ステップ3:人材育成プログラムに落とし込む

自社の戦略を深く理解する
あるべき人・組織像を設定する
人材育成プログラムに落とし込む
ステップ3

人材育成プログラムに落とし込む

人材育成の課題を特定するには情報収集が肝

人材育成・組織開発のプログラムを企画するためのステップ3です。ここでは「人材育成プログラム」を中心にお伝えしますが、組織開発プログラムでも基本は同じです。

まずプログラムで解決すべき課題を特定します。人材要件で定義した「あるべき人材像」と「現状」の差が、対象となる人材の育成課題となります。

課題設定で難しいのは「現状」の把握です。人事部がすべての人材・組織の状況を実地で確認することは不可能ですし、入手できる情報も限られています。

そこで、各職場の要となるキーパーソンへのヒアリング、職場診断の結果などのさまざまな情報を収集することが重要になってきます。人事部が管理する情報に限る必要はありません。たとえば事業部へのお客様からのフィードバックなどは、分析すれば特定の部門・機能の強みや課題を雄弁に語ってくれるものです。これら定量・定性の多面的な情報を通じて、現在の人材・組織の特徴や課題を把握しましょう。

さまざまな課題を把握し、どの対象層の、どのような課題を解決するかという優先順位を決めます。

人材育成プログラムのゴール・コンセプトをまず考える

人材育成プログラムの「ゴール」=「あるべき人材」ではない

いよいよ人材育成プログラムを設計する段階に来ました。まず、プログラムのゴール・コンセプトを考えます。
ここでのポイントは「この人材育成プログラムで、どのような状態まで持っていくか」というゴールを決めることです。

よく勘違いしてしまいますが、研修のゴール=研修参加者があるべき人材として育ち切っていること、ではありません。研修は、さまざまある育成手法の1つの手段であり、魔法の杖でもありません。

育成手法に飛びつく前に、育成プログラムの「コンセプト」を考える

ゴールを決めたら、それを実現するために「この育成プログラムで何を重視するか」というコンセプトを決めます。
コンセプトを決めるには、たとえば「参加者がいろいろな人と交わり、そこで積極的に意見交換することで視野を広げる」等といった、この研修の場や期間において外せない要素を洗い出し、絞り込んでいきます。

人材育成プログラムの議論に関係者を巻き込む

コンセプトを定めたら、それを実現する手法を幅広いアイデアの中から検討しましょう。単に科目を決めるだけではなく、期間・場所・講師の要件・参加者との事前/事後のコミュニケーションなど、多岐にわたる工夫のポイントがあります。

アプローチに関して、グロービスも含めてさまざまな研修会社がノウハウを持っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。

最後に重要なのは、育成プログラムに落とし込むプロセスをしっかりと、人事部内部・研修パートナーと議論することです。このプロセスを疎かにすると、講師ありき・手法ありきの研修になってしまうなど、適切なプログラムの設計ができなくなります。加えて、プログラム実施中・実施後に立ち返る指針がなく、軌道修正や振り返りが難しくなります。

また、事後のフォローや、効果検証には、人事部だけでなく現場のマネジメントに協力してもらう必要が出てくるかもしれません。プログラム実施前に事後のフォローを設計し、関係者に協力を取り付けておくことで、より企画意図にかなった研修にすることができます。関係者を巻き込む際には、ステップ1・2・3の整理が役立つはずです。プログラムを必要とする理由・目的・ゴールを筋道立てて説明し、協力を得ましょう。



以上、人材育成・組織開発プログラムを企画する3つのステップをご紹介しました。これらのステップを進める上で、人事部は自ら動き、さまざまな社内接点から情報を得たり、分析したりする必要があります。簡単ではないかもしれません。しかし戦略を実行するのは最後は人であり組織です。人材・組織戦略を担う専門家として、人事が戦略実行に果たす役割は重大であることを意識し、一歩一歩進めていきましょう。

私たちは、そのような人事・人材育成担当の皆様のパートナーとして、お役に立てることを願っています。

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