業務の大まかな流れや概要が記載されている業務マニュアルは、紙や動画などさまざまな形式があります。なかでも、動画のマニュアルは視覚的な分かりやすさから、あらゆる場面で活用されています。マニュアルを動画で作成する企業も増えているなか、どのように作成すれば良いか分からないという方もいるでしょう。本記事では、マニュアルを動画で作成する手順やメリット、作り方のポイントについて解説します。
目次
動画で作成するマニュアルは、紙のマニュアルとは違ったメリットがあります。マニュアルを動画で作成するメリットは、以下の4つです。
動画でマニュアルを作成すれば、実際の作業手順を映像と音声で伝えられるため、視覚的かつ聴覚的な説明ができ、読み手が直感的に理解しやすいメリットがあります。たとえば、接客マナーや作業手順が複雑な業務などをテキストや静止画だけで説明するのは難しいでしょう。動画なら実際の動きを伝えられるため、読み手が作業の様子を具体的にイメージでき、理解度の向上につながります。
テキストの場合、読み込んで理解するまでに時間がかかるケースが多く、最後まで読んでもらえないことも珍しくありません。動画のマニュアルなら、必要な情報を数分程度に収めることができるので、短時間で必要な情報をすべて習得できるというメリットがあります。さらに、映像と音声によって視覚や聴覚からも情報を得られるため、直感的に理解しやすく、途中で離脱されることなく最後まで視聴してもらえる可能性も高いです。
従来の対面での教育の場合、人によって教え方に違いが生まれることから教育レベルに差が出やすいという特徴がありました。動画のマニュアルなら、同じ内容を同じ教え方で提供できるため、教育の質を統一しやすいというメリットがあります。講師によって教え方や内容に差が生まれる心配もないので、規模の大きい企業や全国展開する企業でも統一した指導が可能です。
動画のマニュアルがクラウド上にアップロードされていれば、いつでもどこでも視聴できるというメリットがあります。インターネット環境下なら、社内のパソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからもアクセスが可能です。アクセス権の設定によっては、社外からもアクセスできるため、自宅や外出先でも気軽に視聴でき、効率的に教育を行えます。
マニュアルを動画で作成する際は、さまざまな準備が必要です。ここでは、マニュアルを動画で作成する手順を以下の6ステップに沿って解説します。
はじめに、マニュアルを作成する目的とターゲットを明確にしましょう。アルバイトやインターン生に向けて作成するのか、新入社員に向けて作成するのか、中堅社員に向けて作成するのかによって、動画の内容や表現の方法は変わってきます。目的とターゲットを明確にすれば、伝えるべき内容や目指すべきゴールがはっきりするので、効果的なマニュアルを作成できるようになります。
目的とターゲットが明確になったら、マニュアルの構成を考えましょう。「どのような時系列で撮影するか」「どのような映像が必要か」「どのような内容を伝えるか」など、必要な要素を洗い出して整理します。あわせて、カメラアングルやテロップ・ナレーションの有無などもこの段階で決めておくとスムーズです。構成が決まったら、マニュアルに必要な情報を収集しましょう。業務フローを時系列で整理し、工程ごとにコツや注意点などを洗い出します。また、現場の社員にヒアリングすることで、抜け漏れの防止にもつながります。
構成案と収集した情報をもとに、台本を作成しましょう。台本を作成しておくことで、撮影に不慣れな社員も対応しやすく、撮り直しのリスク防止につながります。台本を作成する際は、使用する映像や資料、動画に挿入するテロップや画像、ナレーションのセリフなども合わせて整理しておくようにしてください。撮影前に準備が整っていれば、スムーズに撮影が進みます。なお、台本はテキストでも絵コンテでも問題ありません。
構成案や台本をもとに、動画を撮影していきましょう。構成段階で決めたカメラアングル以外に別アングルからも撮影しておくことで、編集段階で動画をつなぎ合わせることができ、撮り直しのリスクを防げるようになります。また、撮影に不慣れな場合は、いきなり長尺で撮影するのではなく、短く区切りながら撮影するのがおすすめです。
ナレーションが必要な場合は、ナレーションを収録しましょう。ナレーションを挿入することで、動画の内容の理解度がより深まります。なお、ナレーションを収録する際は、事前にナレーターと打ち合わせを行う必要があります。話すスピードや抑揚のつけ方をナレーターに伝えるとともに、動画の雰囲気や台本を共有しておくことで、当日の収録がスムーズに進みやすくなります。
動画の撮影とナレーションの収録ができたら、動画を編集していきましょう。不要なシーンをカットしたり、テロップやBGM・効果音などを挿入したりしながら、見やすく分かりやすい動画になっているかをチェックします。また、第三者にチェックしてもらうことも大切です。実際にマニュアルを視聴してもらい、フィードバックをもとに修正や改善を行ってブラッシュアップしていきましょう。
直感的に理解しやすい動画でマニュアルを作成したとしても、内容が正しく伝わる分かりやすいものでなければ活用されません。分かりやすい動画マニュアルを作成するポイントは、以下の4つです。
動画マニュアルを作成する際は、1つの動画に複数のテーマを盛り込まないようにしましょう。動画の情報量が多すぎると、視聴者の理解が薄れる可能性が高くなります。そのため、1つの動画に1つのテーマを絞って作成するのがおすすめです。たとえば、新入社員向けのマニュアルであれば「挨拶の仕方」「電話応対の方法」「名刺の交換方法」というように、テーマごとに動画を作成しておくことで、必要な情報をすぐに習得できるようになります。
動画の尺が長すぎると視聴者の集中力が持たず、理解度が薄れるとともに、最後まで視聴してもらえない可能性が高くなります。視聴者が最後まで集中力を保ちながら視聴できるように、動画の尺は短くするのがおすすめです。平均3~5分程度にまとめると良いでしょう。数分程度の動画であれば、視聴者の負担を軽減でき、離脱されにくくなります。
動画を撮影する際は、見やすさを意識して撮影環境を整えましょう。暗くなりすぎないように照明を用意したり、何をしているのか理解できるようにカメラワークを意識したり、ユーザーの視点で撮影することが大切です。また、どのデバイスで視聴するかによっても見え方は変わります。スマートフォンでの視聴を想定して動画を作成する場合、テロップの大きさや画質などについても工夫が必要です。
映像や音声だけでは理解が難しい部分や重要なポイントなどには、テロップや図解を入れると良いでしょう。テロップや図解を入れることで、音声が聞き取れない場合や展開についていけない場合でも情報を補完できるようになります。また、テロップや図解が差し込まれるとメリハリもつくため、視聴者が飽きずに最後まで視聴しやすくなります。
動画でマニュアルを作成すれば直感的に理解しやすいため、高い学習効果が期待できます。また、1つのテーマごとに動画を作成することで、ユーザーが必要な情報をすぐに習得できるようになり、効率的な教育が可能です。しかし、動画を複数作るほど管理も大変になるのは否めません。効率的に動画マニュアルを管理するなら、マニュアル管理ツールなどを導入するのがおすすめです。
「GLOPLA LMS」は社内のあらゆる研修を一元管理できるシステムです。動画も容量無制限でアップロードを行えるため、複数の動画マニュアルの管理に活用できるでしょう。学びやすい受講画面なので、ユーザーも離脱することなく最後まで視聴しやすくなります。ツールの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご連絡ください。