G-Agenda 2020年 秋号 Vol.1

新次元経営を担うリーダー

  • 基調メッセージ 社会の創造と変革を担うビジョナリーリーダー

    グローピス経営大学院学長/グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナー
    堀義人

  • 対談 未来を拓くリーダーシップとは

    JSR株式会社取締役会長 × 小柴満信
    グロービスマネジング・ディレクター × 西恵一郎

  • COLUMN VUCA時代、非日常の日常化を牽引する経営チーム創りの難所と鍵

    グロービスディレクター
    加藤康行

(会社名・役職等は取材当時)

社会の創造と変革を担うビジョナリーリーダーの資質

堀 義人グロービス経営大学院  学長
グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー

渋谷の道玄坂にある小さな貸し教室で1 講座からスタートし、MBA 学位を授与できる経営大学院に育て上げてきたグロービス学長 堀 義人。「グロービス学び放題」「オンラインMBA」など次々新たなサービスを打ち出しながらも、企業向け研修や出版、さらにメルカリやスマートニュースなどのスタートアップを育てるベンチャーキャピタルなど多岐にわたる事業を展開。また、G1 サミットの運営や水戸の地方創生など、世界や日本をより良くしていくための活動も積極的に取り組んでいます。このように数々の事業・プロジェクトをけん引し、コミュニティを創り上げてきた堀に、これからの時代に求められるリーダーの資質やスキル、考え方について聞きました。

未来のビジョンは 徹底的な事例研究とシナリオプランニングで類推していく

ーー最初にグロービスの経営についてお聞きします。いつもスタッフに共有している5 年後のビジョンは、どのように考えて、描いていますか。

堀:僕は、ビジョンとは「青写真」だと思っている。しかし、それはリーダー個人の頭の中にあって、他人に見せることが難しい。メッセージ性のある、分かりやすい言葉にして初めて、多くの人に示すことができる。そして、みんなが「そこに行きたい」と共感できたら、突き進んでいく原動力になる。つまりは「未来の姿(青写真)を描くこと」と「メッセージ性のある言葉にして伝えていくこと」が、ビジョンを浸透させる鍵になる。
ただテクノロジーの進化によって、未来に求められるものは変わってきているので、今の延長線上にない新しい青写真を描かなければならない。たとえば、アリババやアマゾンの未来は、百貨店の延長線上を考えても分からない。テクノロジーがどう進化して、ユーザーがどういうものに利便性を感じるのかを読み解き、もっとも勝ち得るビジネスモデルをゼロから構築していく必要がある。
グロービスも、ビジネススクール No.1 の「ハーバード・ビジネス・スクール」を目指すなら、事例があるので描きやすい。それこそ、同じ方法論をとって、規模とブランディングを高めていけば、できなくもない。しかし、実際は誰も見たことのないゴール(目標)を目指さなければならないから難易度も非常に高い。
では、どうすればいいのか。それは、「類推していく」しかない。他の業界ではどんな取り組みを行って、どのような変化を遂げてきたのか。進化論で考えれば、さまざまな進化の過程で、既存の延長線上にないものが起こった時に、どのように変化したのか。そういった事例をパターン認識していきながら、さまざまなフレームワークを使って推測していく。今回新型コロナウイルスの影響により、価値観や生活様式などが変化し、これまで 20 年かかると言われていたことが 10 年で到達できる可能性が生まれてきた。教育業界の場合は、これまでクラス(対面)で行っていたインタラクティブなやりとりがオンラインで実現でき、時間や場所の制約を受けなくなった。グロービスも1日で通学からオンラインに移行したが、そういうことが現実に起こりうることを想定した上で、5 年後のビジョンを考えていかないといけなくなってきている。

ーーどのくらい未来を見越して、ビジョンを考えていますか。

堀:今だと 2050 年の教育についてずっと考えているよね。放送業界はテレビから Netflix や You Tube に変わり、小売業界ではアリババやアマゾンが出てきたように、テクノロジーによって、つねにナンバーワンは変わってくる。
教育業界のナンバーワンに求められるのは、どういう形なのか。そこにいち早くたどり着ける「解」を見つけた企業や学校が、間違いなく世界のトップになれる。ただ、その方法論は誰にも分からない。 グロービスは、「グロービス学び放題」や「オンライン MBA」「HUB キャンパス&オンライン」というコンテンツで世界に勝負しようとしているが、それが正解なのかも分からない。でもやらなければ、僕たちが目指しているゴールには到達できない。おそらく僕が考えている 2050 年の教育の青写真は、グロービスが目指しているものにかなり近いと思うので、日本から世界ナンバーワンの大学院やテクノベート時代の大学院を生み出せる可能性があると思っている。それならチャレンジしない手はないよね。

企業、地方、国への働きかけどれにも共通する3つの必要不可欠な能力とは

ーーG1 サミット(※ 1)では日本全体に対してアジェンダを投げたり、水戸の地方創生では、いろんな人と対話を重ねながら、堀さんは「青写真」を描いてきたと思います。グロービスの経営との共通点はあるのでしょうか。

堀:「青写真」を描くには、3 つの知識や能力が必要になる。まず大事なのは「大きなビジョンを描ける力」。もちろんそこに到達したいという意欲をもっていることも欠かせない。2 つ目は、「ビジョンを実行するのに必要な戦略や組織構築の方法論が分かっていること」。3 つ目は「多くの人を巻き込んで、組織として遂行できる力」があること。毎年ダボス会議に参加し、世界のトップリーダーに触れていると、人を巻き込んでいくためには、スピーチ力などのコミュニケーションスキルが重要なのがよく分かる。たとえば、ダボス会議を提唱し発展させたクラウス・シュワブ氏は、メモを見ないで、自分の言葉で世界のトップリーダーに対して想いや理念を話し続けるんだよね。そのパワフルなメッセージは、多くのトップリーダーを魅了し、心を動かしていく。3つのスキルはすべてに共通することだと思う。それこそユニコーン企業になるスタートアップの経営者は間違いなくこの3つを兼ね備えているし、G1サミットや水戸の地方創生のコミュニティでも、基本的には変わらない。

※1 政治家、起業家、経営者、知識人、文化人など各界のリーダーが集い、学び、議論し、日本の再生ビジョンを描き、行動を起こすためのプラットフォーム。

リーダーとフォロワーが共通認識を持ち、密に意志の疎通を図ることで、素早い意思決定が可能に

ーーいろんな人を巻き込みながら、次々と、新たなコミュニティを創り出していますが、その際に大事にしたことは何ですか。

堀:最初は、「何をやるのか(ビジョン)」と「存在意義(ミッション)」で、人をけん引していくことだと思う。「日本をもっとよくするんだ」「僕たち世代の責任としてやっていくんだ」といった言葉を繰り返し伝えていくこと。もちろん、人によってインセンティブやモチベーションの源泉が違うので、そこは気をつける必要がある。友だちだからと手を挙げてくれる人もいれば、自分のビジネスにつながるからやりたいという人や、社会に貢献できることだからやろうという人もいる。それぞれのニーズや目的に合うように魅力を伝え、さらにセキュアな環境が整っていれば、人は必ず集まってくる。

また、施策を決めたり、実行するのはフォロワーで、責任をとるのがリーダー。大きくはそういった役割分担をしている。リーダーが全て決めていたら、フォロワーは面白くないし、モチベーションも上がらない。健全な組織の成長を促すためにも、エンパワーメントしていくのが一番だと思う。もちろんフォロワーが決めているといっても、合意しているわけだから、そこにはリーダーも関わっている。

ーー堀さんのようなリーダーシップは、大企業のリーダーが目指しているそれと近しいものがあると思います。しかし、戦略の推進力があがらないという点は、経営者は課題に感じているようです。

堀: 以前、「一番いい大企業の経営スタイルは、あたかも小さな会社のように意思決定をすることだ」と、ある海外企業の経営者が話してくれた。本当にその通りだと思う。このスタイルなら、ボトムアップの意見もスピーディに意思決定することができる。しかし、そのためにはトップとマネジメントチームとの意志の疎通が非常に重要になってくる。
たとえば、事業部門のリーダーの考えていることがグループ全体のビジョンと、どう共鳴するのか。その会社の勝ちパターンは何か。どこのドメインを捨てて、どのドメインで勝とうと思っているのか。そういった意思決定に必要な企業特性やイメージの共有が、リーダー間でできていること。そんな会社なら共通認識に基づいて、瞬時に判断して、すばやく行動に移すことができる。これが理想だよね。
反対にこの共通認識の基盤ができていない会社は、おそらくボトムアップの意見をリーダーが却下して、今まで要した時間と労力が、全部ムダになってしまったという経験を何度も繰り返している。

「危機意識」と「高揚感」が難しい意思決定の支えになる

ーー「正解の分からない」これからの時代に、堀さんが難しい意思決定を行う際に支えになっているものは何ですか。

堀:テクノロジーの影響によって、戦い方が変わっている今、テクノロジーの変化に追いつけないと、その企業は破綻に追い込まれてしまう。そう考えると、1 つは、時代の進化に取り残されてしまうことへの「危機意識」だよね。もう 1 つは、指数関数的に進化する新しい次元の戦いに入っていくことで、従来の強み、弱みがリセットされ、これまでナンバーワンだった企業を追い抜けるチャンスが出てきたことへの「高揚感」。この 2 つが、僕の支えになっている。
これからの時代を走り続けるには、試行錯誤するしかない。しっかりとした方向感覚を持ち、ユーザーの声を聴きながら、AI などの最先端の技術と組み合わせて、模索し改善していく。こうなるだろうという鮮明なイメージをもちながら、あとは進んでいくだけだ。

ーー最後に、「G-Agenda」をご覧になる経営者や事業責任者のみなさんにメッセージをいただけますか。

堀:自分の意思決定や判断に自信をもつためには、自分の能力を磨き続けるしかないと思います。立場や役職が上になればなるほど、自分の能力を向上することに多くの時間を割いていく必要があります。そして、特に今はテクノロジーの変化が激しいので、若者やエンジニア、スタートアップ、さらにはシリコンバレーなどの、自分とは違う世界の人たちから謙虚に学ぶ姿勢も大切になってきます。時代の変化に取り残されないためにも、常に新しい遺伝子をもった人と触れ合っていくこと。そういったアクションが自分自身を進化させ、最終的には自社の持続的成長につながっていくと思います。

グロービス経営大学院 学長
グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー
堀 義人 Yoshito Hori

京都大学工学部卒、ハーバード大学経営大学院修士課程修了(MBA)。住友商事株式会社を経て、1992 年株式会社グロービス設立。1996 年グロービス・キャピタル設立。2006年4 月、グロービス経営大学院を開学。学長に就任する。若手起業家が集うYEO(Young Entrepreneur’s Organization現EO)日本初代会長、YEOアジア初代代表、世界経済フォーラム(WEF)が選んだNew Asian Leaders 日本代表、世界の成長企業(GGC)の共同議長、米国ハーバード大学経営大学院アルムナイ・ボード(卒業生理事)、米国ウィルソンセンターのグローバルアドバイザリーカウンシル等を歴任。2008 年に日本版ダボス会議である「G1 サミット」を創設し、現在一般社団法人G1 の代表理事を務め、日本のビジョンである「100 の行動」を執筆する。2011 年3 月大震災後には復興支援プロジェクトKIBOW を立ち上げる。現在一般財団法人KIBOW の代表理事を務め、KIBOW 社会投資ファンドを組成・運営している。2016 年に水戸ど真ん中再生プロジェクトを始動。同年4 月に茨城ロボッツ、 2019年11月に茨城放送の取締役兼オーナーに就任。他には、公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ理事、いばらき大使、水戸大使等歴任。5 男の父親で、水泳のジャパン・マスターズに毎年出場している。著書に、『創造と変革の志士たちへ』(PHP 研究所)、『吾人(ごじん)の任務』(東洋経済新報社)、『新装版 人生の座標軸「起業家」の成功方程式』(東洋経済新報社)、『日本を動かす 100 の行動』(共著、PHP 研究所)、『創造と変革の技法』(東洋経済新報社)等がある。

西 恵一郎Keiichiro Nishi

株式会社グロービス マネジング・ディレクター 顧彼思(上海)企業管理諮詢有限公司 董事
早稲田大学政治経済学部卒業。INSEAD IEP 修了。2000 年に三菱商事に入社。グロービスでは 法人向けコンサルティグ事業で、リーダー育成、組織開発を伴う組織変革に一貫して従事。 2011 年から中国法人立上げを行い、2017 年から法人事業の責任者を務める。

小柴 満信Mitsunobu Koshiba

JSR 株式会社 取締役会長
1955 年東京生まれ。千葉大学工学部卒業、同大学院修了。米国ウィスコンシン州立大学大学院材料科学科在籍の後、1981年に日本合成ゴム株式会社(現JSR株式会社)に入社。研究所にて半導体材料の開発に従事。1990 年に米国シリコンバレーにあるグループ会社JSR Micro Inc. に赴任、半導体材料事業の米国市場での地位確立に尽力。帰国後、2004 年に取締役、 2006 年に常務取締役に就任、半導体材料事業拡大を推進し、 2008 年に専務取締役、2009 年社長就任を経て2019 年6 月より現職。

合成ゴムなどの「エラストマー事業」や、半導体材料やディスプレイ材料の「デジタルソリューション事業」、さらには診断・研究試薬やバイオプロセスの材料などの「ライフサイエンス事業」にいたるまで、多角的な事業をグローバルに展開するJSR で、11 年にわたりトップを務めてきた小柴満信さん。現在は、経済同友会副代表幹事も務めています。今回は、新型コロナウイルスなどの影響によって不確実性がさらに増したVUCA の時代に、トップに求められる経営観やリーダーシップについて、グロービスで多くの企業の経営者や経営幹部を支えてきた西との対談をお届けします。

20 年後のマクロトレンドを予測し10 年間の事業戦略を立案

西:小柴さんは、2009 年に代表取締役社長に就任して以降、「成長に向けた戦略の明確化」「グローバル化の推進」「新たな事業ポートフォリオの構築」の 3 つのフェーズを経てビジョンを展開し、JSR の持続的成長を実現されてきました。当初、どのように未来を見据えて、この 10 年間経営に取り組まれたのでしょうか?

小柴:2008年のリーマンショック後だったので、不確実な要素が多く、当社の成長のためには何に取り組むべきかを見定める必要がありました。なぜなら、それまで執行役員として担当していたファイン事業(現デジタルソリューション事業)は 2007 年に最高益を達成した直後でしたし、他の事業においても今後の打ち手を模索していた時期だったからです。そこで、まず 2009 年から 1 年半かけて、2030 年までのマクロトレンドを考え、そのマクロトレンドに合った事業戦略を構想していきました。

西:10 年後ではなく、20 年後の姿を視野に入れていたわけですね。

小柴:これまで将来動向などをあまり意識せずに設備投資を行い、さまざまな失敗を経験してきました。製造業だと設備投資の減価償却に 8 年を要するため、その間に事業環境が変わり、投資費用を回収する前に、新たな設備導入を余儀なくされることも少なくありませんでした。
それともう 1 つの理由は、「地政学」を学んだことです。たまたまダラスの空港にある書店で見つけた、ジョージ・フリードマンの『100 年予測』(The Next 100 Years: A Forecast for the 21st Century) という地政学の本がきっかけでした。マクロトレンドを考える際にも、この地政学の考え方を取り入れています。そして、並行して 2019 年までの JSR の中長期計画で、3つのフェーズを策定しました。

西:具体的には、どんなマクロトレンドを予測されたのでしょうか?

小柴:「地球温暖化」「新興国市場」「食糧供給と人口爆発」「デジタル変革」の4つのテーマです。この4つが含まれている事業領域であれば、それほど大きな環境変化は起きないだろうと予測し、新たな事業ポートフォリオを創出していきました。

常に現地へ足を運び自分の目で確かめて意思決定を下す

西:御社は「グローバル化」にも早期に取り組まれてきました。途中、保護主義的な機運が高まり、不安定な時期にも突入しましたが、どのようにグローバル化を推し進めてきたのでしょうか。

小柴:環境保護(地球温暖化対策)の観点から低燃費タイヤの需要が見込まれていたので、グローバルでは欧州の市場に標準を合わせ、まずは 2013 年にエコ(低燃費)タイヤの S-SBR(溶液重合スチレン・ブタジエンゴム)製造プラントをタイに立ち上げました。実は、当時競合他社のほとんどがシンガポールに行き、タイは当社だけでした。それでもタイにこだわったのは、市場と地政学の観点から交易条件として、一番適していたからです。現在シンガポールの石油化学は国際競争力が失われつつありますが、タイ(の生産拠点)は順調に業績を伸ばし続けており、当時の選択は間違っていなかったと思っています。

西:当初主流だったアジア展開とは違う判断をされる際、社内からの反対意見があったと思います。それでも迷わず決断できる小柴さんを支えている信念はどこから生まれるのでしょうか。

小柴:それは、直接現地へ足を運び、自分の目で確かめることですね。これまで、飛行距離でいえば 1000 万マイル近く移動してきました。日本の社長には多いかもしれませんが、社長室から指示を出すだけの机上の戦略では、通用しないんですよ。

西:さまざまな場所に行って、いろんな人と話しをして、見聞きしたものをもとに決断する。その後、ハンガリーに新たな工場を立ち上げられたときもそうですし、それは今も徹底されているようにお見受けします。

小柴:そうしないと、なかなか新しい領域には飛び込めないですよ。例えば、次世代技術として研究開発を行っている「量子コンピュータ」も、そうやって最前線で活躍するエンジニアや最先端の知見に触れ、理解していくことで必要性を感じ、決断しました
。 周りから は「なんで JSR が?」 と不思議がられるんですが、量子コンピュータが正確な計算が不可能だったファインケミカルの開発に活かせる期待があり、今取り組んでいます。日本企業の中でも、当社の量子コンピュータのアプリケーションはトップレベルの技術力だと思います。

新規事業は既存との共通点があり、自社の強みを活かせる領域に

西:次にお聞きしたかったのは「新規事業の戦略について」です。まだ領域が絞られていない段階からいくつかの事業をピックアップして、M&A を行いながら、既存の事業とは全く異なる「ライフサイエンス事業」を3つ目の柱となる事業に育てられました。
多くの企業は「新しい領域で収益をつくる」という戦略は描けても、それを実現するのに非常に苦労されています。どのようにして新規事業を見出されたのでしょうか。

小柴:「ライフサイエンス」事業を選んだのは、もちろん今後成長が見込める分野だからというのもありますが、一番の理由は既存事業である「半導体」と製薬産業の共通点が多く、JSR の強みを活かすことができると考えたからです。
1つは自社の半導体事業で培ってきた「ポリマー(高分子)技術」がバイオ医薬品製造技術に使えること。もう 1 つは、どちらの事業も長期にわたる研究期間を要し、品質に対する意識が高い特長があるため、自社のコアスキルである「品質管理」と「高効率のオペレーション」により、競合他社(ライフサイエンス企業)よりも高品質な医薬品を量産することができたからです。実際、半導体事業のトップをライフサイエンス事業に異動させ、半導体事業のやり方を移植していきました。

西:「飛び地」ではなく「ピボット」という発想で、新たな事業を創り出していったわけですね。

小柴:そうです。また、2012 年にライフサイエンス事業に特化した「JSRライフサイエンス」というグループ企業を設立し、「個別化医療」というトレンドの変化にも柔軟に対応できる体制を強化したのも成功した要因の 1 つだと思います。

イノベーションの創出には「戦略的な投資」が欠かせない

西:ライフサイエンス分野でイノベーション(新規事業)を産み出していくにあたっては、自社の技術力だけでなく、M&A を行った企業同士の融合もかなり意識されていたように思います。

小柴:私は、イノベーションというのは、既存の要素を組み合わせて高い価値を生み出すことでもできると思っています。それには自社の技術も必要ですが、その先には、企業同士の強みを活かし、シナジー効果を生み出していく「戦略的な投資」が欠かせません。

実際、当社が買収したバイオ医薬品の開発製造受託を手がける KBI Biopharma Inc. と、抗体の効率的な培養に用いる細胞株を短期間で構築できる技術を有するスイスのSelexis SAは互いの機能を統合することで、毎年 20%ずつ業績を伸ばしています。

西:どのように投資先を探していったのでしょうか。

小柴:最初は世界の投資トレンドを知るために、それこそ、シーズステージやアーリーステージにあるスタートアップを中心に投資しているヨーロッパやアメリカのマテリアルファンドやライフサイエンスファンドに入りました。ただ、投資先をしっかり見極めるために、FA(ファイナンシャル・アドバイザー)は一切使いませんでした。アメリカ、ヨーロッパ、日本にいる JSR の社員、そして現在の CEO のジョンソン氏が中心となって買収した KBI Biopharma Inc. の社員のコネクションを活用して、すべて自分たちの足で探していきました。

組織戦略に合わせて 優秀な人材を異動できる「マトリックス組織」

西:さきほど既存の半導体事業からライフサイエンス事業に優秀な人材を動かして、新しい事業の収益を伸ばしていったという話がありました。現在、そういった適切な人材が配置できず、新規事業のキャッシュが作れないという課題を抱えている企業が少なくありません。小柴さんは、組織の中での優秀な人材の配置転換を行う際、どのように合意形成を図っていかれたのでしょうか。

小柴: 全てが順調に進んだわけではありません。ただ、当社の強みを 1 つ挙げるなら、「マトリックス組織」だということです。事業部単位の組織に属しながらも、「製造」「研究」「営業」といった職能部門に分かれているので、市場の変化にも柔軟に対応でき、グローバル展開にも有効です。

従業員にとっては、指揮命令系統で混乱を招いてしまうといったデメリットも想定されますが、当社の場合は、最終的な意思決定は職能部門のトップに一任されています。研究者であればCTO です。そのため、新規事業にも優秀な研究者を優先して異動させることが可能になります。

西:そうだったんですね。でも日本でマトリックス組織が機能している企業は、そう多くありません。それだけで難易度も高いのではないでしょうか。

小柴: そうですね。我々経営トップに対する負荷は非常に高いと思います。ただ、組織を考えたときには、事業部のトップも権限がないとはいえ、リーダーシップをとって、周りをけん引していくタイプを配置しています。そういう人材でないと、組織も人もなかなか変わっていきません。

DX は、生産性向上よりも企業風土の改革に活用できる

西:経営的な観点でもう1つお聞きしたかったのが、マクロトレンドでも掲げている「DX(デジタル変革)」への取り組みです。小柴さんは常々「資金の効率化ではなく、実体経済の効率化を進めないといけない」とおっしゃっていますが、その鍵は「DX」だと理解しています。これも、さまざまな企業がこれから取り組んでいきたいと言っていますが、またキーワードで終わってしまうのではと危惧しています。御社では、「DX」でどのように生産性を高めていこうとお考えですか。

小柴:DX は「生産性の向上」にも生かせますが、その本質は「会社の風土改革」です。

西:「会社の風土改革」ですか。興味深いです。

小柴:そうです。今回、新型コロナウイルスの影響などにより、まさに 2,3 年スパンのことが 2,3 ヶ月で起きてしまったと言われています。これからは、予測不可能なくらい、環境変化のスピードがより速まってくると思います。当社は、4 年ほど前から組織間の壁をなくし、意思決定を早くするために決裁などのワークフローを見直してペーパーレスを導入し、昨年には、フリーアドレスも一部の部署で実施しました。 ペーパーレスもそうですが、フリーアドレスも導入しただけでは何も変わりません。交流が生まれやすいようにチーム内にホワイトボードを設置し全員のタスクをシェアしたり、レイアウトをプロジェクト単位ではなく、オペレーション単位に変えることで動線が生まれ、新たなコミュニケーションができてきました。そして優秀な人材がプロジェクトの垣根を越えて動き回り、さまざまな人に影響を与えられるようになると、組織は変わってきます。

西:デジタルはあくまでツールであり、「DX」を通じてワークフローやコミュニケーションを変えていくことが重要だということですね。そういうふうに考えている経営者はまだまだ少ないかもしれません。

小柴:もう 1 つ重要なのは、企業のトップも「テクノロジー」を理解していることです。世の中が成熟していくにしたがって供給が需要を上回り、ニーズも個別化し、市場の「地域化」が進みます。こういう状況では、突然新しく大きな市場が生まれたりします。その変化を逃さずキャッチアップしていくためには「デザイン思考」とムーアの法則を取り入れた「スケーラビリティ」が必要になってくるため、テクノロジー抜きでは、もはや企業の戦略も考えられなくなってきています。

旧態依然とした文化や風土を身を持って変えてきた

西:「両利きの経営」を組織に浸透させていくためには、経営トップにも IT リテラシーが必要になってくるわけですね。さらに今後は、組織としての多様性や自律性も非常に大事になってくるのではないかと思われますが、そうした文化をどのように醸成されたのでしょうか。

小柴:「自然発生的に生まれてきた」というのが答えなのですが、1 つ挙げるなら、私がこれまでのJSR の風土を、身を持って変えてきたというのが大きなポイントかもしれません。
私は入社初日から、JSR を「いつかは辞めよう」と思っていました(笑)。 2000 年に、本気でそのことを考え、当時の社長に「40 代まで課長になれないような会社嫌ですよ」と話したら、「変えるから」と約束してもらい、46歳で役員待遇になり、53 歳で社長に就任し、これまでの旧態依然とした文化や風土を壊してきました。そういうふうに変化が起きると、周りの意識も変わってきます。会議でも日本語を話さない従業員が一人でも入ったら、自然と英語で話すようになってきましたから。

西:「外国人の CEO が就任する」と聞いて、最初は驚きましたが、今お話をお聞きして、それも1つのオプションだったのかなということが理解できました。

小柴:JSR の売上の 6 割は国外で、利益でいえば 7 割を超えています。それでも、依然として 3 分の 2 の従業員が日本のオフィスや研究所などに在籍し、非常に重要な研究も行っています。こうなってくると、戦略と成長を担う CEO は主要なマーケットであるアメリカにいて、日本に COO(兼社長)がいるというのが一番健全だと考えました。

リーダーに必要なのは、知らない領域にも飛び込める「勇気」と「肌感覚」

西:今後の、御社の経営を担ってもらうには、どういうリーダーが必要だとお考えですか。

小柴:それは、今のトップが考えていくことだし、会社の規模や事業領域によっても変わってくると思います。ただ、私が CEO だったときには、リーダーに必要だと思っていた素養は、知らない領域にも飛び込める「勇気」と「勘(肌感覚)」でした。
当社の社員は、性格テストをすると「目的思考」と「リスクアバース(リスク回避)」が突出しています。しかし、この 2 つだけでは、なかなか新しいものを生み出すことはできません。私自身も「勇気」と「勘(肌感覚)」を養うために、先程も話したように、色んな人に会いに海外へ出向きました。 またトップには「若さ」も必要ですね。アクティブに動くには、欠かせない要素だと思います。

西:やはり若くて、フットワークよく動き回って、新しいことにも臆せず挑戦していく人でないと経営のトップは務まらないということですね。

小柴:海外の企業も、CEO はみんな若いですよね。やはり 50 代ぐらいでないと、対等にはビジネスができません。JSR の役員はだいたい 40 代ですし、部長においては 30 代も活躍しています。

西:一般的な大手企業と比べて、御社の経営陣は 10 歳ぐらい若いかもしれませんね。

日本企業は、「レジリエンス」を経営戦略に組み込んでいくことが大切

西:最後に、経済同友会の副代表幹事の立場から、今後日本が成長していくために、日本企業が意識すべきこととは何でしょうか。

小柴:新型コロナウイルスや石油危機、アメリカの大統領選が終わった「アフターコロナ」と呼ばれる時代は、最悪の場合、金融政策などに世界的なカネ余りが発生し、歪みや格差はさらに拡がり、経済基盤の弱い新興国経済は信用収縮により大きな打撃を受けることになるでしょう。さらに米中対立(デカップリング)が激化していけば、日本の企業にとって一番重要なことは「ポジションニング」です。
国は、残念ながら米中のどちらかを選ばざるをえないでしょう。だからといって、企業もどちらかを選ぶことはできません。米国そして中国市場に対してどのような立ち位置を取るか。従来はサプライチェーンの重層化で対応してきたと思いますが、これからは、経営にジオテクノロジー的戦略思考を取り入れ、先端技術開発の重層化も必要になってきます。
この VUCA の時代に生き延びていくには、企業は競争力と、どんな環境下でもうまく適応できる力(レジリエンス)を備える必要があります。
JSR も今「サステナビリティ&レジリエンス」をテーマに取り組んでいます。今やどこにいっても「サステナビリティ」と言われていますが、それだけでは、もはや企業は生き残ることはできません。これからは「レジリエンス」をいかに企業経営戦略に組み込むことができるかが鍵になってくると思います。

VUCA 時代、非日常の日常化を牽引する経営チーム創りの難所と鍵

加藤 康行株式会社グロービス ディレクター

企業に求められているのは “会社全体”の変革

日本企業は、バブル崩壊以降、グローバリゼーションやデジタライゼーションによる産業構造の急激な変化に対応できず、世界に取り残され「失われた 30 年」を過ごしてきた。しかもこの構図は、残念なことに今なお続いている。そんな状況を打破するために、企業に求められているのは、本業を磨き込み、拡充していく「深化」と、新しい事業を開拓する「探索」の両立、つまり「両利きの経営」(※ 1)による“会社全体”の変革である。しかし「深化」と「探索」のバランスのとれた経営は決して容易ではない。「常にやらなければ」という危機感に迫られながらも、なかなか実現できないのが現状だ。

※1 『両利きの経営』チャールズ・A.オライリー、マイケル・L.タッシュマン著より

決断/合意形成を行える経営チームのリーダーシップに課題

変革が進まない原因は、いったいどこにあるのだろうか。P14 にある図表①②をご覧いただきたい。企業における「DX(デジタル変革)」を例に説明すると、企業がDX を実現する上で、ボトルネックになっているのが『ビジョンと戦略の不足』と、『決断/合意形成を進めるリーダーシップの欠如』である。DX の実現にあたっては、新たな AI・デジタル技術を活用して、どのようにビジネスを変革していくかのビジョン・戦略が不可欠であるが、具体的な方向性を模索中で、明示できていない企業が多い。また、DX の必要性に対する認識は高まり、推進の責任主体が企業のトップマターとなっている一方で、「決断/合意形成、リーダーシップ」に依然として課題がある企業が多いのが現状であると言える。ではなぜ、経営リーダー(役員)陣が、こうした「変革のビジョン・戦略の明示」や「決断/合意形成、リーダーシップ」を十分発揮できていないのか?以下の「難所」と呼ばれる 3 つの要因があるからだ。

1. 環境変化への短期的な対応に追われ、中長期視点での本質議論の場を持てていない

現代はいわゆる VUCA と言われる不連続かつ急速な変化が起きる時代。次々に起きる変化に短期的な対応を迫られ、変革のビジョン検討まで行きつかない状態になっている企業が散見される。例えば、今回のコロナ禍でも、コロナの影響がいつまで続くのか?を様子見しながら、短期的な対策を講じている企業も多いと感じている。もちろん、有事の際は、短期的な応急対応を行う必要がある。但し、この事象の正体は、不可逆で極めてインパクトが大きい環境変化であり、経営リーダーの役割は、不透明な中で中長期視点に立った変革構想、変革を進めるためのタフな判断など、本質的な活動に比重を置くべきである。大きな環境変化の中で、経営リーダー陣は、中長期的な企業価値向上のための本質議論の場(時間)を意図的に確保出来ているであろうか?

2. 現状維持バイアスに引っ張られ、変革のビジョンを描きにくい

役員会で中長期議論をしていたとしても、大胆な変革ビジョンや戦略まで踏み込んで描ききれているだろうか。コロナ禍によって観光産業や外食産業は、売上がほぼゼロになる事態にも見舞われた。これは企業の存続をも揺るがすようなインパクトの大きな出来事であり、今後、あらゆる産業で起こりうる可能性がある。故に、本来はどの企業も、既存の延長線上にない変化が起こりうることを想定した上で、大胆な変革のビジョンを打ち出していくことに備える必要がある。しかし、多くの企業で従来の勝ちパターンに固執する「現状維持バイアス・サクセストラップ」に陥ってしまうのを見てきた。特に、事業が成熟すればするほど、既存のやり方を無意識的に踏襲し、ビジョンを描いたとしても、過去の延長に過ぎず、未来志向の変革のビジョンにまで至りにくい。役員会での議論も、圧倒的に既存事業に引きずられてしまいがちで、水を向けないと、ほとんどが既存の主要事業の改善・深化の議論に終始してしまう。

3. 変革のビジョンを描けたとしても、個別機能/事業視点から抜け出せず、全社視点での決断・合意形成にまで至りにくい

役員陣は各自、何らかの事業部や機能の出身であり、出身母体やその人間関係の利害を背負っている。また、縦割組織での視点の固定化もあり、役員層であっても全社視点を維持し続けることが想像以上に困難である。したがい、役員会では、自事業の説明はできても、他事業に的確な意見は出せていないことが多い。あるいはお互いに何も言わない不可侵な状態に陥ってしまいがちである。一方で、変革の決断は必ずと言って良いほど、既存の利害やリソースの再分配が必要となる。その決断や合意形成において、過去のしがらみや個別最適の視点の固定化が邪魔をする傾向がある。

経営チームにおける「決断・合意形成」の「難所」を突破する3つの鍵とは

繰り返しになるが、産業構造の変化により「深化」と「探索」の両立が必要不可欠となった今、求められているのは、中長期視点での大胆な変革ビジョン策定とタフな決断ができる経営トップのみならず、専門性が高く、率直に意見を言える強い経営チーム創りである。そのためには、先に挙げた「難所」をいかに突破するかが鍵になる。具体的には下記の3つが考えられる。

1. 経営の役割を再認識した上で、未来志向のアジェンダ設定をした議論の場を意図的に確保する

まずは、将来のビジョンや戦略の議論をしっかりと行う場創りに取り組みたい。本質議論の場としての質を担保するには、当然ながら、経営陣で厳しい現状認識を共有した上で、何を意見交換していくべきか?という適切なアジェンダ設定が必要となる。ここで留意すべきは、既存のボトムアップの改善型アジェンダのみに終始しないようにすることである。例えば、「我々の産業がディスラプト(破壊)される可能性は何か?」、「我々の存在目的(パーパス)は何か?」こういった骨太なアジェンダを設定していく必要がある。そのためにも、中長期的な視点で世界・産業・社会の変化を洞察し、自社・業界を社会に存続させ続けるという経営陣としての役割の再認識が大前提となる。

2. 厳しい現実を直視するために、俯瞰的・強制的に学ぶ

場と骨太のアジェンダを設定したら、正しく議論を行い、大胆な変革ビジョンや戦略に昇華させていく必要がある。その足かせとなっている「現状維持バイアス・サクセストラップ」に陥らないためには、厳しい現実を直視するための「徹底的なインプット(圧倒的な質量の情報への強制的なアクセス)」と「その情報の業界・自社への咀嚼力」が鍵となる。

多忙な役員陣が、より効果的、効率的にそれらを培うには、まず、各分野に精通した専門家から事実やデータをインプットして、最低限押さえておくべきリテラシーを学ぶ。これにより、外部環境の変化、特に見たくない現実や予想を含めて、俯瞰的にかつ強制的にインプットすることが可能となる。これらの情報の咀嚼・活用により、正しい現状認識に立ち、大胆な自社の変革ビジョンを導き出していくのである。

3. 役員同士が議論すべきアジェンダを“正しく”議論できる場創りを行う

変革の決断には、ステークホルダーのしがらみ、利害を調整して再分配する必要があることは既述の通りである。ここでは何かを選び、何かを捨てねばならない。このジレンマを乗り越え、客観的な視点や論点での意見交換によって合理的な判断を行うべきであるが、内部の人間だけで議論を進めると、興味関心が高いアジェンダ、関係者が多い主要事業の議論、誰もが意見を出しやすい人事や組織のことで時間を使ってしまい、議論すべきアジェンダに時間を十分割けないことが意外と多い。例えば、非日常の場所でしっかりと時間を取ること、信頼できる第三者的なファシリテーターの活用は有益な場創りにつながる。役員同士が貴重な時間を有益に使うために、議論すべきことを正しく議論できるような「改革の水先案内人」的な存在である。既存・個別事業の議論に終始しそうな場面でも第三者が介在することで水を向けやすいし、役員会を有機的に機能させるための流儀「本音で話し、ゼロベースで考え、瑣末化しない」も徹底させやすい。

勿論、客観で議論を尽くしても、最終的な決断を後押しするものは経営リーダーの主観となる。その際の鍵は、つまるところは志による。「どのような未来を創りたいか?創るべきか?それはなぜか?」という問いに対する解である。この志が大きく強いことが変革の原動力になり、仲間、そして社会の共感を呼ぶものになる。

今後企業は個として強い志や信念を持つ経営リーダーの育成に加えて、集合体として機能する経営チームの強化が必要不可欠になってくるだろう。

株式会社グロービス
ディレクター
加藤 康行Yasuyuki Kato

名古屋大学理学部物理学科卒業。スタンフォード経営大学SEP修了。上海交通大学総裁班プログラム修了。大学卒業後、総合商社に入社し、中国を拠点としたグローバルビジネスに従事。その後、戦略系コンサルティング会社に参画し、顧客企業の海外進出、新規事業創出のコンサルティングに従事。グロービスでは、中国現地法人の副総経理を担った後、現在は日本本社のコーポレートエデュケーション部門でディレクターをつとめ、創造(ベンチャー、新規事業)領域の研究・開発グループに所属。講師としては、グロービス経営大学院MBA プログラムにて、グローバル化戦略、ベンチャー戦略等の講師、また、企業研修においては、次世代経営人材育成、企業理念・戦略の浸透、経営戦略、リーダーシップ、アクションラーニング等の講師業務に携わる。尚、スタートアップ企業のアドバイザーもつとめる。