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マネジメント研修とは?企画の手順や効果を最大化する方法

日経225企業
取引実績

88 %
2025年4月グロービス調べ

集合研修
有益度

4.6 5段階
評価
2025年3月「テーラーメイド型プログラム」を除く平均値

導入
企業数

3,400 社/年

受講
者数

42万 名/年

「自社のマネージャーのスキル不足を課題に感じており、効果的なマネジメントスキルの育成方法を知りたい」
「現在実施しているマネジメント研修の効果が感じられないため見直したいが、何から着手すべきか分からない」

自社のマネージャー層のスキル不足に悩んでいるものの、社内に十分な人材育成の知見がなく、頭を抱えている育成担当者の方は多いかと思います。

マネジメントスキルを身に付けるための手段の一つが、「マネジメント研修」です。
マネジメント研修とは、部下を育成する力やコミュニケーション力、リーダーシップ力など、組織をマネジメントするために必要なスキルを学ぶ研修のことです。

マネジメントスキルは日々の業務をこなしているだけで自然と身に付くものではないため、日常業務の延長線上でスキルアップを期待することは危険です。

マネジメントをする立場の社員がスキルを身に付けないまま、自己流で部門やチームを率いてしまうと、組織の運営において以下のように様々な問題が発生する可能性があります。

  • 経営戦略が現場の動きに反映されず、組織として目指すべき方向に進まない
  • 業務上の非効率なプロセスや問題点が放置され、組織の生産性が上がらない
  • 公平な人事評価が行われず、メンバーの間の不公平感や組織への不信感が生まれる

組織が一丸となって事業を推進し、経営戦略を実現するためには、マネージャーのマネジメントスキルの強化が欠かせません。

本記事では、マネジメント研修の概要や具体的なプログラム、企画方法などマネジメント研修を研修するときに知っておきたい基礎知識をまとめて解説します。

この記事を最後まで読めばマネジメント研修の必要性や具体的な企画方法が分かり、自社の課題に合うマネジメント研修を検討できるようになります。

自社のマネージャーのマネジメントスキルを底上げしたいとお考えの育成担当者の皆様は、ぜひ参考にしてみてください。

1.マネジメント研修とは

マネジメント研修
目的組織をマネジメントするために必要なスキルを身に付けること
対象者組織をマネジメントする立場にある人全般
・役員
・管理職
・チームやプロジェクトのリーダー
内容以下のようなスキルの強化を目指す
・リーダーシップ
・コミュニケーション力
・目標管理力
・経営資源(ヒト・モノ・カネ)に関する知識
・部下育成力
※詳しくは「3.マネジメント研修で学ぶ内容」で解説しています
ポイント・自社の課題に応じて必要なスキルの習得を目指す
・中長期的な視点で取り組む

マネジメント研修とは、部長や課長といった管理職層、チームリーダーなど、組織をマネジメントする立場にある人が、組織の成果を最大化するために必要な知識やスキルを学ぶ研修です。

企業や組織の運営に携わるマネージャーがマネジメントスキルを身に付けていないと、下記のようなトラブルを招く可能性があります。

【マネジメントスキルが身に付いていないとどうなる?】

  • 経営戦略が現場の動きに反映されず、組織として目指すべき方向に進まない
  • 業務上の非効率なプロセスや問題点が放置され、組織の生産性が上がらない
  • 公平な人事評価が行われず、メンバーの間の不公平感や組織への不信感が生まれる

このような状態では、組織として成果を上げ、持続的に成長することは極めて困難です。この困難な状況を打破し、経営戦略を現場で実現できるかどうかは、マネージャーのスキルにかかっています。

つまり、マネジメント研修は、経営戦略実現のために取り得る一つのアクションといえます。

【マネジメント研修で学ぶスキルの例】

  • リーダーシップ
  • コミュニケーション力
  • 目標管理力
  • 経営資源(ヒト・モノ・カネ)に関する知識
  • 部下育成力

詳しくは「3.マネジメント研修で学ぶ内容」で解説しています

マネジメントスキルを備えたマネージャーが組織を率いることで、経営戦略に基づいて適切に目標管理や人材マネジメントが行われ、組織がうまく成果を創出できる可能性が高まります。

【参考:管理職研修との違い】

管理職研修とは、部長や課長などの「管理職」という役職・階層に就いている、またはこれから就く予定の人を対象にした研修を指します。マネジメントという役割に必要なスキルはもちろん、管理職としての心構えや、労務管理やハラスメントなどの法律知識、人事評価スキルなど、管理職という階層に求められる広範な能力を学ぶ研修です。

「マネジメント研修」は、階層にかかわらず、組織をマネジメントする立場にある人を対象として、組織の成果を最大化するために必要な知識やスキルを学ぶ研修です。

ただし、両者は結果として受講者の層が重なっていることが多く、明確な言葉の使い分けがされていないことも実態としては多いです。

2.マネジメント研修を行う3つの目的

マネジメント研修を実施する目的は、主に以下の3点です。

2-1.マネージャー層のマネジメントスキルを標準化し、組織運営の基盤を安定させる

1つ目は、マネージャー層全体のマネジメントスキルを底上げして質のばらつきをなくし、安定した組織運営を行うことです。

マネジメントスキルは通常業務の中で自然に獲得できるものではないため、人によってかなりのレベル差があるケースが多いです。
実際に、一般社団法人日本能率協会が実施した「トップマネジメント意識調査 2023」を見ると、約半数の人材が管理職になる段階で、スキルやマインドの準備不足を感じています。

トップマネジメント意識調査2023
参考:一般社団法人日本能率協会「トップマネジメント意識調査 2023」

マネージャーが個人の経験や価値観のみに基づいてマネジメントを行うと、以下のような課題が生じます。

<課題の具体例>

  • 部署によって評価基準が異なり、どのマネージャーの下につくかで処遇が変わってしまうため、不公平感が生まれる
  • 労務管理やハラスメントに関する知識レベルに差があり、一部の部署で長時間労働や不適切な言動などの問題が放置される
  • マネージャーが交代するたびに業務の進め方や評価の重点といった方針が180度変わり、現場が混乱し疲弊してしまう
  • 新メンバーの教育が各マネージャーの裁量に任されており、配属先によって、立ち上がりのスピードや定着率に大きな差が出る
  • 部署によって情報共有のレベルが異なることで、複数の部署間で情報の偏在(サイロ化)が起き、連携のボトルネックになる

これらの課題を乗り越えるため、マネージャーはマネジメントの基礎スキルを身に付ける必要があります。具体的には、人事評価の基準、労務管理やコンプライアンスに関する正しい知識、それらを現場で運用するための基礎的な論理的思考力や問題把握の視点、全ての土台となる組織の理念や行動規範の深い理解などです。

マネジメント研修を通してこれらのスキルが標準化されることで、組織運営のばらつきが解消されます。その結果、メンバーはどの部署に配属されても安心して働けるようになり、組織全体の運営基盤が強固になります。

2-2.業務マネジメントの質を上げ、組織のパフォーマンスを最大化する

2つ目の目的は、マネージャーの目標管理や問題解決、意思決定力を育成を通じて業務マネジメントの質を上げ、組織のパフォーマンスを最大化することです。

マネージャーの重要な役割の一つは、全社や部門の戦略を自分のマネジメントする組織やチームの目標に落とし込み、チームとして成果を最大化することです。優先順位を決めてリソースを配分し、適切に業務プロセスを管理することが求められます。

業務マネジメントがうまくいかないと、以下のような課題が顕在化します。

<課題の具体例>

  • 経営方針が現場に伝わらず、メンバーは自分の仕事の目的や意義を理解しないまま、目の前の業務をこなすだけになる
  • 業務の優先順位付けが曖昧で、リソースが重要度の低いタスクに分散し、チーム全体の成果が出ない
  • 問題が発生しても根本原因が特定されず、場当たり的な対応に終始するため、同じ失敗が繰り返される
  • 他部署との調整や交渉をマネージャーが怠り、業務がスムーズに進まず、部門間で責任を押し付け合うような状況が生まれる

これらの課題は、マネージャーが「業務マネジメント」のスキルを体系的に習得することで解決できます。具体的には、経営戦略を理解し自チームの目標に落とし込む翻訳力、業務プロセスの構築・管理能力、チームを先導するリーダーシップ、他部署と連携するための調整・交渉力、そして論理的な問題解決能力などです。

マネージャーがマネジメント研修を通してこれらのスキルを磨くことで、チーム全員が経営戦略と自業務のつながりを理解し、目標達成に向けて行動する、パフォーマンスの高い組織が作られます。

2-3.マネージャーの人材育成能力を高め、組織の持続的成長を支える人材基盤を構築する

3つ目の目的は、マネージャーの人材育成能力を高め、組織の持続的成長を支える人材基盤を構築することです。

短期的な業績達成だけでなく、メンバーの意欲と能力を引き出して中長期的な成長を支援し、経営戦略を実現する人材を育成することも、マネージャーに課された役割の一つです。

マネージャーの人材マネジメントスキルが不足している組織では、以下のような課題が発生する可能性があります。

<課題の具体例>

  • マイクロマネジメントや不明瞭な役割分担が原因で、メンバーが自律的に動けず、指示待ちの状態が蔓延(まんえん)する
  • コミュニケーションが単なる業務報告や進捗確認に留まり、メンバーの悩みやキャリアの希望が引き出せておらず、モチベーションが低下する
  • 問題点や改善点に関する具体的・建設的なフィードバックが行われず、メンバーが行動を改善できないまま成長が停滞してしまう
  • 優秀な若手社員が成長実感を得られず、キャリアアップを求めて離職してしまう

こうした課題の背景には、マネージャーの人材マネジメントに関するスキル不足が一因としてあります。メンバーを育成するためには、傾聴力、意欲を引き出すコーチング、建設的なフィードバックといったスキルが必要です。

マネジメント研修を通して人材マネジメント能力を身に付けることで、次世代リーダーが育つ土壌が作られ、組織の持続的成長を支える強固な「人材基盤」の構築につながります。

3.マネジメント研修で学ぶ内容

マネジメント研修で対象者が学ぶのは、マネジメントに必要なスキル全般です。一例として、以下のようなスキルの習得を目指してカリキュラムを組みます。

カテゴリ具体的なスキル概要
1. マインドセットリーダーシップビジョンを示し、目標達成に向けて周囲を巻き込み、導く力
経営視点プレーヤーの視座ではなく、経営者や組織全体の視点で物事を判断する力
使命感(オーナーシップ)チームの課題や成果を「自分ごと」として捉え、責任を持って最後までやり遂げる姿勢
自己変革力過去の成功体験に固執せず、自ら学び続け、マネージャーとして変化・成長し続ける姿勢
2. 基礎スキル論理的思考力物事を体系的に整理し、課題解決や目標達成への筋道を立てて考える力
コミュニケーション力上層部・部下・他部署など、立場が異なる関係者との円滑な意思疎通や調整・交渉を行う力
問題解決力問題の発見から原因特定、解決策の立案・実行までを遂行する力
意思決定力限られた情報や時間の中で、チームとして進むべき方向性を合理的に判断・決断する力
経営資源に関する知識経営資源である「ヒト・モノ・カネ」に関する基礎的な知識
3. 業務マネジメントスキル目標管理力自身や部下の目標を管理し、目標達成のために行うべきことを明確にする力
業務プロセス管理力業務フローを設計・最適化し、効率的な業務遂行を管理する力
リスク管理力起こり得るリスクを予測し、事前に対策を講じる力
組織ルールの理解企業の人事制度や評価制度、戦略を理解して組織運営に活用する力
4. 人材マネジメントスキル部下育成力部下の能力を最大限発揮できるように指導・フィードバックする力
モチベーション管理力自身やチームのモチベーションを管理し、意欲を引き出すサポートを行う力
チームビルディング力組織一人ひとりの能力を発揮できる一体感のあるチームを作る力
メンタルヘルス対応力部下の心身の健康に気を配り、不調の兆候に早期対応する力
人事評価スキル組織の基準に基づき、メンバーの成果や行動を公正に評価し、フィードバックする力

自社のマネージャー層の課題や、対象者に求めるスキルセットによって、マネジメント研修で重点的に取り扱うべきスキルが異なります。
例として、組織が抱えるよくある課題ごとに、強化すべきマネジメントスキルを挙げます。

課題強化すべきスキル
部署間の情報共有レベルが異なり、連携のボトルネックになっている・コミュニケーション力:他部署との円滑な調整・交渉を行う
・経営視点:組織全体の視点で判断する
・問題解決力:連携を阻害している根本的な問題を特定し、解決策を実行する
・リーダーシップ:部署の壁を越えて、他部署の協力を取り付ける
経営方針が現場に伝わらず、メンバーが目の前の業務をこなすだけになり、主体性が失われている・目標管理力:経営戦略をチームや個人の具体的な業務目標に翻訳する
・コミュニケーション力:組織の目的や業務の背景を分かりやすくメンバーに伝える
・リーダーシップ:ビジョンを示し、メンバーの当事者意識(使命感)を引き出す
・部下育成力:適切な権限委譲を行い、自律的な行動を促す
メンバーとの対話が不足し、意欲や定着率が低下している・部下育成力:傾聴をベースに、相手の成長を促すフィードバックを行う
・モチベーション管理力:メンバーの内発的動機やキャリア観を理解し、意欲を引き出す
・チームビルディング力:心理的安全性を確保し、本音で話せる関係性を構築する
・メンタルヘルス対応力:メンバーの細かな変化に気づき、不調に早期対応する

自社の状況に合わせたマネジメント研修の設計方法は「5.マネジメント研修を企画するときの手順」で解説しているので、参考にしてみてください。

対象となるマネージャーの階層ごとに必要なスキルは、以下の記事で詳しく解説しています。

▼関連コラム:自社の管理職(部長・課長)に必要な11個のスキルと習得方法

4.マネジメント研修の対象者

マネジメント研修の受講対象となるのは、複数人の組織を率いる立場にあり、マネジメントスキルを身に付ける必要がある人全般です。

一般的には管理職層が対象となることが多いですが、体制によっては管理職に限らず、チームやプロジェクトのリーダーなども対象となります。

対象層の例マネジメント研修のゴールイメージ
既存の管理職(部長・課長層)知識のアップデートや、より上位の経営視点の獲得
新任管理職層プレーヤーからマネージャーへの役割・意識の切り替えと、マネジメントの基礎習得
管理職候補者(リーダー・プレマネージャー層)早い段階からマネジメントの基礎に触れることによるスムーズな移行準備

5.マネジメント研修を企画する手順

マネジメント研修を企画する手順は、次の5ステップです。

それぞれのステップで考えるべきことを解説します。

5-1.外部環境の変化とそれに伴う自社の戦略を理解する

マネジメント研修の企画は、自社を取り巻く外部環境の変化と、それに伴う自社の戦略を理解するところから始めます。

「マネジメント研修を企画するのに、外部環境や経営戦略まで遡って考える必要はあるのだろうか?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、企業を取り巻く外部環境が変化したら、企業戦略も見直す必要があります。そして、企業戦略が変われば、企業戦略を実現するための人事戦略・人材育成方針も変わります。 

マネジメント研修は、まさにこの変化した人材育成方針を実行し、経営戦略を実現するための「組織づくりの手段」に他なりません。

そのため、マネジメント研修の内容を検討する前に、下記の点を把握して、人材育成に反映する要素はないか確認しておきましょう。

項目確認すべきポイント
外部環境の変化自社では制御できない自社を取り巻く環境変化を理解する例:法律の改正・景気変動・顧客ニーズの変化・テクノロジーの発展・競合他社の動向など
自社の経営戦略自社の経営戦略を深く理解する例:自社の強みと弱み・今後のビジョン・課題など
組織戦略・組織構造戦略を実行するための、自社の在り方や戦略や組織の課題を理解する例:マネジメントスキルのある管理職が不足している

5-2.自社の戦略と照らし合わせ、研修対象者を決めて「あるべき姿」を定義する

自社の環境や戦略を理解したら、次に対象となるマネージャー層の「あるべき姿」を明確にします。

あるべき姿を定義する際に活用できるフレームワークが「氷山モデル」です。

氷山モデルとは、私たちの目に見える「行動」は氷山の一角であり、知識やスキル、マインドなどの目に見えない要素の上に成り立っていることを示しています。

対象者のあるべき姿を定義する際も、行動だけでなく、その行動の土台となる知識・スキル・マインドを紐づけて考えましょう。

ここでは、氷山モデルに沿ってあるべき姿を定義する流れをご紹介します。

手順1:研修対象者を決める

まず、STEP1で明確にした自社の戦略に基づき、今回の研修対象者を具体的に決定します。

例えば、「新規事業の推進が戦略課題であるため、次世代リーダー候補の課長層」や「中堅社員の離職率が課題であるため、部下を持つ全管理職」のように、戦略と課題に紐づけて対象者を定義します。

手順2:研修対象者に期待する役割を定義する

次に、研修対象者に期待する役割を定義します。

例えば、自社の戦略課題が「新たな収益の柱となる新規事業の推進」で、研修対象者を「次世代リーダー候補の課長層」とした場合、その課長層にどのような役割を期待するのかを考えます。

【期待する役割の例(新規事業推進を担う課長層の場合)】

  • 新規事業アイデアの創出と事業化の起案
  • 部門横断プロジェクトの推進とリソース調整
  • 不確実性の高い環境下でのチームマネジメントと成果創出

このように、期待する役割は、できるだけ具体的にイメージすることがポイントです。

手順3:求められる行動を定義する

次に、定義した役割を果たすために必要な行動を定義します。

例えば、手順2で定義した「部門横断プロジェクトの推進とリソース調整」の役割を果たすためには、どのような行動が必要なのか書き出してみましょう。

【「部門横断プロジェクトの推進とリソース調整」のために求める行動例】

  • 関連部署や上位層に対し、データやロジックを用いて積極的に交渉し、必要なリソース(人、予算)を確保する
  • プロジェクトのビジョンや目的を、自身の言葉で分かりやすくチームメンバーや関係者に説明し、協力を仰ぐ
  • 異なる意見を持つ関係者間の利害を調整し、合意形成を図りながらプロジェクトを前進させる
  • 既存のやり方やルールにとらわれず、仮説検証を繰り返しながらスピード感を持って実行する

このときも、対象者に起こして欲しい行動をできる限り具体的にイメージすることがポイントです。 下記のように「巻き込み力がある」で終わるのではなく、具体的にどのような行動をとれる場合に「巻き込み力がある」といえるのか考えてみてください。

×:求める行動の言語化が足りていない例巻き込み力がある
〇:求める行動の定義として好ましい例プロジェクト外のメンバーに対しても、その人にとってのメリットを説明し、協力を取り付けられる

手順4:必要なスキル・マインドを定義する

研修対象者に求める行動を言語化したら、次は目に見えない部分である「必要なスキル・マインド」を定義します。行動を起こすには、それを支えるスキルやマインドを身に付けていなければならないからです。

これまでの例を、氷山モデルのフレームワークで表にまとめると以下のようになります。

期待する役割期待される行動必要なスキル・マインド
部門横断プロジェクトの推進とリソース調整関連部署や上位層に対し、データやロジックを用いて積極的に交渉する【スキル】
・論理思考力
・ネゴシエーション(交渉力)【マインド】
・失敗を恐れず挑戦する(チャレンジ精神)
不確実性の高い環境下でのチームマネジメントと成果創出既存のやり方やルールにとらわれず、仮説検証を繰り返しながらスピード感を持って実行する【スキル】
・問題解決力
・仮説構築力
【マインド】
・オーナーシップ(当事者意識)
・柔軟性

このように、マネジメント研修の対象者に求める役割と行動、スキル・マインドをセットにして定義すると、どのような人材を育成したいのか明確になります。

5-3.研修対象者のあるべき姿と現状を比較して課題を抽出する

あるべき姿が明確になったら、研修対象者の現状と比較します。

実はあるべき姿と現状とのギャップこそが、マネジメント研修で学ぶべき領域となります。です。

「名前だけのマネジメント研修」や「流行のプログラム」を実施するのではなく、自社の課題に沿った研修をすることが重要だからです。

対象者の現状を正しく理解するためには、下記のような情報を踏まえて総合的に判断すると良いでしょう。

【マネジメント研修対象者の現状を理解する方法】

  • これまでの人事評価を確認する
  • 上司や部下など対象者の現状を知っているキーパーソンにインタビューする
  • 顧客からのフィードバックを確認する
  • アセスメント・テスト(個人の様々な能力を多角的に定量評価するテスト)を実施する

例えば、キーパーソンへのインタビューやアセスメント・テストを通して、「部門横断プロジェクトの推進」に必要な交渉力が、多くの課長層で不足していることが分かったとしましょう。

この場合、「交渉力の強化」は研修で取り組むべき喫緊の課題の一つとなります。

このように、現状とあるべき姿を比較し、どのような課題があるのかを明らかにしましょう。

5-4.マネジメント研修で取り組む内容を決める

あるべき姿と現状のギャップから、研修対象者の課題が明確になったら、研修で取り組む内容を決めます。

ここで重要なのは、マネジメント研修のゴールを「あるべき姿の達成」に設定しないことです。

研修のゴールとあるべき人材像の違い

一度のマネジメント研修で学べる知識やスキルの量には限界があります。更に、現場において学びを行動に反映するためのステップも必要です。そのため、一度の研修に全てを望むことはせず、研修と現場での実践を繰り返し、中長期的な視点であるべき姿を目指すようにしましょう。

以下の観点で「どの課題から取り組むべきか」を判断し、今回の研修内容とゴールを決めます。

【マネジメント研修の内容を決める優先順位づけの観点】

  • 多くの課題を引き起こす根本的な課題か?
  • 自社の経営戦略の実現にどれだけ大きなインパクトを与えるか?
  • 通常業務の延長線上では解決が難しく、研修という場で体系的に学ぶ必要があるか?

例えば、これまで「新規事業推進(交渉力)」の例で解説してきましたが、STEP3(研修対象者のあるべき姿と現状を比較)で行った現状把握の結果、「課長層は新規事業推進の前に、まず基本的な部下育成のスキルが不足している」と判断した場合は、部下育成のスキル向上を優先してプログラムに組み込む、といった判断をします。

併せて、今回のマネジメント研修で到達するべきゴールを設定し、マネジメント研修の内容を固めていきます。

5-5.マネジメント研修の実施方法を決める

研修で取り組む内容が決まったら、実施方法を検討します。 マネジメント研修の手法には、主に「内製」と「外部委託」があります。

項目内製研修外部委託
概要自社内で企画・運営する研修外部の委託会社を利用する研修
代表的な研修方法OJT集合研修(企業内で企画・運営)集合研修(外部に企画運営や講師派遣を依頼)外部スクール通学
メリット・自社の考えやビジョンを反映できる・実務で活用する専門的なスキルを直接教えられる・コストを抑えられる・スケジュールのコントロールがしやすい・プロの視点でプログラム設計や実施ができる・自社にないスキルや知識を学べる・社内の負担が少ない
デメリット・社内にない知識を習得できない・社内での負担が大きい・コストがかかる・開催場所やスケジュールのコントロールがしにくい

内製研修は、研修の企画から運営まで自社内部で行う手法です。

自社の社員のみで企画から運営まで実施するため、委託費用がかからずコストを抑えられる点がメリットです。一方で、担当社員の負担が大きく、専門性の高い知識や社内にないスキルの習得には対応しにくい側面があります。

こうしたデメリットを解消するために、マネジメント研修で主流となっているのが、外部委託です。具体的には以下のような方法があります。

  • 外部講師を派遣してもらう
  • 外部のセミナーに参加する
  • 外部スクールに通学する

外部委託では専門的な知識を有する講師から、社内にない知識やスキルを学べるところがメリットです。 既存のプログラムを利用する方法からオーダーメイドのプログラム設計をする方法まで幅広い選択肢があり、コストや企業の負担感に応じて選べます。

内製と外部委託にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、予算や強化すべきスキルに応じて適切な手法を選択してください。

6.マネジメント研修を成功させる3つのポイント

マネジメント研修で十分な効果を得るために押さえておくべきポイントは、主に以下の3点です。

6-1.研修対象者の課題に合うプログラムを策定する

マネジメント研修を成功させるには、研修対象者の課題に合うプログラムを策定することが重要です。

失敗してしまうマネジメント研修には、下記のようなケースが見受けられます。

【マネジメント研修が失敗する例】

  • 毎年同じ内容のマネジメント研修を実施している
  • 企業で実施している他の研修プログラムとの差別化ができていない
  • 自社の課題を明確にせず流行のプログラムを実施している

マネジメント研修は、対象者の課題に合ったプログラムを策定しなければなりません。

なぜなら毎年同じプログラムや流行のプログラムを実施しても、現在自社が抱えているマネジメント課題の解決につながるとは限らないからです。

研修を実施するときは、「5.マネジメント研修を企画するときの手順」に沿って対象者の課題を明確にし、プログラムを策定しましょう。

【ワンポイントアドバイス:なぜ課題が生まれたのか背景を考えることも大切】

マネジメント研修のプログラムを策定するときに、なぜ今の課題が生まれたのか考えるようにしましょう。
能力不足が解消されない背景には、必ず理由があるからです。

例えば、部下育成が課題だと分かったときに、実は上司のマネジメントスキルだけでなく、評価制度や部下の姿勢にも問題があるかもしれません。

この場合は、上司がマネジメントスキルを身に付けたとしても、課題の解決には至らない可能性があります。
課題の本質はどこにあるのか考え、マネジメント研修で解決できる内容なのかどうか検討しましょう。

6-2.研修対象者に目的を伝える

マネジメント研修を実施するときは、研修対象者に目的を伝えることが大切です。

目的が分からないまま研修の実施だけを伝えると「業務が忙しいのに研修をするのは大変」「なぜ自分たちだけ研修をしなければならないのだろう」と後ろ向きに捉える可能性があります。

主体性を持ち前向きに研修に取り組んでもらうためにも、研修開始前に下記のような情報を共有しましょう。

【研修対象者に事前共有しておきたい情報】

  • なぜ対象者に選ばれたのか(期待度や背景など)
  • どのような目的の研修なのか(マネジメントするため思考力を身に付けて欲しいなど)
  • 研修後にどのような姿になって欲しいか(思考力を基に、スピード感を持ち適切な判断ができるようになって欲しいなど)

例えば、研修対象者に「上層部の期待値が高い課長層に、マネジメントスキルを身に付けることで部下の能力発揮も促して欲しい」という意図があることを伝えれば、納得感を持ち前向きに取り組めるようになるでしょう。

研修の価値を最大化するためにも、研修対象者が前向きに取り組める準備をすることも重要です。

6-3.研修の実施だけで満足せず効果測定を行う

マネジメント研修は企画・実施をして終わりではなく、どのような行動変容があったのか効果測定をすることが重要です。

研修から一定期間経過した時点で、以下のようなアクションを実施して成果を可視化しましょう。

  • 上司や部下にインタビューをし、研修受講者の変化を確認する
  • 対象者にアンケートやテストを実施する

また、5-4でも述べた通り、研修は一度実施して終わりではありません。重要なのは、研修での学びを現場で実践し、行動変容につなげることです。

効果測定の結果を基に、「研修での学びがどの程度実践されているか」「実践を妨げている要因は何か」を分析しましょう。

その分析結果を踏まえ、次回は「実践の定着を促すフォローアップ研修」を行うのか、または「次のステップとして部下育成や思考力など新たな個別課題」に取り組むのかを検討し、中長期的な視点で継続していくことが重要です。

このように、研修と現場実践をセットで捉え、効果測定をしながら継続的にアプローチすることで、最終的に対象者の「あるべき姿」の実現を目指します。

研修の適切な効果測定方法や、効果を高めるための仕掛けについては、以下の資料で詳しくまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

7.マネジメント研修のプログラム例

グロービスでは、企業のマネジメント課題に応じて選択できる、豊富な研修をご用意しています。

研修方法
概要
集合研修テーラーメイド型プログラム
各社の人材育成の課題に応じて設計したプログラムを提供
定型プログラム
各テーマにおいて体系化したプログラムを組み合わせて提供。以下は組織・リーダーシップ領域のプログラムの一例。
・人材マネジメント
・組織行動とリーダーシップ
・リーダーシップ開発
・ダイバーシティ
スクール型研修ビジネススクールでマネジメントについて学ぶ
・全階層向け:グロービス・マネジメント・スクール
・管理職層向け:グロービス・エグゼクティブ・スクール

7-1.集合研修

グロービスでは、「定型プログラム」と「テーラーメイド型プログラム」の2種類の集合研修をご用意しています。

項目定型プログラムテーラーメイド型プログラム
概要体系化したプログラムを組み合わせて提供各社の育成課題に応じて設計したプログラムを提供
提供方法オンライン・オフライン
実施期間1日7時間(リアル)1日3時間×2回(オンライン)1日3.5時間~

テーラーメイド型プログラムは、各企業のマネジメント課題に応じたプログラムの設計から研修後のサポートまで、専属のコンサルタントが伴走する方法です。課題が漠然としている場合は、経営陣とディスカッションを行い、経営課題を踏まえた人材育成課題の言語化からお手伝いすることもできます。

定型プログラムは、各企業の課題に合わせ、マネジメントスキル強化に必要なテーマを組み合わせて実施する方法です。実務で役立つようにマインド面とスキル面の双方を鍛えるプログラムになっており、成果を最大化できるよう専属のコンサルタントがサポートします。

テーラーメイド型プログラムは個々の企業の課題によって内容が大きく異なるため、ここでは組織・リーダーシップについて取り扱う定型プログラムの一例をご紹介します。

【マネジメント研修に活用できる定型プログラムのテーマの一例】

7-1-1.「人材マネジメント」に関する研修プログラム

「人材マネジメント」は、組織構造や人事制度、人材マネジメントの定義などマネジメントの基礎が学べるプログラムです。新任管理職や次世代リーダーなど、これからマネジメントスキルを身に付ける社員に向いています。

プログラム名人材マネジメント基礎
内容・人材マネジメントの全体像(フレームワーク)を体系的に理解する
・組織構造と人事制度(評価・報酬・育成など)の役割と、経営戦略とのつながりを学ぶ
・制度を現場で効果的に実行・運用するための視点を高める
おすすめなケース・マネージャーが人事制度(評価・報酬・育成など)の意図を正しく理解しておらず、現場での運用やフィードバックにばらつきがある
・人事制度が「会社が決めたルール」として捉えられ、戦略的な人材育成や組織力強化に活かせていない

7-1-2.「組織行動とリーダーシップ」に関する研修プログラム

「組織行動とリーダーシップ」は、マネジメントに必要なスキルの中でも特に、リーダーシップなどのマインドセットや、対人スキルに焦点をあてたプログラム群です。

企業の課題や研修対象者のレベルに応じて、以下のようなプログラムから選択できます。

プログラム名メンバーの意欲・能力を引き出す職場マネジメント
内容・人と組織をマネジメントするための、リーダーシップやエンパワーメントの考え方
・メンバーの「意欲」と「能力」を引き出し、向上させる手法
・リーダーとして必要な「自己認識」の重要性
おすすめなケース・管理職がメンバーの意欲や能力をうまく引き出せず、チームの生産性が上がらない
・メンバーの状況やタイプにかかわらず画一的な指導をしてしまい、部下のエンゲージメントが低下している
プログラム名組織変革のリーダーシップ
内容・組織変革をハード面(制度)とソフト面(人・風土)の両方から分析する視点を学ぶ
・変革を前に進めるためのステップや、巻き込む人材の見極め方など、実践的な考え方を習得する
・変革を定着させるための、チームワーク改善や心理的安全性の醸成について理解する
おすすめなケース・経営層が変革を掲げても、現場マネージャーが抵抗したり傍観したりしてしまい、変革が進まない
・制度変更(ハード面)は行っても、社員のマインドや行動(ソフト面)が変わらず、変革が形骸化してしまっている
プログラム名ミドル・シニア向けリーダーシップ
内容・企業理念・ビジョン・戦略の関係性を構造的に理解し、変革時のリーダーとしての役割や気構えを学ぶ
・環境分析、変革のステップ、ステークホルダーの巻き込みなど、組織変革の要諦を習得する
・サステナビリティへの理解や、リーダーとしての意思決定の視点を深める
おすすめなケース・ミドル・シニア層が、自社の企業理念やビジョン、戦略を深く理解し、自分の言葉で語れていない
・次の経営層候補として、サステナビリティや全社戦略といった高い視座を持ったリーダーを育成したい

7-1-3.「リーダーシップ開発」に関する研修プログラム

リーダーシップ開発は、リーダーシップの概要は理解しているものの、実践力を伸ばしたい管理職向けのプログラム群です。リーダーシップを発揮するためのマインドやスキルに重点を置き、マネジメントをするうえで必要なリーダーシップを身に付けます。

以下のようなプログラムをご用意しています。

プログラム名エンゲージメント向上
内容・組織内で個人のキャリアを形成する考え方と、危機を乗り越える手法を学ぶ
・自身の原体験や価値観を棚卸し、深く考察する
・会社の価値と自身の役割を理解し、会社との重なりを見出して「ありたい姿」を具体化する
・「ありたい姿」の実現に向けた自己成長と行動を明確にし、コミットする
おすすめなケース・社員が自らのキャリアに主体性がなく、エンゲージメント(会社への貢献意欲)が低下している
・社員が「今の会社で働き続けるイメージ」や「ありたい姿」を描けず、仕事への活力が停滞している
・会社のビジョンと個人の価値観が紐づいておらず、組織への一体感や当事者意識が低い
プログラム名パワーと影響力
内容・自身が持つパワーのバランス分析や、影響力を発揮するための戦略的なステップを学ぶ
・公式権限に頼らずに部下や他部門を動かすマネジメント手法を習得する人の感情的・本能的な反応メカニズムを踏まえ、周囲を巻き込むための影響力発揮の方法を理解する
おすすめなケース・管理職が公式な権限やロジック(正論)だけで指示を出してしまい、部下や他部門が「感情的に」動いてくれない
・上司や他部門との関係構築がうまくいかず、全社的な巻き込み(影響力の発揮)ができていない
・メンバーが「指示待ち」になっており、管理職が公式権限以外の「パワー(例:信頼、専門性)」を使って影響力を発揮できていない

7-1-4.「ダイバーシティ」に関する研修プログラム

ダイバーシティは、多様な人材や異文化環境でのマネジメントが必要な管理職向けの研修プログラム群です。

以下のようなプログラムを用意しています。

プログラム名異文化マネジメント
内容・異文化環境におけるリーダーシップの難所や、文化的知性について理解する
・異文化適応スキルを磨くためのポイントを学ぶ戦略実行において「守るべきこと」と「適応すべきこと」の判断軸を習得する
おすすめなケース・海外赴任者や外国籍メンバーのマネジメントがうまくいかず、組織が機能不全に陥っている
・グローバル戦略を実行するうえで、現地の文化や習慣との「摩擦」や「陥りやすい罠」を事前に学びたい
・自社の常識を押し付けてしまい、多様なバックグラウンドを持つメンバーの能力を引き出せていない
プログラム名多様な人材をマネジメントする リーダー育成プログラム
内容・多様性を推進する戦略的意義と、マネジメント上のポイントを理解する
・多様な「働き方」の価値観を理解し、自身の偏見(バイアス)に気づく
・多様な部下の育成方法やリーダーシップ・スタイルを学ぶ
おすすめなケース・組織内に多様な人材が増えたが、管理職のマネジメントが画一的になっている
・マネージャーが自身の偏見に無自覚で、多様なメンバーの受容や育成ができていない
・ダイバーシティの推進が表面だけで終わっており、現場の戦略的なメリットとして理解されていない

組織・リーダーシップ系以外にも、多数の研修テーマを取り扱っています。詳しくは以下のプログラムラインナップをご覧ください。

集合研修CTA

7-2.スクール型研修

グロービスでは集合研修にとどまらず、スクール型研修もご用意しています。スクール型研修は、オンライン・オフラインのどちらでも学べるビジネススクールです。

マネジメント研修向けのプログラムには、下記のようなものがあります。

スクール種別プログラム
グロービス・マネジメント・スクールリーダーシップと人材マネジメント基礎講座
組織・人事制度に関する基礎知識や組織行動学、人材マネジメント論などリーダーに必要な知識を身に付ける
グロービス・エグゼクティブ・スクールミドル・マネジメント・プログラム(MMP)
ビジネスリーダーに必要な経営知識や全社的視点、論理的思考などを学ぶ
エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(EMP)
経営層に必要な視座を獲得し、意思決定力や志を養成する
リーダーシップ・デベロップメント・プログラム(LDP)
行動につながるリーダーシッププロセスを習得し、リーダーとして持つべき視点と自覚を高める

一例として、ビジネスリーダーに必要な経営スキルや視点、論理的思考などを学ぶ「ミドル・マネジメント・プログラム」の受講者からは、マネジメントスタイルのレパートリーが増えたとの声もあります。

グロービス・マネジメント・スクール(GMS)CTA
グロービス・エグゼクティブ・スクール(GES)CTA

このように、グロービスでは企業のマネジメントの課題や研修スタイルに応じたマネジメント研修を提案できます。

「自社に合うマネジメント研修が分からない」「現状のマネジメント研修では行動変容が感じられない」という場合は、お気軽にご相談ください。

汎用問合せCTA

8.グロービスによるマネジメント研修の支援事例

グロービスでは、講師派遣型の集合研修から通学形式のスクール型研修まで、幅広い研修手法で企業のマネジメント研修をご支援しています。

ここでは、過去にグロービスが支援させていただいたマネジメント研修の事例をご紹介します。

8-1. 株式会社コロワイド様

導入前の課題
  • 飲食業界では、店舗で実績を挙げた社員が管理職に昇進するケースが多い
  • 接客や調理スキルはOJTで身に付くが、戦略構築や組織マネジメントなどのスキルをインプットする場がなかった

研修内容
  • 公募制で「GLOBIS 学び放題(以降、グロービス学び放題)」を導入。管理職の約半数が受講を希望してくれた
  • 人事担当者がスクールへ通学。「自社のビジネスパーソンの育成を、何としてでも進めなければならない」という覚悟を強く抱いた

成果・効果
  • 部長クラスが他部門の理解を深めて全社視点を持てたため、部門間の協力が活発になり、会議での会話の質も変わった
  • スクール通学後、社長に人事戦略を提案。承認され、次世代リーダー育成をスタートさせることができた

株式会社コロワイド様では、現場でキャリアを積んだ社員がマネージャーとなった際に、組織を率いるために必要なマネジメントスキルが不足していることが課題となっていました。体系的にビジネススキルを身に付け、経営視点を獲得するために、まずeラーニングサービス「グロービス学び放題」を導入。更に「グロービス・エグゼクティブ・スクール」への派遣を通して、視座の高いビジネスリーダーの育成を進めました。

インタビュー全文:非連続の時代を生き抜くために管理職層がビジネススキルを磨き、経営視点をもつリーダーになる|株式会社コロワイド

8-2. 鈴与株式会社様

導入前の課題
  • VUCAの時代でも変革をけん引できるリーダー育成が急務
  • 自社だけの常識で仕事をしがちで、内向きの文化があった

研修内容
  • 経営陣との対話、外部講演、自社の歴史から会社の価値観を理解するセッション、自分の行動計画まで多種多様なアプローチを組み合わせた
  • 1日の単発プログラムではなく、数か月をかけて複数回のセッションを実施し、自身や仲間の成長を感じられる設計にした

成果・効果
  • 社内と社外を両方見たうえで部署の課題ややるべきことを考え、メンバーをリードできる社員が増えた
  • 研修で学んだことを部下に共有し、「これから、自分はこういうリーダーを目指す」と宣言する受講者もいた

変化の激しい時代において、変革をけん引できるリーダーの育成を目指した鈴与株式会社様の事例です。特に、内向きなマインドを組織全体で変革し、知的好奇心をもって社会への変化に対応する力の養成を目指しました。

経営陣との対話や外部公演、自社の歴史を学ぶセッションを重ね、受講者が自らありたいリーダー像を描くテーラーメイド研修を実施。成果として、受講者の視野が広がり、社内外の視点で部署課題を考えメンバーをリードできる社員が増加。「こういうリーダーを目指す」と部下に宣言する受講者も現れるなど、リーダーとしての自覚が芽生えています。

インタビュー全文:激しい環境変化の中で、「ぶれない軸」を持ち自社の成長をけん引する次世代リーダーを育成する|鈴与株式会社 

9.グロービスのマネジメント研修の強み

グロービスがご支援するマネジメント研修には、以下の強みがあります。

9-1.企業の課題に応じた研修方法を選択できる

7.マネジメント研修のプログラム例」で触れたように、グロービスでは幅広い研修方法をご用意しています。

自社の課題や予算、対象人数、研修に費やせる期間などに応じた柔軟な選択が可能です。

研修手法
サービス名

概要
集合研修テーラーメイド型プログラム専任のコンサルタントが伴走し、マネジメントスキル強化の課題に応じたプログラムを設計・実施
定型プログラム(ヒト系領域プログラム)ニーズの大きい課題に合わせて体系化したプログラムを組み合わせて提供
スクール型研修グロービス・マネジメント・スクール幅広いビジネスパーソンを対象にした、経営の定石が学べるスクール通学型の研修
グロービス・エグゼクティブ・スクールマネジメント層向けに開発した、経営知識の強化や高い視座の獲得を目指すスクール通学型の研修
eラーニンググロービス学び放題マネジメントスキルを含む幅広いビジネス知識を動画で学べるツール

企業の課題に応じて複数の方法を組み合わせ、効率よく課題の解決を目指すことも可能です。

【研修サービスの組み合わせ事例】

スクール型研修「グロービス・エグゼクティブ・スクール」の「ミドル・マネジメント・プログラム」やeラーニングサービス「グロービス学び放題」で学んだ内容を基に、取引先を題材にした集合研修を実施。下記の手順に沿って複数の学びを取り入れたことで、実際のソリューションへ落とし込み、成果をモニタリングするところまで実践できました。

  1. 受講者の特性を把握するためにアセスメント・テストを実施
  2. ミドル・マネジメント・プログラムとグロービス学び放題を受講
  3. アセスメント・テストを再度実施
  4. 自社のケースを題材に集合を実施

事例のご紹介はこちら

「どの研修方法を選択すれば良いのか分からない」「自社のマネジメントの課題が可視化できていない」という場合は、グロービスにお気軽にご相談ください。

9-2.独自の教育研究開発グループがあり質の高い学びを提供できる

グロービスには独自の研究開発グループがあり、7つの領域(ヒト・モノ・カネ・創造・思考・志・テクノベート)において教育コンテンツの開発を行っています。

実際のビジネスの現場やベンチャーキャピタルの投資先から常に最新の知識を取り入れながら、質の高いプログラムを提供できる体制が整っているところが大きな強みです。

研修の失敗談として「知識は身に付いたものの行動できない」「覚えたことを業務で活かす方法が分からない」など、知識を獲得しても具体的な行動変容につながらないケースをよく耳にします。

グロービスでは質の高いプログラムと講師のファシリテーションスキルにより、受講者がマネジメントスキルを発揮できるところまでサポートします。

9-3.企画からフォローアップまで一気通貫でサポートできる

グロービスの研修では、企業の課題に応じた最適なプログラムを実施できるよう、専任のコンサルタントが研修前から研修後まで一気通貫でサポートします。

タイミング定型プログラムテーラーメイド型プログラム
研修前・受講者の状態把握
・講師の選任と期待値や目的のすり合わせ
定型プログラムの内容に加えて
・経営層とディスカッションを行い研修目的の確認
・社内インタビューによる人材育成課題の特定
研修中・必要に応じた情報共有定型プログラムの内容に加えて
・関係者と情報共有や対応策の実施
・受講者の観察やフォローアップ
研修後・課題抽出や更なる改善策の提案定型プログラムの内容に加えて
・参加者の育成課題の報告
・プロジェクトを通じた組織課題などの抽出と解決策の提案

マネジメント研修を検討するときに「何から着手すべきか分からない」「自社で研修をイチから企画するリソースや知識がない」「研修を実施しても受講者をフォローしきれるか不安」という声があります。

グロービスは、年間約3,400社の企業の人材育成を支援しています。多くの企業の育成に携わって蓄積したノウハウを基に、マネジメント研修の企画からアフターフォローまで、各社のお悩みに合わせてご提案を行い、伴走することが可能です。

マネジメント研修の実施を検討しているものの、どのように企画を進めるべきかお悩みの方は、ぜひグロービスにご相談ください。

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10.まとめ

この記事ではマネジメント研修の目的や内容、具体的な企画手順など、マネジメント研修を検討するうえで知っておきたい基礎知識をまとめて解説しました。

押さえておきたい大切なポイントは以下の通りです。

【マネジメント研修とは】

部下を育成する力やコミュニケーション力、リーダーシップ力など、組織をマネジメントするために必要なスキルを学ぶ研修のこと。

【マネジメント研修の目的】

  • マネージャー層のマネジメントスキルを標準化し、組織運営の基盤を安定させる
  • 業務マネジメントの質を上げ、組織のパフォーマンスを最大化する

マネージャーの人材育成能力を高め、組織の持続的成長を支える人材基盤を構築する

【マネジメント研修で学ぶスキル】

  • マインドセット
    • リーダーシップ
    • 経営視点
    • 使命感(オーナーシップ)
    • 自己変革力
  • 基礎スキル
    • 論理的思考力
    • コミュニケーション力
    • 問題解決力
    • 経営資源に関する知識
    • 意思決定力
  • 業務マネジメントスキル
    • 目標管理力
    • 業務プロセス管理力
    • リスク管理力
    • 組織ルールの理解
  • 人材マネジメントスキル
    • 部下育成力
    • モチベーション管理力
    • チームビルディング力
    • メンタルヘルス対応力
    • 人事評価スキル

【マネジメント研修を企画するときの手順】

  1. 自社を取り巻く環境の変化とそれに伴う自社の戦略を理解する
  2. 研修対象者の「あるべき姿」を定義する
  3. 「あるべき姿」と現状を比較して課題を抽出する
  4. マネジメント研修で取り組む内容を決める
  5. マネジメント研修を実施する手法を決める

【マネジメント研修を成功させるポイント】

  • 研修対象者の課題に合うプログラムを策定する
  • 研修対象者に目的を伝える
  • マネジメント研修の実施で満足せず効果測定を行う

マネジメント研修は、企業を引率するマネージャー層に欠かせない組織運営に必要なスキルを身に付ける研修です。

マネジメント研修の設計や実施方法などにお悩みの場合は、グロービスにお気軽にご相談ください。

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