今のLMSは見直すべき? 切り替え基準と失敗を防ぐ7つのポイント

・今の学習管理システム(以降「LMS」)を使い続けるのが本当にベストなのだろうか?
・新たなLMSに切り替えれば、もっと効率的・効果的な人材育成が実現できるのだろうか?
・LMSを変更する場合、どのような観点で選べばよいのだろう?

現在のLMSに疑問を感じ始めている方は、このようなお悩みを抱えているのではないでしょうか。

30年以上にわたり、累計6,700社超の人材育成を支援してきたグロービスでは、時にLMSの見直しがよりよい教育環境の構築につながると考えています。
現在のLMSを継続するか、新しいものに切り替えるか。その判断は容易ではありませんが、「操作方法が複雑でLMSを使える担当者が限定されている」「学習データの量・質が不足しており分析に使えない」など、LMSを見直すべき明確なサインは複数存在します。

本コラムでは、1章でそのサインをチェックリストにまとめてご紹介します。更に切り替えを決めた方に向けて、2章では自社に最適なLMSを選ぶための詳細なチェックリストもご用意しました。どちらも無料でダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。
またチェックリストに加えて、切り替え時の具体的な進め方や、実際の成功事例もあわせてご紹介しています。

最後までお読みいただければ、「継続か切り替えか」を自信をもって判断し、切り替える場合には、チェックリストをもとに、自社に最適なLMSをご選択いただけることと思います。

目次

1 当てはまっていたら注意! LMSを変更した方が費用対効果を高められる状況8パターン【チェックリスト付き】

企業の人材育成においてLMSは重要な役割を果たしますが、必ずしも現在のシステムが効果的に機能しているとは限りません。業務効率や学習効果を最大化するためには、必要に応じてLMSの見直しを検討することが大切です。

ここでは、LMSを変更した方が費用対効果を高められる8つの状況をご紹介します。1つでも当てはまる場合は、切り替えに向けて具体的に検討を進めることをおすすめします。

1-1 操作方法が複雑で、LMSを使える担当者が限定されている

LMSを見直すべき最も代表的な状況は「操作方法が複雑で、使える担当者が限定されている」というものです。特定の社員しかLMSを操作できない場合、急な人事異動や休職に伴って運用が滞ってしまう恐れがあります。後任の方が操作方法を一から学ぶための時間も発生し、業務効率が下がってしまうでしょう。

なお、「人事部のメンバーが使えれば問題ない」というわけではありません。人事部に限らず、各部門の研修担当者もきちんと使いこなせているかを確認しましょう。LMSのメリットの一つは「社内で実施している研修を一元管理(可視化)することによって、研修運営の工数を削減できること・学習データを蓄積して活用できること」です。そのメリットを享受するためには、研修に携わる全ての担当者がLMSを適切に活用できることが前提となります。

※関連コラム:LMS(学習管理システム)のメリットとは? 導入すべきケースや成功事例も紹介

1-2 システムが使いにくく、社員の学習意欲が削がれている

システムの使いにくさが原因で、社員の学習意欲が下がってしまっている場合も注意が必要です。
「欲しい情報にすぐに辿りつけない」
「動作が重くサクサク動かない」
「画面表示がスマホ対応しておらずストレスを感じる」
このような状況は社員のモチベーション低下を招きます。こうした状態が続くと「LMS=面倒なもの」という印象が広がり、使用頻度が減ってしまうでしょう。せっかくの研修機会が生かされないだけでなく、学習文化が根付かなくなるリスクもあります。

1-3 社員からの問い合わせが頻発しており、サポートコストがかかっている

社員からの問い合わせが頻発し、人事部や研修担当者のサポートコストが増えている場合もLMSの見直しを検討しましょう。
「操作方法がわからない」
「エラーが発生する」
といった問い合わせが続けば、管理者側がサポートに割くリソースが膨らみ、本来の業務が圧迫されてしまう可能性があります。
社員が自律してLMSを活用できる状態にするためには、マニュアルを読まずとも、直感的に操作できるシステムであることが不可欠です。

1-4 学習データの量・質が不足しており、分析に使えない

蓄積される学習データの量や質が不十分で効果的な分析に生かせていない、というのもLMSの見直しが必要なサインです。
「社内で実施している研修(人事部主導もの、各部門で実施しているもの)がどれだけあるのか」
「どの社員がどの研修を受けているのか」
「学習の進捗や成績はどうか」
といった情報が十分に把握できないと、研修の効果や改善点を正確に把握することが難しくなってしまいます。
また、学習状況を示すデータは、人的資本経営や戦略人事を実現するうえでの一つの大きな手掛かりにもなり得ます。そのため、データが散在している、一部の情報しか取得できない状態になっている、という場合は注意が必要です。

※関連コラム:人的資本経営とは?成功の4つのステップと実践事例をわかりやすく解説
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1-5 LMS提供会社のサポートが不十分で、トラブルを早期に解決できない

LMS提供会社のサポートが不十分でトラブル対応に時間がかかっている場合も、見直しを検討することをおすすめします。システムに関する疑問やトラブルが発生した際に迅速なサポートが受けられないと、研修の計画や進行に影響を及ぼす可能性があります。特に繁忙期や重要な研修が集中するタイミングでは、大きな問題につながってしまうかもしれません。

1-6 データ格納容量に制限があり、研修コンテンツを十分に扱えない

続いてLMSを見直すべきサインは「データ格納容量に制限があり、研修に必要なコンテンツを十分にアップロードできない場合」です。容量不足により新たな研修資料や動画コンテンツを追加できない場合、研修の内容が限られてしまい、人材育成の幅が狭まります。また、容量を確保するために古いデータを削除する必要が生じると、過去の学習記録が適切に保管できなくなるリスクもあります。
容量に制限がない、または拡張が容易なLMSに移行することで、必要なコンテンツを十分に提供できる環境を整えることをおすすめします。

1-7 同時アクセス数に制限があり、学習が円滑に進まない

データ格納容量と同様、「同時アクセス数」に制限がある場合も注意が必要です。特に多くの社員が一斉にアクセスする集合研修やeラーニングの際、システムに負荷がかかり、ログインできない、動作が遅くなるといった問題が発生する可能性があります。このような状況が繰り返されると、社員の学習意欲を損ない、LMSへの信頼感も低下してしまいます。
全社員が円滑に利用できる環境を整えることは、研修運営の大前提です。同時アクセス数の上限がない、または柔軟に拡張可能なLMSに切り替えることをおすすめします。

1-8 データ容量の追加やアクセス逼迫対策に追加費用がかかり、年々コストが増えている

データ容量の追加や同時アクセス数の拡張に対して追加費用が発生し、運用コストが増加している場合も見直しを検討した方がよいでしょう。研修プログラムの多様化や社員数の増加に伴ってコストが増え続けることが予想されるため、長期的に見ると費用対効果に不満が生じる可能性があります。また、予算を圧迫することによって、他の重要な投資が制限されてしまう恐れもあるでしょう。
運用コストが過剰にかかっていると感じる場合は、LMSの見直しを検討するか、コスト面の課題を解消できるかどうかを確認することが重要です。

※関連コラム:LMS(学習管理システム)の費用とは|相場や料金体系を解説

以上の8つは代表的な「LMSを見直した方がよい状況」です。繰り返しになりますが、1つでも当てはまる場合は、切り替えに向けて具体的に検討を進めることをおすすめします。
以下に詳細なチェックリストをご用意しましたので、自社のLMSに改善の余地があるかどうか、ぜひ一度確認してみてください。



※上記よりエクセルデータをダウンロードできない場合は、こちらからPDFデータのダウンロードをお試しください。

2 自社に最適なLMSを選ぶために押さえるべき7つのポイント【チェックリスト付き】

ここからは、実際にLMSの切り替えを決めた場合、どのような観点で自社に最適なものを選べばよいか解説します。見るべきポイントは多数ありますが、最低限押さえておきたいのは以下の7つです。

2-1 現在のLMSの問題点が解消できるか

LMSを切り替える場合、まず確認したいのは「現状のLMSの問題点が解決できるかどうか」です。例えば「操作方法が複雑で、研修担当者や社員が使いこなせていない」「学習データの分析ができず、育成施策のPDCAを回せていない」といった既存システムの問題が改善されるかどうかを確認しましょう。課題の洗い出しにあたっては、1章でご紹介したチェックリストをぜひご活用ください。

LMSを提供している会社の多くは、無料トライアルやデモ版の提供を行っています。そのため実際にLMSを触りながら操作性や機能性を確認し、課題がクリアできるかどうかを見定めましょう。現在のLMSが抱える課題が解消されないままでは切り替えの効果も半減してしまうため、慎重に見極めることをおすすめします。

2-2 データ移行がしやすいか

LMSを切り替える際には、新しいシステムへのデータ移行がスムーズに行えるかどうかも重要なポイントです。受講履歴や学習進捗データ、研修コンテンツなどの移行に手間やコストがかかりすぎると、切り替えのメリットが薄れてしまいます。
特に、膨大な量のデータを扱う場合は、LMS提供会社から受けられる移行サポートの内容を事前に把握しておきましょう。データ移行をどの程度任せられるのか(または自動化できるのか)、手作業が必要な部分がどれくらいあるのかを確認することをおすすめします。

2-3 操作が簡便か

新しいLMSを選ぶ際には、「操作の簡便性」も重要なポイントです。ここでいう簡便性とは「初見の人でも、マニュアルを見ずに直感的に使えること」を指します。この要素が欠けていると研修担当者や社員の利用頻度が下がり、せっかく導入したLMSの価値を十分に発揮できなくなる恐れがあります。
操作の簡便性を確認するには、無料トライアルやデモ版の活用が効果的です。日常的な利用シーンを想定しながら、「主要な操作が少ない手順で完結するか」「エラー発生時に解決方法が画面上でわかりやすく提示されるか」など、実務に即した視点で確認しましょう。

インタビュー全文はこちらから:「自主学習文化」醸成を目指し、質の高い学びをいつでも受けられる仕組みを構築

2-4 導入・運用サポートの範囲が希望と合っているか

LMSを選ぶ際には、自社が希望するサポートを受けられるかどうかを確認することが重要です。運用サポートの範囲は広く、「システムの初期設定」や「使い方の説明」といった基本的な導入支援までの場合もあれば、「研修効果を高めるための設計や活用方法のアドバイス」まで含まれる場合があります。
サポート範囲や内容について、具体的には次のような点をチェックしましょう。

  • 初期設定やデータ移行の具体的なサポート内容
  • 操作説明やトレーニングの提供有無
  • トラブル対応のスピード
  • 研修設計や効果向上に関するコンサルティングの有無

これらを事前に確認することで、導入後の負担を軽減し、より効果的な研修運営を実現できます。

インタビュー全文はこちらから:人事部と各部門が一体となりGLOPLA LMSを活用し、社員が学びたい時に学べる環境を整備

2-5 幅広い形式・内容のコンテンツを提供できるか

LMSを選ぶ際には、提供できるコンテンツの多様性も重要なポイントです。企業の研修ニーズは幅広いため、様々な形式や内容のコンテンツが利用できるかを確認する必要があります。
具体的には、次のような点をチェックしましょう。

  • 動画、テキスト、アンケート、クイズなど、複数の形式でコンテンツ提供が可能か
  • ビジネススキルや業界知識など、汎用的な研修コンテンツが標準で用意(プリセット)されているか
  • 自社独自の研修プログラムを作成・配信できるか
  • 他のeラーニング教材や市販の学習プラットフォームとの連携が可能か

今後研修内容を改善する、または研修ラインナップを拡大する可能性がある場合は、特にこれらの点を確認しておくことが大切です。

インタビュー全文はこちらから:職種問わず誰でも使いやすいGLOPLA LMSで、社員の自律的な学習とキャリア構築を実現

2-6 分析に役立つ学習データが取得できるか

研修効果を測定し改善につなげるために、取得できる学習データがどれだけ充実しているかも重要なポイントです。

例えば次のような点を確認し、研修の現状把握や課題抽出がスムーズに行えそうか見極めましょう。

  • 学習進捗や完了率、受講時間などの基本的なデータが収集できるか
  • クイズやテストの結果を通じて、理解度やスキル習得状況を分析できるか
  • 部門別や社員個別の学習データを詳細にレポートできるか

分析結果をもとにした改善サイクルを回すことで、研修の効果を持続的に向上させることが期待できます。

2-7 長期的なコストがどのくらいかかるか

初期導入費用や月額利用料だけでなく、長期的なコストも考慮する必要があります。一見すると安価に思える場合でも、以下のような追加費用が頻繁に発生すれば、長期的には予算を圧迫する可能性があります。

  • データ容量の増加に伴う費用
  • 同時アクセス数の上限を引き上げるための費用
  • 必要に応じてサポートサービスを追加する際の費用

これらは当初の見積もりには含まれていない場合が多く、運用が軌道に乗るほどコストがかさんでしまうこともあります。
また、システム更新や機能拡張に伴うアップグレード費用がかかる場合もあります。導入後にどのような場面で追加費用が発生するのかを具体的に確認し、総合的に判断することが大切です。
LMSは一度導入すると長期的に運用されることが多いため、初期費用だけでなく、数年先を見据えたコスト評価が最適な選択につながります。

※関連コラム:LMS(学習管理システム)の費用とは|相場や料金体系を解説

以上の7つが最低限押さえておきたいポイントです。その他の項目についてはチェックリストでご紹介しておりますので、ぜひダウンロードしてご確認ください。網羅的に注意点を確認すれば、失敗なく自社に最適なLMSを選べるでしょう。



3 実際にLMSを切り替える・変更する際の流れ

ここでは、LMSを切り替える際の流れを具体的にご説明します。既存データの移行や運用の引き継ぎが発生するため、LMSを新規導入する場合と比べて、より綿密な準備が必要です。
8つのステップを計画的に進めることで、切り替え後の混乱を最小限に抑え、スムーズな運用を実現しましょう。

【ステップ1】現状のLMSの課題と必要な要件を整理する

はじめに「現状のLMSの課題」と「新しいLMSに求める要件」を整理しましょう。ここは自社に最適なLMSを選ぶうえで、最も重要なプロセスといえます。
まず、現在のLMSにどのような課題があるかを洗い出します。「操作方法が複雑で、研修担当者や社員が使いこなせていない」「学習データの分析ができず、育成施策のPDCAを回せていない」など、具体的な問題点を把握しましょう。このプロセスは人事部だけで完結させるのではなく、現在LMSに「管理者」として関わっている全ての人に話を聞くことが大切です。各部門の研修担当者のほか、情報システム部門、法務部門、経理部門など、関係者は多岐に渡るでしょう。それぞれの利用目的や利用方法(運用フロー)、利用頻度を確認したうえで、課題を網羅的にリストアップします。
問題点の洗い出しが済んだら、それをふまえて新しいLMSに必要な要件を整理しましょう。例えば「誰でもマニュアルを見ずに直感的に使えること」「効果測定に必要なデータが取得できること」など、自社の運用ニーズに即した条件をリストアップしてください。
この段階での情報整理が、後の選定プロセスをスムーズに進める土台となります。



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【ステップ2】複数のLMSを比較する

選定にあたっては、複数のLMSを比較することが重要です。この比較検討のプロセスの中で、ステップ1で整理した自社の課題や要件がより明確になる場合も少なくありません。デモ版を複数見比べながら操作性や機能性を確認し、自社のニーズに最もマッチしたシステムを選びましょう。

なお、情報収集やデモ版の確認にあたっては、次の2点にご注意ください。

① 機能の充実性が必ずしも業務改善や課題の解決につながるとは限らない
情報収集の段階では、各社から「このような機能がありますよ」とPRを受けることが多いでしょう。そのため機能面に目が向きやすくなりますが、いくら機能が充実していても本当に必要とは限りませんし、研修担当者や社員が使いこなせるとも限りません。
機能の豊富さだけではなく、操作性やセキュリティ面、コスト、導入後のサポート体制なども加味して、総合的に判断することが重要です。

② 「本番環境になったら動作が遅くなる」リスクを考慮する
デモ版ではサクサク動いているように見えても、本番環境でデータ量が増えると動作が遅くなる場合があります。このような懸念がないか、LMS提供会社に確認しておくことが重要です。特に大規模な研修や高頻度での利用を予定している場合、システムの耐久性やパフォーマンスをしっかりと見極めましょう。



【ステップ3】社内関係者の合意を得る

LMSの選定が進んだら、社内関係者の合意を得るプロセスに移ります。最終判断を行うのは経営陣ですが、経営陣への説明だけでなく、ステップ1で話を聞いた社内関係者(各部門の研修担当者、情報システム部門、法務部門、経理部門など)にも説明する必要があります。
これまで整理した情報をもとに、LMSの切り替えがどのようなメリットをもたらすのかを明確に示しましょう。以下のポイントを盛り込むと効果的です。

「今使っているものをやめたい」という話は、聞き手側の心理的ハードルが高くなるものです。了承を得るためには、聞き手が関心をもつ点を意識して説明することがポイントです。例えば経営陣に対しては人事戦略や人事課題と紐づけて説明する、情報システム部門に対してはリスク回避の観点を、部門の研修担当者に対しては業務効率化の観点を重点的に話すなど、相手によって強弱をつけるポイントを変えましょう。
また、LMS導入後の運用イメージや長期的なメリットをわかりやすく伝えることで、合意形成を行いやすくなります。

LMSの切り替えにあたっては、この「社内合意形成」までのプロセスが最も大変だといっても過言ではありません。LMSの提供会社がサポートしてくれる場合もありますので、問い合わせてみるとよいでしょう。

グロービスが提供するLMS「GLOPLA LMS(以降、グロプラ)」では、課題整理から社内合意形成まで、一連のプロセスをご支援しています。お客様企業の人材育成の方向性をふまえて現状と課題を整理したうえで、「課題解決に向けたご提案」や「社内合意形成に向けて考えるべき論点整理」を行います。

※課題整理のイメージ



▶グロービスが提供するLMS「グロプラ」について、詳細はこちら

【ステップ4】契約を締結する

社内合意を得てLMSの導入が正式に決まったら、契約締結のステップに進みます。契約書の内容をしっかりと確認し、自社の運用に適した条件が盛り込まれているかを確認することが重要です。特に以下の点を確認しておきましょう。

また、契約書の確認にあたっては、必要に応じて自社の情報システム部門や法務部門の意見を仰ぎ、見落としがないようにしましょう。このステップを丁寧に進めることで、導入後のトラブルリスクを大幅に軽減できます。

【ステップ5】運用フローを構築する

契約が締結できたら、LMSを自社で利用できるようにするための環境構築を行います。LMS提供会社に自社に必要な要件を伝えて、自社専用の環境を開設してもらいましょう。
環境構築が完了したら、受講者データの登録や本番環境でのテスト運用、サポート体制の整備など、運用開始に向けて準備を進めていきます。以下の手順で進めるとスムーズです。

【ステップ6】データの移行計画を策定し、実行する

運用フローが整ったら、現在のLMSから新しいLMSへのデータ移行を進めます。データ移行はLMS切り替えの成功を左右する重要なプロセスです。事前準備を徹底することで、不具合が発生するリスクを最小限に抑えましょう。
以下の手順で進めるとスムーズです。

【ステップ7】社内周知を行う

運用体制や運用フローの構築が完了したら、LMSの利用者(研修の受講者)となる社員に周知します。操作マニュアルを作成し、説明会を実施しましょう。マニュアルを見ずとも直感的に操作できるLMSが理想ではありますが、問い合わせの削減や対応効率化の観点から、用意しておくと安心です。
なお、社員向けの周知にあたっては、その上長を巻き込むことも忘れないようにしましょう。上長が新しいLMSの価値や目的を理解していれば利用促進の後押しになりますし、研修実施後のフォローアップもスムーズに行えます。

【ステップ8】運用改善のPDCAを回す

LMSは「運用を開始したら終わり」ではなく、改善のPDCAを回していくことが大切です。以下のポイントを定期的に確認し、LMSの効果を最大化していきましょう。

・ユーザーからのフィードバック
利用者からの意見や要望を収集し、改善に取り組みましょう。ブラッシュアップを続けることで、学習効果の向上や業務効率化につながります。

・新しいLMSに期待した効果の達成度合い
ステップ1で整理した「新しいLMSに求める要件」がどの程度満たされているかも確認しましょう。「研修担当者や社員が迷わず利用できているか」「効果測定に必要なデータが十分取得できているか」などの達成度合いを評価することで、期待値との差分に応じて必要なアクションを取りやすくなります。

運用開始後は、想定外のトラブルや課題が発生することもあります。こうした状況に対応するためにも、LMS提供会社のサポートを積極的に活用しましょう。特に伴走型のサポートを提供しているところであれば、課題解決を迅速に行い、運用改善をスムーズに進められます。

4 LMSを切り替えるなら、グロービスの学習管理システム「グロプラ」がおすすめ

現在のLMSに課題を感じ、切り替えを検討されている方には、グロービスが提供する「グロプラ」をおすすめします。
LMS切り替え時の不安や課題の解消につながる機能やサポートも充実しているため、安心してご利用いただけます。

<グロプラが切り替えにおすすめな理由>
① 誰でも使いこなせる直感的なUI・UX
グロプラは、リテラシーを問わず、誰でも直感的に操作できる点が特徴です。切り替え時に多くの企業様が懸念されるのが「新しいシステムへの馴染みやすさ」でしょう。グロプラには複雑なマニュアルは必要ないため、研修担当者や社員がスムーズに利用を開始できます。

実際に体験いただけるデモ版もご用意しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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② 切り替え前だけでなく、切り替え後も一貫してサポート。社員の自律学習を成功に導く

グロプラは、これまでのLMSでは叶えられなかった「人が育つ」ことを実現する学習管理システムです。切り替え前の「社内合意形成」に向けた課題整理をご支援するだけでなく、切り替え後には、社員の自律学習推進に向けて専門チーム(カスタマーサクセス)が伴走します。
社員の自律学習を促進するためには、

  • 学習したいコンテンツがあること(データ活用によるニーズの把握)
  • いつでも学習可能な環境があること(学習環境の整備)
  • 人事が企画時間を確保できること(研修業務の効率化)

が必要です。これまで6,700社以上に研修をご提供してきたノウハウを生かし、グロービスのカスタマーサクセスが、真の人材育成の成功をサポートします。

③「GLOBIS 学び放題 ライト」を無償でご提供
「GLOBIS 学び放題 ライト」とは、動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」がもつ3,600コース・16,300動画の中から、厳選された約370コンテンツ をGLOPLAで視聴できる機能です(※)。グロプラを導入いただくと、追加のご契約や料金不要で「GLOBIS 学び放題 ライト」のコンテンツを活用できます。これらを社内研修の一部としてご活用いただくことによって、研修準備の負担を軽減することが可能になります。
(※)2024年12月時点での提供数。提供対象となるコンテンツや合計数は、今後変更の可能性があります。

▶「GLOBIS 学び放題 ライト」について、詳細はこちら(外部サイトに遷移します)

LMSの切り替えを検討されている方は、ぜひグロービスにご相談ください。

最後に、本記事でお伝えしたポイントは以下の通りです。

以下の状況に1つでも当てはまる場合は、LMSの見直しを検討するのがおすすめ。

・操作方法が複雑で、LMSを使える担当者が限定されている
・システムが使いにくく、社員の学習意欲が削がれている
・社員からの問い合わせが頻発しており、サポートコストがかかっている
・学習データの量・質が不足しており、分析に使えない
・LMS提供会社のサポートが不十分で、トラブルを早期に解決できない
・データ格納容量に制限があり、研修コンテンツを十分に扱えない
・同時アクセス数に制限があり、学習が円滑に進まない
・データ容量の追加やアクセス逼迫対策に追加費用がかかり、年々コストが増えている

自社に最適なLMSを選ぶためには、少なくとも7つのポイントを確認することが重要。

・現在のLMSの問題点が解消できるか
・データ移行がしやすいか
・操作が簡便か
・導入・運用サポートの範囲が希望と合っているか
・幅広い内容・形式のコンテンツを提供できるか
・分析に役立つ学習データが取得できるか
・長期的なコストがどのくらいかかるか

LMSを切り替える際は、8つのステップを計画的に進めることでスムーズな運用が期待できる。

ステップ1 現状のLMSの課題と必要な要件を整理する
ステップ2 複数のLMSを比較する
ステップ3 社内関係者の合意を得る
ステップ4 契約を締結する
ステップ5 運用フローを構築する
ステップ6 データ移行計画を策定し、実行する
ステップ7 社内周知を行う
ステップ8 運用改善のPDCAを回す

LMSの見直しについて、具体的なイメージをおもちいただけたでしょうか。現在のLMSに何かしらのお悩みを抱えている場合は、グロービスにお気軽にご相談ください。

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執筆者プロフィール

梁島 理美
Yanashima Rimi

慶應義塾大学文学部人文社会学科図書館・情報学専攻卒業後、花王株式会社に入社。法人営業、日用品・化粧品の売場戦略策定に携わる。
その後、2018年にグロービスへ。エンタープライズ企業の役員に対するナーチャリング施策の立案・運用、および、20名規模のセミナーから400名規模のカンファレンスまで、各種イベントの企画・運営を担当。
現在はBtoBマーケティング部門に所属し、Webコンテンツの企画・制作を担う。

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