株式会社ふくおかフィナンシャルグループ
新任課長が期待役割を果たすためのスキルとマインドを身につけ、グループ全体での組織活性化を目指す
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ビジネスにおける環境変化が激しくなる中、マネジメント業務に加えて自ら成果を出すことが求められる新任課長への育成施策(以下、本研修)を行っている株式会社ふくおかフィナンシャルグループ様。論理的に物事を捉え、問題解決をスピーディーに行うためのスキル習得を行っています。その取り組みについて、人事統括部 人財開発センター センター長 吉田賢治様、同センター 佐々木晋平様からお話を伺いました。(部署・役職はインタビュー当時)
- 導入前の課題
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- 外部環境の変化に伴い、新任課長にスピーディーな判断、積極的な行動が求められるようになった
- 研修内容
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- 企業内研修で、クリティカル・シンキングを実施
- 成果・効果
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- 受講者が論理思考力の重要性を認識し、「業務やコミュニケーションが円滑に進んだ」という声が寄せられた
- 新任課長研修会で論理思考力を習得する機会をつくったことで、会社からの期待を伝えられた
背景と課題
外部環境の変化に伴い、新任課長にスピーディーな判断、積極的な行動が求められるように
佐々木さん:
金融業界では激しい環境変化に伴い、各行員の業務が多様化しています。現場を統率する課長職は、マネジメント業務に加え、自らも成果を出すプレイングマネージャーとしての役割が求められるようになりました。スピーディーに判断し、積極的に行動するスキルが必要になっていたのです。こうした背景から、新任課長には、今の環境で必要な力をつける育成施策を検討することになりました。
育成施策の企画を進める中で、グロービスでの受講経験がある行員から、クリティカル・シンキングのプログラムを勧められました。その内容を見てみると、まさに新任課長が必要とするスキルとマッチしていると感じましたね。他の育成施策を通してグロービスとの信頼関係も築かれていたため、本研修を依頼することにしたのです。
当行は元々、新たなことにチャレンジする社風があります。ブランドスローガン「あなたのいちばんに。」に込めたお客さまへの約束の中に「いちばん先を行く銀行」という文言があるように、先進的な取り組みを積極的に行う文化が脈々と受け継がれているのだと思います。本研修の企画においても、前例がなくとも、現場の意見をどんどん取り入れながら進めました。
自ら考えるスキル・自ら行動するマインドを身に着けてほしいと考え、研修を設計
佐々木さん:
本研修では2つの目標がありました。1つは、考える技術を磨いていただくことです。当行の課長職の役割が変化していることを考慮した結果、私たちは効率的な業務運営や適切かつスピーディーな判断につなげるために、論理思考の基盤となる考え方を学ぶ必要性を感じていました。2つ目に、自ら率先して動き成果を出す役割を担っていると認識していただくことです。本研修によって、スキルのみならず、マインドの醸成もしていきたいと考えていました。
吉田さん:
課長職になると、自ら考え、自ら行動することがより一層求められるようになります。さらに、近年は働き方の変化も起きているため、行員一人ひとりがマインドチェンジを行わなければ、組織も変革できないと考えています。
検討プロセスと実施内容
懸念を担当者と講師へ率直に伝えた。その結果、99%の受講者がこの研修を有益だと評価
佐々木さん:
ふくおかフィナンシャルグループには多様な業務があり、グループ各社への出向者も多くいます。業務経験も、これまでのキャリアも多岐にわたる受講者がいるため、全員が本研修の重要性をどこまで理解し、向き合っていただけるだろうかという懸念がありました。
こうした懸念を、岡﨑さん(グロービス担当者)には企画段階から率直に伝え、講師陣にもご理解いただいたうえで研修を実施しました。
すると、アンケート結果では驚くことに99%の受講者が研修を有益だと評価をしてくれたのです。アンケート結果を見ると、受講者たちはスキルが身についただけでなく、マインド面でも腹落ちできたことが分かり、当初の懸念は解消されました。このような有益度の高さは、これまでの研修と比べても稀有なものです。
吉田さん:
課長の成長によって組織が活性化することを見据えると、本研修はその第一歩となる、と手応えを感じています。組織内に、「この人は一回り成長しているな」と感じられる人材が一人でもいると、そのエネルギーが周囲に広がり雰囲気が明るくなるでしょう。このような小さな組織活性が、ゆくゆくは業績につながるのだろうと考えています。
成果と今後の展望
受講者からは「論理思考力を活用することで、業務やコミュニケーションが円滑に進む」との声が
佐々木さん:
まずは、アンケート結果の多くがポジティブな回答だったことに安堵しました。受講者が論理思考力の重要性を認識し、「論理思考力を活用することで、業務やコミュニケーションが円滑に進む」という声も多く寄せられました。一回の研修で全ての思考や行動が大きく変化するものではないと思いますが、様々な気づきを得られたようです。
吉田さん:
課長職は、日々同じ業務を行う場面も多いため、自ら意識しない限り新たなスキルを身につける経験を得るのは難しいという現実があります。今回、新任課長研修会で論理思考力を習得する機会をつくったことで、会社からの期待も伝わったと思っています。
佐々木さん:
講師の方々には、論理的に考える必要性を感じさせながら研修を進行いただき、我々の要望でもあった発言機会を多く設けていただきました。雰囲気づくりもうまく、その結果、活発な意見交換が行われていましたね。
そして岡﨑さんには、企画段階から当行の課題や要望を深く理解しようと努めていただき、時には厳しい意見も率直にくださったことに感謝しています。真摯な議論ができるのは、グロービスならではの特徴でもあると感じています。
吉田さん:
本研修のような重要な育成施策の企画や複雑な相談事については、私たちはしばしばグロービスにお声がけしますね。普通に企画するだけでは実現が難しい話でも、じっくり向き合ってくださることをありがたく思います。
「自ら考えて動く、自律自走できる行員の育成」に向けて、自ら学べる場を増やしていきたい
吉田さん:
我々の人事戦略における人材育成テーマは、「自ら考えて動く、自律自走できる行員の育成」です。課長は自らも成長しながら、部下に活躍の機会を与え、そのプロセスに伴走する役割を担っています。そして目標の成果が出なかった場合には、しっかりフィードバックを行う。そのような積み重ねによって、部下たちは自分の言動に責任感が生まれます。
私自身の経験を振り返っても、自分で考え、行動して、結果が出なければ改善点を見つめるという繰り返しが自分自身の礎になっていると思うのです。
現在は、自律的な人材の育成に向けて、学びたい意思をもつ人が学べる場を徐々に増やしているところです。例えば、資格試験取得時に奨励金を出したり、業務知識や人間力を高める「サタデーカレッジ」を土曜日に開いたりしています。「サタデーカレッジ」は、延べ受講者数が31,000人(2022年度時点)を超えるほどの活況ぶりです。
また、当行内で様々なキャリアを積んだ先輩方の声や、各部署の特徴などが掲載されている「キャリアデザインハンドブック」も作成し、配布しています。これにより行員一人ひとりが自身のキャリアについて考え、モチベーションを高めるきっかけとなることを期待しています。
このハンドブックだけではなく、今後は研修などの育成施策もさらに拡充し、より多くの行員が学ぶ機会を増やすようにしていきたいですね。一人ひとりが自分自身のキャリアや成長に向き合い、それを実現するための自己啓発ができる環境を整えていきたいと思います。学んだからといって、必ずしも全員に希望通りのキャリアを用意できるとは限らないものの、人事としては本人の意向に沿った業務をできるだけ提供していきたいとも考えています。
身近な同僚が学んで成長する姿に刺激を受けた行員が、新たに学び始めるという好循環を築きたいです。これにより組織が活性化し、行員が楽しく働ける職場づくりを目指したいと思います。
グロービス担当者の声
グロービスはかねてより、ふくおかフィナンシャルグループ様の組織開発や個人の皆さまのキャリアデザインに向け、様々なチャレンジをご一緒させていただきました。今回、企画段階からご相談をいただけたのは、テーラーメイド型研修やマネジメント・スクールなどを受講され、自己変革に挑戦されていった皆さまのご支持あってこそだと理解しています。
本研修では、新任課長の役割を踏まえ、『考えるとは何なのか』を押さえ、説得力・納得感につながる論理展開を作り上げる要諦を学んでいただきました。研修を通じて素晴らしいと感じたのは、多くの皆さまが、ご自身に向き合いながら課題を特定し、前向きに将来の指針を見出されていたことです。研修ではスキルを磨くことに加え、自己変革のマインド醸成にもつながる場になっていたことを感じました。
このマインド醸成は、以前に社長の五島様から伺った、人生・仕事を豊かにしていく上で重要な要素、前向きな『考え方』とも結び付き、非常に印象的でした。ふくおかフィナンシャルグループ様では、お一人お一人の可能性を信じ、公平にチャレンジする機会を積極的に提供されています。実際、自己変革に挑戦された方が組織へよい影響を与えていらっしゃると伺いました。我々グロービスとしても、こうしたよい影響がさらに広がっていくよう、共に考え挑戦しながら全力でサポートし続けたいと思っています。
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