長瀬産業株式会社
グローバルで平等に学ぶ機会を提供するため、マネジメント研修をオンライン(日英2言語)で実施
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日本国内グループ/海外のナショナルスタッフのマネジメント層に中長期的な視点でビジョンを考え、志を問う階層別研修を実施している長瀬産業株式会社様。その取り組みについて、お話を伺いました。(部署・役職はインタビュー当時)
【長瀬産業株式会社様】
写真中右:人事総務部 部統括 和久田 利夫様
写真中左:人事総務部 グローバルHRチームリーダー 金澤 啓彦様
写真左:人事総務部 人事課 前之原 慶介様
【グロービス担当コンサルタント】
写真右:田所 祐輝
- 導入前の課題
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- 中長期的なビジョンや戦略を策定する力に課題があると認識していた
- マネジメント研修は従来から実施していたが、ビジネス知識の習得がメインで、上記の課題とはズレが生じていた
- 研修内容
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- ビジョン作成力とリーダーシップの発揮をテーマとした研修プログラムを企画
- プログラムの中で、時間軸として5年後を想定した中長期的なビジョンをつくる
- 平等な教育機会の提供にこだわり、日本語・英語の2言語で実施
- 成果・効果
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- この5年間で、課長層の計200名ほどが受講。企業風土が徐々に変化してきている
背景と課題
中長期的なビジョンや戦略を策定する力に、課題があると認識していた
前之原さん:
長瀬産業の特性として、短期目標の構築や短期戦術、特定分野でのパフォーマンスには強みがある一方、中長期的なビジョンや戦略を策定する力には課題があると認識していました。
課長職を対象とした階層別研修であるマネジメント研修は従来から実施していたのですが、当時はビジネス知識の習得をメインとしており、弊社が有する課題とはズレが生じていたと認識しています。
そこで研修内容の見直しをすることとなり、グロービスへ声がけし、企画をお願いしたのです。課長職にあたる40歳前後の層は、長瀬産業の将来を担う経営者候補です。目の前のビジネスを進めることのみならず、ビジョンをつくる能力や、大きな視野での覚悟や志を重視した研修にしたいと考えていました。
ビジョン作成力とリーダーシップの発揮をテーマとした研修プログラムを企画
前之原さん:
ゴールは、「2つ上のポジションの目線」で考えてアウトプットを出すこと。設定ポジションを社長にするとやや現実感がなくなってしまいますし、1個上の目線では刺激が少ない事があり、気づきが少ない。そこで、課長にとって2つ上の階層にあたる事業部長の目線を設定しました。
このゴールに向けて、ビジョン作成力とリーダーシップの発揮をテーマとした研修プログラムを企画しました。プログラムの中で、時間軸として5年後を想定した中長期的なビジョンをつくってもらいます。高い視座で事業全体を考えてもらうこと、事業部をけん引するために必要となる「周りを巻き込むリーダーシップ」を発揮することをふまえた課題も設定しました。
検討プロセスと実施内容
懸念は、3日間という短い日程で研修目的を達成できるか
前之原さん:
懸念点は大きく2つありました。作成したビジョンが曖昧で抽象的な内容で終わってしまわないかというところと、セッションに3日間しか割けないという時間の制約です。短い日程でどこまで研修目的が達成できるかは、心配な点でした。
研修が始まってみると、担当講師が非常によく指導してくださり1つ目の懸念は払拭されました。最終発表までにポイントとなるファクトや数字を集めてくるよう指摘いただいたり、プログラムの中間で実施したオンラインセッションで、参加者全体の視座を引き上げてくださったりしました。他社の研修ではなかなか得られないような、経営目線で目から鱗が落ちる指摘が多くありましたね。結果として、どのビジョンも現実味がありながら視座が高いアウトプットとなりました。
2つ目の日程の制約は、研修テーマを絞り込むことで乗り越えました。目的をマインドセットに絞って実施したことが功を奏したのでしょう。日程の短さが原因で研修の質が落ちることはありませんでした。
グロービスとの付き合いはかなり長いので、懸念点があっても一緒にPDCAを回しながら作り上げてきた感覚があります。担当講師にはNAGASEグループ全体の業務形態を深く理解いただいていますし、歴代のグロービスのコンサルタントは人材育成の経験が豊富です。アイデアをいただきながら、年々ブラッシュアップを重ねています。
平等な教育機会の提供にこだわり、マネジメント研修は日本語・英語の2言語で実施
金澤さん:
弊社は「人は大切な資産である」という意識を大切にしています。NAGASEグループで働く地域に関わらず、社員には学ぶ機会を平等に提供したいと考えています。
世界各地で活躍する日本人以外の従業員にも同様の学びの機会を提供していく為、マネジメント研修は日本語・英語の2言語で実施しています。英語で行う研修はGMP(General Management Program)と称しています。これまでに日本語で約100名、英語で約100名の計200名ほどが受講しました。英語クラスであるGMPには、現地のローカル社員の他、駐在員や英語が堪能な本社社員も参加しています。
成果と今後の展望
本研修を5年間取り組み続け、企業風土が少しずつ変わってきている
金澤さん:
この5年間で、NAGASEグループの屋台骨である課長層の計200名ほどが受講し、企業風土が徐々に変化してきていると感じています。
実は、「変革」をテーマにした現在の中期経営計画がスタートしたのと、マネジメント研修においてグロービスとパートナーを組み始めたタイミングはいずれも2016年でした。それから5年間取り組み続けて企業風土が少しずつ変わってきているのは、グロービスの寄与も大きいと思っています。
グロービスの良い点は、企業内研修・動画見放題サービス、それぞれ日本語と英語の2か国語での提供が可能なこと
金澤さん:
直近では、このコロナ禍においてグローバルレベルでも学びを止めないことが一番の優先事項ですね。マネジメント研修もGMPも、例年通り実施することは物理的に難しい状況です。そこで今年はオンラインで学ぶ「ディスタンスラーニング」の形式をとっています。
グロービスに頼んで良かったなと思うことは、ディスタンスラーニングを支援する高品質なツールを持っていること。しかも企業内集合研修・動画見放題サービスにおいて、それぞれ日本語と英語の2か国語での提供が可能です。この点は短い期間でプランを変更しなければならないコロナ禍において、とても助かりました。
日本語・英語ともに、eラーニング、オンラインディスカッション、集合研修をブレンドさせて実施できることは、非常にありがたいですね。
GMPはアメリカやドイツ、中国など様々な地域からの社員が中心に参加しますので、時差を考慮して実施する必要があります。そこで日本時間の午前開催クラスと、夕方開催クラスの2クラスに分けました。そうなるとお互いのクラスの参加者は当分顔を合わせることがなく、どうしても一体感が薄れがちです。
そのため、全体でのオンラインキックオフを実施し、社内ツール(MS-Teams/SharePoint)やグロービス独自のラーニング・マネジメント・システムのそれぞれで受講者間のコミュニケーション活性化を狙っています。オンラインキックオフには、田所さん(グロービス担当コンサルタント)にも出席いただき、受講者から質問や相談がしやすいようにお話も頂きました。
中長期的には、マネジメント研修やGMPに参加する課長層以上の社員が、グローバルでネットワークを形成するための支援を加速したいと思っています。
われわれのビジネスは地域に限定されるものではありません。たとえば「お客様の製品の企画がアメリカで行われ、製造はアジアで行われる」、そのようなビジネスを長瀬産業がお手伝いしているのです。このようなビジネスを見つけ・育み・拡げていく事を加速していくには、地域を越えたマネジメントやネットワークが重要になります。これらの研修を通じても新たな社内ネットワークが拡がり、ビジネスの可能性が拡がる事も期待しています。
また、将来的にはマネジメント研修やGMPの卒業生たちが、自分たちで議論することや学ぶことを決めて、グローバルレベルで実施できる場を設定する。そんな取り組みの支援も行いたいですね。
今はオンラインがあるので、シリコンバレーのスタートアップにいる人の話を聞く場でも、意欲があれば世界中のどこからでも参加できます。誰でもやる気のある人は自ら学び、学びのアイデアを発言できるような場づくりが、次に目指すステージです。
和久田さん:
NAGASEグループが目指す「人々が快適に暮らせる安心・安全でぬくもりのある社会の実現」において、イノベーティブでグローバルな人材の継続的開発・育成は、グループ経営における最重要事項の一つです。事業環境が急激に変化する現代においては、イノベーションやグローバライゼーションといった言葉の定義や重みづけも常に変わっていきますので、我々の人材開発の目的も時代に合わせて、というかむしろ先を読んで変化させていく必要があると感じています。
また、コロナ禍によるテレワークの普及により通勤時間が無くなり、個人個人が自己研鑽に使う時間は明らかに増えています。実際に社員の学習意欲も上がっているのですが、逆にリアルのコミュニケーションが減っていることで、実践の場が少なくなったと感じています。
研修などOff-JTにおいて得る知識やスキルは、所謂ビジネスパーソンとしての武器となるものなので、それらを使って実際に失敗や成功をすることで自分なりの気付きを得て、さらに学ぶポイントを見つけて自身の価値を上げていく。そしてそれが繋がることでチームの力になり、グループの力になり、最終的に社会に大きな変化を起こして価値提供をする。
こういったサイクルを実現するためにも、我々としてもより質の高い研修機会の提供は当然として、研修して終わりではなく、その後の成長についても支援できることはないのか、継続的に機能のアップデートをしていきたいと考えています。
コロナ禍の始まりであった2020年2月。実施したハイクラス次世代リーダー向けグローバル研修は、急遽すべてリモートにて実施せざるを得ない状況でした。グロービスではこのクラスでのオンライン研修は初めてと聞きましたが、当初予想していた以上に生産性の高い研修ができ、アクションラーニングのアウトプットも経営層に一定のインパクトを与えることができました。
その後現在までほとんどの研修はオンライン化され、今後の人材開発の在り方も更にリアルとデジタルの融合を加速あるいは変化させることが考えられます。
このような時代においては、研修の目的や手段を硬直的なものにせず、時代に応じてフレキシブルにアップデートしていくことが必要で、その上では人材開発のパートナー企業におけるノウハウやインフラはパートナー選びをする上で大変重要と考えます。これからも頼もしいパートナーであるグロービスと一緒にチャレンジしていきたいと考えています。
担当コンサルタントの声
田所:
マネジメント研修とGMPは、長瀬産業様の未来を担うリーダーがグローバルでネットワークを築きながら、同じ目線でビジネスを進めていけることを目指す取り組みです。私も前任のコンサルタントからバトンを受け継ぎ、今年度はコロナ禍でも学びを止めないことを目指して、金澤様と一緒にプログラムの詳細設計を行わせていただいているところです。
今後はアルムナイ(プログラムの卒業生の集まり・同窓会)のコミュニティづくりにも伴走させていただきたいと考えています。マネジメント研修やGMPのプログラムは非常にタフな内容です。研修が大変なぶん、参加者同士の親近感や気持ちのつながりが芽生えやすいデザインになっているとも思います。グローバルでのアルムナイ実現に向け、引き続きお力添えしたいと思っております。
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