株式会社クボタ
リーダーシップとビジネススキルを磨き、 若手社員がビジネスパーソンとしてステップアップ
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若手社員が現場でよりリーダーシップを発揮し活躍してもらうために、係長クラスに昇格した方を対象とした公募のビジネススキル習得研修(以下、K-Step)を新たに企画・実施されている株式会社クボタ様。その取り組みについて、お話を伺いました。(部署・役職はインタビュー当時)
【株式会社クボタ様】
写真中:人事部 人財開発室 沼田歩様
写真右:株式会社クボタ教育センター 研修部 有賀航平様
【グロービス担当コンサルタント】
写真左:小林 美沙
- 導入前の課題
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- 入社10年目前後の係長クラスに対する育成が手薄だった
- 各現場のまとめ役という期待役割を果たすために、必要なビジネス知識・スキルを身につける機会が十分でなかった
- 研修内容
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- スクール通学とGLOBIS学び放題でビジネスの基礎スキルを磨きつつ、集合研修ではグループワークでクボタの競争優位性を探究することにチャレンジした
- 競争優位性を考えるグループワークはグロービスとの話し合いで決まった。会社の強みを理解することで、受講者が様々なプロジェクトをリードできるようにした
- 成果・効果
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- スクール通学では、クラスの仲間とのディスカッションを通じて自分の足りない点に気付き、受講者自ら「他の科目も学習したい」との声を挙げている
- 競争優位性を分析するグループワークでは、学んだフレームワークを使うことで議論が充実し、受講者が自分の足で情報を取りに行き、生の情報に基づいたアウトプットを作り上げた
- グループワークではお互いの良いところを理解し、引き出し合いながら各自がリーダーシップを発揮できていた
背景と課題
各現場のまとめ役を期待する係長クラスに、学ぶ機会を十分に提供できていなかった
沼田さん:
入社10年目前後の係長クラスに対する育成が手薄だったことが課題感でした。この管理職手前の層は、各現場で専門性を活かしながら日々の業務における判断を行い、後輩育成やチームのまとめ役を期待されます。研究開発職であれば、ひとつの研究テーマの推進や取りまとめを担うのがこの階層です。
ところが、彼ら・彼女らが期待役割を果たすために必要なビジネス知識・スキルを身につける機会が十分でなかったため、会社として育成の場を設けることにしました。
有賀さん:
この階層を含めた育成体系の見直しを人事部のメンバーと進めていた中で、クボタのあるべき姿とは、多様なリーダーが組織の至るところに存在し、活躍していることが理想だとの話になりました。中でも現場で活躍すべきリーダー層は係長クラスだろうと考え、K-Stepの対象層となったのです。
グロービスを選んだ決め手は、企画力の高さと丁寧でスピーディーな提案力
沼田さん:
この階層を含めた育成体系の見直しを人事部のメンバーと進めていた中で、クボタのあるべき姿とは、多様なリーダーが組織の至るところに存在し、活躍していることが理想だとの話になりました。中でも現場で活躍すべきリーダー層は係長クラスだろうと考え、K-Stepの対象層となったのです。
小林さん(グロービス担当コンサルタント)にはいつも、当社のあるべき人材像を我々が言語化しきれない時でも、我々の期待を超える丁寧さとスピード感で提案をいただきました。
有賀さん:
グロービス・マネジメント・スクール(GMS)で他社のビジネスパーソンとの交流ができることも、グロービスならではの魅力でした。GMS通学を含めた提案内容はすばらしく、ご提案を見た瞬間に「グロービスにお願いしたい」と感じるほどのインパクトがありましたね。
体系的なビジネススキルを身に着けながら、各現場でリーダーシップを発揮できる状態を目指した
有賀さん:
最終的なゴールは「ビジネスパーソンとして一皮むける」ことでした。各現場のプロジェクトリーダーとして、メンバーに対してリーダーシップを発揮しながら、社内外の関係者との交渉を担える状態を目指すイメージです。
目指す状態に至るには、リーダーシップのみならず、体系的なビジネススキルも必要です。どの職種であっても、プロジェクトを進めるにはビジネスの収益性や競争優位性を自分の言葉で語り、判断することが求められます。人事担当役員からも、社員に対して体系的なビジネス知識をもっとつけたいとの問題意識が挙がっており、K-Stepのゴールと合致していました。
検討プロセスと実施内容
K-Stepはグロービスと話し合いながら一緒に作り上げた
有賀さん:
K-Stepは、集合研修、GMS通学、そしてグロービス学び放題での自己学習の3つを組み合わせて、6か月間をかけて学ぶ内容としました。GMSやグロービス学び放題でビジネスの基礎スキルを磨きつつ、集合研修ではグループワークでクボタの競争優位性を探求することにチャレンジします。
競争優位性を考えるワークは最初から決まっていたわけではなく、小林さんと話し合いながらアイデアをいただいたものでした。プログラムの詳しい内容を検討する議論の中で「受講者が今後さまざまなプロジェクトをリードできるようになるには、会社の強みを理解することが必要なのではないか」との話をいただき、我々も納得したのです。
沼田さん:
グロービスは具体的なご提案をいただける部分と、一緒に作り上げていく部分の両方があり、そのバランスが絶妙です。一緒にK-Stepを作ってきたという感覚があり、心強いパートナーだと思っています。
他社のビジネスパーソンとの交流が、さらなる成長意欲を生んでいる
沼田さん:
受講者が、通常業務とGMS通学を両立できるかは懸念点でした。係長クラスは当社の中でも職場のまとめ役であるため忙しく、ライフステージの観点でも変化が起きやすい世代です。GMSはビジネスパーソンが学びやすいようオンラインや土日の開講クラスも多く、振替制度も整備されていますが、負担感については当初かなり不安でした。
ところが、いざ受講が始まると、公募で集めた受講者のため元々モチベーションが高いこともあり、忙しい中でも前向きに取り組んでもらっているので、胸を撫で下ろしているところです。
有賀さん:
GMS通学が始まり、受講者からは早速「他の科目も学習したい」との声が挙がっています。しかもその理由が、クラスの仲間とディスカッションしていて自分の足りない点に気づいたから、もっと成長したいとのことでした。私は以前から越境学習に関心があり、その効果などを調べていたのですが、他社のビジネスパーソンとの交流はまさにこのような効果が出るのですね。
成果と今後の展望
学んだフレームワークを活かしながら、リアルな事業分析を自分事として取り組む様子が見られた
有賀さん:
グループごとに事業をひとつ選んで競争優位性を分析するグループワークでは、学んだフレームワークを使うことで議論が充実したことはもちろん、受講者が自分事として取り組む様子が見られました。自分の足で情報を取りに行き、生の情報に基づいたアウトプットが作り上げられていったのです。リアルな事業を取り上げて分析したアウトプットですので、事業部長にも事務局から情報を共有することでプラスの効果を期待しています。
この状態に至ったのは、グロービスから受講者の学習プロセス/研修運営が効果的に進むような伴走サポートがあったからこそだと思います。講師が受講者のモチベーションをうまく引き出してくださいましたし、小林さんの柔軟できめ細やかなサポートにも支えられました。
インターバル期間にも、情報の調べ方や財務諸表の分析の仕方といった具体的な相談がメーリングリストにあがった時などにアドバイスをいただきました。実は、クボタではK-Stepのような中期的なプログラムはあまりなく、多くの受講者にとって、このような外部のサポートを受けながら研修で学ぶのは初めての体験でした。
小林さんには、講師と受講者、そして我々事務局の間に立って調整をしながらゴールに導いてくださり、非常にありがたいと思っています。他社の研修会社様ですと、調整役は我々事務局が担当する場合が大半であり、ここまでアクションしてくださるのはグロービスしかいません。
沼田さん:受講者は業務と並行して課題に取り組むのを大変に感じながらも、講師や小林さんとの信頼がどんどん深まり、悩みごとを臆せずに発信していました。サポートがなければ、疑問点や悩みごとを心の中にしまったままだったかもしれません。グロービスがこうした雰囲気を作ってくださったおかげで学びが深まったと感謝しています。
回を追うごとに、深く調べ、考え抜いたことがわかる発表内容が増えていった
有賀さん:
受講者が安心して学習できる環境があったおかげで、考え抜く姿勢も生まれたと思います。毎回のセッションでは、講師から、自ら調べる大切さと考えを深掘りするノウハウを教えていただきました。受講者の発表に対しても「この点は調べましたか?」「なぜこうなっているのですか?」といった問いかけをしてくださるので、受講者は発表内容について調べきったつもりでも、足りない点に自ら気づけるのです。講師からの問いかけは、クボタのことを知り尽くされているなと感じるほどいつも的確でした。
こうした講師とのディスカッションを繰り返すことによって、受講者は「どこまで考えれば、考え尽くしたことになるのか」が腹落ちしたのだと思います。回を追うごとに、深く調べ、考え抜いたことがわかる発表内容が増えていきました。受講者の成長を目の当たりにして、企画者としては嬉しい気持ちでいっぱいです。
沼田さん:
受講者からは一様に「辛いけど、実りが多い」との感想が挙がっており、今まさに一皮むけようとしている様子が感じられます。
受講者の様子を見ていると、ビジネスを考える経験が今後の自信につながるだろうとも思います。受講者の職種はさまざまで、マーケティングや営業職であれば今回学んだフレームワークは理解しやすいと思うのですが、技術職や間接部門のメンバーにとっては、ビジネス知識に触れる機会が初めての人もいたでしょう。職種ごとの専門性と、K-Stepで培ったビジネススキルをかけ合わせて、ますます活躍していってほしいと思います。
グループワークを通じて、各自のリーダーシップの発揮も見られた
有賀さん:
リーダーシップについても、グループワークで切磋琢磨することを通して学び取っています。K-Stepの初回で「ストレングスファインダー」を受けてもらい、自分の強みを他のメンバーに共有するワークを行いました。そのおかげで、グループワークではお互いの良いところを理解し、引き出し合いながら各自がリーダーシップを発揮できていたように思います。
今後の取り組み
国内外のグループ会社の社員にも学ぶ機会をつくり、強いグループ経営につなげたい
沼田さん:
当社の経営方針において人材育成が明確なキーワードとして挙げられており、我々としてはさまざまな取り組みを進めなければならないと考えています。一例を挙げると、世の中でも注目が集まっているリスキリングがあります。キャリア開発も含めたリスキリングの仕組みはまだ整備できておらず、今後の課題です。
K-Stepの受講者からGMSの他の科目も受講したいとの声が挙がっているものの、こうした自主性に応える育成の仕組みも不十分ですので、これから充実させたいと考えています。
また、K-Stepを含め、多くの研修はクボタ本体の社員のみを対象にしているのですが、国内外のグループ会社の社員にも学ぶ機会をつくり、強いグループ経営を行なっていくための人材育成をしていきたいと思っています。
担当コンサルタントの声
小林:
K-Stepのポイントはプログラム設計だったと思います。沼田さん、有賀さんから「一皮むける経験をさせたい」とのお話をいただいた一方、受講者の皆さんは忙しい世代であり、さまざまな制約がある中でゴールをどう達成するかが知恵の絞りどころでした。
体系的なビジネススキルをつけながらも、リーダーシップをグループワークで磨いてもらうなど、目的の要素をあらゆる形で組み込んだプログラムとなりました。
沼田さん、有賀さんには、グロービスからの提案に共感いただき、運営面でも大きなご協力をいただきました。私自身も、チームとしての一体感を持ちながら実施できたことをありがたく思います。
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