新年のご挨拶

2015年1月6日(火)

新年明けましておめでとうございます。
旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。
本年も引き続きのご指導とご鞭撻をお願い致します。
年始にあたり、グロービス法人部門の共同責任者の井上陽介、鎌田英治から
新年のご挨拶を差し上げます。


さて、企業の人材育成・組織開発は、今後どのように進化していくのでしょうか。
グロービスは、二つの潮流に注目しています。

一つ目の潮流は、オンライン教育を中心とするラーニング・テクノロジーの進化です。
この変化は単なる教育コンテンツの拡充を越えて、研修・教育のあり方を変えつつ
あります。

従来のe-Learningや大規模オンライン講座(MOOCs、ムーク※)では、深い気づき
の創出や学びの定着が課題でした。この課題を乗り越えるべく、グロービスでは
講師一人に対して受講生20名程度の小規模限定オンライン講座(「SPOCs、スポック※)」
方式のサービスを2014年4月から開始しました。グロービス経営大学院では、
世界各地からバックグラウンドの異なる受講者が時間空間の制約を超えて
参加し、ITネットワークを介して実践的な対話型クラスを実現しています。
参加者からも「リアルなクラス体験」を実感したとの多くの声が寄せられ、大きな
可能性を感じています。

今年は、グロービスの特徴である「議論を深めることで、学び深めるスタイル」を
オンラインでも実現し、新たな学びの選択肢を提供することを加速していきます。


もう一つの潮流は、経営者育成における「内面の重視」です。
「人間力」「リベラルアーツ」「マインドフルネス」等のキーワードが、このところ
注目されているのは、先の見えない激変の時代に経営者が質の高い意思決定
を行う前提として、「内面の強靭さ」が不可欠ということの示唆ではないでしょうか。

強靭な内面は、時に失敗を伴う修羅場体験によって鍛えられる、という事実は
疑う余地はないものの、激変時代の厳しい競争環境下、ビジネスの現場で失敗が
許される余地は多くありません。そこで、研修の場で「失敗体験」「深い自己観照」を
意図的に設計し、本人の当事者意識やものの見方を大きく揺るがす取組が増えて
います。過去の体験とは一線を画するような刺激を付与しつつ、いつものコンフォート
ゾーン(安全地帯)から出るような思考体験を積み重ねる中で自己を見つめ直し、
新たな自己認識を確立する…。

このような場こそが、経営者育成、リーダーシップ開発の進化形であり、本質である
と考えています。


さて、この一見かけ離れた二つの潮流から言えることはなんでしょうか。
それは「個の爆発こそが組織の成長を牽引する」という人材・組織観です。
一人ひとりの成長のスイッチに着目することが今後の組織づくりには欠かせない
と我々は考えています。今年も、お客様とご一緒に人材育成・組織開発イノベーション
を起こすことを目指し、グロービスは進化の速度を一層上げていく所存です。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

2015年1月

グロービス・コーポレート・エデュケーション
マネジング・ディレクター

井上陽介
鎌田英治


※MOOCs: Massive Open Online Courses、ムーク
 SPOCs: Small Private Online Courses、スポック


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