人生の目的が明確になると人は変わる!志セッションがもたらす変化

2018.07.13

「すごいリーダー」「骨のあるリーダー」がほしい……「経営者育成」において、経営リテラシー領域のみならず、人間性や志といった内なる領域についても踏み込んで強化したいというご要望を多くいただきます。

今回はそのような取り組みの1つとしてグロービスが提供する「志セッション」の概要と、受講された方々の変化をコンサルタントの木村純子がご紹介します。

執筆者プロフィール
木村 純子 | Kimura Junko
木村 純子

グロービス・コーポレート・エデュケーション シニアコンサルタント/研究員
早稲田大学第一文学部教育学専修卒業、グロービス・オリジナルMBAプログラム(GDBA)修了。
大手教育会社にて法人営業、人事制度設計に従事した後、グロービスに参画。現在は企業向け人材育成・組織開発部門にて経営リーダー育成、アセスメント開発に従事。人事組織系領域の研究にも携わる。


第1章 
すごいリーダーには志がある

「あの人はすごいリーダーだ」「あの人にならついていける」――人はそんな言い方をよくする。
無理だと誰しもが思うような状況を打開し事を成し遂げる実現力、人を圧倒するような実績、決断の鋭さ、明晰かつ深い思考、人を巻き込む力など、「すごい」に込められるポイントはさまざまだ。しかし、1つはっきりと言えるのは、「すごい」人の根底には志、リーダーとしての自分が大切にしたいものの軸があるからこそ、その域にまで到達するということだ。

  • ・自分は何者か
  • ・何を成し遂げたいのか


という人生の目的や志についてその人がどれほど考え抜いたかが、言葉の重さを生み、語る内容を骨太にする。最終的にはその人の存在自体が言葉以上のメッセージとなって、周囲に伝わり、人を魅了するのだ。

しかし、残念ながらますます複雑化・高度化・分業化が進む日常業務では、目の前のことに追われ、なかなか人生の目的や志についてじっくりと考える時間がとれない現実がある。

第2章 
「志セッション」で自分との対話を重ねる

グロービスでは、もともとMBAで学ぶ経営リテラシー、戦略立案や構想力、意思決定力を出発点にリーダー育成を始めた。しかし、私たちが目指すのは、単に経営リテラシーを知っている、戦略を立案できるだけのリーダーではない。このようなリーダー像は、目指すべき姿ではなく「必要条件レベル」と言えるだろう。


もっと高みを目指し、アジア、世界で立てる真の経営者になっていただくために、もっと私たちにできることがあるのではないか? そんな想いで創り出した営みの1つが「志セッション」だ。志というと、とても大層なものに思えるかもしれないが、リーダーとしての軸を探索していくセッションと捉えていただいて良い。今回はそのセッションを通じたリーダーの成長についてご紹介したい。

ある企業では、近い将来の経営者候補として期待される選抜部課長に、約4カ月かけて、「自分は何者か」「何を成し遂げたいのか」を、ずっと見つめ続けるワークショップを行った。

セッションでは、ケース、書籍や講演などさまざまな手段で、実際に事を成し遂げたリーダーの行動の原動力や価値観、使命感を掘り下げながら、人生の目的、すなわち「自分が大切にしたいことは何だろうか?」と自分に問い、自己と対話する。
変えるべき行動を決め、たとえ小さなことでも決意を日々実践しながら、さらに自分との対話を深める。
こうして思考を磨き続け、最終セッションでは自分の志を経営陣に対し語っていただくという内容だった。

第3章 
セッション受講者の「変化」と「喜び」

目に見える知識を学ぶものではなく、全く正解がないテーマだからこそ、セッションの成否は「問いかけの質」「場の作り方」の勝負になる。講師や設計者として関わる私たちグロービスの姿勢や思考が問われる場でもあり、非常な緊張感を持って取り組んだ。
この取り組みは、筆者が想定した以上に、受講者に行動の変化を促進するものとなった。セッション終了数カ月後に、受講者にインタビューした内容をご紹介したい。


自分の価値観を初めて考える機会だった。言語化が志につながるというのが驚きだった。


高い志で難題をやり遂げたいろいろなケースを見て、自分もできるのではという感覚を得た。


自分の志を最終発表日まで何度も何度も書き直した。朝起きて2~3時間、会社に着いてから自分の志を確認することが毎日の行動習慣になった。そうこうしていると、自分の言いっぷりが変わったことに気付いた。


自分の失敗を自己開示したり、不安や格好悪さを気にしたりしなくなった。今の担当事業はこうすべきという自分の考えがある。だから社長にも、担当役員にも「自分が責任取るのだからやらせてほしい」と言えるようになった。腹が据わった。


部下と一緒に成長したい、という気持ちが起こってきた。部下もトスを上げるようになった。自分がこのワークショップを受けて、引きあげられた感覚があるからこそ、成長は1人ではできない、誰かが引きあげることも大事だと気付くことができた。


志を常に自分の基軸として考えるようになった。常に立ち戻る先となっている。相当、頭と心の奥底に植え付けられたのだと思う。

上の例にとどまらず、多くのリーダーの心の中に化学反応が起こり、その変化を喜びとして受け止めていることが伝わってくる。もちろんこのようなセッションはあくまでも「志を考えるスタート地点」にすぎない。しかし重要なのは、セッションを通じて「自分は何者か、何を成し遂げたいのか」といった人生の目的への答えの導き方を学び、その思考を受講者が行動習慣として持ち始めたことである。

これが骨太なリーダーへの第一歩ではないだろうか?真のリーダーの育成に向けて、私たちの旅はまだまだ続いている。

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※文中の所属・役職名は原稿作成当時のものです。