リスキリング研修とは?カリキュラム例と3つの方法・実施するステップ

公開日
テーマ
  • リスキリング
  • 若手社員育成
執筆者
  • 澤田 菜月のプロフィール

    澤田 菜月

「リスキリング研修とはどのような研修? 何をするのか知りたい」
「リスキリング研修とはどのように実施するの? 具体的な方法や手順が気になる」

企業のリスキリングを推進するときに欠かせない「リスキリング研修」。
取り組んでみたいものの「何をすればいいのか」「どのように実施すればいいのか」悩んでいる方は多いのではないでしょうか。

リスキリング研修とは、企業のリスキリングを推進するために社員に対して行う研修のことです。

リスキリング研修では企業のリスキリングの目的や課題を達成するためにデジタルスキルの習得やマインドセット、コミュニケーション力の向上など様々なカリキュラムを実施します。

リスキリング研修とは
企業のリスキリングを推進するために社員を対象に行う研修

リスキリングを目的とした研修例
デジタルマーケティングに関する研修
AIやビッグデータに関する研修
アプリ開発に関する研修
リスキリングのベースを作る研修例
デジタルリテラシーに関する研修
セキュリティに関する研修
リスキリングを推進するリーダーシップ力を身につける研修

リスキリング研修はカリキュラムが決まっていないからこそ、自社のリスキリング目的や課題を明確にしたうえで正しいステップで企画することが大切です。

研修カリキュラムや内容のみ着目して研修を実施しても自社のリスキリングと紐づかず、思ったような成果を出せない可能性があります。

リスキリング研修の失敗例
リスキリングを達成するための研修になっていない
適切な人選ができていない
社員がリスキリングの必要性を理解していない

だからこそ、リスキリング研修の方法や実施手順を理解して、成果につながる研修を実施することが大切です。

そこでこの記事ではリスキリング研修の概要やカリキュラム例、実施手順など、リスキリング研修をするうえで知っておきたい情報をまとめて解説しています。

とくに、リスキリング研修の方法やステップは分かりやすく解説しているので必見です。

この記事を読むとわかること

  • リスキリング研修の概要が分かる
  • リスキリング研修のカリキュラム例が分かる
  • リスキリング研修の期間が分かる
  • リスキリング研修のメリットやデメリットが分かる
  • リスキリング研修の3つの方法が分かる
  • リスキリング研修を実施するステップが分かる
  • 企業規模別のリスキリング研修を企画するときのコツが分かる
  • リスキリング研修を成功させるポイントが分かる

この記事を最後まで読めばリスキリング研修とはどのようなものか理解でき、自社の目的や課題に応じて実施できるようになります。

リスキリングの重要性が増している中で早い段階から取り組み成果を出すためにも、参考にしてみてください。

CHAPTER01.

リスキリング研修とは

冒頭でも触れたようにリスキリング研修とは、企業のリスキリングを推進するために社員に対して行う研修のことです。

リスキリングとは社員が知識や技術を学び実践できるようになり、新しい業務や職業に就くことがゴールです。そのため、研修内容はリスキリングの目的や自社の課題に応じて変わります。

下記のように社員が今の業務とは異なる知識や技術を習得して、新しい業務で活躍できるよう学ぶことがリスキリングに該当します。

【リスキリングの例】
・マーケターがデジタルマーケターに転身するための知識を学ぶ
・Web開発者がアプリ開発者に転身するための知識を学ぶ
・新しく設置するDX推進部に人材を配置するための知識を学ぶ

リスキリングは「新しい業務や職業に就くこと」がゴールですが、ゴールに到達するには必要な知識や技術を習得することが欠かせません。

そこで、リスキリング研修を行い、リスキリングの目的に応じて必要な知識や技術を学びます。

【リスキリング研修の一例】
研修目的:DXを推進するためにデータサイエンスやデジタル技術を学ぶ

具体的なカリキュラム:データ分析の基礎知識・データ収集方法の理解・ツールの使い方などデータサイエンスに関する基礎知識を学ぶ
AIなど最新デジタル技術やデータを利活用するためのセキュリティ対策を学ぶ

リスキリングを推進するには、リスキリング研修が必要不可欠です。
リスキリング研修に取り組み、成長し続ける企業を実現することが求められています。

そこで、リスキリング研修を行い、リスキリングの目的に応じて必要な知識や技術を学びます。

【リスキリング研修が注目される背景】
リスキリング研修が注目される背景には技術的失業リスクや少子高齢化など、企業を取り巻く社会構造の変化があります。

将来を見据えて早い段階から時代に合う知識や技術を身につけておかないと、企業の持続的な成長が難しくなるでしょう。

リスキリングが必要な背景や企業がリスキリングに取り組むメリットは、下記の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。

▶【コラム】リスキリングとは? 実施する5つのステップと成功事例・取り組むコツ

CHAPTER02.

【目的別】リスキリング研修のカリキュラム例

リスキリング研修ではどのようなことをするのか理解するために、リスキリング研修のカリキュラム例をご紹介します。

リスキリング研修は「攻めのリスキリング研修」と「守りのリスキリング研修」の2パターンがあります。
それぞれどのようなカリキュラムを検討できるのか参考にしてみてください。

「攻め」のリスキリング vs. 「守り」のリスキリング
企業の目的
「攻め」のリスキリング:
事業の変革

新たな提供価値の創出
ビジネスモデルの変換
新規事業や事業への進出、等
「守り」のリスキリング:
業務の変革

業務の自動化・不要化
データ化による意思決定の速度・精度向上
既存社員の雇用維持、など
人材への期待
「攻め」のリスキリング:
変化を生み出す

今後の変化を予測し、自ら課題を設定して変革を起こす
「守り」のリスキリング:
変化に適応する

内外環境の変化に対して素早く柔軟に対応する
研修の種類概要
「攻め」のリスキリング研修
リスキリングを目的とした研修
自社の事業変革を目的として、今後の変化を生み出すための研修例:デジタルマーケティングに関する研修
  AIやビッグデータに関する研修
「守り」のリスキリング研修
リスキリングのリテラシーを高める研修
業務変革を目的として、変化に適応するために基礎知識やマインドを醸成するための研修例:デジタルリテラシーに関する研修
  コミュニケーション力に関する研修

2-1.「攻め」のリスキリング研修のテーマ例

目的概要
「攻め」のリスキリング2-1-1自社の事業変革の推進新規事業を推進するために、新しい思考力や、デジタル技術、データ利活用の知識・スキルを身につける
2-1-2自社の事業維持事業転換や新規分野への進出などを目的に自社の既存事業を維持する

2-1-1.自社の事業変革の推進を目的としたリスキリング研修のテーマ例

事業変革の推進では、必要なデータ利活用の知識やデジタル技術を学びます。

研修内容は自社が目指すDXにより変わりますが、一例として下記のようなテーマが検討できます。

【DX推進を目的としたリスキリング研修のテーマ例】
・デジタルマーケティングに関する研修
・AIやビッグデータなどの最新技術に関する研修
・クラウドやネットワークに関する研修
・ローコード開発に関する研修
・Web制作に関する研修

リスキリング研修でDXを扱う場合は「新しい業務が仕事で活用できる」ことが重要です。

  • 自社で新しい事業を立ち上げるためにIoTシステムについて学ぶ
  • 業務効率化のためにマーケティング部からデジタルマーケティング部に移行するための知識を学ぶ

など自社のDXが目指す姿に合わせた研修を検討しましょう。

2-1-2.自社の事業維持に向けた研修テーマ例

事業維持では将来の事業存続リスクに備えて、事業転換や新規分野への進出ができる知識・技術の習得を目的としたカリキュラムを実施します。

こちらも企業の将来ビジョンにより、取り組むべきことが大きく変わるので一概には言えませんが、下記のようなカリキュラムが検討できるでしょう。

自社の雇用維持の例カリキュラム例
将来の事業転換を見据えてWeb開発部署を立ち上げるため公募を行い、対象者が知識を身につける・Web開発の業務の流れを学ぶ
・役割に応じてプログラミングやデザインなどの専門知識を学ぶ
・Web開発事業の事例を学び自社企業の計画を立てる
将来新規分野への参入を目指して対象者がAIやビッグデータなど最新技術を身につける・ビッグデータやAIの基礎知識を学ぶ
・国内外での最新技術を活用した事例を学ぶ

例えば、将来自社の事業が縮小するリスクがあり、方向転換を迫られているとします。
方向転換をするには新しい事業や分野に関する知識が必要です。

新しい事業に関わる社員を対象にリスキリング研修を実施して、必要な知識を習得します。

2-2.「守り」のリスキリング研修テーマ例

目的概要
「守り」のリスキリング2-2-1リテラシーを高めるリスキリングが必要だというマインドセットや基礎知識を学ぶ
2-2-2自社の雇用維持技術的失業や余剰人員の再戦力化を目的に雇用を守る

2-2-1.自社のリスキリングのリテラシーを高める研修のカリキュラム例

リスキリング研修では、リスキリングのリテラシーを高めるカリキュラムを実施することも多いです。なぜなら、リスキリングで身につけた新しい知識を活用するには、基礎となるビジネススキルやデジタルリテラシーが必要不可欠だからです。

例えば。若手~中堅層が改革に向けた働きかけを組織にしようとするも、管理者層がボトルネックとなってしまい、思うように変革が進まない(研修での学びを活かしきれていない)ことはないでしょうか?

若手~中堅層が研修で新しい知識を習得しても変化への柔軟性が管理職になければ、有効活用できません。

そこで、管理職に対するリスキリングのリテラシーを高める研修も行うと、組織としてのリスキリングの成果を最大化できるでしょう。

▶詳しくはこちら:「3-2.企業の課題に合わせた「リスキリング研修」の実施」

全社員向けリスキリングのリテラシーを高める研修カリキュラム例

リスキリングのリテラシーを高めるカリキュラムは対象者の課題やリスキリングカリキュラムにより変わりますが、下記のようなものが検討できます。

分野カリキュラム例
デジタル分野・オンラインツールの使い方
・デジタルリテラシー
・WordやExcel、PowerPointなどの基礎的な知識
・DXの必要性や基礎知識
・セキュリティ対策
・最新技術の基礎知識など
人材育成分野・キャリア設計
・アンラーニング
・クリティカルシンキング
・マインドセット
・業務効率化のための仕事術
・リーダーシップ
・コミュニケーション力など

リスキリングが必要だというマインドをもってもらうためには、新しい業務や仕事に興味を持ってもらうことも必要です。そのためには、どのようなキャリア設計ができるのかなどを考える機会を与えることで、前向きにリスキリングに取り組む社員が増える可能性があるでしょう。

このように、リスキリング研修はリスキリングに直結する専門性の高い内容とリスキリングを間接的にサポートする内容を組み合わせ新しいビジネスに対応できる人材育成をすることがおすすめです。

例)eラーニング「GLOBIS 学び放題」コース:リスキリング時代に備える自分の学び羅針盤のつくり方

2-2-2.自社の雇用維持のカリキュラム例

雇用維持では将来の技術的失業や余剰人員に備えて、社員の再戦力化を目的としたカリキュラムを実施します。

企業の将来ビジョンにより取り組むべきことが大きく変わるので一概には言えませんが、下記のようなカリキュラムを検討できるでしょう。

自社の雇用維持の例カリキュラム例
将来的に製造作業を行う人員が余剰することを見据え、現場の運用や事務作業を行う立場に配置転換する・WordやExcelなどパソコン操作の基礎知識を学ぶ
・経費精算や労務管理など自社の事務作業の内容を理解する
技術的失業が起こることを見据え、プログラミングやデザインができる部署を立ち上げる・プログラミングの基礎知識を学ぶ
・業務に必要なツールの使い方を学ぶ
・Webデザインの基礎知識を学ぶ

例えば自社の行っている業務は将来、技術的失業(技術の進歩により雇用機会がなくなること)が起こるリスクがあるとしましょう。

その場合、将来を見越して対象となる社員にプログラミングやデザイン、データサイエンスなど新しい業務に就く機会を与える研修が該当します。

CHAPTER03.

グロービスのリスキリング研修メニューと活用事例

グロービスでは企業のリスキリングの目的や課題に応じた企業内研修、すぐに導入できるeラーニングサービス「GLOBIS 学び放題」などニーズに応じた研修を提供できます。

ここでは、グロービスが提供しているeラーニングサービス企業内研修の特徴をご紹介します。
リスキリング研修にお悩みの場合は、ぜひご活用ください。

グロービスのリスキリング研修例
GLOBIS 学び放題・導入実績3,700社超えのeラーニングサービス
・3,100コース以上が見放題
企業内研修・リスキリングの目的や企業の課題に応じた研修の実施
・eラーニングやアセスメントなど複数の方法を組み合わせることが可能

3-1.導入実績3,700社超のeラーニングサービス「GLOBIS 学び放題」

グロービスでは導入実績3,700社超えのeラーニングサービス「GLOBIS 学び放題」を提供しています。

3,100コース以上の動画が見放題で、リスキリング研修の目的やゴールに応じて活用しやすくなっています。ビジネス知識を基礎から実践まで体系的に網羅しているだけでなく、近年需要が高まるDXやGX、ITパスポートなどの人気資格に関するコースも揃い、学習できる領域が広がっています。
リスキリングで何を学ぶべきか悩んでいる方はぜひご検討ください。

資格取得のためのコース表

表のカテゴリ「分類」「学べる資格」「コース名(シリーズ名)※一部省略」
テクノロジーの資格:
ITパスポート試験:デジタル時代に必要な資格「ITパスポート」、ITパスポートドリル
データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル:データサイエンス入門
情報セキュリティマネジメント試験:情報セキュリティマネジメント入門
G検定™:受ける前に知っておきたい! G検定の基礎知識
DX検定™:速習! DXキーワード・トレンド
サラッとまるごとAIの仕組み
金融知識の資格:
日商簿記3級:日商簿記3級学ぶべき要素・講義編
日商簿記2級:日商簿記2級応用編、日商簿記2級記述
FP技能検定2級:最速FP! 2級演習/問題演習
FP技能検定3級:最速FP! 3級講義/問題演習
組織マネジメントの資格:
PMP®(PMBOK®):情報マネジメント入門
SHRM:人事の基礎知識
英語の資格:
TOEIC®:「TOEIC力」底上げで高得点を目指す!、Ei-Tan-GO!
(注記:「資格取得のための学びをサポートするコースの一部 (2024年4月時点)」)

【GLOBIS 学び放題のコース例】

ITパスポート資格コースの画像20章デジタル時代に必要な資格「ITパスポート」テーマ「データベース」 AIと金融業界に関するコースの画像タイトル「この業界 AIでどうなる? 金融編」背景には都市とロボットのイラスト

また、受講者と管理者の双方の視点を取り入れているので、リスキリング研修を進めやすくなっています。

「GLOBIS 学び放題」の強み
・動画は1本3分からで手軽に視聴できる
・パソコンやスマートフォン、タブレットなどのマルチデバイスに対応している
・グロービスグループで培われたコンテンツ設計力をもとに専門チームが制作している
・グロービスが厳選したコースセットが80以上あり目的に応じて活用しやすい
・時流に合わせたコンテンツを毎月追加・更新している
・継続的な学びを促す学習計画機能付き
・自社に合わせた管理・育成設計がしやすい

受講者からは、学びやすさやコンテンツの質の高さを評価していただいています。

「GLOBIS 学び放題」の受講者の声
・さまざまな分野の第一線で活躍する講師が登場したり、最先端のビジネス手法で話題となった企業の実例も紹介されたりするなど、旬のテーマについても多角的に学ぶことができ、コンテンツそのものの面白さも魅力です。

・1時間程度と長めの動画も細かいチャプターに区切られているため隙間時間に気軽に視聴できますし、既に知っているところは倍速で理解が足りていない部分は通常のスピードで見ることで、効率的に学ぶことができました。

「GLOBIS学び放題」は無料トライアルを用意していますので「まずは試してみたい」「リスキリング研修に活用できそうか使ってみたい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。

無料トライアル実施中!

-全コンテンツ視聴可能-

3-2.GLOBIS 学び放題の活用事例

事例①:株式会社八十二銀行様「マネジメントスキルと新人育成が向上」

課題:マネジメントの手法などを体系的に学ぶ機会が少なく属人的なマネジメントスタイルになるケースがあった。また新入行員研修の見直しをはかっていた。
成果:管理職層の業務への活用や意識改革が進んでいる。新入行員研修には、インプットツールとして活用することで、思考力が養われた。

▶詳しくはこちら:マネジメント層のリスキリングと新人育成に『GLOBIS 学び放題』を活用VUCA時代にふさわしい組織へ

事例②:株式会社NTTデータビジネスシステムズ「社員のスキルアップの実現」

課題:社員のスキルを「スペシャリティスキル」「ジェネラリティスキル」の2つに分けて管理。スペシャリティスキルは仕事内容によって必要なスキルが変わるので、社員がスキル習得できるよう、現場と人事が連携して、サポート。ジェネラリティスキルは職能資格制度に関連しているが、スキル差があることが課題だった。
成果:ジェネラリティスキルのリスキリングにつながった

▶詳しくはこちら:『GLOBIS 学び放題』を育成プラットフォームに“知の体系”を次世代に紡ぐ

事例③:全日本空輸株式会社「社員のリスキリングと自律的学びの推進」

課題:一人ひとりの成長意欲に対して、人財大学や人事部が提供する学習だけでは、ニーズに対応しきれていないという課題があった。
成果:職掌転換の試験のために、必要なビジネススキルをGLOBIS 学び放題で学び、キャリアチェンジにつながった社員がいるなど、社員のリスキリングと学びの推進ができている。

▶詳しくはこちら:逆境だからこそ、社員の学びを後押しする ANA人財大学が取り組む自律成長支援とは?

3-3.企業の課題に合わせた「リスキリング研修」の活用事例

グロービスでは、リスキリングの目的や企業の課題に応じたリスキリング研修を実施しています。

グロービスは累計6,700社(2023年時点)に教育サービスを提供した実績があり、柔軟なカリキュラムの提案ができます。

実際に下記のようにリスキリング研修を実施し、成果を実感していただいています。

事例①:通信業界「1on1におけるコミュニケーション力・質問力の向上」

50代向け1on1コミュニケーション研修の概要

対象: 50代で本研修の参加を自ら志願された方(先着50名)
目的: 1on1の際に部下のモチベーションを促すためのコミュニケーション方法を習得すること
課題:
部下と1on1で何を話せば良いか分からず、その場から逃れるために理由をつけて1on1をスキップしている
仕事の進捗確認ばかりで、部下にとって1on1が苦痛な時間になっている
背景: 上位下達の文化で育ってきているため、1on1の場で部下に問いかけ、育成するという概念を理解していない
ロープレ重視の研修イラスト: 上司と部下が1on1の会話練習を行っている場面
受講者の声:
久しぶりに研修を受講し、学ぶことの重要性を再認識した
1on1に限らず、同年代が抱える悩みを知ることができて良かった(自分だけが不安なのではないと知ることで安心した)
公募施策であったため、受講生のモチベーションが高く刺激になった

事例②:金融業界「1on1におけるコミュニケーション力・質問力の向上」

スキル獲得と実践研修のプロセス

スキルの可視化: 経営基礎の知識レベルを把握し、自己の危機感を形成
学習プログラムの提供: 組織変革のリーダーシップや部下育成の質問力のコース提供
実務でのスキル応用: 学んだ知識を日々の業務に活用し、ケーススタディを通じて実践力を高める
活用事例を共有: グループ内で活用事例の発表会を実施し、知識の共有を促進

課題:若手~中堅層が改革に向けた働きかけを組織にしようとするも、管理者層がボトルネックとなってしまい、思うように変革が進まない(研修での学びを活かしきれていない)状況があった
成果:何を学ぶべきかを理解したうえで研修を受けたことで、環境変化に対応するために、自身・組織を変える必要性を実感できた

事例③:金融業界「中高年向け意識変革」

中高年社員層の中には、世の中や組織の変化を認識しつつも、リスキリングの前提となる、自己変革に対するマインドセット醸成がしきれていない方へ向けた意識変革の研修なども事例がございます。

中高年向け意識変革研修の事例概要

目的: 自身の経験やキャリアを省みて、自己変革の必要性を認識し、組織へ貢献していくマインドセットを構築する。
研修後のゴール:
これまでのキャリアと価値観を言語化し、目指すキャリアの方向性と具体的な行動が明確になる。
自分の価値観と組織からの期待の重なりを認識し、モチベーションの源泉を見出す。
研修における難所: 自分がなぜ研修に参加するか理解できず、具体的な行動に結びつけられない場合がある。
アプローチ: トップ講師による講義やケースメソッドで自己認識を深め、振り返りとコメントシートで行動を計画する。

事例④:放送業界「アセスメントテストのスコア向上、リスキリングの必要性実感」

40代以上の前向きな社員向け研修概要

対象: 各部署から推薦を受けた40代以上の社員で、前向きな方
目的: 新たなビジネスモデル構築のため、思考力とモノ系リテラシーを向上させる。
課題: 実行力や新ビジネスモデルの検討力が不足している。
背景: 動画提供プラットフォームの増加により、良いコンテンツ制作だけでは競争に勝てなくなっている。
イラスト: 他流試合の様子
受講者の声:
他業界の交流を通じ、自分たちの不足点を知ることができた。
新しい観点を学び、伝えることの重要性を感じた。
中高年向け研修の3段階のプロセス

STEP1: マインドチェンジ(6月)
経営知識アセスメント、トップ講師によるマインドセット
STEP2: 経営リテラシー強化・他流試合による刺激(7〜12月)
クリティカル・シンキング、マーケティング経営戦略のスクール型研修
STEP3: 効果測定・実践への活用(1月)
経営知識アセスメントと自社課題の発表
動画学習: 経営・テクノロジーの基礎獲得のためのグロービス学び放題(6か月間)

リスキリング推進と育成カリキュラム設計ポイントは下記にまとめていますので、ぜひご活用ください。

CHAPTER04.

リスキリング研修の期間

リスキリング研修を実施するときに気になるのが、研修期間です。
結論から言うと、リスキリング研修の期間に決まりはありません。

リスキリングのゴールや現在の社員のスキルにより、必要な研修期間が異なるからです。

リスキリング自体が中長期的な取り組みなので、企業戦略の一環として時間をかけて進めるイメージを持つといいでしょう。

研修によっては数日や1週間で完了するものもありますが、課題や目的に応じて研修を重ねていきます。

例えば、下記のようにステップに分けて必要な研修を行い、知識や技術を新しい業務で活かせるように推進します。

DXを推進する研修の例カリキュラム例
ステップ1:基礎知識の底上げ・DXリテラシー研修
・DXの必要性
・セキュリティ対策
ステップ2:専門的な知識の習得・データの利活用
・ツールの使い方
・データサイエンス
ステップ3:専門的な知識の深掘り・最新のデジタル技術
・業務での活用法
・データの応用利活用

このように、リスキリング研修は数日間の特定の研修をすれば終わりではなく、リスキリングの全体像を見ながら必要な研修を決めていきましょう。

CHAPTER05.

リスキリング研修を実施する3つのメリット

リスキリング研修の概要が理解できたところで、リスキリング研修を実施する具体的なメリットをご紹介します。

リスキリング研修に取り組むと社内にない知識や技術を習得できるなどのメリットがあるので、ぜひチェックしてみてください。

リスキリング研修を実施する3つのメリット

タイトル: リスキリング研修を実施する3つのメリット
社内にない知識や技術を学べる
体系的に取り組める
人材不足を回避しながら必要なスキルを習得できる

5-1.社内にない知識や技術を学べる

1つ目は、社内にない知識や技術を学べることです。
リスキリング研修を実施すれば、専門的な知識を持つ講師から質の高い学びを受けることができます。

リスキリング研修をしない場合・社内にある知識や技術しか教えることが難しい
・リスキリングの対象分野に柔軟に対応できない
→リスキリングが進まない
リスキリング研修をする場合・社内にない知識や技術を学べる
・専門性の高い分野であっても知識や技術を習得できる
→リスキリングを効率よく進められる

その結果、リスキリングを効率よく進めることができ、自社の目指すビジョンを達成しやすくなるでしょう。

とくにリスキリングは時代のニーズに合う新しい知識や技術を必要とする側面があるため、研修を実施することで最新の知識や専門性の高い知識にも対応できます。

5-2.体系的に取り組める

2つ目は、リスキリング研修に体系的に取り組めるところです。

4.リスキリング研修の期間」でも触れたようにリスキリングは一つの分野の研修で終わることは少なく、ゴールが達成できるよう幅広い知識や技術を身につける必要があります。

そのときに、どのようにリスキリングに取り組めばいいのか迷うことが多いです。

【リスキリングに取り組むときの悩み】
・どのような研修を実施すればいいのか分からない
・計画的に進める方法が分からない
・流行の研修のみを実施したものの成果がない

7.リスキリング研修に取り組む5つのステップ」で解説しているように適切なステップに沿ってリスキリング研修の企画や運営ができれば、自社のリスキリングに必要知識を体系的に学べます。

自社で企画・運営が難しい場合は外部委託をすれば、プロの視点でリスキリング研修の企画から運営まで行ってもらうことも可能です。

このように、適切なステップを踏みリスキリング研修ができれば、リスキリングのゴールに向けて中長期的に取り組みやすくなるでしょう。

5-3.人材不足を回避しながら必要なスキルを習得できる

3つ目は、人材不足を回避しながら必要なスキルを習得できることです。
例えば、企業が現在の事業だけでは生き残ることが難しいと判断した場合は、事業転換や新規分野への進出など新たな戦略を考えなければなりません。

5年後に時代のニーズに合うデジタル技術を活用した事業を展開したいと戦略を打ち出したときに、課題となるのが知識や技術のある人材の確保です。

IT人材は2030年には78.9万人不足すると予測されており、外部からの採用も厳しいのが現状でしょう。

そこでリスキリング研修を実施すれば、自社の戦略に応じて必要なスキルを社員が習得できます。

外部から新たな人材を採用しなくても自社に必要なスキルを補完でき、戦略実現に向けて舵を切れるところはリスキリング研修のメリットだと言えるでしょう。

CHAPTER06.

リスキリング研修のデメリット・注意点

リスキリング研修のメリットが理解できたところで、気になるのはデメリットや注意点です。
リスキリング研修のデメリットや注意点としては、下記の点が考えられます。

リスキリング研修のデメリット・注意点デメリットをカバーする工夫
1)コストがかかる・助成金や補助金を活用する
・予算に応じて計画的に進める
2)すぐに成果が出るものではない継続して取り組めるように計画を立てる
3)社員の意向や負担を考慮する・社員の意思を確認する
・業務負担が大きくなる場合は業務量を調整する

とくにリスキリング研修では、どうしても新しい知識や技術を身につけるための費用がかかります。

研修に投資できる予算が決まっている場合は予算に応じて、計画的に進めると取り組みやすくなるでしょう。

リスキリングは政府も推奨している取り組みなので、場合によっては補助金や助成金を活用できるケースもあります。国や地方自治体のホームページを見て、活用できそうな補助金や助成金がないか確認してみるのも一つの方法です。

また、リスキリング研修で扱うのは、新しい業務や仕事で活かせる知識や技術が中心です。

例えば、営業部からデジタルマーケティング部に異動したい場合、社員が身につける知識は多岐に渡ります。数日や数週間での習得は難しく、継続して取り組む必要があることを念頭に置いておきましょう。

他にも、リスキリング研修は業務の一環ではありますが、社員のやる気や意思を尊重することが大切です。

例えば、事業転換のために新しい知識や技術を身につける社員が「なぜ自分なのか分からない」状態では前向きに取り組めまぜん。

リスキリング研修対象者の思いや意思を確認したうえで、対象者を決めることも大切です。

CHAPTER07.

リスキリング研修は企業が主導して積極的に取り組む

ここまで解説してきたように、リスキリング研修はリスキリングを実現するために必要不可欠な研修です。

リスキリングは国をあげて推進しているだけでなく、企業が継続的に成長するために欠かせません。

リスキリング研修の企業成長における重要性

テキスト内容: 企業が継続的に成長するには業務の一環としてリスキリング研修に積極的に取り組む

例えば、今リスキリングに取り組んでいる企業と取り組んでいない企業では、数年後に企業内に保有しているスキルや技術に大きな差がつくでしょう。

VUCA時代(変化が激しく先行きが不透明な時代)でも企業が成長し続けるため、企業の規模を問わず業務の一環としてリスキリング研修に取り組むことが求められています(企業規模ごとの取り組み方のポイントは「10.【企業規模別】リスキリング研修を企画するときのコツ」で触れています)。

リスキリング研修は企業の未来を見据えて必要な知識や技術をいち早く習得できるため、自社の戦略やビジョンと照らし合わせながらいち早く開始しましょう。

次の章からは、リスキリング研修の具体的な取り組み方をご紹介します。

CHAPTER08.

リスキリング研修の3つの方法

リスキリング研修を実施する具体的な方法には「外部委託」「eラーニング」「内部研修」の3つがあります。

それぞれ特徴やメリットが異なるため理解したうえで、選択することが大切です。

ここでは、リスキリング研修の3つの方法のメリットやデメリット、向いているケースをまとめているので、参考にしてみてください。

リスキリング研修の方法概要
外部委託外部の委託会社を活用する研修方法
・外部のスクールに通学する
・外部講師を招いて研修する
・委託会社に自社に合う研修を企画運営してもらうなど
eラーニングパソコンやタブレット、スマートフォン経由で学習コンテンツを利用する方法
・DXに関するカリキュラムがあるeラーニングサービスを利用するなど
内部研修自社で企画・運営する研修
社内の人材が持つ知識や技術を共有する
・グループ会社の知識や技術を学ぶなど

8-1.外部委託

外部委託
外部の委託会社を利用する研修
メリット・専門性の高い知識や技術を学べる
・最新のデジタルスキルなど新しい知識や技術を学べる
・社内の負担が少ない
デメリット・コストがかかる
・時間や場所のコントロールがしにくい

外部委託は、外部の委託会社を活用する研修方法です。
リスキリングでは社内にない知識や技術の習得を目指すことが多いため、主流の方法になります。

  • 外部スクールに通いプログラミングやデータサイエンスなどの専門的な知識を学ぶ
  • 外部講師を招き最新のデジタル技術について学ぶ
  • リスキリングに強い委託会社に研修を企画、運営してもらう

などが該当します。

外部委託の最大のメリットは、自社にない新しい知識や技術を学べるところです。

例えば、DX推進のリスキリング研修をしたいときに、社内にDX推進に詳しい人材はいないでしょう。

外部委託ならDX推進の専門的な知識や技術を有する講師から学べるため、正しい知識を効率よく身につけられます。

また、リスキリング研修に強い委託先に依頼できれば、自社のビジョンや課題に応じてカリキュラムを組んでもらえます。

間接的にリスキリングに貢献するカリキュラムも取り入れながら、リスキリングの成果を最大化できるでしょう。

一方で、外部委託は一定のコストがかかります。
とくにリスキリングは中長期的に取り組み業務で実践できるレベルに到達する必要があるので、ランニングコストを踏まえて検討することが大切です。

【外部委託がおすすめのケース】
外部委託は、自社にない知識を学びたい場合や企画から運営までをプロに任せたい場合に向いています。

・自社にない知識を学びたい場合
・専門性の高い知識やスキルを学ぶ場合
・企画から運営までをプロに任せたい場合

「リスキリング研修をどのように実施すればいいのか分からない」「新規分野なので自社にノウハウがない」という場合は、外部委託を検討してみましょう。

8-2.eラーニング

eラーニング
パソコンやタブレット経由で学習コンテンツを利用する方法
メリット・一人ひとりのペースで学習できる
・DXやAI、マインド、思考力など幅広いテーマを扱える
・学習履歴を可視化しやすい
・全社員に均一な学習機会を提供できる
デメリット・強制力がないのでモチベーションを維持しにくい

eラーニングは、パソコンやタブレット、スマートフォン経由で学習コンテンツを利用する方法です。

下記のようにeラーニングサービスにアクセスするとコンテンツが表示されて、動画やスライドを視聴しながら知識を習得します。

eラーニングのメリットは、幅広い知識を学べるところです。

eラーニングサービスにより扱っているテーマは異なりますが、DXやAI、マインド、思考力など幅広いコンテンツが用意されていることが多いです。

座学で習得できる分野であれば、幅広い知識を網羅的に学習することができるでしょう。

一方で、eラーニングは対面研修のように、強制力がありません。

活用の程度や理解度は個人により差が出やすいため「人事評価に反映させる」「必須カリキュラムと期限を決める」など取り組み方を工夫する必要があるでしょう。

【eラーニングがおすすめのケース】
eラーニングは、座学で学べる基礎的な知識を身につけたい場合や多くの社員に均一な知識を身につけて欲しい場合に向いています。

・多くの社員に均一な知識を身につけてほしい場合
・基礎的な知識を身につける場合
・社員が手軽に学びやすい環境を整えたい場合

例えば「DXを推奨するためのリテラシーを全社員に身につけて欲しい」「データ利活用の基礎を多くの社員に学んで欲しい」などの場合に向いているでしょう。
ただし、eラーニングで学べる知識や習熟度には限界があるので、外部委託や内部研修と組み合わせて活用することが一般的です。

8-3.内部研修

内部研修
自社で企画・運営する研修
メリット・自社の考えやビジョンを反映できる
・コストを抑えられる
・スケジュールやカリキュラムのコントロールがしやすい
デメリット・自社に知識や技術がない分野は対応しにくい
・社内の負担が大きい
向いているケース・社内の人材が持つ知識や技術を共有する場合
・自社戦略など自社ならではの考え方を共有したい場合

内部研修は、自社で企画・運営する研修です。

新しい知識や技術の習得が中心となるリスキリング研修では出番の少ない方法ですが、社内の人材が持つ知識や技術を共有する場合や間接的にリスキリングに貢献する知識として自社の戦略などを共有するときに活用できます。

内部研修のメリットは、スケジュールやカリキュラムのコントロールがしやすいところです。

自社で企画から運営までを行うため、自社のリスキリングの方針やゴールを踏まえて柔軟に設計できます。

他の業務とのバランスを見ながらスケジュール調整もできるため、社員の負担を軽減しながら取り組めるでしょう。

一方で、内部研修は、社内に知識や技術のある分野しか対応しにくいです。
リスキリング研修の中心となる最新のデジタル知識や新しい技術の習得は難しいでしょう。

リスキリング研修の導入のみを内部研修で実施して専門的な知識が必要な部分は外部委託やeラーニングを活用するなど、習得したい内容によって使い分けることが重要です。

【内部研修がおすすめのケース】
内部研修は、社内の人材が持つ知識や技術を共有する場合や間接的にリスキリングに貢献する知識として自社の戦略などを共有するときに向いています。

・社内の人材が持つ知識や技術を共有する場合
・自社戦略など自社ならではの考え方を共有したい場合
・グループ会社の知識や技術を学ぶ場合

例えば「自社の戦略を理解してから知識を習得して欲しい」「基礎的なスキルなら自社の社員が講師となり教えることができる」という場合は、内部研修を活用できます。

8-4.リスキリング研修の方法を選ぶときは「リスキリングのゴール」を意識する

ここまで、リスキリング研修の方法を解説してきました。

リスキリング研修は外部研修やeラーニングが主流ではあるものの、どの方法を選択すればいいのか悩む方もいるかと思います。

リスキリング研修の方法を選ぶときは、自社の研修のゴールを意識しましょう。

  • 他社も実施しているeラーニングを導入する
  • トレンド感のあるリスキリング研修をしている会社に委託する
  • 社内にある知識で研修する

などの方法では、リスキリングのゴールに近づけない研修になってしまいます。

リスキリングのゴールから自社に必要なスキルを明確にして、そのスキルを学べる方法を選択してください。

チェック項目回答例
1)リスキリングのゴールは?DX推進部の立ち上げ
2)リスキリング研修で学ぶべきスキルは?・データ利活用
・デジタル技術
・デジタルリテラシーなど
3)社内に学ぶべきスキルはある?ない
4)検討できる研修方法は?・eラーニング
・外部委託

上記のように「eラーニング」と「外部委託」の2つの方法が該当する場合は、社員の現在のレベルや予算などを踏まえて選択するといいでしょう。

予算がある場合は、基礎的な知識はeラーニングで学び、実践的な部分は講師を招いて習得するなどの使い分けも可能です。

このように、リスキリング研修の方法はカリキュラム内容から選ぶのではなく、自社の目指すゴールを実現できる方法を選択してください。

▶【関連コラム】:リスキリング推進と育成プログラム設計のポイント〜施策の実践性を高めるアプローチとは〜

CHAPTER09.

リスキリング研修に取り組む5つのステップ

リスキリング研修に取り組む5つのステップ

タイトル: リスキリング研修に取り組む5つのステップ
STEP 1: 企業戦略と現状の課題を分析する
STEP 2: 研修の目的・対象者を決める
STEP 3: 研修のカリキュラムを決める
STEP 4: リスキリング研修を実施する
STEP 5: 研修で得た知識を業務に活かす

リスキリング研修の方法が理解できたところで、リスキリング研修を進めるステップをご紹介します。

リスキリング研修は自社の企業戦略や課題をもとにカリキュラムを決めていくことがポイントです。
リスキリング研修の全体像を掴むためにも、参考にしてみてください。

9-1.企業戦略と現状の課題を分析する

まずは、自社の企業戦略と現状の課題を分析しましょう。

リスキリング研修をするときに流行のカリキュラムや人気のカリキュラムを実施しても、自社の目指すリスキリングと乖離してしまうためです。

まずは下記の3つの視点で、自社の戦略や外部環境の変化に対応するにはどのようなリスキリングが必要なのか考えてみてください。

3つの視点チェックポイント
外部環境・自社を取り巻く外部環境(競合他社や法律、業界の流行など)はどのように変化しそうか?
・外部環境の変化によりステークホルダー(顧客や競合他社など)にどのような影響がありそうか?
自社の戦略・自社の事業や強みはどのように変化していきそうか?
・自社の戦略や組織はどのように変化していきそうか?
・自社の事業はこのまま成長を続けられそうか?転換が必要か?
自社の人材・自社のリスキリングを実現するにはどのような人材が必要か?
・自社のリスキリングを実現するには現状の人材にどのような課題があるのか?

例えば、DXの推進や技術の発達により、今後は競合他社もデジタル技術を活用していくと考えられます。
そのため、自社では2年後にデジタル技術の活用に取り組む部署を立ち上げるとしましょう。

デジタル技術の活用に取り組む部署には、データの利活用ができる人材やアプリ開発ができる人材、データサイエンスができる人材などが必要です。

現在の人材にデータの活用技術やアプリ開発などが不足していれば、その部分が現状の課題となります。

このように、まずは自社の戦略や外部環境を紐解き、将来の変化に備えてどのようなリスキリングが必要なのか考えてみてください。

例えば、外部戦略、自社戦略が決まり、新しい部門を立ち上げることが決まった場合には、新しい部門メンバーが必要となる行動を現部門と比較することで強化すべきスキル・マインドを特定することができます。

9-2.リスキリング研修の目的・対象者を決める

自社の戦略や外部環境、人材の変化が理解できたら、リスキリングの目的と対象者を決めます。

2.【目的別】リスキリング研修のカリキュラム例」で解説した目的を参考に、どのような目的で取り組むのか決めてみましょう。

「攻め」と「守り」のリスキリング

「攻め」のリスキリング:
企業の目的: 事業の変革、新価値の創出、ビジネスモデル転換など
人材への期待: 変化を生み出す、自己課題を設定し変革を促す
「守り」のリスキリング:
企業の目的: 業務の効率化、意思決定のスピード向上、既存社員の雇用維持など
人材への期待: 変化に適応する、内外環境の変化に柔軟に対応する

例えば、外部環境の変化により事業転換が必要な場合は、「攻め」のリスキリングである事業の変革が目的になるでしょう。

目的が決まったら、リスキリングの対象者を決めていきます。

リスキリングの対象者は、企業の目的や戦略により大きく異なります。

【リスキリングの対象者の決め方の例】
・若手社員や中間管理職など特定の階層を対象にする
・マーケティング部や営業職など特定の部署を対象にする
・他の職種や業務に興味がある社員を社内公募する
・企業側で選抜をする

自社の戦略として2年後にヘルプデスク担当者の一部をインサイドセールス担当者に転身させたい場合は、ヘルプデスク担当者がリスキリング研修の対象です。

また、デジタル技術の活用に取り組む部署を立ち上げたい場合は、業務効率化や自動化により余剰人員が出そうな部署より公募をして、リスキリング研修対象者を決めてもいいでしょう。

間接的にリスキリングに貢献する研修は、全社員を対象に行うことも検討できます。
このように、自社のリスキリングの目的と戦略に沿って、対象者を絞り込むことが大切です。

【対象者を決めるときには隣接スキルに着目する】
リスキリングにより新しい業務や仕事を設けるときに「どのポジションの人材が適任なのか」悩むケースもあるかと思います。

そのときには「隣接スキル」に着目してみましょう。
隣接スキルは現在の仕事と関連性があるので、保有スキルを活かしながら新しい業務や仕事で活躍できます。

一例として、ヘルプデスク担当者の隣接スキルは下記のとおりです。

・インサイドセールス
・システムサポートなど

社内の配置転換に悩んだら、現在の業務やスキルを活かせる人材に着目すると人選しやすくなるでしょう。

9-3.リスキリング研修のカリキュラムを決める

リスキリングの目的と対象者が決まったら、具体的なカリキュラムを決めていきます。
リスキリングのカリキュラムは、下記の4つの視点で考えるといいでしょう。

リスキリング研修のスキルピラミッド

ピラミッド構造でリスキリングに必要なスキル階層を示す
最下層: 志・キャリア観
次層: 汎用的ビジネススキル
次層: ビジネス構造
最上層: 専門性
4つの視点概要と具体例
専門性時代のニーズに応じた専門的な知識や技術
例:デジタルマーケティング・データサイエンスなど
ビジネス構造ビジネス構造やユーザーの価値の変化により必要となる知識や技術
例:最新のビジネス構想に関する知識など
汎用的なビジネススキルすべてのビジネスパーソンに必要な知識や技術
例:コミュニケーション力・リーダーシップ力など
志・キャリア観変化の激しい時代に対応できる志やマインド
例:自身の成し遂げたいこと・キャリア設計など

リスキリング研修のカリキュラムを決めるときに、専門的な知識のみを身につけても土台となる「汎用的なビジネススキル」や「志・キャリア観」がなければ十分に活躍できません。

例えば、DX推進を目的にDX推進室に滞在するリーダーを輩出したいと考えているときにDXに関する知識はあっても、時代の流れに対応できる力やリーダーシップ力がなければ知識を活かして活躍しにくいです。

専門性の高いスキルと併せて、ビジネス構造の変化に向き合えるキャリア観や基礎的なビジネススキルの習得も念頭に置いてカリキュラムを検討してみてください。

【対象者によりカリキュラムを変えることが大切】
リスキリング研修のカリキュラム考えるときは、対象者や習熟度に応じて複数のカリキュラムを用意しましょう。

リスキリングの対象者は新しい業務や仕事に就くために専門的な学びが必要ですが、その他の社員はゴールに応じた基礎的な理解が求められます。

例えば、DXを推進する場合はリスキリング対象者だけでなく、全社員がDXの基礎知識を習得しておきたいところです。

このように、対象者によりどのようなカリキュラムが必要なのか検討してみてください。
【社員のスキルは4つの視点で可視化する】
将来必要なスキルと現在のスキルを比較するときには、下記の4つの視点でスキルを可視化することも役に立ちます。

・業務経験:社員が携わっている業務や経歴
・資格やアセスメントの結果:社員の保有する資格やアセスメントテストの結果
・自己・他己評価:自己評価や上司、部下などからの他己評価
・研修受講履歴:これまで受講した研修歴

この4つの視点で、個人のスキルや部署ごと、階層ごとなどのスキルを可視化すると学ぶべき分野が見えてくるでしょう。

9-4.リスキリング研修を実施する

リスキリング研修のカリキュラムが決まったら、研修内容に沿って実践していきます。

このときに重要なのが、リスキリング研修のフォローを行うことです。

リスキリング自体が企業主導で取り組むものなので、リスキリング研修の取り組みを個人に委ねることは好ましくありません。

リスキリング研修の方法によってフォローするべき内容は異なりますが、一部として下記が検討できるでしょう。

【リスキリング研修でのフォロー方法】
・リスキリング研修で得た知識を共有する場を設ける
・eラーニングの場合はおすすめのカリキュラムなどを紹介し興味を持ってもらう
・リスキリング研修の成果を可視化して共有する

例えば、リスキリング研修の前後にアセスメントテストを実施する、eラーニングの取り組み状況を可視化するなど成果が見えるように工夫すると、モチベーションアップにつながるでしょう。

また、リスキリング研修の負担が大きい場合は業務量を調整して、リスキリング研修に集中できる環境を整えることが大切です。

【リスキリング研修は業務時間内に実施する】
リスキリング研修は「業務」の一環として、業務時間内に実施できるスケジュールを作成しましょう。

日本企業では労働時間外に個人主体でeラーニングに取り組むなどの実施方法も見受けられますが、海外では業務時間内に実施することが根付いています。

リスキリング研修はあくまでも業務の一環だと認識して、業務内で取り組めるように工夫してみてください。

9-5.リスキリング研修で得た知識を業務に活かす

リスキリング研修で得た知識や技術は、新しい業務や職業に活かしましょう。
リスキリングのゴールは新しい知識の習得ではなく、新しい環境で活用することです。

下記のように、知識や業務を活かせる動線までを設計しておくといいでしょう。

知識や技術を活かす方法具体例
新プロジェクトにアサインする知識や技術を活かせる新しいプロジェクトにアサインする
部署異動をする知識や技術を活かせる部署に異動する
兼任する今の業務と知識や技術を活かせる業務を兼任する
出向するグループ会社などに出向してリスキリングで得た知識や技術を活かす

また、リスキリング研修では今まで企業で実施してこなかった新しい知識や技術を学ぶケースが多いです。

視点を変えると新しいチャレンジをしていることになるので、思ったように進まないこともあるでしょう。
新しいチャレンジには失敗は付き物だと考え研修の成果を振り返りながら、少しずつ研修方法を改善していくことも重要です。

CHAPTER10.

【企業規模別】リスキリング研修を企画するときのコツ

ここでは、大企業と中小企業に分けてリスキリング研修を企画するときのコツをご紹介します。

リスキリング研修の成果を最大化するためにも事前に知っておきたいポイントなので、ぜひ参考にしてみてください。

企業規模企画のコツ
中小企業リスキリング研修の必要性を伝えるマインドセットからスタートする
大企業社員数が多いため対象者選定を工夫する

10-1.中小企業はマインドセットからスタートする

中小企業はリスキリングの必要性を理解していても、なかなか前に進めない現状があります 。

とくに時代の流れに沿ったデジタル技術やデータ活用に馴染みのない業種では、社員に必要性が伝わらず目の前にある仕事をこなすことに重きを置いてしまうケースも少なくありません。

中小企業では下記の4つのステップを意識して、社員の意識を変えるところから始めるといいでしょう。

4つのステップ概要
1)マインドセット社員の不安や抵抗感に向き合い、リスキリング研修ができる状況を作る
例:リスキリング研修やDXの必要性を伝える
2)研修の実施社員に理解をしてもらったうえでリスキリング研修を実施する
例:社員のメリットを優先してeラーニングなど取り組みやすい部分から始める
3)研修の加速リスキリング研修に慣れてきたところで研修を加速する
例:専門的な知識の習得など本格的な研修を実施する
4)組織風土への定着リスキリング研修で得た知識を組織風土に落とし込む
例:デジタル技術を使う部署の設置

リスキリング研修に成功した企業は、社員のマインドセットに力を入れています。

リスキリング研修の重要性や現状維持の危機感が伝わるとリスキリング研修への姿勢が変わるため、理解できるまで取り組むようにしましょう。

社員の理解が得られたら少しずつリスキリング研修を加速させて、企業内の変革につなげていきます。
費用がネックになる場合は数日間の研修実施などスモールスタートさせて、少しずつ知識を身につけていくことがおすすめです。

10-2.大企業は対象者の絞り込みを工夫する

大企業は社員数が多いため、リスキリング研修の対象者選定が課題になる傾向があります。
そのため、リスキリング研修を実施する前に、下記のような方法で対象者を選別するケースが見受けられます。

【リスキリング研修の対象者の絞り込み方】
・キャリア設計面談を行い将来のビジョンを明確にする
・社内インターンシップ制度を活用して他の業務を体験する
・副業制度で他の業務を体験する
・他部署と交流する機会を設けて将来のビジョンを描きやすくする

例えば、他部署異動を目的としたリスキリング研修をする場合は、事前に社内インターンシップ制度を活用して業務を体験します。

体験してみて「興味がある」「向いている」と感じる場合は、リスキリング研修に参加して本格的に部署異動を目指します。

このように、大企業ではリスキリング研修の対象者を絞り込む段階で工夫を取り入れてみるといいでしょう。

【職場復帰としてリスキリング研修を活用することもできる】
大手企業の場合は一度業務を離れた社員や退職した社員を対象に、新しい知識を身につけるリスキリング研修も検討できます。

例えば、退職をして自社業務を離れた社員に、デジタル技術など新しい知識を身につけてもらい雇用機会を創出することが該当します。

企業戦略や予算により検討できる範囲は限られますが、海外では浸透しつつある方法なので検討してみるといいでしょう。
CHAPTER11.

リスキリング研修を成功させる3つのポイント

せっかくリスキリング研修を実施するなら、成果を最大化したいところです。
そこでここでは、リスキリング研修を成功させるポイントをご紹介します。

どのような点に着目すると成功に近づくのか分かるので、事前に把握しておきましょう。

リスキリング研修を成功させる3つのポイント

タイトル: リスキリング研修を成功させる3つのポイント
課題や目的に合うカリキュラムに取り組む
リスキリング研修を評価に反映させる
社員に納得感を持ち取り組んでもらう

11-1.課題や目的に合うカリキュラムに取り組む

リスキリング研修を実施するときには、自社の課題や目的に合うカリキュラムに取り組むことが大切です。

リスキリング研修では、流行のカリキュラムやデジタル系のカリキュラムになんとなくチャレンジしたものの成果が出ない、という失敗をするケースがあります。

確かにデジタル系のスキルアップにはつながるかもしれませんが、リスキリングには直結しません。

そもそもリスキリング研修は自社のリスキリング達成を目指し取り組むものなので、リスキリングの目的や自社の課題と一致していることが重要です。

例えば、雇用維持のために新しい部署を立ち上げる場合は、下記のような部分がリスキリング研修の対象になるでしょう。

【雇用維持のために新しい部署を立ち上げる場合】
・新しい部署に異動予定の社員は立ち上げる部署で使うスキルを身につける(データサイエンス・AI・ビッグデータなど)
・全社員は変化に対応するためのマインドセットやデジタルリテラシーを身につける

このように、リスキリング研修はカリキュラムから選ぶのではなく、自社の目的や課題から実施するべきことを検討するようにしてください。

11-2.リスキリング研修を評価に反映させる

リスキリング研修に前向きに取り組んでもらうためにも、リスキリング研修の取り組み姿勢を人事評価などに反映させましょう。

【評価に反映させる一例】
・リスキリング研修に取り組む姿勢を人事評価に反映させる
・リスキリング研修で資格取得などを達成した場合にインセンティブを支払う
・昇進などの条件にリスキリング研修の参加を含める

例えば、リスキリング研修への取り組みを人事評価に反映できれば、新しい知識や技術の取得に価値を持たせることが可能です。

新しい挑戦を歓迎する風土が形成しやすくなるでしょう。

また、リスキリング研修に取り組み他の社員にない知識や技術を習得したにも関わらず、報酬や待遇が同じだと不満に感じる社員もいます。

資格取得にインセンティブを支払うなど目に見える形で評価できると、納得感を得やすくなるでしょう。

11-3.社員に納得感を持ち取り組んでもらう

リスキリング研修は、社員に納得感を持ち取り組んでもらうことが大切です。

少し前までは1つの職業に就けば、生涯その仕事を続けられる時代でした。

現在は1世代で職業が3回入れ替わる時代だと言われており、社会構造が大きく変化しています。

その中でアンラーニング(これまでの価値観の認識などを捨てて新しい価値観に入れ替えること)ができていないと「この年齢からなぜ学ばなければならないのか」「リスキリング研修よりも業務を優先したい」など後ろ向きな社員が出てくるケースがあります。

社員の理解が得られない状態でリスキリング研修を進めても成果を最大化できません。

まずはなぜ今リスキリング研修が必要なのかをしっかりと説明して、納得してもらうことが重要です。

【社員に納得感を持ってもらう方法の例】
・上層部や管理職からリスキリング研修の目的や必要性を直接伝える
・リスキリング研修に達成できるビジョンやリスキリング研修のメリットを伝える
・リスキリング研修を実施する前にマインドセットやアンラーニング研修を実施する

例えば、上層部や管理職からリスキリング研修の目的やメリットを発信して、社員が興味関心を持ち取り組めるようにするといいでしょう。

CHAPTER12.

リスキリング研修は自社のみで実施することが難しい

ここまでリスキリング研修のメリットや実施するステップ、成功のポイントなどをまとめてご紹介しました。

企業がリスキリングに取り組む際に欠かせないリスキリング研修は、「8.リスキリング研修の3つの方法」でも触れたように自社のみで実施することはなかなか難しいです。

自社のみでのリスキリング研修が難しい理由
専門的な知識や技術が必要になる
幅広い知識を習得したい場合は対応しきれない
目的に応じたプログラム設計が難しい

自社にある知識やノウハウでは新しい知識や技術を身につけにくく、目的達成ができない可能性があります。

また、リスキリング研修ではマインドセットやコミュニケーション力などのベース作りから専門的な知識の習得まで幅広い知識の習得を目指すことが多いため、自社のみでは対応しきれないでしょう。

実際にリスキリング研修を実施している企業も、専門家によるワークショップや外部研修など外部委託の研修に効果を感じている声が多いです。

リスキリング研修を実施するときは社内のみで取り組もうとしないで、外部委託やeラーニングを活用しながら成果につながるリスキリング研修を実施しましょう。

リスキリング研修なら、私たち「グロービス」にお任せください。

グロービスでは企業のリスキリングの目的や課題に応じた企業内研修、すぐに導入できるeラーニングサービス「GLOBIS 学び放題」などニーズに応じた研修を提供できます。ぜひご活用ください。

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CHAPTER13.

まとめ

今回は、リスキリング研修のカリキュラム内容や実施メリット、手順などリスキリング研修をするうえで知っておきたい基礎知識をまとめてご紹介しました。

最後にこの記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇リスキリング研修とは企業のリスキリングを推進するための研修

〇リスキリング研修のカリキュラム例は下記のとおり

研修の種類概要
リスキリングを目的とした研修自社のリスキリングの目的を達成するための研修
例:デジタルマーケティングに関する研修
  AIやビッグデータに関する研修
リスキリングのベースを作る研修リスキリングで身につけた新しい知識や技術を活用するための基礎知識を習得する研修
例:デジタルリテラシーに関する研修
  コミュニケーション力に関する研修

リスキリング研修を実施するメリットは次の3つ

  1. 社内にない知識や技術を学べる
  2. リスキリングに体系的に取り組める
  3. 外部委託やeラーニングなら社内負担を減らせる

リスキリング研修のデメリット・注意点は次の3つ

  1. コストがかかる
  2. すぐに成果が出るものではない
  3. 社員の意向や負担を考慮する

リスキリング研修の方法は次の3つ

  1. 外部委託:外部の委託会社を活用する研修方法
  2. eラーニング:パソコンやタブレット、スマートフォン経由で学習コンテンツを利用する方法
  3. 内部研修:自社で企画・運営する研修

リスキリング研修を実施するステップは下記のとおり

  1. 企業戦略と現状の課題を分析する
  2. リスキリング研修の目的・対象者を決める
  3. リスキリング研修のカリキュラムを決める
  4. リスキリング研修を実施する
  5. リスキリング研修で得た知識を業務に活かす

企業規模別のリスキリング研修を企画するときのコツは下記のとおり

  1. 中小企業:リスキリング研修の必要性を伝えるマインドセットからスタートする
  2. 大企業:社員数が多いため対象者選定を工夫する

リスキリング研修を成功させるポイントは下記の3つ

  1. 課題や目的に合うカリキュラムに取り組む
  2. リスキリング研修を評価に反映させる
  3. 社員に納得感を持ち取り組んでもらう

リスキリング研修は自社の戦略や課題に応じて適切なカリキュラムを実施することが大切です。
リスキリング研修のカリキュラムや実施方法にお悩みの場合は、ぜひグロービスにご相談ください。

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※文中の所属・役職名は原稿作成当時のものです。

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