LMS(学習管理システム)導入に必要な7つのプロセス|メリットと導入のポイント

LMS(学習管理システム)を導入してから実際に運用を開始するまでには、さまざまな準備が必要となります。スムーズにLMSを導入するためにも、導入に必要なプロセスと自社に適したLMSの選定ポイントを理解して、念入りに計画を立てることが大切です。本記事では、LMSの導入に必要な7つのプロセスと導入のポイントをご紹介します。

LMS(学習管理システム)導入のメリット

LMS(学習管理システム)導入に必要な7つのプロセス|メリットと導入のポイント

LMS(Learning Management System)は「学習管理システム」のことで、eラーニングをはじめとした社内のあらゆる研修や学習コンテンツを一元管理できるシステムです。インターネット環境下であればパソコンやスマートフォンなどのデバイスを使って学習を行うことができ、社内研修を実施する際のプラットフォームとして多くの企業で導入されています。

LMSは学習者の学習進捗状況をリアルタイムで把握・管理できるため、学習者側は達成感を得やすく、管理者側は管理の手間を削減できるというメリットがあります。また、受講履歴が蓄積されることやテストの結果を把握できることによって得意・不得意が可視化され、社員一人ひとりの個別フォローにも役立つため、学習効果の向上も期待できるでしょう。さらに、管理する人事にとっては、研修の作成・管理にかかるオペレーション業務を大幅に削減できることもメリットの一つです。

さまざまなメリットがあるLMSは、ベンダーが提供するLMSによって機能性やサービス内容など、特徴がそれぞれ異なります。そのため、研修・学習の効果を最大化するには、自社に適したLMSの導入が欠かせないのです。

LMS導入の7つのプロセス

自社に合ったLMSを導入するためには、プロセスに沿ってLMSを検討・導入する必要があります。LMSを導入する際は、以下の7つのプロセスに沿って導入すると良いでしょう。

LMS導入に必要な7つのプロセス

【ステップ1】導入目的・目標の明確化

はじめに、「どうして自社でLMSを導入するのか」「LMS導入によって何をどこまで改善したいのか」といったLMS導入の目的・目標を明確にしていきましょう。目的が曖昧なままでは、せっかくLMSを導入しても効果を発揮できない可能性があります。また目標が立てられていないと、実際にLMS導入がうまくいったかどうかの振り返りや改善が難しくなります。

目標を設定するには、自社がどんな課題を抱えているかという「現状」と、LMSの導入によってどんな状態にしたいかという「理想」を明確にすることが大切です。この「現状」と「理想」のギャップから目標を算出していきます。

例えばLMSの導入目的が「研修管理業務の効率化」であり、「メール送信や受講者リスト作成など、手作業による研修管理業務に時間がかかり、他の人事業務の手に回っていない」といった課題があるとします。ここから目標を算出するためには、理想状態として「研修管理業務にかかる時間を削減し、他業務にもリソースを配分できている」などを定義することができ、「1つの研修にかかる管理業務を1/2に削減する」という目標が立てられるでしょう。

このように現状と理想のギャップから目標を算出することが、ミスマッチを防ぎ、自社に必要なLMSを導入するうえでもっとも重要なプロセスといえます。

LMSの導入に失敗したくない方は以下の資料も参考にしてください。
参考資料「失敗しないLMS導入!事前に検討しておきたい “LMSの要件” とは?」

【ステップ2】ベンダーの選定

LMS導入の目的・目標を明確化できたら、ベンダーを選定していきます。自社に合ったベンダーを選定するためには、入念なベンダーの情報収集や自社に必要な要件の整理が欠かせません。

ベンダーの情報収集方法として、インターネットでの検索やベンダーが主催するセミナーへの参加などが挙げられます。気になることがあれば、直接ベンダーに問い合わせてみると良いでしょう。

LMSの導入形式には、自社サーバーを利用して運用する「オンプレミス型」と、インターネットを経由してベンダーが提供するシステムを利用する「クラウド型」の2種類があります。オンプレミス型を導入するのかクラウド型を導入するのかによって、セキュリティ要件や運用方法、導入・運用コスト、相談するベンダー先なども変わります。

また、LMS選定において機能の充実性を重視する企業は多いですが、機能の充実性が必ずしも業務改善や課題の解決につながるとは限りません。そのため、機能だけでなく操作性やセキュリティ面、コスト、導入実績、導入後のサポート体制なども加味して、総合的に判断することが重要です。

関連記事「LMSの主な機能一覧を紹介!選び方のポイントを押さえよう」

特に操作性に関しては、実際にLMSのデモ環境を管理者・受講者の双方が体験して、本当に使いこなせるかどうかを確認することをおすすめします。

関連記事「LMSベンダー選定のポイント|手順や選び方のポイントを解説」

【ステップ3】契約締結

ベンダーが選定できたら、発注するベンダーと契約を締結します。契約書や同意書などの必要書類は各ベンダーが雛形を用意しているので提供を依頼しましょう。

また、業務委託関連やクラウドサービス関連、セキュリティ関連の契約書や同意書が社内で必要となるかどうかも、自社の情報システム部門や法務部門にあらかじめ確認しておくようにしてください。

【ステップ4】環境構築

契約が締結できたら、LMSを自社で利用できるようにするための環境構築を行います。ベンダーに自社に必要な要件を伝えて、自社専用の環境を開設してもらいましょう。

想定している学習コンテンツ・教材がベンダーの用意するパッケージのサービス範囲内であれば、パッケージの利用のみで問題ありません。もし外部のeラーニングシステムの教材連携や、タレントマネジメントシステムに紐づいた人事データとの連携など、オプションやカスタマイズが必要となる場合は、ベンダー側で設定や開発が必要になることもあります。そのため、提案段階で対応の可否やスケジュールを確認しておきましょう。

【ステップ5】運用フロー構築

LMSの環境構築が完了したら、LMSの運用に向けて準備を進めていきます。LMSをスムーズに運用できるように、受講者のアカウント作成や権限の設定、パスワード設定などのデータ登録を行いましょう。

データ登録が完了したら、本番を想定してサンプルデータでテスト運用を行います。イメージ通りに運用できるかどうかをチェックして、テスト運用が完了したらユーザー情報や教材データの登録、配信のための設定など、本番データの登録・設定をしていきます。

また、運用準備に加えて運用の体制構築も必要です。教材の準備や社内の既存システムとの連携、問い合わせへの対応、メンテナンスなど、運用に必要な作業は多岐にわたります。そのため、関連部署・部門と連携して具体的に誰がどのように対応するのかを決定しましょう。

さらに、運用フローの構築も欠かせません。システムに移行するとなると、これまでの運用フローから変更すべき点も出てきます。スムーズに運用を開始するためにも、運用フローを検討しておくことが大切です。運用開始後にトラブルが発生するケースも想定されるため、社内のサポート体制もしっかり整えておきましょう。

関連記事「LMSの使い方|活用シーンと研修を効果的に実施するポイントを解説」

【ステップ6】社内周知

運用体制や運用フローの構築が完了したら、社内周知を行います。あわせて、ユーザーがすぐに操作できるように、マニュアルの作成や説明会を実施しましょう。社内への浸透や研修実施後のフォローアップを実施するためにも、社内周知を行う際は、実際に利用する社員だけでなくその上長を巻き込むことが重要です。

また利用案内を開始する際には、LMSの自動メール機能を使って、受講対象者に向けて受講開始の案内メールを送ると便利です。

【ステップ7】運用改善

LMS導入後は、運用を開始して終了ではなく、定期的に改善のPDCAを回していくことが大切です。ユーザーからのフィードバックや検証を踏まえ、改善に取り組みましょう。ブラッシュアップしていくことで、学習効果の向上につながります。

あわせて、ステップ1で設定した目標がどの程度達成できているかも確認しましょう。「研修管理業務はどの程度削減できたか」「問題なく研修を運営できているか」「受講者が迷わず利用できているか」「研修結果はどうか」などの達成度合いを評価することで、目標との差分に応じて必要なアクションを実行しやすくなります。

運用開始後はさまざまなトラブルや課題が発生しやすいため、導入後のサポートが充実していて、目標達成のために伴走してくれるベンダーを選定するのがおすすめです。

まとめ:LMSを導入して自社の課題を解決しよう!

LMSを導入して自社の課題を解決しよう!

LMSの導入には一定のプロセスがあり、スムーズに運用を行うには各プロセスにおけるポイントを押さえながら導入から運用開始まで進めていくことが大切です。自社に合ったLMSを導入するには、自社の課題を明らかにして、目標が達成できるようなLMSを選定しましょう。

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