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2024年11月20日(水)無料
【人材育成ご担当者さま向け】
グロービス受講体験セミナー~クリティカル・シンキング編~ スピーカー:奥 康訓
2027年の自社のありたい姿を「VISION2027」として掲げ、その実現に向けリーダー育成に取り組む株式会社マンダム様。この「次世代グローバルマネージャー育成教育」(以下、「本プログラム」)の取り組みについて、同社の執行役員 人事部・総務部・法務室 担当 兼 人事部長 高橋 哲也様、人事部 労務管理課 グループリーダー 小杉 久人様に話を伺いました。(部署・役職はインタビュー当時)
※本記事のインタビューはオンライン会議システムを通じて行いました。集合写真は密閉空間を避け撮影し、インタビュー写真はソーシャルディスタンスを取り撮影しております。
高橋さん:
当時の課題感は、将来における事業構想を描ける次世代リーダーの育成が必要だったことです。
当社は創業90周年となる2017年に理念を見直し、創業100周年での当社のありたい姿として「VISION2027」を策定しました。このVISION2027を実現するリーダーの育成が、急務でした。
VISION2027の基本方針としてアジアの成長を取り込んだ真のグローバルカンパニーへの進化を掲げており、そのためには、現状から発想してはいけません。未来から逆算して、今やるべきことを考えねばならないのです。また部分最適ではなく全体最適、短期視点だけでなく中長期的な視点で、マンダムグループ全体を考える必要もあるでしょう。
このような将来の事業を構想しプロジェクトを主導できるリーダーとなる人財が必要であることに気づき、社内での育成方法を考え始めたのです。
高橋さん:
本プログラムのゴールは、当社の理念を体現し、VISION2027の実現を主導できるリーダーの育成です。
そのために必要なことは2つあり、1つ目は理念に基づいた意思決定ができること。もう1つは経営の原理原則を理解していることです。
このうち、理念に関する点については理念教育を充実させており、推進できていました。一方で経営の原理原則を学ぶ機会が不十分であることに、気づきました。
小杉さん:
一般的な経営の原理原則を学ぶ場は、内製で用意することが難しかったため、外部の研修会社へ依頼することにしました。3~4社にお声がけした中の1社が、グロービスです。
結果的にグロービスへ依頼した理由は、実践につながる再現性高い教育の仕組みが魅力的だったからです。具体的にはケーススタディと、島田さん(グロービス前担当コンサルタント)と武井さん(グロービス現担当コンサルタント)の存在です。
一般的にケーススタディと聞くと、経営の原理原則は学べるけども画一的になりやすい、というイメージを持つ方もいるかもしれません。ですがグロービスの良いところは、ケーススタディの学びにマンダムの理念や考え方を加味し、当社にとって再現性の高いプログラムを提案してくれたことです。特に島田さんと武井さんがゴールを見据え、全体の一貫性をマネージし、様々な提案・軌道修正してくれたことがとてもありがたかったですね。
小杉さん:
こだわった点は、経営の一般論とマンダムにおける実際の考え方の双方を学べる場の提供です。島田さんと武井さんには、我々のこだわり実現のため、プログラムの検討に相当の熱量を注いでいただきました。
島田さん、武井さんから提案いただいたプログラムは、経営の基礎を学ぶコンテンツがあり、節目に当社オリジナルの講義を入れ、プロジェクトワークで学びを深めるという構成でした。DAY1からプロジェクトワークの最終発表会まで、10か月ほどの長期研修です。我々の想いを理解した上で、親身にご提案いただきました。
島田さんと武井さんには各モジュールの間にもお時間をいただき、ブラッシュアップのミーティングを繰り返し行いました。とても心強いサポート体制です。
小杉さん:
懸念点は2つありました。1つ目は言語ですね。本プログラムは国内リーダーに加え、海外リーダー(インドネシア、シンガポール、台湾)も参加していたため、言語面でストレスなく学んでもらえるかが心配でした。
当初グロービスからは、日本語もしくは英語のどちらか1言語で実施したほうが良いとご提案いただきました。ですが、当社が多国籍でこのプログラムを進めたいというこだわりがあることを理解いただき、言語面でのストレスを減らして学ぶ方法を一緒に考えていったのです。
結果、講義は日本語をベースにしながら、同時通訳を介して研修を実施することにしました。日英2言語のスライドを投影しつつ、日本語が分からない受講者には言語面での補足を適宜入れていただいたのです。武井さんに事務局のこだわりを深く理解いただき、柔軟に対応してくれたからだと感謝しています。
2つ目の懸念は、学びの再現性です。研修が終わったからよかった、ではなく、現場に帰って学びを実践することが大切ですよね。
こちらは先ほどのプログラムでもお話しした通り、経営の基礎とマンダムにおける実際の考え方の講義を組み合わせたプログラムにすることで、学びの再現性を高めています。
高橋さん:
再現性という点では、講師の方にも工夫していただきました。グロービスのコンテンツで講義いただくときにも「マンダムさんの講義ではこのように説明していましたね」と、一般論と当社の話を適宜つなげてくださったのです。
そのおかげで、双方の関係性をよく理解できました。グロービスが当社を深く理解した上で、講義いただいたおかげです。
小杉さん:
受講者からは、「自分の考えの深さがまだまだ足りてないことを自覚できた」との感想をもらいました。次世代のリーダーとしての気概が醸成されてきたと感じています。
また、理念経営の重要性も再認識したようです。最終発表会で「マンダムの事業には楽しさやワクワク感が重要だ」と受講者が口々に言っていました。10か月も苦楽を共にしたことで仲間意識も醸成され、本プログラムが部門連携の一役を担えたことも、大きな収穫でした。
高橋さん:
私は本プログラムの過去の受講者でもあります。受講を終え、これからは発想を変えて様々なことをやれそうだとの手応えを持ちました。リソースが無くとも困難を乗り越えてこそ、新しいものが生まれることも学べました。
特に学びが深かったのは、自社事業の提言に向けたグループワークです。このグループワークでは、学んだ経営の基礎を使いながら自分達で未来を描き、事業を構想し、そこに向かうシナリオを考えます。未来から発想した案を実現可能なレベルへ落とし込む思考プロセスは、とても難しかったですね。
定期的にグロービスからフィードバックをもらうのですが、その指導が極めて厳しい。それっぽいだけの案は見抜かれてしまい、事実性や根拠を問われ、過去の延長線上になっているとの指摘が飛んできます。
何度もフィードバックをもらいながら、それでもひたすらグループメンバーと考え続けました。グループワーク期間の半分が過ぎた頃から、ようやく従来の発想を超えた議論になっていったことを覚えています。
自分で手を動かし、歩いて、調べて。やっと構想できた事業が正しい答えかも分からない。この営みは、よく考えると新事業を作るプロセスと似ています。しかし実際に新規事業を進める困難さと比べれば、グループワークは乗り越えて当たり前。これを乗り切れないようであれば、実際の事業構想の場は乗り切れないだろうと痛感しました。
また、海外の受講者との発言や参加姿勢の前向きさに、刺激を受けました。彼らの主体性に引っ張られたからこそ、厳しい10か月を乗り越えることができたと感じています。
本プログラムも回を重ねて実施していくうちに、今までの延長線上に留まらない、新しい社内共通の視点が生まれてくるのだろうと思います。先日、今年度の研修に過去受講者3名がオブザーバーとして入りました。オブザーバー同士、そして受講者の意見や質問を聞いていると、本プログラムで学んだ視点が含まれているのです。共通視点とはこうして育まれていくのでしょうね。
小杉さん:
本プログラムはグローバルでの戦略思考を身に付ける研修なので、英語のみで実施するのが理想形です。その点は今後の課題ですね。
事前学習として短期の英語トレーニングを導入しているため、受講者は英語でディスカッションができるレベルになっています。しかし深いディスカッションができるかというと、道半ばです。英語学習と本プログラムの連動性は、改善の余地があると思っています。
また、最終発表の続きとなる取り組みを考えなければならないと思っています。提案内容へのフォローアップですね。
提案内容の中には、今後のマンダムにとって必要、かつ面白そうなものがありました。経営陣との対話を通して、もう少し磨けばより良い提案になるでしょう。発表だけで終わらないような、具体的な仕組みを作っていきます。
高橋さん:
本プログラムの受講者には、学んだことを活かせるポジションや役割をどんどん任せていきたいですね。よりハードな経験をしてもらいながら、当社グループ全体を引っ張っていくリーダーへと成長し、更に活躍してもらう。そのようなキャリアを積めるような仕組みを、戦略的に作っていきたいと思っています。
私はマンダム様とは2018年頃から議論をさせていただいております。本研修はマンダム様の将来を担う重要な施策であり、パートナーとして選んでいただけて、とても光栄に思っています。
マンダム様の強みは、意思決定のスピード。それはコロナ禍によるオンラインシフトの早さにも表れています。我々もそのスピードについていけるよう、事務局の皆さまや講師との打ち合わせを密に組み、常にブラッシュアップした学びの場を提供できるように心掛けています。
マンダム様には本研修を通じて、外の世界から刺激を受けて社内に還流させる、という大きな流れができつつあります。また高橋さんの世代から次の世代へ、変革の意思がカスケードダウンされてきたのではないかとも感じています。このモメンタム(勢い)を止めることなく、次の世代の方々の成長機会を継続的につくっていくことが不可欠です。
今後もマンダム様の「VISION2027」の実現に向けて、我々は全力でサポートさせていただきます。気の置けない仲間(パートナー)として、ご要望など色々とおっしゃっていただければ幸いです。
私は2020年末から本プロジェクトにジョインし、島田と共に学びの場の設計・運営をさせて頂いています。
本プロジェクトで特に印象に残っているのは、会長、社長を始めとする経営陣の皆様、事務局の皆様の社員の成長に対する強い想いです。プログラムスタート時の講話やプログラム途中の経営陣による社内セッション、最終発表の場でのコメント/アドバイス等、要所要所でその想いを感じ取ることができました。
それが受講者にしっかりと伝わったのでしょう。受講者の現状に対する危機感の高さ、そして生活者により良いお役立ちを提供したいという共通の強い想いが見えました。
我々もその想いに応えるべく、マンダム様の外部環境、経営/組織の全体像や受講者の状態を把握したうえで、何があるべき姿なのか? を講師とコンサルタントの間で繰り返し議論しながらゴールを設定し、その到達に向けプログラムの実施・振り返り・改善のサイクルを回してきました。
上記の点が合わさったことで、受講者の皆様が本プロジェクトから気づき・学びを得て、大きく成長することができたのではないかと考えています。
外部環境の変化が激しい中、「VISION2027」を実現するには、本プロジェクトに加えて、組織として更なる成長やチャレンジが求められていると理解しております。マンダム様の描くビジョンの実現に向けて、引き続き全力でサポートさせて頂きたいと思います。