中堅社員が果たすべき6つの役割|必要な5つのスキルとともに解説

2024.04.16

「中堅社員が果たすべき役割は? どのようなことを意識すればいいのかわからない」
「中堅社員はどのような役割やスキルが求められているの? 指導方法で悩んでいる」

若手社員からステップアップし、会社の主力となる中堅社員。中堅社員には、どのような役割を与えて活躍してもらうべきか悩む方もいるかと思います。

中堅社員が果たすべき役割としては、次の6つが該当します。

6つの役割

中堅社員は自分の業務での会社への貢献と周囲へのサポートが求められます。中堅社員の役割を果たすには必要なスキルを理解し、成長を促すようにサポートすることが大切です。

そこでこの記事では、中堅社員が果たすべき役割と必要なスキル、成長を促すポイントをまとめて解説していきます。とくに後半では中堅社員を育成する立場から、育成するポイントをわかりやすく説明しています。

この記事を読むとわかること
  • 中堅社員が果たすべき6つの役割
  • 中堅社員に求められる5つのスキル
  • 中堅社員が抱えやすい課題
  • 中堅社員を成長させるときの4つのポイント

この記事を最後まで読めば中堅社員の果たすべき役割が理解でき、現状に応じた育成やサポートができるようになるはずです。中堅社員は会社の成長を左右する大切なポジションなので、参考にしてください。

執筆者プロフィール
澤田 菜月 | Sawada Natsuki
澤田 菜月

大学卒業後、中小企業向け経営コンサルティング会社にて人材領域の研修やコンサルティングに従事。その後、新卒採用や新入社員の育成、コーポレートサイトの企画・運用にも携わる。
グロービスに入社後、法人部門のマーケティングチームに所属。セミナーの企画・運営、ナーチャリング施策の設計・運用、コンテンツの企画・制作・実行を担う。


1.中堅社員が果たすべき6つの役割

中堅社員は、実務経験が数年~10年ほどの社員を指します。業務や会社にも慣れているので、

①業務での成果創出
②周囲へのサポート

という大きな2つの役割が求められます。この役割を細分化すると、中堅社員が果たすべき役割は下記の6つに分けることができます。

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中堅社員が果たすべき6つの役割
業務での成果創出 周囲へのサポート
会社・事業部・チームのビジョン・戦略を正しく理解する 部署内外の社員やベンダーとの連携を行う
新たな技術や知識を積極的に取得する 後輩を育成する
企業の売上・利益創出に直接/間接的に貢献する リーダーシップを発揮し、周囲に良い影響を与える
中堅社員の役割の図

中堅社員はどのような役割を果たすべきなのか、詳しく確認していきましょう。

1-1. 会社・事業部・チームのビジョン・戦略を正しく理解する(職務理解)

1つ目は、会社・事業部・チームのビジョン・戦略を正しく理解することです。中堅社員は業務での成果創出と周囲へのサポートが2大役割です。

成果を最大化するときに重要となるのが、自分が所属する会社・事業部・チームの方針への理解です。具体的には、下記のようなポイントの理解が必要です。

・会社・事業部・チームのビジョンや戦略を理解している
・組織や部署の方針や目標を理解している

例えば、管理職と後輩の育成方針について話しているとしましょう。後輩の育成方針には会社のビジョンや組織としての目標などが絡んできます。前提知識として理解していないと、食い違いが起きたり正しく理解できなかったりなどの弊害が起こります。

また、中堅社員は管理職の補佐として、管理職の意見や考えをまとめて後輩に共有する機会があります。このときにも管理職の考え方や自社理解ができていないと、管理職の考えを適切に伝えられない可能性があります。あらかじめ自社のビジョンや戦略を理解しておくのはもちろん、管理職と共通認識を持っておくことが大切です。

【役割を発揮するポイント】「組織にとっての問題解決」を行う

会社・事業部・チームのビジョン・戦略などを正しく理解していると、目の前の業務に対する問題解決だけではなく、組織にとっての問題解決に寄与することが出来ます。

自社のビジョンや戦略を理解しきれていない中堅社員だと、目の前の問題解決に注目してしまいがちですが、会社・事業部の戦略を正しく理解した中堅社員だとより広い視野でとらえることが出来ます。結果、組織全体が直面する課題を洞察し、解決に貢献することもできるでしょう。

中堅社員は会社のビジョン方針を理解するために、自分のチームだけではなく他部門や他部署の目標も積極的に理解するように努めるようにしましょう。具体的には

・全社役員会議や、他部署の会議の議事録もしっかりと目を通す
・会社の方針案が管理職から共有されたらその背景にまで想像を働かせ、疑問点があれば質問する

などが挙げられます。

1-2.新たな技術や知識を積極的に取得する

2つ目は、新たな技術や知識を積極的に取得することです。入社当時から同等の知識やスキル、技術を維持するのではなく、積極的にスキルアップを行うことが求められています。

とくに昨今は技術の進歩が早く、10年前と現在とでは業務で活用する知識やスキル自体が異なるケースもあります。そのため、自ら学習し新たな知識の習得に励まないと後輩に抜かされるだけでなく、主力として会社に貢献する役割が果たせなくなります。

テクノロジーの進化が著しい中、ビジネスパーソンがデジタルスキルを磨くことはもちろん大切なことです。その一方で、あらゆる業務で必要となる問題解決力や企画力、リーダーシップといったビジネススキルも、時代の変化に応じて進化させていかなければなりません。

デジタルスキル・ビジネススキルの“賞味期限”に関連するコラムはこちら
リスキリング推進と育成プログラム設計のポイント〜施策の実践性を高めるアプローチとは〜

また、業種によっては、資格取得でよりレベルの高い業務に携われることがあります。現状維持に留まらず、資格の取得を目指すことも方法の一つです。

【役割を発揮するポイント】スキルアップに挑戦する

新たな知識や技術を取得するには、下記のような方法が検討できます。

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スキルアップの方法 一例
資格の取得 業務に関連する資格を取得する
社内の自己啓発制度の利用 自己啓発制度がある場合は活用をしてスキルアップを目指す
社内の研修に参加する スキルアップ研修や選抜研修などがある場合は積極的に参加する
社外のセミナーや講座に参加する 業務に関連するセミナーや講座に参加する
業務に関連する最新の情報収集 業務に関連する最新の情報を収集して動向を理解しておく

社内に自己啓発制度がある場合は、制度を利用して資格の取得やスキルアップを行うことができます。社内で選抜研修やスキルアップ研修を実施している場合は、積極的に参加して持ち合わせていないスキルを補うことも良いでしょう。

自己啓発制度の活用やプログラムの選定方法についてさらに詳しく

▶【資料ダウンロード】自己啓発制度(選択型研修)を活用した個人のキャリア開発のポイント

また、簡単に実践できる方法としては、業務に関連する最新の情報を収集することです。業界のトレンドを把握することで課題や学習するべきことが掴める可能性があります。

1-3. 企業の売上・利益創出に直接/間接的に貢献する

3つ目は、企業の売上・利益創出に直接/間接的に貢献することです。中堅社員は一定の経験を積み、1人で業務が遂行できるレベルに到達しています。

若手社員の間は知識やスキル、技術を身につけて業務を遂行することが目標でしたが、中堅社員には次のフェーズとして主力や即戦力となることが求められます。下記のようにそれぞれの業務で中核を担い、利益拡大や機会創出など企業に貢献することが重要となります。

【企業への貢献の一例】

・営業職:難易度の高い案件や全社事例となるような案件を獲得し、売上拡大や機会創出に貢献する
・製造業:新たな生産性の向上や現場改善に貢献する
・バックオフィス:新たな取り組みの提案や業務効率化を行い、働きやすい環境を整える

例えば、営業職では既存顧客の維持に取り組むだけでなく積極的に多くの案件を獲得し、主力として売上拡大に貢献することが中堅社員の役割です。

【役割を発揮するポイント】自ら問いを立て、自ら答えをもって取り組む

業務を遂行して企業に貢献するには、

・自ら問いを立てる
・自分なりの答えを持つ
・周囲に働きかける

というプロセスが求められます。周囲から指示されてから動くのではなく、自ら問いを立て、主体的に問題と向き合う姿勢が必要です。

中堅社員が問いを考えるときには、役割範囲を限定的にとらえないことが大切です。

・前はこうだったから・・・(今度も同じように問題解決すればいいだろう)
・管理職から「目標はこうである」と言われたから・・・
・答えは誰か(管理職など)が持っているだろう

という姿勢ではなく、

・本来どうあるべきか? と本質をつかもうとする
・面倒がらずに、自分の頭で考えようとする
・正解がない状態を恐れず自分の答えを持ち、周囲に確認する

というように、与えられた役割範囲だけでなく企業・事業部・チーム全体を意識して問いや答えを立てることで、自然と貢献の度合いを高めていくことができるでしょう。

例えば、営業職をしているとしましょう。自分の企業の戦略として新規顧客の獲得に力を入れている場合は、企業の戦略に沿って新規顧客獲得に向けた目標を立てることで、企業に貢献しやすくなります。

1-4. 部署内外の社員やベンダーとの連携を行う

4つ目は、部署内外の社員やベンダーとの連携を行うことです。中堅社員は担当するプロジェクトの中核的ポジションに位置します。管理職はプロジェクトの進捗を管理するよりも組織全体のマネジメントを役割としていますし、プロジェクトの現場の様子を最もよく知り動けるのは中堅社員です。そこで、現場・部署内(管理職を含む)・部署外・ベンダーなどの社外組織などの多様なステークホルダーの意見を聞きながら円滑に業務が進むように、下記のような意見の共有と合意形成を行います。

・管理職の指導内容や注意事項を現場に伝える
・現場の考え方や進捗を管理職に伝え、適宜相談をする
・考え方や前提の異なる部署外の関係者と連携を取り、プロジェクトを前進させる
・社外のベンダーに社内の進捗状況やスケジュールを共有し、遅滞なくプロジェクトを進める

例えば、プロジェクトの進捗に遅れが出た場合は大きなトラブルとなる前に、積極的に管理職に相談をします。そのうえで打開策や解決策を現場で話し合い、上司や関与するステークホルダーに共有し、合意形成することも中堅社員の役割です。中堅社員が社内外のステークホルダーの架け橋となることで、チーム力の強化やチーム成果の最大化につながります。

【役割を発揮するポイント】意図が伝わるように、相手に合わせたコミュニケーションを取る

部署内外の社員やベンダーとの連携を行うには「2-4.コミュニケーションスキル」や「2-3.問題解決力」が求められます。中堅社員は関係者の意見に耳を傾け、正しい情報を共有しなければなりません。意見や考え方に食い違いがある場合は関係者の思考を確認し、認識を合わせることが大切です。

そのため、中堅社員はそれぞれの相手の前提や背景を考えながら、相手に合わせて伝え方を工夫しましょう。中堅社員は、管理職がもつ経営者視点と、現場からの視点をどちらも理解できるポジションです。管理職や若手社員、他部門・ベンダーなど利害関係の異なる相手に対して、自ら理解・共有して積極的なコミュニケーションを心掛けましょう。

1-5.後輩を育成する

5つ目は、後輩を育成することです。中堅社員は数年~10年ほどの実務経験があるため、業務の知識やスキル、技術が備わっています。1人で難なく業務を遂行できるレベルに達しているので、次のステップとして後輩に指導をする役割が課せられます。

後輩を育成するときには

・業務の手順や方法をわかりやすく伝える
・自社の考え方や業務を行う背景を伝える
・後輩の目標や課題を理解してサポートする
・ミスをしたときには原因を伝えてカバーし、フィードバックする

など、1人で完結する業務をしていたときとは異なる知識やスキルが必要です。とくに、業務の手順や方法を伝えるときには、業務内容を自分の言葉で表現できるように深く理解しなければなりません。

また、自分の直接の後輩だけでなく、社内の後輩に気を配りサポートすることも後輩の育成に該当します。例えば、他部署の後輩が仕事内容がわからず困っている場面に遭遇したら、解決できるようにサポートします。このケースでは業務内容を把握している社員に連携して、業務が進められる状態にもっていきます。

企業の重要な経営資源は「ヒト・モノ・カネ」だと言われています。重要な経営資源の一つである「ヒト」を育てる役割を担い、自社に貢献します。

【役割を発揮するポイント】OJTの指導役やメンター制度のメンターとして活躍する

中堅社員は後輩を育てる役割として、OJTの指導役やメンター制度のメンターを担うことが多いです。

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項目 概要
OJT 実際の職務現場で業務を通して行う教育訓練上司や先輩が随時部下に業務内容を教えることで、基礎的な知識やスキルを習得する
メンター制度 後輩に当たる社員を個別支援する活動
業務に関する指導やアドバイスではなく、精神面や心理面でのサポートが中心

OJTは、職場での実践を通して人材育成を行う手法です。中堅社員が指導役として抜擢されることが多く、部下の知識やスキルの習得をサポートします。OJTではコーチング力が重要となり、部下が1人で業務が遂行できるよう根気よくサポートすることが求められます。

メンター制度は、後輩に当たる社員を個別支援する活用です。メンターも中堅社員から選抜されることが多く、主に精神面や心理面でのサポートを行います。例えば、後輩が悩みを抱えている場合にはしっかりと傾聴し、後輩の気持ちを理解することが大切です。

OJTとOff-JTの違いをわかりやすく解説します
【関連コラム】OJTとOFF-JTの違いと使い分け

メンターの役割や実施上のポイントをわかりやすく解説します。
【関連コラム】メンターとは?役割と期待される効果、実施するうえでのポイント

1-6. リーダーシップを発揮し、周囲に良い影響を与える

6つ目は、リーダーシップを発揮することです。中堅社員は企業の主力となるフェーズにいます。自らが即戦力となるのはもちろんのこと周囲を巻き込み、会社全体を活気ある雰囲気にしていくことが求められます。

若手社員の間は上司の指示を受けて行動することができましたが、中堅社員は自らがチームや部署の先頭に立ちまとめていかなければなりません。

・チームリーダーに抜擢される
・管理職の補佐としてチームをまとめる役割を持つ

など、リーダーとしての任務を任せられる社員も増えていきます。また、将来管理職を目指す場合は、中堅社員の段階からリーダーとしての素質を磨くことが大切です。

【役割を発揮するポイント】リーダーシップを身につける

中堅社員は周囲からも「主力である」「〇〇部署のリーダーである」と見られるため、行動や判断を求められることが増えます。例えば後輩から「これはどうしたらいいですか?」と質問された際にすぐに回答できる判断力を身につけておくことが大切です。

また、リーダーシップを発揮して周囲を巻き込んでいくには、同僚や後輩、管理職それぞれの立場から信頼されている必要があります。1人で黙々と仕事をするのではなく周囲とコミュニケーションを取りながら、信頼し合える関係を構築することも意識してみましょう。

リーダーに必要な要素は「2-5.リーダーシップ」で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

2.中堅社員に求められる5つのスキル

中堅社員の役割の図

中堅社員が果たすべき役割が理解できたところで、求められる役割を果たすにはどのようなスキルが必要なのか気になるところです。
ただ、いきなりスキルありきで考えるのではなく、第1章でふれた具体的行動に即してブレイクダウンすることをおすすめします。

中堅社員に求められる代表的なスキルには、次の5つがあります。第1章で述べた中堅社員が果たすべき役割に準じた「行動」と対比させています。

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中堅社員に期待される行動 中堅社員に求められる5つのスキル
「組織にとっての問題解決」を行う ビジネスモデル理解 自身がどのようなビジネスを行っているのか、会社の中でどのような役割を担っているかを正しく理解し、職務理解につなげるスキル
スキルアップに挑戦する キャリア観・成長意欲 会社で主体的にキャリアを築く意欲をもち、その実現に向けて必要な自己成長を描ける
自ら問いを立て、自ら答えをもって取り組む 問題解決力 問題が発生したときに焦らず問題を明確化し、効果的に仮説検証しながら解決までのステップを刻むスキル
意図が伝わる/合意形成できるように、相手に合わせたコミュニケーションを取る コミュニケーションスキル 対人間で意思の疎通や情報共有・合意形成をするためのスキル
OJTの指導役やメンター制度のメンターとして活躍する リーダーシップ 職場やチームの目標を達成するために他のメンバーに及ぼす影響力

中堅社員に必要なスキルが備わっているのか確認するためにも、どのようなスキルなのか確認してみてください。

2-1.ビジネスモデル理解

ビジネスモデルとは「誰に何(どのような価値)を」「どのように提供し」「どのようにもうけるか」を描いた「ビジネスの設計図」です。

ビジネスの設計図

(GLOBIS 学び放題「ビジネスモデル」より)

ビジネスモデルについて詳しくはこちら
【関連コラム】「非連続成長」を解き明かす

中堅社員がビジネスモデルを理解することは、自身が担当するビジネス・商材やサービスを横断的に理解し、顧客ニーズに対応するために不可欠です。一例ですが、以下のようなことがそれぞれ重要です。

・サブスクリプションモデルであれば、顧客維持のコツを掴み、いかに顧客生涯価値(LTV)を向上させるか
フリーミアムモデルでは、いかにアップグレードを促進するか など

具体的に以下の知識は、一人ひとりが上記の理解をし、業務上の判断をするうえでの基礎をつくります。

経営戦略
マーケティング
アカウンティング

こうした知見を深めるためには、実務に即したケーススタディの検討やロールプレイング、シミュレーションを組み込んだトレーニングが効果的です。

2-2. キャリア観・成長意欲

キャリア観・成長意欲とは、会社で主体的にキャリアを築く意欲をもち、その実現に向けて必要な自己成長を描くためのスキルです。
中堅社員にはこの持続的な成長が不可欠で、特に新しい事業領域への挑戦や、異なる部署とのプロジェクト協働など、組織貢献に向き合う際のスキルアップの源泉になります。

本来は、社員個々人が自己実現を行いながら、組織の期待も果たしている=働きがいがあるのが理想の状態です。会社にとっても、社員が成果を発揮しつつ組織への帰属意識も高い状態であれば、自社内で成果を発揮し続けてもらうことが期待できます。

個人主体のキャリア開発を企業が支援する

特に今回は左の「個人」の側面にフォーカスすると、個人で「ありたい姿」を思い描いて終わるのではなく、以下の3つのステップを踏んでいくことが重要です。

① 自身のありたい姿と現状との差分(=課題)を言語化し、コミットする

具体的には、下記がヒントになるでしょう。

・上司との定期面談(キャリア面談、MBO面談)
・社内オリエンテーション
・先輩・同僚からのフィードバック

②各段階における自身の状態を具体的にイメージし、必要とされるスキルを明確化する

③自身の課題、ライフスタイルに合わせ、いつ、何を、どのように学ぶかを選定する

 

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2-3.問題解決力

問題解決力とは、問題が発生したときに焦らず問題を明確化し、効果的に仮説検証しながら解決までのステップを刻むスキルです。中堅社員は利害関係者との調整や後輩の育成に携わるため、問題を解決しなければならない場面に遭遇するでしょう。そのときに焦るのではなく、問題解決に導くスキルが必要です。

問題解決力は、次の4つのステップを円滑に実行できる力を指します。

問題解決のステップ図

まずは、問題は何か「What」を明確にします。起きている事象は果たして本当に問題なのか。問題とは「あるべき姿と現実のギャップ」ですので、単に困った事象を取り上げて問題視しているだけでは本質を見失うこともあります。例えば、後輩の営業成績が落ちている場合は、本来現時点で到達すべき目標はどのくらいで、現状とどの程度のギャップがあるのか、いつ頃から低下しているのか、どれくらい低下しているのかなどを細かく確認します。

次に問題箇所はどこなのか「Where」を特定します。例えば後輩の営業受注目標に対して、現状の成績では1億円足りないことが問題の場合、その中でも新規顧客と既存顧客、どちらの売り上げが伸び悩んでいるのかといった、問題の箇所を明らかにする必要があります。この際に、出来るだけ細かく分解することで次以降の工程がより円滑に進みます。

続いて問題を分析して、原因「Why」を明確にします。先ほどの例では「なぜ受注成績が低下したのか」さまざまな方向から考えていきます。
そこで複数の原因が考えられる場合には、営業現場での様子を観察するなどの現地現物を確認することで根本的な原因を明らかにします。

最後に、問題に対する解決策「How」を提示します。先ほどの例では「なぜ受注成績が低下したのか」さまざまな方向から考えていきます。
Whyを受け、受注を上げるにはどうするべきか考え、オプションを複数洗い出し、判断軸をもって絞り込みます。問題を正しく理解し解決に導くことができると、自身の業務のアウトプットが円滑になるだけでなく、周囲との信頼関係の獲得にもつながります。

問題解決力となる4つのステップを実践できているか振り返り、できていない場合には研修や管理職とのロールプレイを通じて身につけておくようにしましょう。

 

グロービスの問題解決ステップを学ぶ科目例はこちら
【ご案内ページ】クリティカル・シンキング~仮説思考による問題解決~

2-4.コミュニケーションスキル

コミュニケーション力とは、対人間で意思の疎通や情報共有・合意形成をするためのスキルです。中堅社員は管理職や部下、後輩などさまざまな立場の社員とコミュニケーションを取る機会があるため、重要なスキルの一つだと言えます。

中堅社員が今後に向けて身につけるべきコミュニケーション力は以下の2ステップに分けられます。

① 相手を深く知る

コミュニケーションを取る前に、相手が考えていることや不安に思っていることは何なのかを押さえておくことが、コミュニケーションを成功させるポイントです。

・相手が経験の浅い後輩であれば、「上司の指示が理解できない」「自分にできるのか不安だ」「自分はこの仕事によってどう成長できるのか…」ということかもしれません。
・協業する他社の担当者であれば、「自社のメリットは何か」「考えられるリスクは何か」「どのような頻度で連絡することが適切なのか…」といったことが予想されます。

つまり、関係者一人ひとりが
「何を知っていて、何を知らないのか」(認識レベル)
「話されることについて、どのような考え・意見を持っているのか」(意見)
「どのような感情を抱いているのか」(態度・感情)を理解することが必要です。

相手を理解するためにまずできることとしては、コミュニケーションの量を増やすことが挙げられます。

・チームメンバーには1日1回は声をかける
・協業する企業のメンバーとも最初のうちはできるだけ対話を増やす

といったことです。それだけでも違いが出るはずです。

② 相手がわかりやすく、興味を持つように自分の言いたいことを「翻訳」して伝える

相手への理解が深まったところで、関係者一人ひとりへ「何をどのように伝えるのか」を考える段階に入ります。

・自社での勤務年数が長く、阿吽の呼吸が通じやすいベテラン社員と
・2年後には別の組織に移りキャリアアップしようと考えている後輩

に話すのとでは、当然、求められる言葉が異なります。後者であれば、より具体的な戦略数値や行動目標、そこで得られるスキルや成長など、より個人にひきつけやすい話法を意識することが必要です。

ここでは、相手にとってわかりやすく納得できるロジックを構築すること、すなわち「論理思考力」が土台のスキルとなります。ロジックがあってはじめて、相手は伝えた内容を誤解なく具体的に理解し、現実的な行動のイメージを持てるようになります。相手にとって発見や示唆があることで、興味が湧き、実際の行動に繋がるでしょう。

ここでのポイントは、「相手の関心事」に沿ったコミュニケーションをすることです。多様なメンバー同士が一緒に働くことが増えている今の時代においては、一人ひとり人が異なる価値観・職業観を持ちながら働いている、という心構えを持っておくことが重要です。

コミュニケーションに必要な論理思考力を無料ダウンロード資料で詳しく解説
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多様性が高い場で合意とアクションをつくりだすために
【資料ダウンロード】チームの生産性を高めるファシリテーションの重要性

2-5.リーダーシップ

リーダーシップ力は職場やチームの目標を達成するために他のメンバーに及ぼす影響力のことです。「1-6.リーダーシップを発揮し、周囲に良い影響を与える」でも解説したように、中堅社員はリーダーシップを発揮し周囲を巻き込む役割を期待されています。そのため、リーダーシップも必須のスキルだと言えるでしょう。

リーダーシップの発露ともいえる行動は、
結果を出す:「ビジョン・ゴール設定」「計画具体化」「実行徹底」のサイクルを回す必要がある
人材育成:主に結果を出すプロセスにおいて(業務を通じて)行われる

「どちらか」ではなく、「どちらも」重要となります。どちらが欠けても、成果を創出し組織に貢献できるチームであるとは言えません。

リーダーがとるべき行動プロセス

上記の行動は基本的にOJTで行うには難しいと言われています。理由は3つあります。

①リーダーシップ開発の経験不足

リーダーシップは管理職になって始まるものではなく、全ての社会人・仕事において発揮すべきものです。しかし、多くの日本企業では、これを管理職のものとして捉え、意図的な開発もそこから始まることが多いです。そのため、態度変容に時間と工数を要することになります。

②一皮むける経験の枯渇

経済が右肩上がりの時代であれば、失敗を恐れずチャレンジする=一皮むける経験は豊富にあったでしょう。しかし、今の環境下では、限られたリソースの中失敗が許されにくい状況下でのチャレンジを強いられることも。結果、限られたメンバーに貴重な経験が偏ってしまう事が起きえます。

③リフレクション(フィードバック)の難しさ

リーダーシップ開発において、ただ経験値を積むだけではなく、そこからのリフレクションやそれを支援する他者(上司等)の介在が大事であるが、そこに慣れたメンバーがいないため、機能しにくい側面があります。

そのため、リーダーシップ開発にはOff-JTでの意図的な介入が求められるのです。

行動につながるリーダーシッププロセスを習得するプログラム例はこちら
【ご案内ページ】リーダーシップ・デベロップメント・プログラム

3.中堅社員が抱えやすい課題・悩み

中堅社員が抱えやすい課題・悩み

ここからは、中堅社員を育成する側の視点に立って中堅社員が抱えやすい課題や悩みを解説していきます。中堅社員が抱えやすい課題・悩みとしては、下記の3つがあります。

中堅社員が抱えやすい課題

中堅社員の成長や育成を考えるときに、この3つが課題となる背景を考える際の参考にしてみてください。

3-1.仕事がマンネリ化する

中堅社員は業務に慣れ、1人で難なく業務を遂行できるレベルに到達しています。難しいと感じることが減る一方で、業務に対する面白みややりがいを感じにくくなります。

「成長意欲」や「2-5.リーダーシップ」が身についていれば積極的に自分ができることを探して取り組めますが、そうでない場合は業務を淡々とこなすだけの状態に陥りやすいです。

・向上心がなく自分の業務だけを担当している
・自ら新たなことにチャレンジしようとしない
・入社時から業務内容に変化がない(変化を求めていない)

という場合には、仕事がマンネリ化しておりモチベーションが下がっている可能性があります。この現象には複数の要因が絡んでおり、必ずしも中堅社員本人の責任とは限りません。
例えば、向上心にあふれ、業務改善の提案を積極的にしていた中堅社員に対し、上司らが「そんなことより自分の業務をやってほしい」と取り合わなかったことが何回か繰り返されたとします。そうすると、その社員は「どうせ何を提案しても無駄だ」とあきらめてしまい、自分だけの業務をこなせばいいと考えるようになるでしょう(このような現象を「学習性無力感」といいます)。上司や組織風土など周辺の要因が、中堅社員のマンネリ化に影響を及ぼすことがあるのです。
このような状態を維持しても企業にとってプラスにはならないので、次の章で触れる取り組みが必要です。

3-2.業務の質・量がともに増大した結果、目の前の業務で手一杯になる

中堅社員は新人・若手という括りから脱し、「業務量の増加」や「周囲からの期待値の高まり」などに直面する時期です。新人・若手社員であれば一定の周囲のサポートにより業務を進められましたが、中堅社員となると独り立ちを求められます。他の社員と同様の業務量・アウトプットを求められることで、「成長の機会」と前向きに捉えていられた業務もプレッシャーに変わってしまうこともあります。

また、業務内容自体も、過去と現在とでは大きく質が変わっています。

・環境変化が激しく、「指されたことを効率的に行う」ことから、「自ら考え主体的に行う」へ ・誰も答えを知らない中でスピーディに業務を実行するために、社員各々が必死に考え、知恵を絞り、動いていくことが求められる

これらの変化の結果、中堅社員は目の前の業務で手一杯になり、果たすべき役割を担えなくなることがあります。
中堅社員は「1.中堅社員が果たすべき6つの役割」で触れたように、まずは自身に求められる役割を理解したうえで、業務から離れた場で一度自身のキャリアを振り返る場も必要です。個々の知識やスキルを適切に捉えて、中堅社員として必要なスキルは何かを見極めた補填を行いましょう。

3-3.目標やキャリアビジョンが定まっていない

中堅社員は若手社員と管理職の間のポジションとなり、次のキャリアビジョンが見えず悩む社員が増えます。若手社員の間は業務を覚えることや先輩に追いつくことで必死でしたが、いざ中堅社員となるとこの先どうすればいいのか不安を覚えるケースが出てきます。

中堅社員のキャリアビジョンが定まらない主な原因は、2つあります。

1.社内のキャリアを明確に描きづらい

一部の企業でジョブ型雇用の進展が見られるものの、現在も日本企業の主流は職能資格制度です。 職能資格制度は、全社共通の能力を用いた基準であるという性質から、実務・実績との直接的な紐づけが難しいという特徴があります。
評価基準も曖昧になりやすいため、昇進・昇格を目指そうにも、必要な要件や能力開発がわからないといった状況に陥りがちです。

2.社内のキャリアを描けても、企業主体の人事配置が根強く、部署異動・ポジション変更の希望が通りにくい

「自己申告制度」「ジョブポスティング」といった制度を設けている企業は多いものの、どのくらい機能しているかは疑問が残る部分があるのではないでしょうか。制度の大部分が形骸化し、企業都合によるジョブローテーションが通例になってしまうと、「結局キャリアは会社が決めるもの」という諦めが生まれ、自分で考えることを止めてしまうことにつながります。

事実、リクルートマネジメントソリューションズ(2021)「若手・中堅社員の自律的・主体的なキャリア形成に関する意識調査」によると、実に65%の人がキャリア自律に難しさや息苦しさを感じています。

自律的・主体的なキャリア形成

引用:“若手・中堅社員の自律的・主体的なキャリア形成に関する意識調査”、リクルートマネジメントソリューションズ、2023年7月に内容確認

このように、目標やビジョンが持てない状態では、どのように努力をすればいいのかわからずモチベーションの低下を招きます。「4-3.目標やビジョンを明確にする」で詳しく解説していますが、上司が一緒になり目標を設定することが大切です。

4.中堅社員を成長させるための4つのポイント

4章トップイメージ

中堅社員の成長をサポートするときには、次の4つのポイントを意識してみるとい良いでしょう。

中堅社員を成長させるときの4つのポイント

中堅社員は会社の主力となるポジションなので、利益の創出や会社の成長に大きく関わります。どのように成長を促すべきか、ぜひ参考にしてみてください。

4-1.会社への貢献度を可視化する

中堅社員を育成するときには、会社への貢献度を可視化し共有するようにしましょう。会社への貢献を求められる中堅社員は、成果や結果にこだわっていることが多いです。自分がどの程度会社に貢献できているのかわからないと、モチベーションの低下を招きます。

・売上や案件獲得数などの数値を毎月共有する
・中堅社員の業務へのフィードバックを行う

など、具体的に共有することで達成感を得られるでしょう。例えば、
・営業職の場合は、毎月の案件獲得数を共有します。
・製造業や技術職・間接部門など中堅社員個人での成果を数値化しにくい職種の場合は、現在の業務の状態から出来るだけ具体的な定量目標を定め、モニタリングを試みると良いでしょう。

・〇〇さんが提案をした業務効率化のおかげで現場の残業時間が~時間減少した
・〇〇さんの技術力が高く、クライアント様から昨対比~ポイントアップの高評価をもらっている

など、できるだけ明確に伝えることが大切です。会社への貢献度が理解できることで主体性も生まれやすくなり、より前向きに業務に取り組めるはずです。

4-2.1on1などミーティングで成長を実感させる

中堅社員は成長が実感しにくいフェーズにいるため、1on1やミーティングを行い成長を実感させるようにしましょう。「3.中堅社員が抱えやすい課題」でも触れましたが、業務に慣れてきた中堅社員は成長を実感できずマンネリ化を起こしやすいです。

また、中堅社員になり取り組むようになった後輩の育成やリーダー業務は成果を可視化しにくいため、第三者が励ましの言葉をかけないと気持ちが折れてしまうことも考えられます。

・1か月に2~3回1on1を実施して成長過程や成果を可視化する
・管理職を踏まえたミーティングを実施し成長を実感させる

など、中堅社員が自分自身の頑張りを実感できる場を設けることが大切です。このときに成果だけを褒めても成長を実感できないため、以前と比べて成長した部分や成果に至るまでのプロセスを具体的に承認することを意識してみてください。

例えば、「後輩の育成時に毎週ロールプレイングを実施しているから、後輩の行動のここの部分が改善しており、顧客から●●というお褒めの言葉を頂いた」など、具体的なシーンを共有できるとい良いでしょう。

4-3.目標やビジョンを明確にする

中堅社員は「キャリア観・成長意欲」を持ち合わせていることが理想ですが、「3-3.目標やビジョンが定まっていない」で述べたように今後のビジョンや目標に悩んでいる社員が多いです。

中堅社員を対象にアンケート調査やヒアリングを実施し明確なビジョンや目標が持てていない場合は、目標やキャリアビジョンを明確にできるようにサポートをしましょう。

目標やキャリアビジョンを立てるときは中堅社員の強みや理想的な将来像を聞きながら、どのような目標やビジョンを立てるとモチベーションアップややりがいにつながるのか検討してみてください。
同時に重要なのは、自社のコンピテンシー・職掌要件を十分に理解することです。中堅社員の描きたいキャリアと自社のコンピテンシー・職掌要件をすり合わせる支援をすることで、より具体的な中堅社員の課題や目標を決めることが出来るでしょう。

中堅社員の中には

・管理職を目指したい気持ちはあるが、自分にはできないと思っている
・より高い技術力を身につけたいが、自分の能力では難しい

など、自分を過小評価しているケースもあります。この場合には中堅社員の本心や希望を大切にしながら、次のステップに挑戦できるよう後押しをすることも大切です。

4-4.新しくチャレンジすることを用意する

主体的に動くことが難しい中堅社員やモチベーションが低下している中堅社員には、会社側から新たなチャレンジを用意することも成長につながります。

・後輩の育成担当を任せる
・リーダー体験を得る機会を設定する
・今まで携わったことのない業務を割り振る

など、中堅社員にとって新たな刺激となることを任せてみましょう。例えば、リーダー体験を得る機会を持つことで、中堅社員自身も気付かなかった自分の強みややりがいを発見できるかもしれません。新たなやりがいを見つけられるとモチベーションがアップするだけでなく、今後のビジョンや目標も設定しやすくなります。

新しくチャレンジすることを用意するときには、中堅社員のプレッシャーや負担にならないよう配慮する必要があります。例えば、初めて後輩の育成をする場合には、指導内容を絞ったり小少人数からスタートしたりすると、チャレンジしやすくなります。

5.中堅社員の研修事例

5-1【日本生命保険相互会社】自分なりの目指すべきリーダーシップ像を見い出した

日本生命保険相互会社イメージ

グロービス・マネジメント・スクールの科目「リーダーシップと人材マネジメント基礎」を受講。

「大きな組織の中にいると自分が今何をしているのかわからないといった感覚になるときもあります。そうした課題を打破すべく、俯瞰してマクロな視点から物事を考える必要性があると考えていました。
最も印象に残っているのは、「リーダーは虎の威を借る狐になれ」という言葉。たとえ厳しい状況にあっても、小さくとも周囲に成功を見せることがリーダーの務めであり、それに耐えうる強さが必要だ、と講師自身の経験談も含めて真剣に語ってくれました。

これは私が目指したいリーダー像になりました。今の立場では、上司や先輩の負担を減らし、どうすれば成功に寄与できるのかを考えるのが部下の責務だと感じました。部下の視点でもリーダーシップへの気づきを得られたと思います。」

5-2【株式会社クボタ】リーダーシップとビジネススキルを磨き、 中堅社員がビジネスパーソンとしてステップアップ

株式会社クボタ

入社10年目前後の係長クラスに対する育成が手薄だったことに課題感をもっていました。若手社員が現場でよりリーダーシップを発揮し活躍してもらうために、係長クラスに昇格した方を対象とした公募のビジネススキル習得研修(K-Step)を実施しました。

「最終的なゴールは「ビジネスパーソンとして一皮むける」ことでした。各現場のプロジェクトリーダーとして、メンバーに対してリーダーシップを発揮しながら、社内外の関係者との交渉を担える状態を目指すイメージです。
K-Stepでは、グロービステーラーメイド型集合研修GMS通学、そしてGLOBIS 学び放題での自己学習の3つを組み合わせて、6か月間をかけて学ぶ内容としました。GMSやグロービス学び放題でビジネスの基礎スキルを磨きつつ、集合研修ではグループワークでクボタの競争優位性を探求することにチャレンジします。
受講者からは一様に「辛いけど、実りが多い」との感想が挙がっており、今まさに一皮むけようとしている様子が感じられます。受講者の様子を見ていると、ビジネスを考える経験が今後の自信につながるだろうとも思います。」

6.中堅社員の育成にはグロービスの研修・育成サービスを活用

6章イメージ

ここまで解説してきたように、中堅社員には若手社員や管理職とは異なる役割があります。そのうえで、一人ひとりが最大限力を発揮できるよう、成長をサポートしていくことが欠かせません。

とは言え、中堅社員の育成はどこから始めたらいいのかわからず、悩んでいる方は多いのではないでしょうか。グロービスでは、中堅社員に特化した社員研修・育成サービスを提供しています。

会社ごとの人材要件を定義したうえで必要なスキルを特定し、研修や育成のプランを提案させていただきます。一例としては、下記のようにスキル習得からリーダーシップ・視座・視野の獲得など課題や目標に応じた研修や育成プランを提供しております。

・職務理解や組織にとっての問題解決を進めるためのマネジメント知識・スキルを体系的に身につける
・リーダーの行動の型を知り、自分なりのリーダー像を描く
・自ら問いを立て、自ら答えを出すための思考力を鍛える
・組織を活性化し、成果を導くファシリテーション力を鍛える

研修や育成サービスを活用すると中堅社員に対して質の高い学びの機会を提供でき、モチベーションの向上や課題の解消へとつながります。

中堅社員の育成にお悩みの場合や中堅社員の伸び悩みを感じている場合は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

いかがでしたか? 中堅社員が果たすべき役割が理解でき、中堅社員の育成に役立てることができるようになったかと思います。最後にこの記事の内容を簡単にまとめてみましょう。

〇中堅社員が果たすべき役割は次の6つ

① 会社・事業部・チームのビジョン・戦略を 正しく理解する
② 新たな技術や知識を積極的に取得する
③ 企業の売上・利益創出に直接/間接的に貢献する
④ 部署内外の社員やベンダーとの連携を行う
⑤ 後輩を育成する
⑥ リーダーシップを発揮し、周囲に良い影響を与える

〇中堅社員役割を果たすために必要なスキルは次の5つ

① ビジネスモデル理解
② キャリア観・成長意欲
③ 問題解決力
④ コミュニケーションスキル
⑤ リーダーシップ

〇中堅社員を成長させるときのポイントは次の4つ

①会社への貢献度を可視化して共有する
②1on1やミーティングで成長を実感させる
③目標やビジョンを明確にできるようサポートする
④新しくチャレンジすることを用意する

中堅社員は会社の主力となるポジションなので、一人ひとりが果たすべき役割を理解して主体的に行動できることが望ましいです。

とは言え、伸び悩みが起こりやすいタイミングでもあるため、研修や育成サービスを活用して成長を促進するとい良いでしょう。グロービスでは中堅社員に特化した研修や育成サービスを提供していますので、お気軽にお問い合わせください。

※文中の所属・役職名は原稿作成当時のものです。