株式会社バンダイナムコアミューズメント

新たな価値を創出できるイノベーター人材を育成。リーダーとしての自覚が芽生え、事業アイデアも創出

業種
  • サービス業
サービス
  • スクール型研修
研修対象
  • 部長層
言語
  • 日本語
株式会社バンダイナムコアミューズメント

お客様が求める価値の変化に対応できる次世代リーダーを育成するために、管理職研修(以下、本研修)を続けている株式会社バンダイナムコアミューズメント様。その取り組みについて、お話を伺いました。(部署・役職はインタビュー当時)

【株式会社バンダイナムコアミューズメント様】
写真左:人事部 マネージャー 大下 了様
写真中右:人事部 飯村 都様
写真中左:人事部 瀧口 優子様

【グロービス担当者】
写真右:千葉 朋実

導入前の課題
  • デジタル化の進展やコロナ禍によって、エンターテインメントへの顧客ニーズが変化してきている
  • 新たな事業を起こし、組織を変革できるイノベーター人材の必要性が高まっている

研修内容
  • GM(部長)層が新たな価値観に触れ、視野を広げるためにグロービス・エグゼクティブ・スクール(GES)へ通学

成果・効果
  • 外部のビジネスパーソンとの交流によって、リーダーとしての自覚が芽生え、視野が広がっている
  • 全社視点での意思決定をスピーディーに行うようになった
  • 新たな事業アイデアも創出。事業展開に向けた検討が進んでいる

背景と課題

大半の社員が既存事業に注力。強い既存事業を持つ企業ゆえのジレンマ

大下さん:
次期経営幹部候補の育成に課題感がありました。当社は長年にわたり、アミューズメント施設の運営を主な事業としてきたため、多くの社員は幅広い事業経験を持っておりませんでした。また、ゲームセンター事業という成熟したビジネスモデルに沿った業務を行うことも習慣化していました。

強い既存事業に支えられてきたからこそ、マネジメント層を含めた社員の知識や経験が限定的になったり、個別最適になったりする課題を抱えていたのです。

お客様が求めるエンターテインメントは、リアルからデジタルへ

大下さん:
一方で、最近はソーシャルゲームの台頭やコロナ禍による巣ごもり需要の拡大といったお客様の変化が起きています。当社の主力事業とは正反対ともいえる、デジタルな遊びが世の中に浸透しつつあります。

こうした社内外の状況を踏まえ、時代の変化に即して新規事業を創出したり、組織構造を改革したりするイノベーター人材の育成が急務になっていました。

検討プロセスと実施内容

外の世界に触れ、知見や視野を広げてほしい

大下さん:
本研修のゴールは、GM(部長)層が社外の新たな価値観に触れ、リーダーとしての知見を広げ、視座を上げること。

その必要性に受講者自ら気づいてもらうことも狙いのひとつでした。

組織を束ねる役割を担い、次期経営幹部候補となるGM層にとって、グロービス・エグゼクティブ・スクール(GES)で他社受講者からの刺激を得ながら学ぶことは、ゴール達成のために最適な施策だと考えたのです。

ただ、本研修を行っただけでゴールに至るのは難しいものがあります。研修後の経験学習も必要だと考え、研修で気づきを得たうえで自社の事業を見つめ直し、その後の現業によって視座を高めていくことを想定しました。

今回の育成施策のパートナーにグロービスを選んだ決め手は、経営幹部育成の実績が豊富であること、またGESなど社外の方と議論を交わす研修機会を得られることでした。今回のゴールを踏まえると、社外の視点を取り入れることは欠かせないと考えたからです。

飯村さん:
1〜2日の単発の研修ではなく、3か月という長い期間をかけてディスカッションをしながら学ぶという研修スタイルにも魅力を感じました。また、振替受講制度など、社員にとって学びやすい柔軟なシステムがあることもポイントでしたね。忙しい社員でも最後まで受講しきれるシステムが整っていることはありがたいです。

事務局として、経営陣に本研修の重要性を理解してもらうことに尽力

大下さん:
本研修を実施するにあたって、懸念点が二つありました。

一つ目は、忙しいGM層が現業と研修とを両立できるのか、という点です。

二つ目は、当社は数年前まで人材育成の予算が潤沢ではなかったため、社員の多くは研修そのものに慣れていない点です。特に既存事業の経験のみに留まっているメンバーが多いことから、他社から参加する受講者と積極的に議論できるかが心配でした。

こうした社内事情から、今回は経営陣からのトップダウンの施策という位置付けにし、社長からのビデオレターでメッセージを伝えたうえで実施しました。これが功を奏し、大半の受講者は本研修の趣旨を理解して、積極的にGESのクラスに参加していたので、安心しました。

飯村さん:
本研修の企画にあたっては役員会にも上申しました。企画の承認を得るために、GESの特徴や良さを根気強く説明したのです。

研修というと、座学スタイルのイメージを持つことが多いかと思います。GESはそうではなく、他社のリーダー層とも交流しながらディスカッション形式で学ぶこと、3か月という期間をかけてじっくり学ぶこと、自社や自分を振り返る機会もあること、そしてこれらの要素が当社のGM層に必要であることを経営陣へ伝えました。

また、私自身がグロービスのスクールへ通学したことがあったため、その経験談も話しました。様々な価値観に触れ、ディスカッションしながら一つの結論にまとめ上げていく経験は、なかなかできるものではありません。自分が成長できたと思える貴重な経験でした。

こうした話を根気強く伝えた結果、我々の熱意が伝わり本研修を実施することになったのです。

成果と今後の展望

他流試合から刺激を得て、リーダーとしての自覚が芽生える

大下さん:
受講者の意識改革や行動変容が起きていると感じます。

アンケートで受講者に感想を聞いたところ、「ケースを用いたディスカッションは大変だったが、多くの学びがあった」「自社の常識は、世間の常識と違っていたことを感じた」など、ポジティブな声が多く集まりました。

冒頭でお伝えしたように当社は長年にわたって強い既存事業があり、今のマネジメント層は大きな意思決定をした経験に乏しい一面があります。今回、ケースを通して意思決定の疑似体験をしたことによって「自分は意思決定をするリーダーの立場である」という自覚が芽生えるとともに、そのために必要な視点も得られたと思います。

瀧口さん:
受講者のレポートを見ても、新たな視点が養われていることがうかがえました。当初は業務と両立することへの懸念の声もあったのですが、GESの受講によって、学びに対して前向きな姿勢に変わってきたと感じています。

学びを生かして意思決定のスピードが向上。事業アイデアも生まれている

飯村さん:
今回の受講者たちから、「もっと幅広い層が受講すべきだ」という声も届いています。GESは覚悟を持って参加しなければなりませんが、学ぶことは多く人的ネットワークも広がります。それが次のビジネス機会につながる可能性もある、という実感を持ってもらえたことによる意見だと思います。

また、私は人事部で採用担当をしており、GM層とは採用人数の検討や面接の調整などで関わりがあります。本研修を受講してからのGM層は、採用においても全社視点をもちながら部門の方針を決め、スピーディーに意思決定をしてくれることが増えたように感じます。人事部として、とても心強く思っています。

大下さん:
とある海外部門のGMは事業アイデアを創出するなど、具体的な動きも見られています。GM自身も「本研修によって視座が高まったと感じている」との話をしていましたね。事業の推進力が高まっていることを嬉しく思います。

企画から振り返りまで、一貫してグロービスとのディスカッションを重ねた

飯村さん:
グロービスは親身になって相談に乗ってくださるだけでなく、私たちの企画がまとまりきらない時も一緒に考えていただき、感謝しています。企画が固まるまでに何度もディスカッションを重ね、最適なご提案をいただきました。

実は、検討段階では本研修の実施が未定だったため、当時のグロービス担当者には「資料をいただくだけでも構わない」と伝えていたんです。ところが、「一緒に考えていきましょう。導入に至らなかったとしても、貴社にとって役立つのであれば構いません」という言葉をいただき、私としても信頼を置いて忌憚ない意見交換ができました。

GESの受講中には、グロービス現担当者の千葉さんと、受講者の出席状況の確認やゴールへの到達度、各自の成長について「レビューブック(レポート形式の課題)」を用いてどのように確認するか?をやり取りしていました。

受講後は、その内容に沿ってレビューブックを分析し、報告してくださったので、受講者の状況を常に把握しながら安心して本研修を運営できました。また、我々事務局としても、見るべき視点に気づかせてもらいました。

本研修の一連の取り組みを振り返ると、グロービスには最初から最後まで惜しみないサポートをいただいたと感じています。

来年以降も、本研修をブラッシュアップしながら継続予定

大下さん:
本研修は、今後も継続したいと考えています。受講者のポジティブな感想を次の受講予定者に共有し、モチベーションを上げていきたいですね。

研修の成果を振り返るにあたり、今はアンケートなどの定性データの収集に留まっているので、今後は定量的な効果測定も検討したいと思っているところです。

瀧口さん:
次回以降に向けての課題感は、実務との紐付けです。当社のGM層はプレイングマネージャーとして業務を行っているメンバーが多いこともあり、GESで学んだリーダーとしての視点や視座を業務に取り入れるのが難しい場合があると感じます。この点については、引き続き人事部の伴走が必要だと考えています。

キャリアの早い時点から、段階的にリーダー育成をしていきたい

大下さん:
イノベーター人材の輩出という課題感は、GM層だけを育成すれば解決するものではありません。将来的には、他の階層にも育成施策を行っていくべきだと考えています。本研修と同様、新たな価値観に触れることを重視したいと思っており、グループ内外の様々な階層の社員との交流研修などを検討しているところです。

グロービスには今後も知見やノウハウをお借りしながら、施策の効果検証や幅広い階層に対する人材育成の相談に乗っていただきたいと思っています。

飯村さん:
時代が変わるにつれ、当社が抱える課題感も変化していくでしょう。人材育成も、その変化に対応したものであり続けるべきだと思っています。グロービスから、時代変化に即した情報をいただけると嬉しいですね。

また、中長期的な視点で社員の育成やキャリアプランを考える必要もあると思っています。例えば、入社5年目にこの研修を受講し、その後にどのような経験を積んでGM層になっていくか、といったことです。

瀧口さん:
次世代リーダーの育成は、役職に就いてから施策を行うのではなく、若い世代から段階的に育てることが必要ですね。この点は当社の最重要テーマのひとつです。今後も更に、当社の人材育成をより良いものにしていきたいと思っています。

担当コンサルタントの声

千葉:
バンダイナムコアミューズメント様が直面している環境変化に対応するためには、グロービスが提供する経営の定石を身に付け、考える力を磨くことが必要であると捉え、本施策をサポートさせていただきました。今回のインタビューでグロービスでの学びが受講者の行動変容や実際の成果に結びついていることをお伺いし、とても嬉しく思います。

当初は「GESに3か月間通い切れるか」というご心配を事務局様から伺っていましたが、実際にはとても前向きに意欲を持って受講いただきました。
レビューブックの記載内容の変化からももちろんですが、自組織のメンバーにも学びを推奨されている様子をお伺いし、当事者意識を持って、自分自身のみならず自組織がどう変わるべきかを考えていただいたからこそだと印象に残っています。

このような受講者の姿は、GM層の皆様が元来お持ちの真面目さや真摯な姿勢によるところも大きいですが、やはり事務局様の企画による効果も大きいと考えています。
受講者の状況や特性を事前に想定した上で、社長を巻き込んでのメッセージを発信するなど、前向きに学ぶ空気感を意図して作られたからこそ前述のような結果に至ったのだと思います。

今後に向けた課題感やご検討事項も伺っておりますので、引き続きバンダイナムコアミューズメント様の人材育成をご支援していきたいと思います。

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