スカパーJSAT株式会社

テクノロジーを生かした事業推進力を他流試合で磨き、管理職になるにあたってのスキルとマインドが醸成された

業種
  • ソフトウェア/通信
サービス
  • スクール型研修
研修対象
  • 一般社員層
言語
  • 日本語
スカパーJSAT株式会社

スカパーJSAT株式会社では、これから管理職を目指すアシスタントマネージャーの社員を対象に、事業の推進に必要なスキルを身に付け、テクノロジーを戦略的に活用する力を育てるための研修を行っています。

その取り組みについて、お話を伺いました。(部署・役職はインタビュー当時)

(写真右から)
経営管理部門 人事部 人財開発チーム (現 株式会社Space Compass出向) 吉川拓様
メディア事業部門 コミュニケーション本部 Web・配信デザイン部 Web・データ連携チーム チーム長 武田俊輔様
経営管理部門 人事部 部長代行 大田慶子様
弊社営業担当 内野友梨香

導入前の課題
  • これから管理職昇格を志すアシスタントマネージャー層が、事業を推進する力をつける必要があった
  • 目的に合致したプログラムだったことと、管理職がEMP・MMPに通学し好評価を得ていたことから、TMPを導入

研修内容
  • TMP通学によって、テクノロジーを経営戦略に生かし、組織をけん引するリーダーの育成を目指した
  • 社内で経験できる内容は限定的と考え、他流試合で学ぶ機会を設けた
  • 受講によって社内に良い口コミが生まれるよう選抜を工夫した

成果・効果
  • 受講者からはポジティブな感想が多く、TMP受講が社内のテクノロジースキルの土台作りに役立っている
  • 受講者レポートのフィードバックをもとに、研修施策のPDCAが回せるようになった
  • 今後は自律的なキャリア構築に向け、公募型研修の導入を検討するとともに、学ぶ文化を醸成していきたい

背景と課題

テクノロジーとビジネスの両面から事業を推進できる管理職を育成

大田さん:
当社では2023年度に人事制度を改定し、社員一人ひとりが自律的にキャリアを築くことをテーマに掲げていますが、以前より若手〜中堅層がキャリアアップするための育成施策をより体系化したいという想いがありました。

管理職層では、以前よりグロービス・エグゼクティブ・スクール(GES)への選抜派遣を行っており、部長層がエグゼクティブ・マネジメント・プログラム(EMP)、課長層がミドル・マネジメント・プログラム(MMP)へ通学しています。GESへの通学制度が好評なため、管理職手前のアシスタントマネージャー層がテクノベート・マネジメント・プログラム(TMP)を受講する機会を新たにつくることにしました。

吉川さん:
アシスタントマネージャー層が学ぶプログラムとしてTMPを選んだのは、スペシャリストとしてキャリアを歩んできた社員が多く、管理職に就いた際、財務観点など事業を考える力に課題があったためです。

グロービスは「テクノベート」というテーマを掲げ、テクニカルな知識をベースにビジネス推進力を高めるためのプログラムを展開されており、当社の課題感にフィットすると考えました。TMPはスキルのインプットではなく、ITスキルをどのように事業戦略に生かすかを考える講座なので、EMPやMMPを受講する手前のマネージャー層の助走期間として活用することになりました。

管理職層がGESへ通学し、学習に対して前向きな文化が生まれていた

吉川さん:
管理職向けにGESを導入してから社内に良い風土ができていたこともあり、アシスタントマネージャー層が学ぶ場としても、他流試合で経営スキルとマインドを磨けるグロービスが最適だと考えました。

具体的には、EMPやMMPを受講した管理職層が他のメンバーに受講を勧めるケースが頻繁に起きていたのです。以前は、研修参加に対して前向きに受け止めない社員もいましたが、GESは受講者からの良い口コミが社内に広がり、選抜された社員からは「選ばれてよかった」「しっかり学んできます」という意欲あふれる声が多く聞かれるようになっていました。

また、全国にキャンパスがあり、多くの受講者を受け入れてくれる規模の大きさも決め手のひとつでした。受講者が自分のスケジュールに合うクラスを選べて、どのクラスに参加しても他流試合という環境が担保されているスクールは、グロービスしかないと思います。

大田さん:
3か月間という期間で、2週間に1回クラスがあり、インターバル期間に予習・復習、そして実践を繰り返す学習スタイルも効果的だと思っています。短期集中型のスクールも良いのですが、受講後に高まったモチベーションを持続させるのは難しい場合もあります。GESは学習期間中に実務へ生かすサイクルを回すので成長実感が得られやすく、クラス終了後も自発的に学ぶことに繋がりやすいと考えています。

検討プロセスと実施内容

テクノロジーを戦略に活用できるリーダーを育成

大田さん:
本研修のゴールは、アシスタントマネージャー層がテクノロジーを経営戦略にどう生かしていくかを考えられるようになること、そして得られた知見をもとに実務でリーダーシップを発揮できることとしました。

吉川さん:
他流試合を通して、これらのスキルや知見を大いに得てほしいと期待していました。当社は社員数800名弱の組織で2つの事業を展開する企業です。社内の経験だけでは見える世界に限界があるため、社外に出ることで、多様な着眼点や高い視座を得てほしいと考えました。

多忙な社員が最後までモチベーションを保って学べるように配慮

吉川さん:
本研修を始めるにあたっての懸念点は、現場の要となるアシスタントマネージャー層は多忙な社員が多いこともあり、負荷が高いTMPに最後まで通い切れるかという点でした。

この懸念点をふまえ、自己成長へのモチベーションがある社員を選抜するよう留意しました。事業部門だけではなく、コーポレートや法務からも選出し受講してもらっているためです。選抜された受講者がTMPで学ぶことに納得したうえで受講し、「学んでよかった」という思いに至らないと、次に続く受講社員が前向きに学べないからです。EMPやMMP同様、社内に良い口コミを生みたいと考えていました。

大田さん:
私自身もEMPの受講経験を通して、しっかり準備しなければクラス当日が意味のあるものにならないと強く感じました。GESへは選抜された人材が通学するとはいえ、本人のモチベーションがなければ学びは半減してしまいます。だからこそ、通学前のマインドセットも非常に重要になると考えていました。

武田さん:
私はTMPの受講者です。たしかに予習・復習の負荷は高く、グロービスからの事前学習ガイドに予習時間の目安が書かれているものの、いくらでも時間はかけられます。また、最初はクラスの様子がわからず不安がありましたが、回を重ねるごとに徐々にペースを掴めていきました。

成果と今後の展望

テクノロジーを経営戦略に生かしていくのは、現場リーダーのミッションでもある

武田さん:
TMPは、毎回のクラスがあっという間に感じられました。集中して受講するのでクラス終了後はかなり疲れていますが、それよりも充実感が大きかったことを覚えています。経験豊富な講師から学ぶことが多くありましたし、さまざまな業界の方々と同じ課題に取り組んだことで、考え方の幅が広がった実感もあります。

物事を捉える視点が広がったことで、自分がどのように事業へ貢献すべきかを深く考えるようになりました。私はデジタル部門で、アプリケーション開発やデータ利活用に携わっています。既存のビジネスモデルを一変させるデジタルディスラプターが登場する時代において、テクノロジーをどのように事業に活かし、経営戦略に取り入れていくかを考えるのは、経営陣だけでなく我々リーダーにも課されたミッションだと思うようになりました。

吉川さん:
私もTMPを受講し、目的や目標を意識し続けることや、その目的に向かって物事を考えるプロセスが習慣化されたと感じています。常に先を見て思考するようになりました。

TMPを受講した他の社員からは、「ディスカッション主体で学ぶことによる腹落ち感の深さが印象に残った」という声が多くあがっています。発言をしながら学ぶことは事前にわかっていたものの、考えていた以上にディスカッションの時間が豊富にあったようです。

そして、当社がDX人材を育成するにあたり、土台となるスキル習得にTMPが役立っている実感があります。通信事業を展開しているためテクノロジー領域に長けた人材が多い一方で、それ以外の職種の社員とのスキルの差が大きいことが悩みでした。しかしながら、これからの時代は通信以外の事業部門にいる社員やバックオフィス部門の社員であっても、最低限必要になるITやDXのスキルがあると考えています。スキルの底上げという観点において、テクノロジーをビジネスに生かしていく「テクノベート」を学べるTMPは最適でした。

グロービスからの受講者レポートの分析によって、研修施策のPDCAが回せている

大田さん:
受講者には、3か月のプログラム終了後にレポートを提出してもらっています。その内容を見ると、事業への提言や後輩への働きかけ、あるいは具体的なアクションプランなどが書かれており、これからの行動変容へ繋がる期待が持てています。

吉川さん:
グロービス担当者からは振り返りの共有だけでなく、当社が目指す人材育成のゴールに対する成果を一緒に振り返っていただけるのでありがたいです。受講者の提出物からキーワードを抽出し、どのようなことに着目して学びを得たのか、あるいは何に興味があるのかまで分析していただけることに驚いています。

研修は実施して終わりになりがちですが、定量・定性の両面から具体的なフィードバックがあるおかげで、研修施策のPDCAが回せており、一連の丁寧な対応に感謝しています。

大田さん:
そうですね。以前、研修体系を見直した際にも、グロービス担当者には親身に相談に乗っていただきました。コンテンツを提供するだけでなく、等級定義に沿った研修体系づくりを一緒に考えていただいたのは、大変ありがたかったです。今年は、当社の社員に必要なスキルを体系化したスキルマップを作成したのですが、その際も各スキルに紐づけた学習コンテンツの整理にご協力をいただきました。

社員の自律的なキャリア構築に向けて、学び合う文化醸成をしていきたい

大田さん:
今後に向けては、昨年から構築を進めているスキルマップを、研修施策だけでなく業務アサインとも連動させていきたいと考えています。

当社のスキルマップは、ベーシックスキル・マネジメントスキル・テクニカルスキルの3つから成り立っています。そのうち、ベーシックスキルとマネジメントスキルについては研修コンテンツと紐付けて示すとともに、社員は上長と一緒に目標を立て、能力開発を進めているところです。

さらに、どのような業務を経験するとどういったスキルが伸びるかも示せると、上長が業務アサインをする際に役立つと考えています。このようにして全員が自律的にキャリアを築き、活躍できる状態に進化させていきたいですね。

そして、TMPを含むGESの受講経験者が社内に増えてきたので、学んだことを組織で共有し、学び合う文化づくりもしていきたいと思っています。文化醸成は時間がかかるものですが、逆に、強い組織になるための近道であるように思うのです。学び合うことが習慣化していくための働きかけをしていきたいと考えています。

新しい人事制度の中で、社員一人ひとりがリスキリングやアップスキリングをしていく際、どのような働きかけをすべきか、あるいはどういったスキルが世の中で求められるかといった観点でも、グロービスには引き続きご協力いただきたいと思っています。

吉川さん:
キャリア自律の観点で、これからは選抜型だけでなく公募型の研修を増やしていくことも検討中です。たとえばGESは受講経験者から好評価なので、公募型に切り替える、あるいは選抜と公募を併用する運用にしても、これまで通りの成果が得られるのではないかと思っています。

また、個々人の環境や興味関心に合わせて学ぶ分野を選べる仕組みも充実させていきたいですね。GESのような異業種交流の機会も若手のうちから取り入れ、外の視点から大いに学んでほしいと思っています。

武田さん:
現場の立場からは、ITやDXの分野で社内の共通言語ができて、考える基準が揃っていくといいと思います。共通言語によってセクショナリズムができにくくなりますし、事業の目的に対する社員の目線も合ってくるでしょう。高度なテクノロジーに関する知識は一部社員が持ちつつ、全員が理解しておくべき基礎スキルを習得できる機会があるとありがたいですね。

グロービス担当者の声

内野 友梨香

スカパーJSAT様には継続してGESへご派遣いただいており、毎期受講者のレポートから学びを実務に引き寄せられている様子が伺え、大変嬉しく思っております。
特にTMPでは、他流試合の場に加え、テクノロジーとビジネスの両面から事業や組織を考える機会があり、管理職になる前に経営目線を養うきっかけとして活用いただけているのではないかと感じています。

日々の業務でお忙しい中でも、受講者の皆様が積極的に参加してくださる背景には、施策自体が「テクノロジーを経営戦略に活かし、組織をリードする人材を育成する」という明確な目的と結びついているからだと、今回のインタビューを通じて再認識いたしました。
また、人事部の皆様とは振り返りの場を定期的に設けていただいており、学びの内容が目的や課題に沿っているかだけでなく、運用面等についても多角的に意見交換をさせていただいております。人事部の皆様が熱意を持って育成に取り組まれている姿勢が伝わり、だからこそ受講者の方々も学びを発信し、組織内で学習意欲が醸成されているのだと感じています。
今後は、新たに構築されたスキルマップの運用が本格化していくことと思います。これまで課題感を含めてご相談いただいてきた経緯もありますので、GESに限らず幅広くご提案・ご支援させていただければと考えております。
お三方のお話を踏まえ、改めて貴重な施策に携わらせていただいていることに感謝しております。今後もスカパーJSAT様のさらなる成長に向けて、精一杯ご支援させていただきます。

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