LMS(学習管理システム)を導入する際は、自社に適したLMSを選ぶうえでLMSにどのような機能があるかを理解しておくことが欠かせません。しかし、LMSに備わっている機能について詳しく知らない方もいるでしょう。本記事では、LMSの主な機能一覧と選び方のポイントについて解説します。
目次
LMS(学習管理システム)は、eラーニングをはじめとした社内のあらゆる研修や学習コンテンツを集約して管理できるシステムです。パソコンやスマートフォンなどのデバイスを使ってシステムにアクセスすることで、受講者は時間や場所の制約なくオンライン学習が可能になり、管理者は教材配信や学習進捗確認が可能になります。
LMSの導入によって研修管理業務の効率化が図れるだけでなく、社員一人ひとりの学習をサポートできるようになるため、学習効果の向上も期待できるでしょう。
LMSにはさまざまな機能が備わっており、人事業務、研修業務、教育業務の効果的・効率的な実施に役立ちます。LMSの主な機能一覧は以下の7つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
LMSには学習教材の管理・配信機能が備わっています。受講の対象者や実施日時などの条件を指定することで、対象となる社員に特定の学習教材を自動で配信できるようになります。LMSに社員のアカウントを作成する際、入社日や部署などの情報を登録できるので、グループ別・属性別に教材を配信することも可能です。
また、LMSではeラーニングなどの動画教材以外にも、集合研修やオンライン研修も管理することができます。必須で受けるべき研修を全社員に向けて案内したり、選抜型研修を特定の社員のみに案内したりと、研修の運用フローに応じて管理することが可能です。
LMSには学習状況の進捗・成績の管理機能が備わっています。受講者ごとの学習進捗状況をリアルタイムで把握したり、テストの成績を一覧で確認したりすることが可能です。そのため、「どの程度理解しているか」「学習が問題なく進められているか」といった分析に役立つでしょう。
また、受講履歴が蓄積されることによって得意・不得意の分野の把握もできるので、「不得意分野を克服するための教材を配信する」というように、社員一人ひとりに合った個別フォローが可能です。
LMSには自動メール機能が備わっています。研修受講のお知らせや課題提出期限のリマインドなど、自動で受講者にメール通知を行えるようになります。たとえば、研修の開始1週間前に対象者全員にメールを配信し、研修の終了3日前に未受講者だけを選んで受講催促のリマインドメールを送付することで、受講漏れの防止につながります。
LMSにはテストやアンケートを配信する機能が備わっています。テスト機能を活用すれば、学習の理解度を確認できるようになります。テスト問題は記述式や択一式、複数選択式などを設定でき、合格基準の有無などの細かい設定が可能です。自動採点・集計もできるので、業務効率化に役立つでしょう。
アンケート機能を活用すれば、アンケート結果をもとに研修内容を変更・追加するなどの研修の改善に役立てられます。アンケート結果も自動で集計できるため、手間の削減につながります。
LMSには課題提出機能やフィードバック機能が備わっています。研修の受講後にレポートをはじめとした課題を出すことで、テスト機能と同様に受講者の理解度を把握することができます。また、LMS内で課題提出が可能なので、受講後の課題提出がスムーズに行えるようになります。
フィードバック機能は、提出された課題に対してフィードバックや評価を実施できます。フィードバックを行うことで、学習効果の向上や受講者のモチベーション維持が期待できるでしょう。
LMSにはマルチデバイス機能が備わっています。マルチデバイスとは、パソコンやスマートフォン、タブレットなど複数のデバイスからLMSにアクセスできる機能のことです。
従来のeラーニングでは、職場や自宅のパソコンに向かって受講する必要がありました。マルチデバイス機能が備わっているLMSを導入すれば、時間や場所の制約なくスマートフォンやタブレットからも学習を行うことができます。通勤移動中をはじめ、スキマ時間を活用して効率良く学習を進められるでしょう。
LMSにはセキュリティ強化の機能が備わっています。LMSは社員の個人情報や成績情報などの社外秘情報を含んでいるため、情報漏えいのリスクを防ぐためにもセキュリティ対策が求められます。
社外秘情報を含む研修を実施する際は、社内のネットワーク環境下以外では受講不可というようにアクセス制限を設けることが可能です。なかにはSSL通信+アクセスキー認証や顔認証などによって外部からの不正アクセスを防止する機能が備わっているLMSもあるため、セキュリティ強化につながるでしょう。
LMSはあらゆる機能を搭載していることで、受講者にとっても管理者にとっても大きなメリットをもたらします。LMSで実現できることとして、以下の3つをご紹介します。
eラーニングはいつでもどこでも学習できるというメリットがある一方で、eラーニング単体だけでは、受講の有無や学習進捗状況、研修内容の定着度などを把握することはできませんでした。これらの情報を把握して共有するには、多大な手間がかかってしまいます。
LMSを導入することで、受講履歴や学習進捗状況、テストによる研修内容の定着度を確認できるようになります。LMSから取得したデータをもとに今後の研修や教育に役立てれば、社員一人ひとりに合った学習コンテンツを提供でき、eラーニングの学習効果を最大化できるようになるでしょう。
研修実施においては、受講者リストの作成や受講者のスケジュールの調整、提出課題の管理やリマインド、実施後アンケートの回収など、研修運営業務に多大な手間がかかっていました。
LMSを導入すれば、受講者の指定や受講案内の送付、提出課題やテスト・アンケートの回収やリマインドメールの送信など、研修管理にかかるオペレーション業務を自動化することができ、効率的な研修実施が可能になります。また、これまで一元管理が難しかった社員の学習進捗状況や受講履歴なども、受講者ごとに管理ができるようになるため、研修の効果測定にも貢献します。
LMSを導入すれば、受講者ごとに学習進捗状況や受講履歴、テストの結果などを確認できるため、社員一人ひとりの受講内容に基づいて個別フォローを行えるようになります。また、フォローアップにくわえて受講者自身が学習進捗状況や成績を把握することで、自分の立ち位置や学習をどのように進めるべきかが明確になり、学習に対するモチベーションも向上します。
自動メール配信機能を活用すれば、受講の案内や課題提出などのリマインドもでき、受講漏れや課題提出漏れを防げるようになります。学習データを取得して研修の改善点を明確にすることで、より良い研修・学習を提供できるようになり、結果的に社員の学習意欲の向上にもつながるでしょう。
LMSには、さまざまな機能が搭載されています。しかし、LMSによってそれぞれ機能や特徴が異なるため、どのLMSが自社に適しているか選定に悩む場合もあるでしょう。LMSを選定・導入する際のポイントは、以下の4つです。
なぜ自社でLMSを導入するのかを明確にすることが大切です。そのため、まずは自社が現状どのような課題を抱えているのかを洗い出しましょう。たとえば、「研修運営業務の手間がかかり、担当者の負担が大きい」「社員がなかなか公募研修を受講してくれない」「研修効果測定やデータ分析ができず、育成施策のPDCAを回せていない」といった課題が挙げられます。
自社が抱える課題に対して、LMSを導入することでどのように改善したいのかを整理すれば、現状と理想のギャップを埋めるために必要なLMSの要件が明確になります。
たとえば、研修管理業務の効率化が課題であれば、「自社の研修管理業務のフローとの親和性があるか」「管理画面が使いやすいか」などの点を重視するべきでしょう。社員の研修受講率向上などの自律学習の促進が目的であれば、「受講者がより受けたくなるような受講者画面か」というように、受講体験に重きを置いているLMSであることを要件に含めましょう。初めてLMSを導入する場合は「導入後も手厚くサポートしてくれるか」といったサポートの有無も重要なポイントです。
このように、自社の課題を洗い出すことによって、自社に最適なLMSを選定しやすくなります。
関連記事「LMS導入に必要な7つのプロセス|メリットと導入のポイント」
LMSを提供しているベンダーを決める際はLMSベンダーを1社だけに絞るのではなく、複数のベンダーを比較することが重要です。機能の豊富さを重視してLMSを導入する企業は多いですが、機能が充実していることが必ずしも課題解決につながるとは限りません。機能要件だけでLMSベンダーを比較検討することは大きなリスクを伴う可能性があります。
たとえば、必要な機能が備わっているLMSでも、操作が煩雑だと使いづらいため社内に定着しないでしょう。逆に、導入コストの低さだけでベンダーを決定してしまうと、導入したLMSに必要な機能が備わっていなかったというケースも考えられます。
複数のベンダーを比較する際は、機能や操作性、コスト、サポート体制、セキュリティ面、導入実績など多角的な視点から検討して総合的に判断することが重要です。
LMS導入目的を果たすための要件を見極めることが、自社に必要なLMSの選定につながります。
ベンダーの選び方にお悩みの方は以下の資料を参考にして下さい。
参考資料「LMSの比較検討・意思決定のポイント」
LMSを提供しているベンダーは、無料トライアルやデモ版の提供を行っていることが多いです。そのため、導入前にトライアルやデモ版を利用して、実際にLMSを触ってみることをおすすめします。
実際に触ってみることで、操作性や使い心地などを確認できます。LMSは管理者も受講者も使用するものなので、管理者と受講者それぞれがLMSを触ってみて、「直感的に使いやすいか」「操作に迷わないか」「サクサク動くか」といった点を確認するようにしましょう。
ツールの使いやすさは、社内定着につながる重要なポイントです。ベンダーを比較検討する際は、特に重視しておきたい要素といえます。
LMSはただ導入しただけではあまり効果を発揮しません。LMSに搭載されている受講者の学習進捗状況や成績の管理機能を使って、データを活用することが大切です。LMSで収集したデータを活用すれば、受講者ごとの実績を可視化できるため、人事評価に役立てることもできます。
また、LMSで収集したデータを分析することで、研修・教育の改善や再検討にもつなげられるようになります。たとえば、受講率が低い教材がある場合、その教材の難易度が高かったり質が低かったりする可能性が考えられます。集計したデータをもとに改善を繰り返していくことで、質の高い学習コンテンツを提供できるようになり、学習効果の高い研修・教育の実施が可能になるのです。
LMSにはさまざまな機能が備わっており、LMSを導入することで研修運営業務の手間の削減や学習効果の向上が期待できるといったメリットが得られます。自社の課題を解決するためには自社に必要な要件を整理する必要があり、機能やその他の要件から総合的に判断してLMSを選定することが求められます。
「GLOPLA LMS」は、操作のしやすさと導入支援によって誰でもサクサク使いこなせる学習管理システムです。数クリックで研修・アンケート・テストなどを作成でき、スムーズな進捗管理も可能です。また、カスタマーサクセスが導入後の定着から運用までサポートするため、初めてLMSを導入される場合でも安心でしょう。LMSの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご連絡ください。