企業が持続的に発展していくには、企業の中核を担う人材の育成が欠かせません。必要なスキルや知識を持った人材育成に有効なのが、社員研修プログラムの実施です。しかし、「研修プログラムをどのように作成すれば良いか分からない」とお悩みの方も多いでしょう。本記事では、研修プログラムの種類と作成方法、作成時のポイントについてご紹介します。
目次
研修プログラムを作る目的は、研修を段取り良く円滑に実施して、人材育成につなげることです。そもそも研修を実施する目的は、人材育成によって生産性を高め、企業の利益の最大化することにあります。そのため、学んだことを業務に活かす「行動変容」につなげることが、研修の機能・役割といえるでしょう。
研修を通して「マインドセットの醸成」「スキルの向上」「帰属意識の向上」につなげ、企業に必要な人材を育成していきます。研修プログラムを作成する際は、これらのいずれか1つ以上を満たす内容にすることで、より効果的な研修を実施できます。
研修といっても、開催手法やコンテンツの種類はさまざまです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
インターネットの普及やワークスタイルの多様化にともない、対面だけでなくオンライン上での研修も増えています。研修の開催手法は、主に以下の3つが挙げられます。
集合研修とは、特定の場所で講師が受講者に対して対面で講義を行う形式の研修です。大人数が1つの場所に集合して講師が直接教えるため、ロールプレイングやグループディスカッションを行いやすいというメリットがあります。ただし、会場のスケジュール調整やセッティングの手間がかかることや、大人数で受講するため研修の効果や理解度に差が生まれやすいというデメリットもあります。
オンライン研修とは、zoomやteams、Google meetsなどの会議ツールを使用してオンライン上でリアルタイムに集まって研修を行う方法です。特定の場所に集まって行う集合研修と違って、会場までの移動時間の短縮や、前日に宿泊する費用などを減らせることが大きなメリットといえるでしょう。ただし、画面上で行うため実践的なロールプレイングやディスカッションには不向きです。
eラーニングとは、パソコンやスマートフォンなどの端末でインターネットを利用して研修を行うオンライン学習方法です。インターネット環境下であれば時間や場所の制約なく受講できるため、スケジュール調整の手間がかからず、受講者側も開催者側も負担を軽減できます。ただし、リアルタイムで研修を行っているわけではないので、受講者の学習状況を把握しにくく、その場で質問できないため疑問をすぐに解決できないといったデメリットが挙げられます。
研修のアプローチ方法は、主に以下の4つの種類があります。
座学とは、受講者講師の講義を聞きながら学習する研修方法です。受講者が多い場合でも全員に対して業務に必要なことを伝えられることから、主に新入社員研修などに使われています。ただし、一方的に講義を聞くため、集中力の持続が難しいというデメリットがあります。
ケーススタディとは、過去の事例や起こり得る事例を分析・研究していく研修方法です。事例を疑似体験することで解決策を導き出せるため、実際の業務で不測の事態が起きても、リスクを回避したり冷静に対処したりできるようになるというメリットがあります。
グループワークとは、グループを形成してテーマ(お題)に対して議論や検討などを行う研修方法です。グループで協力しながら共通の課題を解決していくため、主体性や課題発見力、発信力といった社会人基礎力が身につきやすくなります。
ロールプレイングとは、実際の現場に立つ前の段階で行われる研修方法です。実際の現場に近い疑似場面を想定して、自分の役割を演じてスキルを習得していきます。接客業やサービス業で主に使われており、実践力を身につけることを目的としています。
研修プログラムを効果的な内容にするには、5W1Hのフレームワークを用いて作成していくのがおすすめです。研修プログラムの決め方について、5W1Hに沿って見ていきましょう。
「なぜその研修を行うのか」を明確にすることが大切です。自社や社員が抱えている課題を洗い出すことで、研修を行う目的がはっきりします。研修内容を具体的に決定するためにも、まずはWhy(なぜ)にあたる研修の目的を明確にしましょう。
「誰が研修の対象なのか」を明確にすることも大切です。Whyで洗い出した課題や目的に対して、どのような社員が研修を受講すべきかを明確にしていきます。新入社員向け、管理職向け、営業職向けというように階層や職種に分類して対象者をしぼることで、どのような研修プログラムが必要かを検討しやすくなります。
「どこ(現状)にいて、どこ(研修後の理想)へ向かうのか」を確認しましょう。「研修を通してどのような状態になっていてほしい」という理想を踏まえて、自社の現状を把握するとともに現状と理想のギャップを明確にします。ギャップを確認できれば、ギャップを埋めるために必要な研修プログラムの項目を検討できるようになります。
「何を習得させるか」を決定しましょう。Where(どこ)で明確にしたギャップから、ギャップを埋めるために必要なスキルや知識を見出していきます。習得させるべきスキルや知識を把握することで、研修プログラムの内容を具体的に決定できるでしょう。
「いつ研修を実施するか」を決定していきます。研修を実施するには、講師や受講者など関係者のスケジュール調整が欠かせません。対象者全員が参加できるように、企業や部署の繁忙期は避けるようにしましょう。
「どうやって研修を実施するか」を決定します。先述したように、研修といっても種類はさまざまで、集合研修やオンライン研修、eラーニングなどの開催手法や、座学やグループワークなどの研修アプローチ方法があるため、対象者や研修内容に適した受講形式を検討しましょう。また、研修プログラムの内容や専門性に応じて、社内で作成するものと外部に委託するものを分けると、より効果的な研修が可能になります。
効果的な研修プログラムを作成するには、さまざまな工夫が必要となります。研修プログラムを作成する際のポイントは、以下の3つです。
研修の効果を高めるには、対象者に主体的に学んでもらうことが大切です。そのため、「やらされている」という意識ではなく、当事者意識を持って研修に参加できるような工夫を行いましょう。具体的には、以下のような工夫が挙げられます。
研修の効果を高めるには、集中力の持続が欠かせません。そのため、参加者が集中して研修を受講できるような環境を整備する必要があります。1時間~1時間半に10分~20分程度の休憩を確保したり、発表の時間を設けたりするなどして、集中力を持続させる工夫を取り入れましょう。
研修を行っても実際の業務で活用できなければ、意味がありません。そのため、参加者が研修での学びを業務に活用できているか、研修前に設定した目標を達成できているかなどを確認し、フィードバックを行うようにしましょう。研修の振り返りを行うことで、今後の行動目標を立てやすくなります。
企業の発展には中核を担う人材育成が欠かせず、人材育成を行うには研修の実施が必要不可欠といえるでしょう。研修プログラムは、5W1Hのフレームワークを用いて作成すると効果的です。
また、研修プログラムの作成とあわせて、学習状況を把握して社員一人ひとりに合った個別フォローを実施していくことが重要です。LMS(学習管理システム)を導入すれば、当事者意識を醸成するためのオリエンテーション動画や事前課題の設定、研修後のフォローアップ施策を簡単に設計することができます。
「GLOPLA LMS」は、誰でもサクサク使いこなせる学習管理システムです。研修の作成・管理はもちろん、アンケートやテストも簡単に作成できるため、研修後のフォローアップにも役立ちます。育成のプロによる導入・運用サポートも行っているので、LMS上で質の高い研修を提供できるようになります。研修設計にお悩みの方は、ぜひお気軽にご連絡ください。