自社らしいリーダーを創る、企業内大学の設立と取り組み
導入事例:セガサミーホールディングス株式会社

自社らしいリーダーを創る、企業内大学の設立と取り組み

セガサミーグループの文化や行動様式を醸成し、セガサミーらしいリーダーを育成するためにグループ会社横断で受講可能な階層別研修(企業内大学SEGA SAMMY College)を、2018年から立ち上げたセガサミーグループ様。その取り組みについて、セガサミーホールディングス株式会社 人財開発部 次長の可部良平様と、人財開発部 三原真梨奈様からお話を伺いました。(部署・役職はインタビュー当時)

※本記事は、Noteの記事を加筆したものです

 

背景と課題
— 研修前に抱えていた課題感 —

三原さん:
社長の里見治紀は「MBA留学で学んだ知見を社内で共有したい、そのために社内大学を創りたい」という想いを長年持っていました。そこで2018年、グループ企業の多くが同じビルに集まるオフィス統合のタイミングで、企業内大学:SEGA SAMMY Collegeが創設されました。

人財開発部 三原真梨奈様

人財開発部 三原真梨奈様

可部さん:
オフィス統合を機に、グループ間で共通/共有の教育体系を整え、学習機会を平等に提供し、セガサミーグループ全体で成長していこうという機運が高まりましたね。オフィス統合以前は、グループ会社が別々に拠点を構えており、事業運営/教育体系は各社各様でした。

人財開発部 次長 可部良平様

人財開発部 次長 可部良平様

三原さん:
加えて、2004年にセガとサミーが合併して15年が経過していますが、当時の私は、『グループシナジーが十分に発揮できていないのではないか。何か手を打たなければならない』という課題意識を抱いていました。その為、SEGA SAMMY Collegeを求心力としての育成の仕組みと位置付けつつ、個々の事業や社員が持つ多様性を遠心力として尊重し、更に高めることで、セガサミーグループをもっともっと強くしようという想いがありました。

—研修前に考えていたゴール(参加者の目標像)—

三原さん:
SEGA SAMMY Collegeの受講を通じて、セガサミーグループのコンピテンシーを体現できる人材に成長してほしいと考えています。

(左)人財開発部 次長 可部良平様(右)人財開発部 三原真梨奈様

(左)人財開発部 次長 可部良平様(右)人財開発部 三原真梨奈様

SEGA SAMMY Collegeのコンセプトは『セガサミーらしいリーダーを創る』であり、二つの役割を担っています。

一つ目は、セガサミーグループのコンピテンシーである『5つの力(突破力・共感力・決断力・自制力・徹底力+5つを絶えず体現し続ける『継続力』』の理解を深める場です。

5つの力は、里見会長が持つ『人間力』をセガサミーらしいリーダー像として定義し、セガサミーグループのビジョン『Be a Game Changer -革新者たれ-』を体現するためのコンピテンシーとしてまとめました。この『5つの力』をセガサミーグループの従業員すべてが自らのコアとして意識し、自分の成長を促す対話ツールとして使い続けてもらうことで、グループに革新のマインドと行動様式が醸成されるものと期待しています。

二つ目の役割は、スキルについて学ぶ場です。具体的には、VUCAの時代において、セガサミーの従業員の皆さんが本当に必要なスキルを学べる場、です。時代の変化に対応してコンテンツを更新し、本当に必要なスキルを学べる場を提供していきたいと考えています。

 

可部様:
「セガサミーらしい」…というお話がありましたので、そちらについて。

セガにはセガの、サミーにはサミーの文化はあるのですが、グループ全体としての文化は、まだ醸成しきれていないと私は考えています。今までは各社がそれぞれの事業ドメインにおける強みを持って、個別最適を前提に事業を進めていくスタイルが強かったと思います。しかし、変化が激しくボーダレスになっている今の時代においては、グループ全体としてどうあるべきかということを再考する必要があります。

セガサミーグループにいる人達が一貫性を持った価値観や精神性を持って行動し、交流することで、すでにセガサミーが持っている多様性が力を発揮するのではないか。SEGA SAMMY Collegeはまさにこの文化を醸成するための機構でなければならないと考えています。

検討プロセスと実施内容
—研修プログラム導入にあたり、感じていた心配ごと・懸念点—

三原さん:
正直にいうと、最初は困惑が大きかったです。私の当時の在籍は法務部で、人事領域に携わったことがありませんでした。なので、急に社内大学を創ってみて、と言われて戸惑いましたね。

人財開発部 三原真梨奈様

人財開発部 三原真梨奈様

社長や上層部の想いを丁寧に聞きつつ、さまざまな書籍を読んで学び、これで良いのだろうかと悩みながら試行錯誤を繰り返しました。オフィス統合のタイミングでSEGA SAMMY Collegeを必ず立ち上げるという強い想いが、支えになっていましたね。

グロービスの存在は、かなり心強かったです。里見塾(役員層向けの経営塾)を一緒に設計した経験があったので、安心していました。弊社の想い、会長の想いをよく理解したうえで、セガサミーグループらしさを創っていただける方だと分かっていたので、とても心強かったです。

 

可部さん:
グロービスとの付き合いは、里見塾が始まりでしたね。2013年ごろ、里見治紀社長から里見治会長の経営哲学をグループの経営層に伝えていきたいという相談を受けたのです。当時の私はグループの一事業会社の人事でしたので、正直『これは大変だ!』と思いました。

(左)人財開発部 次長 可部良平様(右)人財開発部 三原真梨奈様

(左)人財開発部 次長 可部良平様(右)人財開発部 三原真梨奈様

難易度の高いグループ横断プロジェクトを成功させるため、企画の初期からグロービスにサポートを依頼したわけです。グロービスとは課題や目的、進め方の留意点などの目線や温度感がとても合っていると感じます。長い試行錯誤の過程で、セガサミーグループのさまざまな場面を見てもらっているからなのでしょうね。深い部分の認識が合っているので、非常にやりやすいです。

あとはグロービスの強くない分野や、思い切って他社に任せるべきことを正直に提言してくれることも、非常にありがたいです。セガサミーグループらしい構想を実現するには、欠かせないパートナーです。

 

三原さん:
実際に開校すると、グループ各社の皆様が想像以上に参加してくれました。公募型プログラムで30人枠に150人が手を挙げることもあり、学習意欲の高さを認識しましたね。

嬉しさの半面、多くの方に学びの場をより提供できるよう、「もっと頑張らないと」という思いも芽生えています。SEGA SAMMY Collegeのコンセプトの一つに『学びたいときに学べる』がありますので。

 

可部さん:
数は大きな問題ですね。希望者の想いに応えたい一方で、投資効率も考える必要があります。このギャップは、立ち上げ時が特に大きいです。まだまだ毎年の受講の需要は読みづらいですが、仮説を立て、うまくコントロールをしながら運営していかなければと感じています。

—研修プログラム導入にあたり、苦労したこと—

三原さん:
セガサミーらしさって何? の追求が、苦労した点ですね。立ち上げの際、全従業員に「セガサミーらしさは何でしょうか?」というアンケートを取ったところ、一番多かった回答は『セガサミーらしさは無い』。ご意見を書いて下さった方も、セガサミーらしさというよりは各社の特徴を書いておられて、ああ、本当にセガサミーらしさってまだ存在しないのだな・・・と。

(左)人財開発部 次長 可部良平様(右)人財開発部 三原真梨奈様

(左)人財開発部 次長 可部良平様(右)人財開発部 三原真梨奈様

可部さん:
私が苦労した点は、5つの力をどう練りこむか、でしょうか。5つの力を習得する過程で、1:5つの力をどのようなものと認識してもらうか、2:どのように自分なりの発揮方法を考えてもらうか、について熟考しました。

グロービスのケースを使う際に5つの力の要素をカスタマイズで盛り込んだり、オリジナルのワークシートを作りこんだり・・・プログラム全体として、5つの力を自分事化できるよう工夫したのです。細かい表現の違いにも拘りましたね。

グロービスとは、『何をやるのか』以上に、『なぜそれをやるのか』についてたくさん議論しましたし、認識を丁寧にすり合わせました。どうすれば受講者の理解のばらつきが最小化できるか、ということもよく考えていました。受講者の貴重な時間を預かる研修企画なので、最善を尽くして作りこみましたし、後から修正したところも多々あります。試行錯誤しながら、作りこんでいきました。

人財開発部 次長 可部良平様

人財開発部 次長 可部良平様

成果と今後の展望
—今後の取り組み—

可部さん:
いま一番苦労しているのは、SEGA SAMMY Collegeがグループの従業員にとって普遍的で欠かせないものとして、いかに認知してもらうかです。自発的に参加する従業員がいる一方で、業務の多忙さを理由に欠席や不参加の相談をいただくことも少なくはありません。

(左)人財開発部 次長 可部良平様(右)人財開発部 三原真梨奈様

(左)人財開発部 次長 可部良平様(右)人財開発部 三原真梨奈様

ですが先にお話しした通り、SEGA SAMMY Collegeはセガサミーグループとしての強みとなる文化や行動様式を醸成していくための重要な役割を担っています。なので、余裕があれば参加するという認知を塗り替えられるよう、人財開発部として訴求していきたいですね。

一つ考えているのは、人事制度側との連動です。SEGA SAMMY Collegeで学ぶことと、等級要件/評価要件を連動させることを考えています。その結果、受講率や学習意欲が向上⇒成果や仲間との一体感の向上⇒SEGA SAMMY Collegeへの高評価⇒さらに受講率や学習意欲が高まる、というような好循環がつくれると考えています。

また、コンテンツも時代の変化にあわせて変えていく必要があります。たとえばコロナ禍。ニューノーマルといわれる新しい環境に適応するため、必要なスキルをプログラムに組み込む必要があります。SEGA SAMMY Collegeが真に役立つ学習の場となれるよう、常に進化し続ける機構を整備したいですね。

担当コンサルタントの声

大谷 康人
大谷 康人

私は、SEGA SAMMY Collegeのベースにある里見塾を契機に、セガサミー様とご一緒しています。

壮大な構想であるが故に、企画当初は明確なイメージが持ちづらい案件ではありましたが、企画化から立ち上げまでの6か月以上、事務局のみなさまと対話を重ね、アイデアをブラッシュアップさせていった経験はかけがえのないものでした。

 

セガサミー様にとってこの取り組みは、グループ全体の「文化・風土」を形づくる営みと同義だと思います。こうした活動を通じて、少しずつでも変化が全社に広がっていけば、セガサミーグループは更なる成長を遂げると確信しています。

セガサミー様にとって大切な案件に携わることができ、また貴重な経験を積ませていただいたことに感謝しています。

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