するケースもあります。社内の正社員以外の業務形態である社員(パート・アルバイト)に向けた研修や、グループ会社・子会社、また自社内で活用することを目的とせず、第三者に提供することを目的とした研修や学習を提供する際にも活用されます。
・パート・アルバイト向け研修
勤務日数が限られる社員に対し、LMSを活用することで効率的な研修が可能になります。業務マニュアルや学習教材をLMS上に掲載し、必要な内容を繰り返し閲覧できるようにすることで、教育の均質化と効率化が図れます。
・子会社・グループ会社向け研修
多数のグループ会社を傘下に置く大手企業の場合、グループ全体の方針を合わせるために子会社向けの研修を実施するケースもあります。LMSを活用すればインフラの有無に関わらずグループ全体で教育体制を一貫して構築でき、グループでまとめて研修を管理できるようになります。
・代理店・顧客向け研修
代理店教育や顧客向けの教育を実施する際にもLMSは役立ちます。自社製品・サービスを購入した代理店・顧客に対して、製品・サービスへの理解を深めるための学習教材を提供できます。また、新製品・サービスの案内やサービス内容の変更といった最新情報も、LMSでスムーズに配信できるでしょう。
【教育機関でLMSを活用する場合】
社会人向けではなく、学生向けの教材もLMSで管理・提供することができます。教育サービス事業者もしくは大学などの教育機関が主な提供者です。
学生が受講する授業を一元管理し、受けたい授業を探すことができて簡単に受講申請ができる操作性や、厳密な成績管理が求められます。
▶【参考記事】LMS(学習管理システム)の使い方|活用シーンと研修を効果的に実施するポイントを解説
LMSが注目される背景として、以下の三点があげられます。
・リモートワークの普及による学習環境の変化
まず、従来の対面型の研修や教育方法に変わり、オンライン学習の需要が急増したことがあげられます。場所や時間に縛られずに学べる環境を提供、かつ、業務に合わせた柔軟な学習を実現するために、LMSが必要となりました。
・急速に変化する環境への適応
現代は、予測困難な変化が常態化する「VUCA時代」と呼ばれています。この中で、社員に必要なスキルや知識も迅速に変化しています。LMSを活用することで、社員が自律的に必要な知識を学び、即座に業務に活かすことが可能になります。
・データ活用による学習効果の向上
組織の成長戦略として人的資本を重視する動きが広がっています。人的資本経営では自社の人材を取り巻くデータを基に、人的資本への投資と企業価値向上の関連性を示すことを求められます。その中で、誰にどのような研修を提供すべきかをデータに基づいて判断する必要性が増しています。LMSは学習データの収集と可視化を容易にし、戦略的な人材育成を支援することに役立つのです。
LMSは企業の人材育成における効率化と成果向上を実現するための強力なツールです。LMS導入による主なメリットを4つの視点から解説し、それぞれの具体的な効果をご紹介します。
一つの研修を実施するために、複雑なツールを何度も行き来し、作業を繰り返すことで、オペレーションミスが起きてしまうようなことや、様々な場所に情報が散在することによって、整理に時間を取られてしまうようなシーンはないでしょうか?LMSを導入することで、研修の申込管理や進捗確認、受講者への案内などのプロセスが一元化され、自動化が可能になります。この効率化により、人事担当者は運営の負担を軽減し、戦略的な業務に集中できるようになります。LMSに情報を集約し、作業をシンプルにすることで、本来時間を割くべき研修企画に専念することができます。
LMSは、eラーニングやリアル/オンライン研修、外部研修を含むさまざまな学習形式を一つのプラットフォームで管理することができます。これにより、社員が必要な情報や教材にスムーズにアクセスでき、自律的な学習文化を構築できます。従来は、社員の知見が散在してしまい社員が学びに辿り着けなかったことも、LMSを通じて、関心に応じて学びにアクセスすることができるようになります。「LMSさえ見に行けば自分に必要な学びが得られる」という共通認識ができることで、社員が自ら学んで成長する環境を構築できることがメリットです。
新たな人材育成方針として「自主学習文化」の醸成に取り組み、自ら学ぶ環境を整えている企業の事例をご紹介します。詳細は以下の記事をご覧ください。
▼株式会社アイセロ様事例
「自主学習文化」醸成を目指し、質の高い学びをいつでも受けられる仕組みを構築
LMSは、研修データをリアルタイムで可視化できるため、各部門や個々の社員の学習状況を正確に把握できます。このデータに基づき、効果的な育成施策をタイムリーに計画・実行することが可能です。従来は縦割りで誰が何を行っているか分からなかったような施策も、LMS上で管理して可視化することよって、重複のない育成施策やコストの最適化を実現することができます。
さらに、社員ごとの学習履歴やスキルデータを蓄積することで、異動や組織変更があった際もスムーズに対応できるようになります。
新たな配属先で必要な研修を迅速に提供したり、組織全体でのスキルバランスを考慮した配置を行ったりすることで、変化に柔軟に適応できる強い組織づくりにつながります。
LMSに蓄積されたデータを活用することで、学習者の傾向や成果を分析し、育成施策を改善することができます。これにより、個々の社員やチームの成長を促進し、組織全体のパフォーマンス向上につなげられます。
各施策が異なる管理方法で情報の統合が難しいとなると、どうしても社員の状況が見えずに育成施策の改善も感覚的になってしまいがちです。LMSに学習に関わる進捗や受講履歴を集約することで、リアルタイムで学習傾向や声を把握し、目的に合わせて育成のPDCAを回せることで、学びが深まる仕組みづくりを実現できます。
タレントマネジメントシステム(TMS)についても、違いについて疑問に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。※以降「TMS」と表記
TMSとLMSは、どちらも人材育成に活用されるので、よく一緒に検討されるものなのですが、領域が大きく異なります。そのため、実現したいことを明確にしてシステムを検討する必要があります。前提としては、以下の通りです。
■TMSの目的
TMSは、評価・配置・採用などの領域で、経営観点で、人事や経営者の意思決定を支援することが目的です。人事に関するデータを管理して人材育成や人材配置に役立てることで、経営目標の達成を目指します。
■LMSの目的
一方、LMSは人材育成や研修の領域に特化しており、育成領域における「研修管理担当者の業務効率化」と「受講者の学習の質を向上」することが目的です。LMSによって、研修の効果測定と改善を実施できるようになり、より効果的な人材育成につなげることを目指します。
■TMSの目的
TMSは個人のパフォーマンスデータや評価情報を基にした分析を行い、配置転換や昇進などの戦略的人材配置に役立てるための人事全体の企画・判断に適しています。
■LMSの目的
LMSは学習履歴や成果のデータを用いて、学習の進捗状況や達成度を分析し、教育プログラムの改善に役立てることで、育成に向けた施策企画や、その実行に向けた円滑なサポートに適しています。
それぞれ得意なデータの領域が異なりますが、これらのデータ連携は可能です。目的を考えたうえで、最適なシステムを検討することが重要です。
■TMSの目的
前述の通り、TMSは個人のパフォーマンスや職務適性、キャリアパスに基づいて総合的なスキル評価を行うシステムです。
■LMSの目的
一方、LMSは特定のスキルや学習成果を評価し、学習プログラムの目標達成度やスキル習得の進行状況に焦点を当てているため、育成に関する深いデータを得られるシステムであると言えます。
【LMSとTMSを連携することで人材育成や人事戦略を効率的に実現できる!】
TMSは、組織の人材戦略における広範な領域をカバーするため、「TMSがあればLMSは不要ではないか?」と思う方もいるかもしれません。しかし、実はLMSとTMSは補完関係にあり、それぞれの役割が異なります。
TMSは「人材情報の管理・分析」を主な目的とし、社員のスキル・評価・配置などのデータを活用して、適切な人材戦略を策定するのに役立ちます。一方で、LMSは「学習と育成の運営・実行」に特化しており、研修の実施・進捗管理・学習データの蓄積といった、日々の成長プロセスを支援しています。
そのため、LMSとTMSを連携することで、人材データを活用しながら、効果的な学習機会を提供し、組織全体の成長につなげることが可能になります。ただし、外部システムと自動連携するためには、自社の要件を満たしたクラウド型LMSを導入することが重要です。
グロービスが提供する「グロプラ」は、TMS「カオナビ」とのAPI連携が可能です。この連携により、「グロプラ」に登録された研修受講情報を「カオナビ」に取り込み、一元管理することができます。これにより、人材情報と研修受講情報を統合し、人事担当者がデータをより活用しやすくなるほか、企業の人的資本経営やリスキリングの推進にも貢献します。
▶【関連記事】グロービス「グロプラ」が「カオナビ」とAPI連携
「グロプラ」は、直感的に使いやすい操作性と手厚い導入サポートが特徴のクラウド型学習管理システムです。社員も迷わず学習を進められるため、自律的な学びを促進し、質の高い研修を提供することで育成強化につなげることができます。
LMSの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご連絡ください。
貴社の研修フローに合わせた活用方法をご提案しますので、まずはお問い合わせください
▶【関連記事】LMS(学習管理システム)とタレントマネジメントの違いや連携する際のポイントを解説
▶【関連記事】タレントマネジメントシステムとは?目的・メリット・選定ポイントを解説
eラーニングとLMSはどちらも学習に関連する重要なツールですが、それぞれ異なる役割を持ち、目的や利用シーンが異なります。大前提として、以下を押さえると分かりやすいと思います。
eラーニング | LMS | |
---|---|---|
目的 | 学習コンテンツを提供し、知識やスキルの習得をする | 学習の進捗や成果を管理・分析し、組織全体の学習効果を最大化する |
主な機能 | 学習コンテンツの配信(動画、スライド、クイズなど) | 学習の進捗の可視化、成果データの管理・分析、育成プランの設計サポート |
利用シーン | 短期的な学習やスキル習得、特定テーマの学習 | 長期的な学習管理や組織全体の教育システムの運用 |
それでは、この2つの違いについてそれぞれ詳しく解説します。
eラーニングの主な目的は、学習コンテンツを受講者に提供し、知識やスキルの習得を目指すことです。例えば、動画やスライド、クイズなどの形式で、受講者が個別に学習を進められる仕組みが中心となります。
一方で、LMSの目的は、提供する社内研修や学習コンテンツを管理し、進捗や成果を確認することにあります。たとえば、受講状況をリアルタイムで確認したり、学習結果を記録したりすることで、組織全体の学習効果を分析できるのが特徴です。
eラーニングは学習コンテンツを「配信」することが主な機能です。これにより、受講者はオンライン環境でスキルや知識を身につけることができます。
一方で、LMSには進捗状況の管理や学習成果を評価する機能が備わっています。
以下のような機能により、LMSは学習効果を定量的に評価し、継続的な学びをサポートすることができます。
eラーニングは、短期的な学習や特定スキルの習得を目的とした場合に適しています。例えば、新商品のトレーニング動画や資格取得のためのコースなどがこれに該当します。
一方、LMSは長期的な学習管理や、企業全体での教育システムの整備を目的としています。LMSを活用することで、教育全体を計画的に運用し、組織の成長につなげることができます。
具体的には、以下のようなケースで導入されることが一般的です:
3章と4章でそれぞれの違いについて紹介してきましたが、利用目的に応じてツールを組み合わせて導入することも効果的です。
システム | どの人におすすめか | どのケース(シーン)がおすすめか |
---|---|---|
TMS(タレントマネジメントシステム) |
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|
eラーニング |
|
|
LMS(学習管理システム) |
|
|
これらのシステムを組み合わせることで、短期的な学習から長期的な人材戦略まで幅広く対応できます。
組織の目的に応じたツール選定を行うことが重要です。
LMSにはさまざまな機能が備わっており、人事業務、研修業務、教育業務の効果的・効率的な実施に役立ちます。LMSの主な機能一覧は以下の7つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
LMSには学習教材の管理・配信機能が備わっています。受講の対象者や実施日時などの条件を指定することで、対象となる社員に特定の学習教材を自動で配信できるようになります。LMSに社員のアカウントを作成する際、入社日や部署などの情報を登録できるので、グループ別・属性別に教材を配信することも可能です。
eラーニングなどの動画教材以外にも、集合研修やオンライン研修も管理することができます。必須で受けるべき研修を全社員に向けて案内したり、選抜型研修を特定の社員のみに案内したりと、研修の運用フローに応じて管理することが可能です。
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動画アップロード
動画ファイルを容量無制限でアップロードすることができます。
自社で作成したeラーニングコンテンツや、研修前のレクチャー動画、研修動画のアーカイブ配信などにご活用いただけます。
学習状況の進捗・成績の管理機能も基本機能の一つです。受講者ごとの学習進捗状況をリアルタイムで把握したり、テストの成績を一覧で確認したりすることが可能です。そのため、「社員は研修内容をどの程度理解しているか」「学習が問題なく進められているか」といった分析に役立つでしょう。
また、受講履歴が蓄積されることによって得意・不得意の分野の把握もできるので、「不得意分野を克服するための教材を配信する」というように、社員一人ひとりに合った個別フォローが可能です。
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進捗管理
研修コース全体の進捗と、テストや課題提出などチャプターごとの進捗を一目で把握することができます。
受講者ごとに、どのチャプターまで完了しているか進捗を確認することも可能です。
自動メール機能が備わっていると、研修受講のお知らせや課題提出期限のリマインドなど、自動で受講者にメール通知を行えるようになります。たとえば、研修の開始1週間前に対象者全員にメールを配信し、研修の終了3日前に未受講者だけを選んで受講催促のリマインドメールを送付することで、受講漏れの防止につながります。
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自動メール配信
受講者の学習を促進するために、さまざまな自動メールを配信することできます。
研修コースの開講時には、受講開始の案内メールが配信され、LMSへのログインを促します。テストや課題提出の締切が近づいた際にはリマインドメールを送ることができ、提出遅延を防ぎます。
テスト機能を活用すれば、学習の理解度を確認できるようになります。テスト問題は記述式や択一式、複数選択式などを設定でき、合格基準の有無などの細かい設定が可能です。自動採点・集計もできるので、業務効率化に役立つでしょう。
また、アンケート機能を活用すれば、アンケート結果をもとに研修内容を変更・追加するなどの研修の改善に役立てられます。アンケート結果も自動で集計できるため、手間の削減につながります。
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アンケート作成・集計
研修後の満足度を測るアンケートなどを作成できます。単一選択/複数選択/自由記述/段階評価の4種類から選択でき、必須/任意の回答設定も可能。
アンケートの結果は自動で集計され、結果が一目でわかるグラフが作成されます。回答結果の一覧はExcelファイルでダウンロードできます。
また、一度作成したアンケートはコピーして別の研修コースにも活用でき、アンケート項目の型化や業務効率化につながります。
課題提出機能やフィードバック機能を活用し、研修の受講後にレポートをはじめとした課題を出すことで、テスト機能と同様に受講者の理解度を把握することができます。また、LMS内で課題提出が可能なので、受講後の課題提出がスムーズに行えるようになります。
フィードバック機能は、提出された課題に対してフィードバックや評価を実施できます。フィードバックを行うことで、学習効果の向上や受講者のモチベーション維持が期待できるでしょう。
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課題提出
研修の事前/事後の課題などを、受講者にLMS上で提出してもらうことができます。提出ファイルは個別もしくは一括でのダウンロードが可能。
マルチデバイスとは、パソコンやスマートフォン、タブレットなど複数のデバイスからLMSにアクセスできる機能のことです。従来のeラーニングでは、職場や自宅のパソコンに向かって受講する必要がありました。マルチデバイス機能が備わっているLMSを導入すれば、時間や場所の制約なくスマートフォンやタブレットからも学習を行うことができます。通勤移動中をはじめ、スキマ時間を活用して効率良く学習を進められるでしょう。
LMSにはセキュリティ強化の機能が備わっています。LMSは社員の個人情報や成績情報などの社外秘情報を含んでいるため、情報漏えいのリスクを防ぐためにもセキュリティ対策が求められます。
社外秘情報を含む研修を実施する際は、社内のネットワーク環境下以外では受講不可というようにアクセス制限を設けることが可能です。なかにはSSL通信+アクセスキー認証や顔認証などによって外部からの不正アクセスを防止する機能が備わっているLMSもあるため、セキュリティ強化につながるでしょう。
▶【関連ページ】「グロービスのLMS
グロプラの機能一覧」
▶【関連記事】LMSの主な機能一覧を紹介!選び方のポイントを押さえよう
LMSの導入は、人材育成の効率化や学習環境の整備に大きく貢献します。しかし、自社に合わないLMSを選んでしまうと、運用の手間が増える、定着せずに形骸化してしまうなどのリスクもあります。本章では、LMS導入の成功確率を高めるために、事前に押さえておくべき3つの重要ポイントを解説します。「どのLMSを選べばいいのかわからない」「導入後に後悔したくない」という方は、ぜひご覧ください。
LMSを導入する際は、まず導入目的を明確にすることが重要です。また、必要な機能は、LMSを導入する目的に応じて異なります。「効率化」「進捗管理」「成果可視化」などの具体的な目標に合わせて、どの機能が最適かを検討することが成功の鍵です。
〈イメージ例〉
例えば、LMSの導入目的が「研修管理業務の効率化」であり、「メール送信や受講者リスト作成など、手作業による研修管理業務に時間がかかり、他の人事業務の手に回っていない」といった課題があるとします。その場合、一括メール送信機能や、受講者リストの集約機能、各受講者の進捗状況や受講率をリアルタイムで確認するトラッキング機能などが必要となるでしょう。
このように現状と理想のギャップから目的を算出することが、ミスマッチを防ぎ、自社に必要なLMSの導入を選択することができます。
組織の成長やニーズの変化に伴い、新たな機能が必要になる場合があります。そのため、LMSが拡張性に優れており、必要に応じてカスタマイズが可能かどうかをチェックすることが大切です。将来的なニーズを考慮し、拡張性や柔軟性のあるシステムを選ぶことで、長期的に活用しやすくなります。
導入後、実際に使用する社員がシステムに慣れやすいことも重要です。複雑な操作が必要なシステムでは、受講者の学習意欲が低下する可能性があります。シンプルで直感的に操作できるUIを備えたLMSを選ぶことで、人事は迷わず使えるように、受講者は学びたくなるような状況をつくりだすことができます。
【グロプラのご紹介】
「グロプラ」は、誰でも簡単に操作できる直感的なユーザーインターフェースと、充実した導入サポートが特徴のクラウド型学習管理システムです。社員が迷うことなく受講を進められる仕組みで、自律的な学習を効果的に支援します。
グロービスは育成現場の知見を活かし、「圧倒的な使いやすさ」と「必要な機能の最適な組み合わせ」を実現した、優れたユーザー体験を提供します。
LMSの導入に失敗したくない方は以下の資料も参考にしてください。
▶【資料ダウンロード】失敗しないLMS導入!事前に検討しておきたい“LMSの要件”とは?
LMSを効果的に活用するには、導入目的を明確にし、業務フローに組み込むことが重要です。本章では、研修管理業務の効率化やオンボーディングの成功事例を紹介し、LMSを最大限に活用するためのポイントを解説します。実際の企業事例を参考に、自社に合ったLMS運用のヒントを見つけてみましょう。
〈大手化学メーカーC社様の事例〉
研修管理の業務負荷が大きく、新たな施策を考えるための時間が捻出できないことに悩んでいたC社は、グロービスが提供する学習管理システム「グロプラ」を導入し、大幅な業務効率化に成功しています。
研修管理にまつわるさまざまなプロセスを削減と自動化によって、施策を企画するための時間を生み出すことができました。
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〈ベンチャー企業E社様の事例〉
中途社員採用後のオンボーディングが現場任せで必要最低限のインプットになってしまっていたところを、オンボーディングにLMSを活用することで、早期な立ち上がりと現場定着を実現しました。
今までは配属後、現場によってインプットの量や質にバラつきが生まれ、ブラックボックス化していた定着化において、仕組化しながら前提知識の提供に加え、オンボーディングの難所を踏まえた打ち手や配属後の状況把握アンケートを実施することで改善活動にも活かすことができています。「使いやすさ」「企画支援」「運用設計」すべてを改善することで、課題であった中途社員のオンボーディングに成功しています。
自社に合ったLMSを導入するためには、プロセスに沿ってLMSを検討・導入する必要があります。LMSを導入する際は、以下の7つのプロセスに沿って導入すると良いでしょう。
LMS導入の第一歩は、「自社がLMSを導入する理由」と「LMS導入で達成したい目標」を明確にすることです。現状の課題(例:研修管理業務の効率化)と、理想的な状態(例:管理業務時間の半減)を明確にし、そのギャップを埋める目標を設定しましょう。
LMSの導入目的に合ったLMSを選定します。システムの形式(クラウド型・オンプレミス型)、機能、操作性、セキュリティ、サポート体制などを比較し、自社に最適なシステムを選びましょう。無料トライアルを活用して操作感を確認するのも重要です。
▶【資料ダウンロード】LMSの比較検討・意思決定のポイント ~システム選定時の要件チェックシート付き!~
選定したLMS提供会社と契約を締結します。契約に必要な書類(業務委託契約書やセキュリティに関する同意書など)を事前に確認し、社内の情報システム部門や法務部門と連携して準備を進めます。
LMSの環境構築を行います。必要な設定(アカウント作成、権限設定など)や、教材データの準備、外部システムとの連携が必要な場合は、提案段階で対応可否やスケジュールを確認しておきましょう。
受講者のアカウント登録や教材配信の設定を進めながら、LMSの運用フローを構築します。運用チームを編成し、教材の管理、システムメンテナンス、問い合わせ対応などの役割を明確にしておくことが重要です。小規模テスト運用を行い、システムやコンテンツの問題点や改善点を確認し、そのフィードバックをもとにシステムやコンテンツの最適化を目指します。
運用フローが整ったら、LMSの利用方法を社内に周知します。操作マニュアルの作成や説明会の実施、LMSの自動通知機能を使った案内メールの送信を活用し、スムーズな導入をサポートしましょう。定期的にLMSの効果を測定し、必要に応じてアップデートや追加トレーニングを行うことも重要です。
運用開始後は、管理者、受講者それぞれのフィードバックをもとにLMSを継続的に改善します。ステップ1で設定した目標がどの程度達成されたかを確認し、必要な調整や追加トレーニングを実施することで、学習効果の最大化を図ります。
LMS導入は、計画的な準備と運用が成功の鍵です。それぞれのステップを着実に進め、自社の課題に適したシステムを選びましょう。特に、導入後の運用改善を定期的に行うことで、長期的な成果を得られます。
グロービスが提供する「グロプラ」は、直感的な操作性と充実したサポート体制で、LMS導入から運用までをしっかりサポートします。導入をご検討の際は、ぜひお問い合わせください。
貴社の研修フローに合わせた活用方法をご提案しますので、まずはお問い合わせください
自社のニーズに合うLMSを選ぶ際には、機能、使いやすさ、コスト、サポート体制、カスタマイズ性などを考慮することが重要です。
LMSには、学習コンテンツの配信、進捗管理、テスト・評価機能、コミュニケーション機能(チャットやフォーラム)、データ分析などの基本機能があります。
LMSの導入費用は、クラウド型やオンプレミス型、ユーザー数、カスタマイズの必要性などによって異なります。費用項目は大きく分けて、初期費用と運用コストです。LMS の構築は個社ごとに必要となるシステム要件や環境など大きく異なるため、個別見積もりを取得することをおすすめします。
▶【関連記事】LMS(学習管理システム)の費用とは|相場や料金体系を解説
LMSは自社の正社員にLMSを提供するケースが多いですが、社内の正社員以外の業務形態である社員(パート・アルバイト)に向けた研修や、グループ会社・子会社、代理店向けの研修など、あらゆるシーンで活用いただくことができます。
LMSにコースコンテンツを追加するには、システムの管理画面から講義動画、テスト、アンケート、レポート課題、動画学習などのカリキュラムタイプでコンテンツを登録します。学習教材の準備方法として既存の教材を購入したり、制作会社に教材制作を依頼したり、自社で作成するといった方法があります。LMSによっては教材作成機能が備わっているものもあるので、自社で作成したい場合は導入前にしっかり確認しておくことをおすすめします。
LMSでは、管理画面上でユーザーを追加・削除でき、グループ分けや権限設定により、ユーザーごとに適切なコンテンツを提供することが可能です。ユーザーの登録は手作業で一人ひとり登録することもできますが、大企業のように登録するユーザー数が多い場合は、社員情報をリストにまとめたCSVファイルをLMSに読み込ませる機能があると一括登録ができるため便利です。
現在のLMSを継続するか、新しいものに切り替えるか。その判断は容易ではありませんが、「操作方法が複雑でLMSを使える担当者が限定されている」「学習データの量・質が不足しており分析に使えない」など、LMSを見直すべき明確なサインは複数存在します。チェックリストなどを活用して、具体的に自社システムと照らし合わせた時に目的を満たせているのかどうか、慎重に検討することが重要です。
▶【関連記事】今のLMSは見直すべき? 切り替え基準と失敗を防ぐ7つのポイント
【顧客の課題に寄り添い、研修の成果創出まで伴走するLMS 「グロプラ」のご紹介】
弊社グロービスの提供するLMS、「グロプラ」は、誰でも簡単に操作できる直感的なユーザーインターフェースと、充実した導入サポートが特徴のクラウド型学習管理システムです。お客様に寄り添い、課題の言語化から、本当に必要なLMSの見極め、そしてシステム導入までしっかりサポートさせていただきます。自律的な学習を効果的に支援し、組織全体の学習成果を最大化するために、ぜひお気軽にご相談ください。
グロプラで解決できる課題
研修運用を担う人事部の負担軽減だけでなく、
学習活性化や育成施策の改善など、組織全体の育成も加速させます
研修オペレーションの
工数を大幅に削減
管理業務が削減されることで、人事戦略の検討などに時間を使うことができます
誰でも運用管理ができて
脱・属人化
研修運用を標準化でき、全社や部門別の研修にも質の高い学びを展開できます
受講者が学びたい研修を
すぐに見つけられる
見やすいデザインとカスタマーサクセス担当による研修設計支援で、学びを活性化します
受講履歴や研修評価の
データを見える化
育成施策の改善や人的資本開示に向けて、分析〜仮説立案〜アクションまで支援します
貴社の研修フローに合わせた活用方法をご提案しますので、まずはお問い合わせください
LMS(学習管理システム)は、社員や受講者の成長を支える「学習のプラットフォーム」として、組織の人材育成に欠かせない存在です。eラーニングや社内研修を一元管理し、学習進捗や成果を可視化することで、効率的かつ効果的な教育環境を提供します。
この「学習のプラットフォーム」を活用することで、個人の学びを支援するだけでなく、組織全体の学習文化を醸成し、持続的な成長を実現することが可能です。また、時間や場所にとらわれず柔軟に学べる環境を整えることで、リモートワークや多様な働き方にも対応できます。
一方で、LMSの導入と運用には、事前の戦略設計や目的の明確化が重要です。自社に適したシステムを選定し、効果的な活用方法を探ることで、LMSの効果を最大化できます。また、学習データを活用して継続的な改善を図ることが、長期的な成果につながります。
LMSは、単なるツールではなく、組織の学びを支える「基盤」として機能します。本コラムでご紹介した内容をもとに、自社に最適な「学習のプラットフォーム」を導入し、人材育成の新しいステージへ踏み出してみてはいかがでしょうか。
LMSの導入や活用についてのご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
貴社の研修フローに合わせた活用方法をご提案しますので、まずはお問い合わせください