新任管理職研修のフォローアップのポイント

「新任管理職研修をやっても行動が変わらない。フォローアップの方法を見直したい。」

お客様からこのような相談をよくいただきます。たしかに新任管理職の方々は担当業務における経験が豊富で、すでにご自身の成功パターンをお持ちです。行動を変えていただくことは容易ではありません。

本コラムでは研修後の行動変容に焦点を当て、新任管理職研修の内容とフォローアップについて考えていきます。

執筆者
綿貫 昇子

株式会社リンクアンドモチベーションに入社、投資家向けコンサルティング事業にて大手上場企業を担当。グロービス入社後は、法人企業向け事業に従事。化学、機械、自動車、消費財、金融、IT、広告等幅広い業界を担当し、中期経営計画や戦略実現の支援を目的とした人材育成体系の構築支援、研修プログラムの企画・設計・実施を行う。その他、クリティカル・シンキング、ビジネス・プレゼンテーション等、思考系領域のコンテンツ開発に携わる。

筑波大学大学院スポーツ科学専攻修了、グロービス経営大学院経営研究科修了(MBA)
米国CTI認定 プロフェッショナル・コーアクティブ・コーチ 応用コース修了

CHAPTER
01

新任管理職研修の目的は、管理職としての期待役割を理解し、行動を変えること

そもそも新任管理職研修は、なぜ行う必要があるのでしょうか。それは管理職への昇格に伴い、会社から期待される役割が大きく変化するからです。

具体的には自身で問題を解決するのではなく、部下に任せて問題解決する。そして組織で成果を出さなければなりません。同時に部下を育成することも求められます。すなわち管理職昇格後は、プレーヤーからマネジメントへ行動を変えることが求められるのです。

そのため、新任管理職研修の目的は、「管理職としての期待役割を理解すること」、そのうえで「行動を変えること」が主になります。

CHAPTER
02

新任管理職研修のフォローアップは、行動を変えるための後押しをすること

新任管理職研修の目的は、「期待役割を理解」し、そのうえで「行動を変えること」でした。その目的が達成できない主な理由は、3つに分類できます。

新任管理職研修の目的が達成できない3つの理由
01
新任管理職の方が、役割の変化を認識できなかった
02
役割の変化を認識していても、抽象的な理解に留まってしまった
03
具体的な行動を理解できていても、行動を取るためのスキルが不足していた

2-1. 新任管理職の方が、役割の変化を認識できなかった

新任管理職研修後も、いまだ自身をプレーヤーだと思っているため、仕事を部下に任せず自分で完遂してしまうケースがあります。

このケースに対しては、新任管理職研修の企画・設計を見直すことが有効です。以下のコラムで企画・設計について詳しく解説していますので、このケースでお悩みの方はぜひご覧ください。

2-2. 役割の変化を認識していても、抽象的な理解に留まってしまった

研修後、現場で「部下に仕事を任せるにはどうすればいいのだろう?」と疑問を抱えてしまうケースがあります。

この場合、新任管理職研修後のフォローアップで対応することが可能です。次の章にフォローアップの対応方法を記してありますので、ぜひご覧ください。

2-3.具体的な行動を理解できていても、行動を取るためのスキルが不足している場合

スキル不足のため成果につながらず、成功体験のあるプレーヤーの時のやり方で自ら完遂してしまうケースもあります。

この場合も、新任管理職研修後のフォローアップで対応することが可能です。次の章にフォローアップの対応方法を記してありますので、ぜひご覧ください。

CHAPTER
03

新任管理職に行動を変えてもらうための、フォローアップの失敗例と対策方法

フォローアップを行ううえで、ありがちな失敗例とその対策案を2つご紹介します。

新任管理職研修のフォローアップの失敗例
01
実践したがうまくいかず断念してしまう
02
周囲からの協力が得られず継続しない

失敗例1:実践したがうまくいかず断念してしまう

研修から1か月程経つと、実践してもうまく成果が出ずに断念してしまうケースが増えます。

成果は、上司・部下・業務内容などの環境要因からの影響も受けるため、必ずしも自身の行動次第でうまくいくとは限らないからです。したがって普段から、新たな役割を果たすべく行動したことが称賛される、失敗の中にこそ改善のヒントがあるという前向きさを是とする組織風土の醸成が求められます。

そうでない場合は、初回研修から1か月ほどのタイミングでフォローを行うとよいでしょう。たとえば新任管理職研修の受講者に再度集まってもらい、現場での実践を振り返りながら互いの経験を通じて学びを深める場を設けるなどです。さらなるスキルアップが必要と判断した場合には、追加施策として、必要なスキル研修をフォロー施策として実施することも考えられます。

失敗例2:周囲からの協力が得られず継続しない

研修後3か月以降は、周囲からの協力が得られず実践が継続しないという問題が発生します。

管理職自身は変わろうと志しても、周囲が変化についていけないと継続的な実践は期待できません。管理職自身が考えている目指すリーダー像や組織の姿、実現に向けた構想などを周囲に伝えていくことが必要です。周囲に伝えることで自身の責任感を強化するとともに、周囲からの協力を引き出せる可能性が高まります。

CHAPTER
04

新任管理職研修の全体像の事例

新任管理職の目的、内容、フォローアップのポイントを踏まえて支援した事例をご紹介します。

図1:新任管理職研修の全体像図1:新任管理職研修の全体像

役割認識においては、インターバル期間を活用して新しい役割の定着を図っています。役割認識後は、同組織での実践において必要となる論理思考や戦略的な関係構築による影響力の発揮を強化し、実践を支援しました。更なる実践の促進においては、所属組織でのコミットメントや経営幹部への成果発表会を通じて促進しています。

CHAPTER
05

まとめ

本コラムでは、新任管理職研修をテーマに、受講者に行動変容を起こしてもらうための方法・仕掛けを解説しました。大切なことは、プレーヤーからマネジメント(管理職)へと期待される役割が変わったと認識してもらうこと、普段から行動変容しやすい組織風土を形成しておくことです。

とはいえ、成功体験を数多く持つ管理職の方の行動を変えるのは難しいことです。もし新任管理職研修でお悩みの事があれば、グロービスまでお気軽にご相談ください。