管理職研修の費用はいくら?費用対効果が高い研修のポイントを解説
- 研修費用
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川端 茉穂

管理職研修を検討する際、研修の費用は避けて通れない論点の一つでしょう。特に、管理職層への育成投資は一定以上の投資額となるため、「どれくらいの予算が適切なのか」と悩むことがあるのではないでしょうか。
費用を検討する前に、自社の経営戦略に沿った「管理職のあるべき姿」を明確にし、その姿と現状とのギャップを埋められる研修を設計することが重要です。
なぜなら、この整理が曖昧なまま管理職研修を実施すると、たとえ研修内容が充実していても、実務で求められる行動変容に繋がらず、結果的に費用に対して得られる成果が限定的になってしまうためです。
研修は「実施すること」が目的ではなく、経営課題の解決や組織の未来を担う人材を育成するための手段です。だからこそ、費用を単なるコストとして捉えるのではなく、投資として管理職の行動変容や事業成果といった効果を見据える視点が欠かせません。
したがって、予算の妥当性を判断する最終的なよりどころは、「その研修によって、経営戦略を実現できる組織へと変われるか」という一点に尽きます。
目先の費用を抑えることよりも、確実な「行動変容」と「事業貢献」というリターンを見据えること。その視点を持って設計された研修こそが、自社の未来を切り拓く一手となるはずです。
本記事では、管理職研修の費用相場や、なぜ研修によって価格差が生まれるのかを解説します。
特に3章では年間3,400社以上の法人研修を支援するグロービスの視点から、費用対効果を最大化するための5つのポイントを提示しますので、ぜひご参照ください。
1.管理職研修の費用相場を形式別に解説
管理職研修の費用は研修形式によって異なります。1人あたり千円程度からで気軽に導入できるeラーニングから、1プログラムあたり100万円ほどの集合研修までさまざまです。
| 研修形式 | 費用相場 |
|---|---|
| eラーニング | 1人あたり月額千円~数千円 |
| 公開研修(スクール型研修) | 1人あたり3万円~ |
| 集合研修 | 1日あたり50~100万円 |
それぞれの研修形式ごとの費用と、目的に沿っている形式かを判断するための特徴や効果を説明します。
1-1.eラーニングの場合:1人あたり月額千円~数千円
eラーニングでは、パソコンやスマートフォンからオンデマンド動画を視聴したり、オンライン上の学習コンテンツに取り組んだりすることで必要な知識を身に付ける学びの形式です。特に管理職研修において学ぶべき領域やスキルは多岐にわたるため、コンテンツの数の多いeラーニングは知識付与の面で利便性が高いといえます。
eラーニングは、1人あたり月額千円~数千円が相場となっており、比較的安価な形式といえます。
しかし、どのような機能を実装するか、導入規模がどれくらいかによっても費用の変動があり、別途で初期導入費用が発生する場合もあります。自社で新しく導入する場合は初期費用も確認しましょう。
【グロービスからのワンポイントアドバイス】
eラーニングは導入が比較的容易で、多くの従業員に一斉に提供できるというメリットから、多くの企業が研修施策として導入しています。しかし、eラーニングはその特性から、学習する/しないを受講者の意欲・主体性に委ねざるを得ない側面があります。
eラーニングを効果的に進めるためには、受講前のマインドセットが鍵になります。受講者が学習の必要性を認識し、受講の優先順位をどれだけ上げられるかによって、eラーニング研修の成果は大きく変わります。例えば事務局による受講前後でのフォローとリマインドが挙げられます。その際に受講者の特性に応じたコミュニケーションを取ることがポイントになります。
- 実践的な学びを求める受講者:
業務の具体的な場面に役立つコースを提示する方法が効果的です。 - 他者との比較に動機づけられる受講者:
他の参加者の進捗状況を示すことで刺激を与えられます。
1-2.公開型研修(スクール型研修)の場合:1人あたり3万円~
公開型研修(スクール型研修)は、他社の受講者と一緒に学ぶ形式の研修となり、1名から派遣が可能です。
公開型研修は1人あたり3万円~が相場ですが、下記のような要素で大きく費用が変動します。
- 派遣する人数
- 講座のテーマ・内容
- 受講する期間
しかし、費用以上に注目すべきは、この形式でしか得られない学習効果です。
管理職は長年の社内経験によって視点が固定化し、物事の捉え方が凝り固まってしまう傾向にあります。こうした課題に対し社外の多様な受講者とともに学ぶ「他流試合=スクール型研修」はきわめて有効です。
自社とは異なる背景を持つ他社の受講者と議論し学ぶことで、以下の効果が期待できます。
- 視野の拡大
異なる業界・職種の考え方に触れ、自社の常識を相対化することで、物事を捉える範囲(視野)が広がります。 - 視座の引き上げ
「井の中の蛙」にならず、他社の優秀なリーダーとの比較を通じて、より高い立場(視座)から自社や自身を客観視できるようになります。 - 持論のアップデート
多角的なフィードバックを受けることで、古びた経験則を刷新し、変化の激しい時代に適応したマネジメント観へと昇華させることができます。
単なる異業種での交流にとどまらず、利害関係のない社外の仲間と本音で切磋琢磨する経験は、管理職としての「視点」を劇的に変えるきっかけとなるでしょう。
▼グロービスの公開研修の費用については以下をご確認ください
1-3.集合研修の場合:1日あたり50~100万円
集合研修は、同じ企業内で対象の社員が集まって受ける研修です。研修会社に委託をして外部の講師を招きます。当該領域の専門家が研修を担当するため、社内の人材ではカバーできない知見やスキルを短期間で習得できるのがメリットです。特に管理職研修においては、社外の講師がフィードバックを行うことで、受講者がその内容を受け止めやすいという利点があります。
管理職向けの集合研修の費用は、1日あたり50~100万円が相場です。
管理職を対象にする場合、若手・中堅層よりも専門性の高い内容や複雑な課題解決のためのスキルが求められるため、費用も比較的高額となる傾向にあります。
▼管理職研修で選ぶべきテーマ・スキルを一覧で解説:
成果に繋がる管理職研修のテーマ30選と自社に最適な選び方
費用は、期間、受講者数、内容、講師のレベルなど、多くの要因で変動し、他の研修よりも高くなるのが一般的です。
また、費用はプログラムの内容によっても変わります。例えば、組織共通の課題向けに体系的なプログラムを実施する場合と、自社の課題に合わせて内容をカスタマイズする場合では、費用が異なります。
【グロービスからのワンポイントアドバイス】
集合研修は費用がかかる分、研修内容を自社の課題に合わせてプログラムを組み合わせることができます。
- 自社のビジョンや経営戦略への理解を深めたい
- 自社の受講者に対し、統一したメッセージを浸透させたい
といった目的の場合におすすめです。
- グロービスの集合研修
- 提供方法:リアル/オンライン
- 定員:1クラス8名~25名(1回あたり20~25名が目安)
- 研修時間:1日7時間(リアル)1日3時間×2回(オンライン)
- プログラム例:
- 新任管理職向け「リーダーの役割認識・行動強化」
- 課長・部長向け「メンバーの意欲・能力を引き出す 職場マネジメント」
グロービスでは受講者が主体的に考え研修後の実務で活用できるよう、スキルとマインドの両面を鍛えるプログラムを設計し、提供しています。目的に応じて、グロービスの担当者が最適なプログラムをご提案します(一例はこちら:目的別の活用例)。
※具体的な金額に関しては、こちらからお問い合わせください。
2. 管理職研修にかかる費用の内訳と金額を決める要素
管理職研修の費用を見積もる際は、何にいくらかかるのかという内訳を正確に把握することが大切です。研修費用は、主に以下3つの内訳で分けられます。
【管理職研修の費用内訳】
- 研修の直接費用
- 教材・開発費用
- 会場・運営費用
それぞれの項目について、金額が上下するポイントとともに説明をしていきます。
2-1.研修の直接費用
研修の直接費用は、外部の研修会社や講師に研修を委託する場合に必ず発生する費用です。
- プログラム費用
- 講師の交通費・宿泊費
など
管理職は求められる役割や領域が幅広く、経営視点で物事を判断する力や、部下育成、チームを動かすリーダーシップ、組織として成果を生み出す意思決定力など、育成すべきスキル・マインドは多岐にわたります。
そのため一般的なビジネススキル研修よりも専門性の高い内容や高度かつ高額なプログラム内容が必要になる傾向があります。
これらは研修の成果に直結する、中核となる費用です。プログラム費用が適切に設定できているのかどうかを見極めるポイントは、次の3章で説明します。
2-2.教材・開発費用
教材費用とは、研修で使用するテキストやワークシートなどの資料の印刷費や制作委託費のことです。
- テキスト代
- ワークシート代
- 印刷費
- (自社専用のワークシートなどを制作する場合)制作委託費
など
印刷費は受講者の人数分が必要になるため、参加規模によって変動します。
オンラインで使うツールがある場合は、ツールのライセンス料が教材費用に含まれるケースもあります。
2-3.会場・運営費用
研修を社外の会場で実施する場合は、会場のレンタル費用が発生します。
- 会議室の利用料
- 機材・備品の購入またはレンタル費用
- 受講者の交通費・宿泊費・食事代・懇親会費
貸し会議室やホテルの宴会場などを利用するケースが多く、費用は立地・広さ・利用時間によって変動します。合宿型の研修や国内外の各拠点からの参加がある場合は、別途交通費・宿泊費・食事代・懇親会費なども考慮が必要です。
研修を円滑に運営するための機材レンタル費も発生します。プロジェクターやスクリーン、マイクなどの音響設備が会場にない場合は別途手配が必要です。
ここまで費用の内訳を見てきましたが、研修の運営費用にはさまざまな種類があり、積み重なると決して安くはない金額になります。研修を内製するという方法もありますが、研修の中でも特に管理職研修を検討する場合は、社外への委託をおすすめします。
なぜならば、管理職に必要とされる「経営の定石」や「考える力」「人を巻き込む力」を得るための研修コンテンツを、社内リソースだけで開発・維持し続けることは非常に困難だからです。
▼管理職研修で育成すべきテーマは多岐にわたります:
成果に繋がる管理職研修のテーマ30選と自社に最適な選び方
膨大な時間をかけて内製するよりも、社外の研修会社が持つ「体系化された最新のメソッド」と「プロフェッショナルの知見」を外部リソースとして活用する方が、結果として開発コストを抑えつつ、確実な成果(ROI)を引き出すための合理的な選択といえます。
社外に委託する際の見積もりやその検討をする際に留意するべきポイントを次の章でお伝えします。
3.管理職研修の費用見積もりの際にチェックすべき5つのポイント
管理職研修の費用見積もりが、研修の目的に沿った費用対効果の高いものになっているのかを判断するためには、以下の5つのポイントが重要です。
- 自社の経営戦略実現に繋がるプログラム内容になっているか
- 講師に必要な「専門性」と「指導力」があるか
- 研修会社に管理職研修の十分な実績があるか
- 依頼できる範囲が明確になっているか
- 任せて安心できる運営体制が整っているか
3-1.自社の経営戦略実現に繋がるプログラム内容になっているか
管理職研修の費用対効果を最大化するためには、単にプログラムの内容の良し悪しを確認するのではなく、その研修が「自社の経営戦略の実現に直結しているか」という観点から設計されているかを確認することが重要です。
プログラム選定の精度は、研修への投資を単なる「コスト」で終わらせるか、具体的な「成果(管理職の行動変容、ゆくゆくは事業成果など)」を生む投資へと昇華させられるかを左右します。
例えば「管理職といえば、まずはリーダーシップが必須だろう」といった一般的なイメージだけでプログラムを選定してしまうと、自社の戦略実現にとって真にボトルネックとなっている課題を解決できず、機会損失を招く恐れがあります。
投資対効果の高い研修を実現するためには、下記のような視点でプログラムの整合性を確認することをおすすめします。
【自社の経営戦略実現に繋がるプログラムかを確認するポイント】
- 経営戦略との整合性:自社の「勝ち筋(戦い方)」や経営環境に基づき、必要な人材要件が定義されているか。
- 課題の明確化:「自社のあるべき管理職像」と「自社の管理職の現状(スキル・マインド)」との間にあるギャップを特定できているか。
- 課題解決への直結:特定されたギャップ(課題)を埋め、事業成果に繋げるための解決策としてプログラムが構成されているか。
研修の学びを実践や事業成果に結びつけるためには、まずは自社の経営戦略を深く理解し、そこから導き出される「あるべき人材像」と「人材の現状」を照らし合わせるプロセスが不可欠です。このプロセスを経て明確化された「課題」の解決にこそ費用を投じるべきであり、それが戦略的な人材育成といえます。

- 対応範囲の明確化:プログラムの実施(登壇)だけでなく、事前課題の配信・管理、当日の運営事務、終了後のアンケート集計や効果測定レポートの作成など、前後のプロセスが基本費用に含まれているか。
- カスタマイズとオプション内容の把握:自社の課題に合わせたケーススタディの作成や、特殊な運営要件に対する対応(追加費用の有無と範囲)が可能か。
- 担当者への詳細確認:ウェブサイト上の情報だけでなく、実際の担当者との対話を通じて、細かな連絡調整や進行管理をどの程度リードしてもらえるかを確認し、認識の齟齬(期待値のズレ)を未然に防ぐ。
- 70%:経験(自分自身の行動によって身についた知識やスキル)
- 20%:薫陶(上司からのアドバイス)
- 10%:研修(研修や書籍などから得た知識やスキル)
- 実践支援や効果測定:研修後のアクションプラン作成や、その実行度合いをモニタリング・測定する仕組み(フォローアップ・セッション等)が組み込まれているか。
- 現場を巻き込む定着支援:上司・同僚を巻き込んで現場での実践を支援・承認する環境(20%の領域)を整えるための働きかけが可能か。
- 企業課題に合わせた柔軟な調整:自社の経営戦略や組織風土を深く理解し、現場の課題解決に直結するよう柔軟にプログラムを調整できるか。
- 実績に基づく知見・ノウハウを活かしたプログラム設計:
3,400社以上の支援実績から得られた「集合知」とメソッドを活かし、成果に直結するカリキュラムを設計します。 - 実務経験を持ち、選び抜かれた講師陣:
ビジネスの最前線を知る実務経験と、受講者の思考を深める指導力を兼ね備えた講師が登壇します。 - オンライン・オフラインを問わずに開催が可能:
オンライン・オフラインの垣根を超え、受講者の環境や学習効果に合わせた最適な研修をご提供します。 - 企画・実施・アフターフォローまで一気通貫でご支援:
研修の企画・設計から、実施後の効果測定・フォローアップまで、継続的なパートナーとして伴走します。 - 管理職研修の形式別の費用
- eラーニングの場合:1人あたり月額千円~数千円
- 公開研修(スクール型研修)の場合:1人あたり3万円~
- 集合研修の場合:1日あたり50~100万円
- 管理職研修の費用見積もりの際にチェックすべき5つのポイント
- 自社の経営戦略実現に繋がるプログラム内容になっているか
- 講師に必要な「専門性」と「指導力」があるか
- 研修会社に管理職研修の十分な実績があるか
- 依頼できる範囲が明確で費用に対して最適化されているか
- 任せて安心できる運営体制が整っているか
3-2.講師に必要な「専門性」と「指導力」があるか
管理職研修の投資対効果は、講師の質に大きく左右されます。講師に求められる質とは、大きく「実務に裏打ちされた高い専門性」と、受講者の思考を揺さぶる「指導力(ファシリテーション能力)」の2点に集約されます。特に管理職研修においては、受講者自身に過去の成功体験や固定観念が定着しており、既存の思考枠組みを打破(アンラーン)して新たな視座を獲得することが容易ではないため、講師の力量が受講者の納得感と、現場での行動変容を決定づけることになります。
管理職研修の効果を最大化するために、講師の側面においては以下の2つを必ず確認しましょう。
| スキルの種類 | 内容 | 重要な理由 |
|---|---|---|
| 専門性 | ・研修プログラムの内容に精通していること ・ビジネスの最前線での実務経験を有していること | 管理職の抱える課題に対して、現場で役立つリアリティのある知見と具体的な示唆を提供するため |
| 指導力 | ・受講者の行動変容を促す「問い」を投げかける力があること ・議論を深める場づくりの力があること | 知識伝達だけでなく、受講者に気付きを与え、実践へと後押しする力が不可欠なため |
特に管理職研修においては、講師が一方的に正解を提示する講義形式では成果に繋がりません。受講者から本音を引き出し、多様な意見を交わす場を創ることで気付きを促し実践へ繋げる高度なファシリテーションのスキルが重要です。
講師の質を見極める際は、プロフィール上の経歴確認にとどまらず、その研修会社がどのような仕組みで講師の質を継続的に担保・向上させているか(クオリティ・マネジメント)を確認しましょう。可能であれば体験セミナーなどに参加し、その専門性と指導力を自らの目で確認することをおすすめします。
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グロービスでは、代表的なプログラムである「クリティカル・シンキング」を体験できるセミナーをご用意しています。

3-3.研修会社に管理職研修の十分な実績があるか
研修を依頼する会社や営業担当者が管理職育成特有の難所を理解し、豊富な実績と知見を有しているかは、費用対効果を高めるポイントのひとつです。
階層が上がるにつれ、求められる能力は「定型的な実務の遂行」から、「不確実な環境下での意思決定」や「組織を動かすリーダーシップ」へと質的に変化します。そのため、管理職研修には単なる実務スキルとは一線を画す、マネジメント全般への深い理解が不可欠です。
育成対象の階層によって、アプローチや扱うテーマの深さがどのように異なるか、その対比を確認しておきましょう。
| 若手向け研修のプログラム例 | 管理職研修のプログラム例 |
|---|---|
| ・ビジネスマナー ・論理的思考、コミュニケーション ・セルフマネジメント ・基礎実務知識 | ・経営戦略・マーケティング ・アカウンティング・ファイナンス ・リーダーシップ ・本質的な課題発見、企業変革 |
このように、管理職研修では「正解のない問い」に向き合うための高度な領域・テーマが中心となります。
したがって、管理職研修における研修会社選定の際は、単に研修メニューが豊富かどうかだけでなく、その会社がビジネスの最前線における意思決定のジレンマ・葛藤やマネジメントスキル全般に精通しているかを確認する必要があります。
Webサイト上の事例集や導入企業の声(インタビュー)を参照し、自社と同等の経営課題に対し、どのようなソリューションを提供し成果を上げているか、その「実績の質」を見極めることが重要です。
3-4.依頼できる範囲が明確で費用に対して最適化されているか
研修投資の価値を最大限に引き出すためには、研修会社を単なる「役務提供者」ではなく、共に人材育成を推進する「パートナー」として捉え、依頼できる業務範囲(スコープ)を明確に定義することが肝要です。
研修会社によって、提供されるサービスや対応の範囲や深さは大きく異なります。見積もりのタイミングで「どこまでを任せ、自社は何を担うべきか」という役割分担を精緻に確認することは、予期せぬ追加費用の発生を防ぐだけでなく、自社の人的リソースを最適配分するために欠かせないプロセスです。
人事担当者が事務作業に忙殺されず、企画や効果測定といったより付加価値の高い業務に集中できるよう、以下のポイントで依頼範囲とサービス内容の全体像を把握しましょう。
【費用対効果の最適化に向けた依頼範囲の確認ポイント】
任せられる業務を明確にし、社内の担当者が企画やフォローアップといった、本来注力すべき本質的なコア業務に専念できる体制を構築すること。それこそが、研修の効果を持続的な事業成果へと繋げるための近道です。
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3-5. 任せて安心できる運営体制が整っているか
管理職研修への投資を確実な行動変容と事業成果に結びつけるには、研修を単発のイベントで終わらせず、現場での実践を促すフォローアップ体制の構築が不可欠です。
人材育成において広く知られる「70:20:10の法則(ロミンガーの法則)」をご存知でしょうか。これは、人の成長に寄与する要素の割合を示したものです。
この法則が示唆するのは、研修(10%)そのものだけで劇的な変化を期待するのは難しいという現実です。投資対効果を最大化するためには、研修で得た気づきをトリガーとして、残りの90%(現場での経験と周囲の支援)をいかに連動させるかが鍵となります。
したがって、見積もりを確認する際は、その研修会社が単なるプログラムの提供にとどまらず、以下の観点から「学習と実践のサイクル」を設計できるかを見極めましょう。
【「行動変容」と「定着」を加速させるパートナー選定の視点】
真に質の高い研修会社とは、研修当日の満足度だけでなく研修後も「現場での活用」と「学習サイクル」の設計にコミットしています。自社の企業戦略を理解し、持続的に人が育つ仕組みを共に創ることができるパートナーを選びましょう。
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4.費用対効果の高い管理職研修の事例
ここまで、費用対効果の高い研修の内容やポイントについて解説をしてきました。
では、具体的にどのような形式やプログラム内容だと、成果に繋がる費用対効果の高い研修ができるのでしょうか。
本章では、グロービスがサポートした管理職研修の事例をご紹介します。研修後に成果を実感できた費用対効果の高い研修をまとめましたので、ぜひご参考ください。
| 企業名 | 形式 | 管理職研修の成果 |
|---|---|---|
| パーソルテンプスタッフ株式会社様 | 集合研修 | 3年間実施し、計42名の受講者のうち10名が課長から部長へ昇進 |
| 株式会社コロワイド様 | スクール型研修、 eラーニング | 本部長・部長クラスが全社視点を持ち、部門間での協力が活発化 |
4-1.パーソルテンプスタッフ株式会社様|階層別に管理職を育成し、経営力強化に取り組む

パーソルテンプスタッフ株式会社様は、3年間にわたって課長層および部長層を対象とした選抜リーダー研修を実施しました。
実際に部長へ昇進した受講者を10名輩出するなど、明確な成果が出ています。
| 課題 | ・自社の経営力を上げるために、若手人材を選抜・育成・抜擢し、経営層の活性化を図りたかった ・CxO(最高○○責任者)や本部長候補者が不足しており、意図的・計画的な育成が急務となっていた |
|---|---|
| プログラム内容 | ・次世代経営者育成の目的で、課長層および部長層を対象に、3階層で選抜リーダー研修を実施 ・「社会をより良くし、業界全体をけん引する視座を持ったリーダー育成」をゴールに設定 ・3階層のラーニングジャーニーを設計し、段階的なマインド・スキル醸成のプログラムを構成した |
| 研修後の成果 | ・3年間実施し、受講者のうち10名が課長から部長へ昇進した ・受講者一人ひとりが自組織の枠を超えた視点・視座で経営を捉え、目指すリーダー像を明確にした ・5年後、10年後の事業の姿を日常的に語り合うようになり、部門を超えた連携のアイデアも豊富に出ている |
本プログラムでは、目的を「単なる知識提供」ではなく、「次世代のリーダーが経営視点を養い、組織全体への新たな価値を生み出すこと」と定義しています。同社の経営戦略に基づいた研修の目的設定から振り返りまでをグロービスが一貫して伴走しました。
また、受講者が段階的にゴールである経営人材へと成長していくための道筋(ラーニングジャーニー)を担当者様とともに設計し、実践的な学びへのサポートを行いました。

▼詳しくはこちらから
パーソルテンプスタッフ株式会社-3年間で10名の受講者が部長へ昇進。幹部層に多様性を持たせ、経営力を上げるための次世代経営者育成
4-2.株式会社コロワイド様|管理職の全社的な経営視点の育成に取り組む

組織の旗振り役である管理職の育成に課題感があった株式会社コロワイド様は、eラーニングとスクール型研修の導入によって経営に携わるリーダーとしての能力育成に取り組んでいます。
| 課題 | ・飲食業界の慣例により、店舗実績で昇進した管理職は戦略構築や組織マネジメントなどのビジネススキルが不足していた。 ・VUCA時代を背景にした危機感から、全社的な経営視点の育成が急務となっていた。 |
|---|---|
| プログラム内容 | ・公募制でeラーニング「GLOBIS 学び放題」を導入したところ、管理職の約半数が受講を希望。 ・その後、人事担当者がグロービス・エグゼクティブ・スクール(GES)に通学し、社長へ人事戦略を提案。 次世代リーダー育成として「GES派遣×アクションラーニング」の育成プログラムをスタート。 |
| 研修後の成果 | ・高い自律的学習意欲が確認され、「学び続ける文化」が醸成し組織の活力向上に寄与。 ・本部長・部長クラスが全社視点を持てたことで、部門間の協力が活発化し、会議の質も向上した。 |
本プログラムは業界特有の育成の難しさに担当コンサルタントが寄り添い、さまざまな議論を重ねて施策を企画しました。eラーニングで知識の獲得から初め、まずは自律的な学習機会を作りながら、より実践的な学びとしてスクール型研修を導入していくことで、段階的に学びの楽しさや成長実感を得られるようになり、自律的にスキルを磨く文化の醸成に繋がっています。
▼詳しくはこちらから
株式会社コロワイド-非連続の時代を生き抜くために管理職がビジネススキルを磨き、経営視点をもつリーダーになる
5.管理職研修の予算は「コスト」ではなく「成果」から逆算して考えましょう
ご紹介した事例のように、研修を具体的な成果へと繋げている企業には、ある共通のスタンスがあります。管理職研修の費用は、単なる「コスト」ではなく、組織の未来を創るための「戦略的な投資」である、ということです。
もちろん予算の制約は無視できませんが、「費用を抑えること」自体が目的になると、本来の目的である「成果」がおろそかになり、結果として投資対効果を下げてしまいます。
例えば、コスト削減を優先してeラーニングのみで管理職研修を完結させた場合、知識のインプットはできても、現場で人を動かすための「意識変革」や「実践」までは到達できない恐れがあります。これでは、安価に済ませたはずの予算が、結果的に無駄になってしまいます。
重要なのは「安いかどうか」ではなく、「目的に応じた行動変容を起こせる設計になっているか」です。本記事で解説したポイント(3章)を改めて確認し、真に自社の課題解決に資するプログラムを選びましょう。
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管理職研修|グロービス(GLOBIS)の企業研修・人材育成ソリューション
6.費用対効果の高い管理職研修なら、グロービスにお任せください
ここまで、管理職研修にかかる費用や費用対効果を高めるためにチェックしたいポイントをご紹介しました。
学びの効果を最大化して費用対効果の高い管理職研修を実現するには、「何のために、どのような変化を期待するのか」という目的に立ち返ることが大切です。
しかし、その目的を達成するための手段は一つではありません。最適なプログラムと学習形式を設計するためには、多様なソリューションを持ち、人材育成の成功法則を知り尽くした専門パートナーへの相談が近道です。
年間3,400社を超える法人研修を支援しているグロービスでは、貴社のご予算・研修期間・受講者の現状レベルに応じて、対面・オンライン集合研修、スクール型研修、eラーニングなど、最適な手法を柔軟に組み合わせた最適解をご提案します。

豊富な研修手法に加え以下のような強みを活かして貴社の管理職研修を成功に導きます。
7.まとめ
最後に、本記事でお伝えしたポイントは以下のとおりです。
上記のポイントを参考に、投資対効果の高い研修を実施し、管理職の成長と企業の発展を目指しましょう。
管理職研修の実施方法やプログラムでお困りの場合は、ぜひグロービスにお気軽にご相談ください。
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