LMS(学習管理システム)とタレントマネジメントの違いや連携する際のポイントを解説

LMS(学習管理システム)とタレントマネジメントシステム(TMS)は人材育成を行ううえで役立つ管理システムですが、役割や領域が異なるため別々で導入を検討することが多いでしょう。しかし、LMSとタレントマネジメントシステムは連携することで人事戦略の実現にも活用できるのです。本記事では、LMSとタレントマネジメントシステムの違いや連携する際のポイントについて解説します。

LMSとタレントマネジメントシステムの違い

LMSとタレントマネジメントシステムは、そもそも役割と領域が異なります。まずは、LMSとタレントマネジメントシステムの違いについて見ていきましょう。

LMS(学習管理システム)とは

LMSは「学習管理システム」とも呼ばれ、eラーニングや集合研修などの社内のあらゆる研修や学習コンテンツを集約して管理するシステムです。学習者の学習進捗状況をリアルタイムで把握できるため、個別フォローが可能となります。また、受講履歴やテスト成績なども管理でき、社員一人ひとりの理解度や得意・不得意に応じて必要な教材の提供も行えるのが特徴です。

LMSの役割

LMSは人材育成や研修の領域に特化しており、育成領域における「研修管理者の業務効率化」と「受講者の学習の質向上」を支援します。

LMSを活用すれば、従来の研修業務で発生していた受講者への個別のメール案内や、課題提出の確認・管理、紙のアンケート配布・集計などを自動化でき、研修運営業務の効率化が可能となります。そのため、育成企画の時間の創出につなげられるでしょう。

また、学習進捗状況の確認やテスト結果の分析、アンケートの実施をスムーズに行えるため、「研修内容を本当に理解できているか」「適切なペースで学習を進められているか」「理解できていない点はどこか」「どのような教材を追加・修正すべきか」といった改善に向けた分析にも役立ちます。そのため、受講者にとってより最適な学習をサポートでき、学習効果の向上が期待できるでしょう。

LMSによって研修の効果測定と改善を実施できるようになり、より効果的な人材育成につながります

タレントマネジメントシステムとは

タレントマネジメントシステム(TMS)とは、所属・業績・評価などの人事情報に加えて、面談記録、保有スキル、資格取得歴といった社員のあらゆる情報を一元管理して、人材配置や人材採用などの多様な場面で活用できるシステムです。組織的なマネジメントを実現でき、戦略的な人材管理が可能となります。また、適切な人材配置ができれば、業務のミスマッチを軽減・防止できるため、離職率の低下につながるでしょう。

タレントマネジメントシステムの役割

タレントマネジメントシステムは評価・配置・採用の領域に特化しており、人事や経営者の意思決定を支援するのが主な役割です。

タレントマネジメントシステムは社員一人ひとりの経験値や保有スキルなどをデータで管理しているので、その人材が持つ能力や資質を活かせるポストへの配置に活用でき、能力に見合った適正な評価を可能にします。そのため、生産性の向上や社員のモチベーション向上が期待できるでしょう。

また、社内・部署の人材に不足している能力も可視化できるので、計画的な人材育成や配置変更の検討、効率的な人材採用に活用することも可能です。新規事業のメンバー収集にも活用でき、事業展開をスピーディーに推進することもできるでしょう。

このように、LMSとタレントマネジメントシステムは役割・領域が異なるので、別々に検討することが多いのです。

LMSとタレントマネジメントシステムの連携で効果を最大化できる

LMSとタレントマネジメントシステムの連携で効果を最大化できる

LMSとタレントマネジメントシステムは役割・領域が異なりますが、連携することであらゆるデータの情報提供の手間を削減でき、人材育成・人材マネジメントをより効果的に実施できるようになります。

先述したように、LMSは人材育成の領域に特化したシステムであり、eラーニングの受講履歴やテストの成績、アンケート結果などのあらゆる学習データを蓄積します。これらの学習データから社員の意欲や能力を定量的に可視化でき、能力開発の支援を行うことが可能です。

一方、タレントマネジメントシステムはあくまで社員の能力や経験値などのデータを収集・管理することがメインのシステムであり、能力開発まではフォローしません。そのため、せっかくタレントマネジメントシステムを導入しても、そのデータを分析・活用できなければ効果を発揮できないのです。

LMSとタレントマネジメントシステムを連携すれば、LMSで蓄積した学習データを活かして経営目標に応じた人材育成や人事配置が可能となり、効率的に能力開発を行えるようになります。たとえば、将来的に主力となる優秀な人材を育成するために、能力レベルの高い社員を選抜して経営戦略研修を受講させて能力開発を行うといった企業の継続的な発展のための施策を実施できるでしょう。

LMSとタレントマネジメントシステムの連携で実現できること

LMSとタレントマネジメントシステムの連携で実現できること

LMSとタレントマネジメントシステムを連携することで、相乗効果が期待できることが分かりました。では、その効果を最大化するためにはどのようにLMSとタレントマネジメントシステムを活用すれば良いのでしょうか。連携によって実現できることは以下の3つです。

社員のエンゲージメントの可視化

社員一人ひとりのエンゲージメントを可視化することで、自社が抱える働き方の課題の発見や適正な評価を実現できます。エンゲージメントとは、企業に対する愛着心や貢献意欲を意味します。エンゲージメントが高ければ、生産性向上や離職防止につながるでしょう。

特定の部署の社員のエンゲージメントが低い傾向にある場合、その部署の業務量や働き方に課題があることが想定されます。特定の社員のエンゲージメントが極端に低ければ、その社員の能力やスキルに合ったポジションで働けていない可能性も考えられるでしょう。

連携によってエンゲージメントを可視化すれば、働き方改革の推進につなげられます。社員一人ひとりを多角的に評価することによって、社員がやりがいを持って働ける環境の提供が可能となるのです。

人事戦略立案に向けたデータ取得

LMSでは社員の得意・不得意な分野を、タレントマネジメントシステムでは社員の能力や保有スキルをデータとして収集できるため、多角的な分析が可能となり、より正確に人事戦略を策定できるようになります。社員一人ひとりを適材適所に配置できれば生産性の向上が期待でき、組織的な発展につなげられるでしょう。

また、業績や保有スキル、資格などのパフォーマンス力にくわえて、LMSを連携することにより受講率や学習行動、テストの成績などの学習データから社員一人ひとりのポテンシャルを可視化できます。これらの顕在的評価と潜在的評価の両面から、新規事業や役職任用などの場面において人材選抜を行うことも可能です。

効果的な人材育成の促進

社員一人ひとりのスキルや能力を可視化することによって、必要な学習を抽出して人材育成につなげることが可能です。所属する部署やポジションによって必要となるスキルは異なります。そのため、不足しているスキルや不得意な分野に対してLMSで学習させることにより、育成強化をはかれるようになります。

社員も自分に足りない部分を把握できるので、自己啓発に取り組みやすく、自主的なキャリアアップの推進につなげることができます。また、育成する分野から将来的に必要な人材モデルや目標設定もできるでしょう。

まとめ:LMSとタレントマネジメントシステムを連携して効果的な人材育成につなげよう

LMSとタレントマネジメントシステムはそれぞれ役割も領域も異なりますが、連携することで人材育成や人事戦略を効果的に実現できるようになります。ただし、タレントマネジメントシステムをはじめとした外部システムと自動連携するには、自社に必要な要件を満たしたクラウド型のLMSを導入することが大切です。

「GLOPLA LMS」は、誰でもサクサク使いこなせる操作性と導入サポートを備えたクラウド型の学習管理システムです。社員も迷わず受講できるため、自律的な学習をサポートします。また、質の高い研修を提供できるので、育成強化につなげられるでしょう。LMSの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご連絡ください。

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