LMS(学習管理システム)の使い方|活用シーンと研修を効果的に実施するポイントを解説

2024.08.19 更新 2023.12.18 公開

LMS(学習管理システム)を導入することで、eラーニングをはじめとした社内のあらゆる研修を効果的かつ効率的に実施できるようになります。しかし、LMSはどのように活用できるのか分からないという方も多いでしょう。本記事では、LMSの使い方と活用シーン、研修を効果的に実施するためのポイントを解説します。

LMS(学習管理システム)の使い方

LMS(学習管理システム)はさまざまな機能が搭載されているため、機能によって多様な使い方が実現できます。ここではLMSの代表的な機能である学習管理機能を中心に、LMSの使い方を見ていきましょう。LMSの主な使い方は以下の4ステップです。

1. ユーザーの登録

はじめに、LMSに研修の受講対象となるユーザーの登録を行いましょう。ユーザー登録の際に部署や役職、入社日などの情報を細かく設定することで、ユーザーを属性・グループごとに管理できるようになります。

ユーザーの登録は手作業で一人ひとり登録することも可能です。しかし、大企業のように登録するユーザー数が多い場合は、社員情報をリストにまとめたCSVファイルをLMSに読み込ませると一括登録ができるため便利です。

2. 学習教材・研修の登録

ユーザーの登録が完了したら、学習教材や研修内容の登録を行いましょう。講義、テスト、アンケート、レポート課題、動画学習などのカリキュラムタイプでコンテンツを登録できます。

学習教材の準備方法として既存の教材を購入したり、制作会社に教材制作を依頼したり、自社で作成するといった方法があります。LMSによっては教材作成機能が備わっているものもあるので、自社で作成したい場合は導入前にしっかり確認しておくことをおすすめします。

またLMSでは、自社で行っている内製研修を管理することもできます。必修研修や公募研修など、さまざまな受講形式の研修を全て一元管理することが可能です。

関連記事「LMSの主な機能一覧を紹介!選び方のポイントを押さえよう」

3. ユーザーに学習教材・研修を配信

学習教材の登録が完了したら、ユーザーに向けて学習教材を配信します。配信する際は、自動メール機能を活用することで全社員への受講案内や未受講者へのリマインドもスムーズに行えて、社員一人ひとりにメールを送信する手間がかかりません。

また、初めて配信を行う際はトラブルが発生する可能性もあるので、受講者からの問い合わせに対応できるように社内体制を整えておくことが重要です。

4. 受講者の進捗・結果の確認

ユーザーに学習教材を配信したら、問題なく学習できているかを把握するために、受講者の学習進捗状況や受講結果を確認しましょう。受講者の理解度を確認するには、テストやレポート課題の出題が有効です。進捗状況や理解度に応じて、社員一人ひとりに合った個別フォローに役立てられます。

また、受講が完了したユーザーに対してアンケートを実施することで、フィードバック内容をもとに今後の研修の改善にもつなげられるでしょう。

LMSの主な活用シーン

LMSの主な活用シーン

LMSは、集合研修やハイブリッド研修、eラーニングなど社内のあらゆる研修を集約して管理できるシステムです。そのため、人事側が受講者を指名して必須で受講させる必修研修、受講者側の任意で受講できる公募研修、受講者が自由に学習できる自己啓発型の学習などのいずれの研修区分においても活用できます。では、実際にどのようなシーンで活用できるのか見ていきましょう。

企業が社員にLMSを提供

まずは、企業が主に自社の正社員にLMSを提供するケースです。全社員もしくは特定の階層・職種の社員が必ず受講する必修研修や、任意の社員のみが受講できる公募研修、特定の社員に対してスキルインプットやマインド醸成を目的に実施する選抜型研修、福利厚生やキャリア支援の一環で誰でも任意で受講できる自己啓発学習など、あらゆる研修で利用することができます。

全社員研修

コンプライアンス研修やセキュリティ研修など、全社員が学習すべき研修において、LMSは大いに役立ちます。全社員が対象となると日程調整が難しかったり、連絡漏れや資料の配布忘れなどの事務的ミスが発生したりする可能性があり、研修運営業務の手間がかかります。

LMSを導入すれば、受講者の希望日程なども管理できるため、日程調整の手間を軽減することができます。また、全社員に向けて受講案内やリマインドメールを一斉送信できるため、管理業務の負担軽減にもつながります。

新入社員研修

新卒採用を行っている企業の場合、新入社員や内定者に向けて行う新入社員研修にもLMSを活用できます。ビジネスマナー研修やコミュニケーション研修など、eラーニングコンテンツを事前に準備しておけば、LMSを通じて学んでもらうことができます。eラーニングであれば、講師や研修場所の確保などの手間や費用もかかりません。

またLMSでは、eラーニングだけでなくリアル/オンラインの集合研修やハイブリッド研修なども管理できるため、自社で実施している新入社員研修の形式に合わせて活用することができます。一度研修方法を確立すれば、毎年の新入社員研修をスムーズに運用できるようにもなります。

加えて、新入社員研修での活用だけでなく、OJTにもLMSを活用することができます。活用事例は、以下の記事をご参照ください。

▼ 株式会社明光ネットワークジャパン様事例
GLOPLA LMSの活用によって、研修やOJTにおける学習体験の質が向上

階層別研修・管理職研修・職種別研修

中堅社員や管理職などの階層別、営業部署や技術部門向けといった職種別の研修も、LMSで効率良く学習できます。階層や職種によって必須となるスキルや知識は異なりますが、LMSを活用すれば特定の対象者に向けて特定の学習教材を配信したり研修の受講案内が可能となるので、スムーズなスキル習得に役立つでしょう。

自己啓発・自主学習

社員に対してキャリアアップや資格取得を促したり、社員自身が自律的に自己啓発に取り組んだりする場合にもLMSは有効です。キャリア研修や英会話学習など、社員が取り組みたくなる研修・学習教材をLMSに掲載することで、学習環境を整えることができます。

ただし、学びの機会を用意しても社員が自律的に学習しなければ意味がありません。そのため、学習を評価に反映する制度の設置や、学習結果に対してフィードバックを行う仕組み、上長から受講を推奨してもらうなどの工夫やサポートが必要です。

企業が自社の社員以外にLMSを提供

自社の正社員以外にLMSを提供するケースもあります。社内の正社員以外の業務形態である従業員(パート・アルバイト)に向けた研修や、グループ会社・子会社、また自社内で活用することを目的とせず、第三者に提供することを目的とした研修や学習を提供する際にも活用されます。

パート・アルバイト研修

正社員より勤務回数が少ないパートやアルバイトは、業務を覚えるまでに時間を要します。LMSなら学習教材を繰り返し閲覧できるため、マニュアルとして活用でき、業務の定着に役立つでしょう。

従業員数が多い企業や全国展開をする企業は、教育の質に差が発生しやすく、人手不足からパート・アルバイト教育に時間を費やせないケースも少なくありません。LMSを活用することで、効率的に研修を進められて、教育の均質化も可能になります。

子会社向け研修

多数のグループ会社を傘下に置く大手企業の場合、グループ全体の方針を合わせるために子会社向けの研修を実施するケースもあります。LMSを活用すればインフラの有無に関わらずグループ全体で教育体制を一貫して構築でき、グループでまとめて研修を管理できるようになります。

代理店・顧客向け研修

代理店教育や顧客向けの教育を実施する際にもLMSは役立ちます。自社製品・サービスを購入した代理店・顧客に対して、製品・サービスへの理解を深めるための学習教材を提供できます。また、新製品・サービスの案内やサービス内容の変更といった最新情報も、LMSでスムーズに配信できるでしょう。

教育機関が学生にLMSを提供

社会人向けではなく、学生向けの教材もLMSで管理・提供することができます。教育サービス事業者もしくは大学などの教育機関が主な提供者です。

学生が受講する授業を一元管理し、受けたい授業を探すことができて簡単に受講申請ができる操作性や、厳密な成績管理が求められます。

LMSで研修の効果を最大化するためのポイント

LMSで研修の効果を最大化するためのポイント

あらゆるシーンで活用できるLMSは、ポイントを押さえれば研修の効果をより高めることができます。LMSで研修の効果を最大化するためのポイントは、以下の3つです。

自社の課題を洗い出す

どうしてLMSを導入するのか、その導入目的を明確にしましょう。目的を明確にするには、自社が現状抱えている課題を洗い出し、LMSを導入してどのように改善したいのかを整理することが大切です。導入目的や自社の課題を明確にすれば、自社に必要な機能やサービスを備えているLMSを選定しやすくなります。

研修当日だけでなく事前/事後の設計も行う

研修当日はもちろん、研修に参加するための事前の動機付けや研修後のフォローを行うことも非常に重要です。研修前の動機付けとしては、課題図書やレポート課題の提供、研修目的の共有などがおすすめです。一方、研修後は理解度確認テストを実施したり振り返りの機会を設けたりするなどして、フォローアップを行いましょう。LMSを活用すれば、研修前後の設計も組み込めるようになります。

効果測定を行う

受講者の理解度や目的の達成度を確認するために、研修の効果測定と評価を行うことが大切です。研修の効果測定には、LMSのテスト機能やアンケート機能が活用できます。テストの結果は、社員一人ひとりに合った個別フォローに役立てられます。また、アンケート結果で得られたフィードバックをもとに今後の研修内容の見直しや改善を行えば、効果的な研修が可能になり、より良い人材育成につながるでしょう。

LMS(学習管理システム)の活用に成功した事例

最後に、LMSを活用して成功した事例をご紹介します。

LMSの活用により「社員が学びたい時に学べる環境を整備」した事例:株式会社PALTAC

株式会社PALTACは、コロナ禍で集合研修からオンライン研修に切り替えたことをきっかけにLMSを導入し、社員が学びたいときにすぐ学べる環境を社内に構築しました。社員にLMSを浸透させるために、研修だけでなく、業務上必要で社員が必ず見るコンテンツもLMSに掲載することで、まずはLMSにアクセスする習慣をつくりました。結果、社内の自発的な学習が進み、公募研修の参加希望者も増えています。

関連記事「人事部と各部門が一体となりGLOPLA LMSを活用し、社員が学びたい時に学べる環境を整備」

LMSの活用により「研修やOJTの学習体験の質が向上」した事例:株式会社明光ネットワークジャパン

株式会社明光ネットワークジャパンは、人材育成施策のPDCAを回すためにLMSの導入を進めました。LMS導入によって、研修当日だけでなく前後の学習体験の設計を実現しています。さらに受講者の行動データも見られるようになったことで、受講者の状況に合わせた研修運営・改善ができるようになり、全体の学習の質の向上につながっています。

関連記事「GLOPLA LMSの活用によって、研修やOJTにおける学習体験の質が向上」

まとめ:LMSの活用で研修を効果的・効率的に実施できる!

LMSは機能によって使い方は多様化しており、活用シーンもさまざまです。どの研修区分においても研修運営業務の負担軽減や事務的ミスの予防、学習効果の向上が期待できるため、導入目的や自社の課題に合わせて必要な機能・サービスを備えたLMSを導入しましょう。

「GLOPLA LMS」は、管理者側も受講者側もすぐに使いこなせる学習管理システムです。操作性と導入サポートによって社内への定着度を高め、操作に迷わないシンプルなUI&UXで社員の積極的な学習や効果的な研修設計を可能にします。社内研修でLMSの活用をお考えの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

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