テレワークやフレックスタイム制など働き方の多様化に伴い、マニュアルの重要性が高まっています。しかし、マニュアルをどのように作成すれば良いか分からないという方もいるでしょう。本記事では、マニュアルの作成に必要な手順や目的、作成時のポイントについて解説します。
目次
マニュアルは業務全体の大まかな流れや概要、ルールなどの業務に関するさまざまな情報を記載した手順書のことで、主に業務の標準化を目的としています。マニュアルを参照すれば業務手順が分かるため、誰でも円滑に業務を遂行できるようになります。ベテラン社員が蓄積してきたコツや従業員同士の引き継ぎで発生する業務手順など、暗黙知されているノウハウや知識もマニュアルに落とし込むことで、組織的にノウハウを共有でき、情報のアップデートが可能です。
また、誰もが同じように対応できれば、能力に左右されることなく品質を均一化でき、特定の社員に業務が集中するといった属人化の解消にもつながるでしょう。マニュアルを作成・活用することで生産性が向上し、業績アップを期待できるようになります。
マニュアルはやみくもに作るのではなく、手順に沿って作成することが大切です。マニュアルを作成する際は、以下の6つのステップで作成していきましょう。
はじめに、マニュアルを作成する目的を明確にします。目的や活用シーンが不明なマニュアルはいつどこで使うべきかが分からず、せっかく作成しても活用されずに終わってしまう可能性が非常に高いです。「どんな目的で作成するのか」「誰に読んでほしいのか」「どのようなシーンで活用されるか」を明確にすることで、マニュアルの重要性が認知され、社内に定着しやすくなるでしょう。
目的が明確になったら、マニュアルの形式を検討します。マニュアルといっても紙や電子、動画など形式はさまざまです。たとえば機械の操作や接客マナーなど、実際の動きで手順を説明するほうが理解度を高めることができる内容であれば、動画形式が適しています。印刷や書き込みが必要な場合は、紙のマニュアルのほうが良いでしょう。このように、マニュアルの目的や用途によって最適な形式は異なるため、具体的な活用シーンを意識しながらマニュアル形式を決定することが大切です。
次に、マニュアルを完成させるまでのスケジュールを決定しましょう。リリース時期から逆算して、作成に必要な工数がどれくらいかを検討します。情報整理や見出し作成、内容作成、チェックなど、各工程に要する時間や日数を細かくスケジュールに落とし込んでいきましょう。なお、マニュアルの形式や盛り込む情報量、確保できるリソースなどによって、作成に時間がかかるケースも考えられます。そのため、余裕のあるスケジュールを組むことが大切です。
続いて、マニュアルに盛り込む情報を整理していきましょう。業務内容や業務手順、注意点・問題点など必要な情報を整理します。タスクごとに細分化して情報を整理すると、業務への理解促進につながるマニュアルを作成できるようになります。情報が整理できたら、マニュアル全体の構成を考えましょう。大まかな流れを作ってから目次や見出しを調整することで、マニュアルに一貫性を持たせられるようになり、スムーズな作成が可能です。
マニュアルの構成を考えたら、マニュアルを作成するツールとフォーマットを決めましょう。マニュアルを作成する際は、ワードやエクセル、パワーポイント、マニュアル作成ツールなどのツールを使うのが一般的です。ステップ2で検討したマニュアルの内容や形式に適したツールを選ぶようにしてください。また、マニュアルを作成する際はフォーマットを統一することも重要です。フォントやデザインなどをフォーマット化しておけば、作成者によってバラつきが生じず、誰が読んでも分かりやすいマニュアルを作成できます。
ツールやフォーマットが決まったら、構成や目次に沿って整理した情報をできるだけ言語化しながらマニュアルを作成しましょう。マニュアルは読み手にとって分かりやすいものである必要があるため、誰が読んでも理解できるようにシンプルで分かりやすい表現を意識することが大切です。また、文章だけでなく画像や図表を用いるなどして、視覚的な分かりやすさも意識しましょう。本文を作成し終えたら、抜け漏れや分かりにくい点がないかを確認しながら最終チェックを行います。
長く活用され続けるマニュアルを作成するには、業務に関する情報をただ記載するだけでは不十分です。以下の6つのポイントを意識して、より効果的なマニュアルを作成しましょう。
マニュアルの必要性を高めるには、5W1Hを意識して作成することが大切です。5W1Hは、以下の6つの要素を含みます。
マニュアルを活用するシーンや目的、対象者などを意識して情報を整理することで、分かりやすく伝わりやすい内容のマニュアルを作成できるようになります。
マニュアルは誰が読んでも分かりやすいものでなければ、活用されません。そのため、マニュアルを作成する際は読み手をイメージしながら、見やすさや読みやすさを意識することが大切です。「専門用語は使わない」「初心者にも分かりやすい言葉を使う」「シンプルで短い説明文を入れる」「箇条書きやチェックリストを活用する」「画像や図表を挿入する」など、文章やデザインを工夫しながら読み手にとって分かりやすいマニュアルを目指しましょう。
マニュアルは作成して終わりではありません。定期的に内容を見直して、必要に応じて改善や更新していくことが大切です。情報が古いままだと、思わぬトラブルや業務ミスが発生する可能性があります。業務内容や社内体制の変化、OSや外部環境の変化などに合わせて、情報を最新のものにアップデートしていきましょう。また、マニュアルの更新を怠らないように、更新のタイミングや担当者などルールを決めておくのがおすすめです。
マニュアルに沿って読み手がすぐに実行できるように、内容は具体的にするのがポイントです。抽象的な内容では、読み手が判断に迷ってすぐに行動できなかったり、意図しない誤った行動につながってしまったりする可能性があります。たとえば、「○○の有無について○時までに○○課に確認する」「受注後○日以内に納品する」というように具体的な日時や判断基準を明記することで、判断に迷うことなく、マニュアルに沿って対応しやすくなるでしょう。
マニュアルには、業務手順だけでなくトラブルやミスが発生した際の対応方法やノウハウについても記載しておくのがおすすめです。過去に発生したトラブルやミスなどの事案を盛り込むことで、今後似たようなトラブルやミスを未然に防げるようになります。万が一トラブルが発生したとしても、マニュアルを確認することでスムーズな対処が可能です。
マニュアルを作成する際は、文書作成ツールやマニュアル作成ツールなどのITツールを活用しましょう。ツールによってさまざまな機能やテンプレートが搭載されているため、スムーズにマニュアルを作成できるようになります。また、作成後はマニュアルを適切に管理することも重要です。マニュアルを一元管理できるツールを活用すれば、効率的に運用でき、管理コストの削減にもつながります。
マニュアルには業務の標準化や効率化、ノウハウの共有、属人化の解消などさまざまな役割があります。分かりやすいマニュアルを作成することで、円滑に業務を遂行でき、トラブルや課題の解決にもつながるでしょう。また、作成後はマニュアルを適切に管理して、長く活用される環境を整備することが大切です。
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