「研修管理の負荷が大きく、これ以上研修が増えると手が回らない。LMSを導入すれば解決できる?」
「研修を見直したいけれど、今までの研修のデータ管理もできていない。まず何から始めたらいいの?」
昨今、研修管理や研修プラットフォームとして、多くの企業で導入されているLMS(学習管理システム)。
名称は聞いたことはあるものの「研修に活用するとどうなるのか」「具体的に何ができるのか」のイメージが沸かず、導入をためらっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、LMSは研修に課題を抱える企業にとっては必須のシステムです。なぜなら研修にまつわるデータを一元化でき、「管理の効率化」と「学習の活性化」の双方を実現できるからです。
LMSを使用しないと、研修時の課題がなかなか解決できません。
本来なら更に質の高い研修を目指せるはずが、「オペレーション業務の負担が大きい」「何が課題なのか分からない」などの理由から、改善や企画の前段階で躓いてしまっている企業も多いのが現状です。
とは言え、どのようなLMSでも導入さえすればいいというわけではありません。
自社の課題や目的に応じて、適切なLMSを選ぶことが重要です。
そこでこの記事では、LMSで解決できる課題や実現できること、またLMS導入企業の成功事例、具体的な選び方までをまとめてご紹介します。
最後までお読みいただければ、LMSの必要性が理解でき、自社に合うLMSの具体的なイメージをお持ちいただけるようになります。
自社の研修をこれまで以上に価値あるものにするためにも、ぜひ参考にしてみてください。
LMS導入後に「これじゃなかった」と後悔しないためのポイントを解説!
目次
冒頭でも触れたように、LMSはあらゆる研修管理を一元化でき、「研修管理の効率化」と「学習の活性化」の双方を実現できるシステムです。
研修の成果を最大化するには、PDCAを回して育成施策の改善や企画の質の向上を目指すことが重要 ですが、リソース不足やデータ収集の難しさから、到達できていないケースも多くありました。
LMSを導入することで、煩雑なオペレーション業務が自動化・効率化でき、主催者が研修の本質的な業務に注力できる時間を創出できます。 加えて、客観的なデータ収集が容易に実現でき、受講者の学習を活性化させるための適切なフォローまでができるようになるのです。
次の章からは、LMSを研修に活用するとどのようなことができるのか、具体的に解説していきます。
LMSを研修に導入すべき理由の1つ目は、研修管理業務が圧倒的に効率化ができるからです。
研修管理業務は、約8割が受講者への連絡や研修の進捗管理などのオペレーション業務といわれています。この部分を効率化、簡略化しないと、主催者の負担は減らず、受講者のサポートをする時間を創出できません。
LMSを活用すると、この研修管理業務を約半分以下に削減でき、主催者の負担を減らすことができます。(※当社推計)
この章では、「なぜLMSを研修に導入すると研修管理業務の効率化ができるのか」を解説します。現在行っている業務は、LMSを活用することでどれくらい自動化・効率化できるでしょうか。イメージをお持ちいただけるかと思います。
LMSでは、研修管理に必要な下記の業務を自動化、簡略化できます。
| 自動化できる業務例 |
・提出課題やテスト ・アンケートの回収 ・テストやアンケートの自動集計 ・リマインドメールの送信 ・研修参加の可否の確認 |
| 簡略化できる業務例 |
・受講者の指定や受講案内の送付 ・研修の進捗管理 ・研修ごとの状況管理 ・教材の作成 ・テストやアンケートの作成 ・複数の研修管理 |
日々実施している研修業務を、思い浮かべてみてください。
手動で行っている、属人化した業務があるという企業も多いのではないでしょうか。
LMSには主催者の負担になっているオペレーション業務を簡略化、自動化するための機能が搭載されているため、主催者の業務量を大幅に減らすことができます。
「4.実際にLMSを研修に活用した成功事例」で触れている企業様も、下記のように研修管理業務の簡略化を実現しています。
| 【LMSご利用企業の声】
・以前は研修の事前課題の送付・提出などの管理作業に相当な時間を費やしていましたが、今は提出状況が一目でチェックでき、未提出者へのリマインドも自動送信しています。 ・研修ごとに表計算ソフトで受講者一覧を作成して社内イントラで案内を出し、連絡が来たら案内をするなどの業務負荷がありましたが、LMSを導入して負荷を軽減できました。 |
オペレーション業務の負担が大きいと、新たな研修の企画や改善にまで手が回らなくなり、人材育成の環境整備が進みにくくなります。
LMSを導入することで、負担が大きい日々の管理業務を簡略化でき、人材育成に注力しやすい環境を整えられるでしょう。
LMSは研修手法を問わず、社内の全研修を一元管理できます。
集合研修やオンライン研修、eラーニングなどさまざまな手法の研修を実施していると、研修ごとに管理や運営方法が異なるケースが多くあります。
そのため、研修ごとに受講者情報を入力しなければならない、双方の受講者に別々にメールを送信しなければならないなどの業務が発生します。
その結果、作業が重複し、業務効率化が進みにくくなると同時に、情報の分断を起こす原因にも繋がっているのです。
|
【研修が一元管理できていない場合に起こること】
・研修ごとに受講者情報を入力し直す |
LMSを導入すると、集合研修やオンライン研修などの手法を問わず、あらゆる研修を一元管理できます。
「新入社員の集合研修の出欠は?」「新入社員と中堅社員が利用しているeラーニングの視聴進捗は?」など、研修を横断した管理ができ、無駄な工数を減らせるようになります。
また、下記のように情報の重複入力や研修ごとのメール送信の負担が圧倒的に減るので、主催者の業務量の削減にも繋がるでしょう。
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【LMSでの一元管理で実現できること】
・一度受講者を登録すればリストからすぐに受講者登録ができ、都度入力の負担が軽減できる |
研修が増えてくると、研修ごとの進捗確認や課題確認、受講者管理などが大きな負担になります。
LMSがあれば研修が増えても一元管理できるため、無理なく進められる環境を整備できるでしょう。
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【複数の研修手法を組み合わせたブレンディッドラーニングもしやすくなる】 LMSを導入すると、複数の手法を組み合わせた「ブレンディッドラーニング」も検討しやすくなります。 例えば、LMS上にあるeラーニングで学び、その後に集合研修を行うというような設計もしやすくなります。主催者の負担を増やさずに、さまざまな学びの方法を模索できるようになるでしょう。 |
LMS(学習管理システム)を研修に導入すべき2つ目の理由は、社員の学習を活性化できる点にあります 。
私たちが考える「学習の活性化」とは、以下の一連の流れを指します。
・経営戦略や人事戦略に基づき研修の目的・目標を設定し、施策を企画・実施する
・上記の実践をフォローしたうえで、研修後には効果測定を行い、PDCAサイクルを回し続ける
本来、このサイクルを繰り返し実行し、研修の質と精度を高めていくことが不可欠ですが、多くの企業では、日々の業務に追われ「そこまで手が回っていない」というケースが見受けられます 。
グロービスが実施した「人材育成における課題に関する調査」の結果を見ても、多くの企業が人材育成のデータ分析やデータの収集、そして育成戦略の立案に課題を感じていることが分かります。
LMSを導入すると、主催者のオペレーション業務負担が減るので、育成戦略の策定や研修のフォローという本質的な業務に注力できるようになります。
それに加えて、LMS上で研修を素早く可視化してPDCAを回せるようになり、現状に応じた臨機応変な対応がしやすくなるのです。
ここでは、なぜLMSを研修に導入すると、研修の活性化ができるのか、もう少し詳しく解説します。
LMSには受講者や研修の進捗状況を管理できる機能があり、「誰が」「何を」「どこまで」「どのように」学んだかをリアルタイムで確認することができます。
例えば、LMSに備わっている「事前課題提出機能」、「自動採点機能」を使って、研修が始まる前に受講者の知識量や懸念点を確認します。これにより、受講者のレベル感や傾向に沿った、より効果的な研修を行うことが可能になります。
また、LMSには通常、受講者ごとの進捗状況を一覧表示できる機能が備わっています。
複数の受講者の進捗状況を比較して、進捗が遅れている受講者を抽出し、「お悩みはありませんか?」などと個別フォローすることもできるでしょう。
これまでは、受講者対応や受講状況の把握に時間と労力がかかり、一人ひとりの進捗や傾向に応じたサポートがしたいという想いがあっても、十分な時間をかけられないケースが多かったのではないでしょうか。
LMSを活用すれば、受講者の学びの状況をすぐに把握できます。その結果、一人ひとりに最適なフォローを提供できるようになります。
LMSに研修に関するあらゆる情報を集約することで、研修のPDCAサイクルを高速で回せるようになります。
|
【LMSに集約できる情報の例】
・受講者の成績 |
研修の真の課題を見つけ、的確な改善を行うにはデータの収集が不可欠です。
LMSを導入していないと、これらの研修関連データを分析しやすい形で収集・蓄積することが難しいのが実情でした。
そのため、「研修のPDCAサイクルを回してより良いものにしたい」と思っても、なかなかスムーズには行かなかったのではないでしょうか。
LMSを導入することで、データが自然と、かつ構造的に収集・蓄積されます。これにより、受講者にとってより価値ある研修するための、前向きな改善を検討しやすくなるでしょう。
例えば、LMSに集まった実際の受講者のデータを分析することで、「リーダーシップに課題を感じている中堅社員が多い」といった具体的な課題を導き出すことができます。データから読み取れる課題に基づいたコンテンツの改善は、次期研修でより効果的な学びを提供するための力強い土台となります。
また、LMS上での受講者の行動データを収集・分析することも有効です。例えば、「研修の申し込み前の段階で離脱が多い」という状況が見えたとしましょう。その場合は、受講者の興味や関心に合致するよう、研修の見せ方や内容を工夫する改善策を検討できるようになります。
このように、客観的なデータをもとにPDCAを回せるのは、LMSだからこそ実現できることの1つです。
LMSは「研修を管理する」という枠を超え、「受講者の自律的な学びをサポートするプラットフォーム」としても大きく貢献します。
LMSは、eラーニングの受講、リアルタイムでの動画視聴、テストや課題の提出など、学びの主要な活動を1つのシステム内で完結できる機能を備えているからです。
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【LMSを学びのプラットフォームとして活用する主な機能】
・研修テキストの閲覧 |
受講者にLMSアカウントを付与することは、社員に学びの主導権を任せることに繋がります。受講者は自身のペースに合わせて動画視聴やコンテンツ閲覧ができるようになり、企業は自律的な学びを育む環境を整備できるのです。
実際にLMSを導入している企業では、受講者が積極的に、そして自発的に新しい知識を習得できるように、LMSを戦略的に活用しています。
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【LMSの具体的な活用例】
・自社の業務やビジョンに関するコンテンツを配信し、学びと実務を紐づけて考えてもらう |
更に、優れたLMSの機能として、受講履歴や成績に基づいて、受講者にとって最適なコンテンツやコースを自動で提案してくれるものもあります。
これは、「何から学べばいいのか分からない」「自分に合う教材が分からない」といった、自発的な学びへの障壁となりがちな部分を解消してくれます。このようにして、学びのハードルを下げ、一歩踏み出すことを後押しできるのです。
研修管理システムの機能について、下記のコラムでも詳しく解説しているので是非ご覧ください。
LMSを研修にどのように活用できるのか具体的に把握できたところで、グロービスが提供しているLMS「 GLOPLA LMS(以降、グロプラ)」を導入した成功事例をご紹介します。
企業がどのような目的でLMSを導入し、成果に繋げているのかをお分かりいただけると思います。
自社での活用イメージをお持ちいただくためにもぜひチェックしてみてください。
| 成功事例企業様 | LMSの導入成果 |
|---|---|
| 株式会社PALTAC様 |
・何かを知りたいと思った際に、グロプラにアクセスする社員が少しずつ増えてきた |
| 株式会社明光ネットワークジャパン様 |
・事前課題やアンケートの提出などの業務工数が削減できた |
| 株式会社ワコール様 |
・研修業務の効率化が実現できた |
| 株式会社PALTAC様の事例 | |
|---|---|
| グロプラの主な活用方法 |
・社員が理解しておくべき知識をLMSで得られる仕組み作り |
| 課題 |
・階層や役職などに縛られないポータブルスキルを学ぶ機会を増やしたい |
| 導入の工夫 |
・導入前に各部門の教育担当者と実現したい世界観をすり合わせた |
| 成果 |
・管理の効率化:提出状況を一目でチェックして未提出者へのリマインドを自動送信できるようになった |
化粧品・日用品・一般用医薬品の卸売業をしている、株式会社PALTAC様は、10年ほど前から社員の育成体系を整えて、年次や階層、役職などで対象者を絞った研修を中心に実施していました。
その中で、階層や役職に縛られないポータブルスキル(特定の業種や職種、時代背景を超えて役立つ汎用性の高いスキル)を学ぶ機会を増やしたいと考えていたそうです。
コロナ禍で既存の集合研修をオンラインに切り替え、オンライン学習にも慣れてきたこともあり、社員に学ぶ機会を提供する方法としてLMSの存在を知りました。
LMSを比較検討する中でUI・UXに優れ、直感的に操作できるグロプラを導入いただきました。
グロプラは主に、下記の2つの目的で導入されました。
|
【グロプラの導入目的】
・人事部や各部門で作成した教材や社員が理解しておくべき知識をLMSで得られる仕組み作り |
研修管理の効率化においては、LMSの活用によって、課題の提出状況が一目でチェックできるようになり、未提出者へのリマインドも自動送信が可能となりました。
以前は研修の事前課題の送付・提出といった管理作業に相当な時間を費やしていましたが、これにより負担を大幅に軽減できたとのことです。
更に、研修の実施報告や、他の研修をグロプラで運用するための準備時間も創出できるようになりました。
学習の活性化に向けては、健康管理に関する資料や、各部署で社員が知っておくべき資料、業務マニュアルなど、社員の関心が高い領域からコンテンツの搭載を開始し、学びのハードルを下げることを意識しました。
導入から1年強が経過した現在では、「何かを学びたい、知りたい」と思ったらグロプラにアクセスする社員が少しずつ増えてきているそうです。その結果、公募研修の参加希望者も増加傾向にあり、自発的に学ぶ社員も増えてきています。
今後は、同じ興味を持つ社員同士で勉強会を行い、そこで学んだことを現場でシェアする。そして、その刺激を受けた人が新たに学びを得る。このようなポジティブな連鎖を生むポータルサイトとして、グロプラが存在する状態を実現したいと考えているとのことです。
▼株式会社PALTAC様の事例は下記で詳しくご覧ください。
人事部と各部門が一体となりGLOPLA LMSを活用し、社員が学びたい時に学べる環境を整備
| 株式会社明光ネットワークジャパン様の事例 | |
|---|---|
| グロプラの主な活用方法 |
・PDCAサイクルを回してより良い人材育成の実現 |
| 課題 |
・人材育成の企画・運営で、PDCAサイクルを回せていない状態から脱したい |
| 導入の工夫 |
・トライアルで一部の社員にグロプラを使用してもらい、小さく運用を開始してから社内に浸透させた |
| 成果 |
・管理の効率化:工数が減り人材育成のPDCAサイクルを回すことに意識を向けられるようになった |
教育事業と人材事業を多角的に展開する株式会社明光ネットワークジャパン様は、人材育成の企画・運営で、PDCAサイクルを回せていない状態から脱したいという課題がありました。
具体的な状況として、各研修の実施結果や全社員の育成状況に関するデータが一元管理できておらず、より良い人材育成を進めるための仕組みが整っていなかったそうです。
実務面では、研修ごとに表計算ソフトで受講者一覧を作成したり、社内イントラで案内を出し連絡が来たら個別に案内をしたりと、業務負荷が大きい状態でした。
そこで、主に下記の2つの目的を持ってグロプラを導入しました。
|
【グロプラの導入目的】
・人材育成のPDCAサイクルをしっかり回せるようにすること |
LMSの導入による成果として、管理の効率化においては、事前課題やアンケートの提出管理などの業務工数が削減できました。この工数削減により、ご担当者様は人材育成のPDCAサイクルを回すことに意識を向けられるようになったそうです。
学習の活性化においては、社長から受講者へ期待を伝えるメッセージ動画をグロプラに掲載する取り組みをされています。
また、動画の視聴状況が分かるようになったため、例えば、未視聴者が多ければ研修の冒頭で動画を見ることから始めるなど、現場の状況に応じた工夫ができるようになりました。
▼株式会社明光ネットワークジャパン様の事例は下記で詳しくご覧ください。
GLOPLA LMSの活用によって、研修やOJTにおける学習体験の質が向上
| 株式会社ワコール様の事例 | |
|---|---|
| グロプラの主な活用方法 |
・ビューティーアドバイザーの自律革新型人材の育成 |
| 課題 |
・ビューティーアドバイザーが主体性を持って学ぶ風土に変えていきたい課題があった |
| 導入の工夫 |
・事前課題を搭載して動画を視聴する、クイズに回答するなどの運用にして楽しく取り組めるようになった |
| 成果 |
・管理の効率化:主催者の負担軽減を実感できている |
インナーウェアを中心に繊維製品の製造・販売を手がける「株式会社ワコール」様は、顧客の購入体験の変化などにより、コロナ禍の少し前から販売体制の見直しや新たなシステムの導入を行ってきました。
SNSやWebサイトで情報が飛び交う現代において、ビューティーアドバイザーの方々には、より多くの商品知識やITスキルが求められるようになりました。
そこで、様々なLMSを比較検討した結果、直感的な操作性とマニュアル不要な使いやすさを高く評価いただき、グロプラを導入されました。この導入は主に、下記の2つの目的を持っています。
|
【グロプラの導入目的】
・自律革新型人材を育成するため、学ぶ意欲がある人に学習機会を提供すること |
管理の効率化においては、まず主催者の負担軽減を強く実感できているそうです。以前のオンライン研修では、ログインURLを受講者に連絡する際に毎回QRコードを作成していましたが、LMS導入後はプラットフォーム上にURLを掲載するだけで済むようになりました。
また、導入前は研修の事前課題を紙面で提出していたため、「業務時間が割かれて大変だ」といったネガティブな意見が少なからずありました。しかし、LMSに事前課題を搭載し、動画視聴やクイズ形式に変えてからは、受講者がタブレットを楽しく操作しながら課題に取り組めるようになったとのことです。
また、管理者画面からは、受講者の課題進捗やアウトプットが把握できます。これにより、研修前の段階で受講者の理解度を掴めるようになり、その理解度に応じて研修での議論(インタラクション)を変更できるようにもなりました。
更に、LMSの動画アップロード機能やアンケート、課題提出機能などを深く活用していく中で、「研修そのものを根本的に組み立て直さなければならない」と気づくきっかけにもなったそうです。
現在は、メンバーが作成した学習コンテンツもLMS上で配信できるようになり、学びが広がっていく環境が実現し始めています。次のステップとして、学びもキャリアも可視化された状態を目指しているとのお話でした。
▼株式会社ワコール様の事例は下記で詳しくご覧ください。
職種問わず誰でも使いやすいGLOPLA LMSで、社員の自律的な学習とキャリア構築を実現
| グロービスが提供するLMS「グロプラ」の資料をご用意しています |
|---|
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今回ご紹介した事例では、グロービスが6,700社を超える研修実績に基づき設計したLMS「グロプラ」を使用しています。 ※グロプラの強みについては「7.30年以上人材育成に携わってきたグロービスが提供する「グロプラ」が研修の運用・活性化をサポート」でも解説しています |
前章では、企業がどのような目的でLMSを導入し、成果を出しているのかをお伝えしました。
LMSは、人材育成に取り組む企業が抱える「主催者の研修管理の効率化」と「受講者の学習の活性化」という2つの課題を解決に導くツールといえるでしょう。
下記で示すように、人材育成に注力している企業であれば、LMS活用がより研修の成果を得られる道筋となるため、LMSの導入を強くおすすめします。
「主催者の研修管理の効率化」と「受講者の学習の活性化」という2つの課題を解消できれば、研修が本来果たすべき役割を全うし、人材育成が効果的に行える体制が整います。
つまり、LMSを導入することは、最終的に研修本来の目標達成を最短で目指せるようになることを意味します。
ただし、LMSは種類が豊富であり、どのようなシステムでも同じ成果を得られるわけではありません。自社の目的に合い、現場に浸透しやすいLMSを選ぶことが極めて重要です。
では、研修で活用するLMSをどのように選ぶべきか。次の6章で、その選び方のポイントを具体的にご紹介します。
研修管理システムのメリット・デメリット・導入をお勧めするケースについて、詳しく知りたい方はこちら
ここでは、LMSを選ぶ際に最低限押さえておきたいポイントをご紹介します。
自社に合わないLMSを選んでしまうと、せっかく導入しても本来得られるはずの成果を実感できなくなってしまいます。ぜひ、これらのチェックポイントを念頭に置いて、比較検討を進めてみてください。
1つ目は、LMS導入の目的を果たせる機能が備わっていることです。
この時に重要なのは、機能の豊富さだけに注目しないことです。
グロービスが実施した「学習管理システムに関する調査」によると、8割以上の企業がLMS導入時に機能の豊富さを重視していることが分かりました。
グロービス「学習管理システムに関する調査(2022年8月)」
しかし、単に機能が豊富であることだけで、業務工数の削減や研修の成果が約束されるわけではありません。場合によっては、以下のようにミスやタイムロス、問い合わせの増加などに繋がるリスクがあります。
|
【機能の豊富さだけを重視してLMSを導入した際のリスク】
・類似機能が多くなり、どの機能を使うべきか迷いが生じる |
特に、機能の豊富さと使いやすさはトレードオフの関係になりがちです。「とりあえず機能を増やす」という考え方では、かえって研修管理や研修の進行を妨げてしまうこともあるでしょう。
だからこそ、機能の「数」に着目せず、LMSの導入目的を果たせる機能が備わっているかという視点をもって検討することが重要です。
一例として、下記のように導入の目的を明確にしたうえで、どのような機能が必要かを具体的に書き出してみることをおすすめします。
| LMSの導入目的 | 必要な機能例 |
|---|---|
| 主催者の管理業務を効率化したい |
・研修を一元管理できる機能 |
| 学びのプラットフォームとして活用したい |
・動画やテキストを配信できる機能 |
| 研修の効果測定がしたい |
・研修、受講者ごとの成果を可視化できる機能 |
2つ目のポイントは、主催者や受講者がストレスなく使える、直感的で優れたUI・UXにこだわって作られていることです。
そもそもLMSの操作性が悪く使いにくいシステムだと、社内に浸透する前に利用されなくなってしまうという懸念があります。
実際に、「LMSを導入しているけれど期待していた価値を感じられていない」というご相談をいただくことがあります。より詳細にヒアリングをさせていただくと、直接的な原因がこのUI・UXの悪さにあることが分かりました。
UI・UXが悪いと、主催者と受講者の双方に下記のような課題が生じやすく、最終的にLMSを有効活用できなくなる可能性があるため、LMS選定の際には見逃さないようにしましょう。
| 利用者 | LMSを有効活用できなくなる理由 |
|---|---|
| 主催者 |
・教材の作成やアップロードに時間がかかる |
| 受講者 |
・何をすればいいのか分からず学習のハードルが上がってしまう |
「4.実際にLMSを研修に活用した成功事例」でも触れたように、実際にLMSを導入するとなると、多くの企業が操作性や使いやすさを最重視しています。
だからこそ、LMSを検討する際にはUI・UXにこだわっているか確認するようにしましょう。
UI・UXを重視しているかは、具体的には下記のような部分を指します。
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【LMSのUI・UX設計を確認するポイントの例】
・管理画面のデザインが分かりやすく初めてでも直感的に操作できる |
ただし、操作性やデザインはパンフレット、資料などからは判断できないので、無料トライアルやデモンストレーションで実際に操作をして判断するのがおすすめです。
3つ目は、セキュリティ対策が備わっていることです。
LMSは、個人情報や企業の機密情報を扱います。
セキュリティ対策に脆弱性があると、ウイルス感染や情報漏えいが起こるリスクがあるので、一定以上のセキュリティ水準があるか確認しておきましょう。
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【LMSのセキュリティ機能の例】
・権限管理機能:機密情報にアクセスできる人を制限できる |
例えば、IDとパスワードのみでLMSにログインできてしまうと、パスワードが漏えいした際に機密情報が漏えいするリスクがあります。
本人しか持ちえない社員証や指紋のスキャンなど複数の認証情報を組み合わせて、セキュリティを強化できると良いでしょう。
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【ISO/IEC 27001を取得していることも1つの目安】 LMSの信頼性やセキュリティ対策を見極める指標として、ISO/IEC 27001の取得があります。
ISO/IEC 27001は、情報セキュリティに対する信頼性に焦点をあてた国際的な基準です。 この認証を取得しているシステムなら、「個人情報や社内データがしっかり守られている」と判断できる安心材料になります。 システム選びで迷ったら、ISO/IEC 27001取得の有無を是非チェックしてみてください。 |
4つ目は、運用サポートが充実していることです。
LMSをただ導入するだけでは、自動的に管理が効率化されたり、研修の成果に直結したりするわけではありません。
LMSの導入成果は「自社の育成目的に応じて、いかに使いこなせるか」にかかっています。
しかし、LMSを導入し、どのようなフローで運用していくかといった具体的な運用設計は、ノウハウがないと難しいのが実情です。
だからこそ、LMSを選ぶ際は、導入時のサポートにとどまらず、具体的な運用サポートまで継続して受けられるサービスを選定することが極めて重要となります。
| サポートのタイミング | サポート内容の例 |
|---|---|
| 導入サポート |
・LMSの使い方、設定に関するフォロー |
| 運用サポート |
・LMSを使うフローの設計や見直し |
導入を検討しているLMSがどの範囲までサポートをしているのか、事前に問い合わせをして確認しておくと安心です。
5つ目は、外部連携やデータ量などの機能、性能に問題がないことです。
LMSは研修管理や受講促進のメイン機能に目が止まりがちですが、下記のような機能、性能も使いやすさを左右します。
自社の導入の目的に応じて問題なく使用できるスペックになっているか、確認しておきましょう。
|
【忘れがちな機能・性能一覧】
・動画やテキストなどのコンテンツを収納するデータ容量 |
特に、現在使用している全ての研修教材をLMSに集約したい場合、システムに十分なデータ容量がないと、大切な教材の一元管理ができなくなってしまいます。
今後も教材が増え続けることを念頭に置き、必要な容量を確保できるか確認することが重要です。
また、LMSを自律的に学ぶためのプラットフォームとして活用したいのであれば、受講者がスマートフォンやタブレットなどのモバイル端末からも、動画やテキストをスムーズに閲覧・視聴できる性能が不可欠です。
このように、自社のLMS導入目的を達成するために必要な性能と機能が備わっているか、隅々まで戦略的にチェックを進めてください。
LMS導入後に「これじゃなかった」と後悔しないためのポイントを解説!
ここまで、LMSの導入で実現できることやLMSの研修活用事例、選び方などを解説しました。
LMSは多くの企業が抱える研修の課題をカバーしつつ、研修をより活性化できるように活用できるシステムです。
導入事例からも分かるように、LMSを導入することで「業務効率化ができた」「社員が自律的に学ぶようになった」など、研修全体に好影響を与えています。
しかし「どのようなLMSが自社に合うのか分からない」「LMSの選定で悩んでいる」というご担当者様も多いかと思います。
そこで、研修運用の効率化、研修の活性化を目指せるLMSなら、私たちグロービスが提供する「グロプラ」をおすすめします。
「グロプラ」は、6,700社の人材育成を支援してきたグロービスが、ノウハウを凝縮して設計・開発したLMSで、研修の現場での使いやすさと、研修成果を最大化するためのサポートに力を入れています。
使いやすさ満足度は約99%で、確かな実績があります。
※累計受講者数:2024年9月時点で研修コースに登録した受講者IDの累計
※使いやすさ満足度:受講者への使いやすさに関するアンケートで「大変満足」「満足」と回答した割合
ここでは、「グロプラ」ならではの強みを分かりやすく解説しますので、ぜひご覧ください。
LMS導入後の最初の関門は、LMSを社内に浸透、定着させることです。
私たちグロービスが既にLMSを導入している企業の人事の方にお話を伺うと、「期待していた価値をなかなか生み出せていない」という声が多く聞こえてきます。
その原因を探ると、UI・UXに課題があることが多く、せっかくシステムを導入しても、「研修情報の掲載に時間がかかりすぎる」「画面を見ても次に何をすべきか直感的に分からない」といった状態に陥っていて、うまく使いこなせていないケースは少なくありません。
つまり、LMSが組織に浸透・定着する前に、使い勝手の悪さが原因となって管理者や受講者の方が離脱してしまう状況が散見されているのです。
そこでグロービスでは、多くの研修担当者様の声を集め、現場からの具体的な要望を徹底的に分析したうえで、「グロプラ」を開発しました。
社内のエンジニア組織や、プロダクトデザイン経験のあるデザイナーも交え、私たちは「本当に使いやすいUI・UX」を追求しています。
その結果、下記のように、誰もが直感的に操作できるよう、分かりやすい動線と洗練されたデザインを実現しました。
例えば、アンケートやテスト、画像のアップロードといった作業が「コピー&ペースト」「ドラッグ&ドロップ」で直感的に行うことでき、無駄な操作が一切ありません。
また、受講者は気になるコンテンツや研修を簡単に検索でき、同一画面から申し込みができます。
このように、無駄な操作を徹底的に省き直感的に操作ができるよう、こだわって作られています。
「グロプラ」は、追加費用不要で「GLOBIS学び放題 ライト」が使用できます。
「GLOBIS学び放題 ライト」とは、グロービスの動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」の中から厳選した約370コンテンツを視聴できる機能です。
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【GLOBIS学び放題 ライトのコンテンツ例】
・組織マネジメント |
「GLOBIS 学び放題」の教材は、グロービスグループで培われた経営の実践知やコンテンツ設計力をもとに社内の専門チームが内製しています。
30年以上人材育成に携わってきた経験と学習理論に基づき設計をしているので、専門的な内容であっても理解しやすいところがポイントです。
「GLOBIS学び放題 ライト」の動画コンテンツは、eラーニング教材として使用することはもちろん、研修の事前インプットに活用するなどさまざまな使い方ができます。
「グロプラ」は研修管理機能だけでなく、質の高いeラーニングコンテンツも無料で利用できるため、社員の学びの質の向上にもお役立ていただけます。
| より多くの教材を使い研修をするなら「GLOBIS 学び放題」と連携することも可能 |
|---|
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「GLOBIS学び放題 ライト」よりも多くの教材コンテンツを使用してさまざまな目的の研修に活用したい場合は、グロービスが提供しているeラーニングサービス「
GLOBIS 学び放題」と連携できます。 ※連携には「GLOBIS 学び放題」の別途契約が必要です |
LMSを導入される企業の多くは、システムを活用した研修の活性化と、それに伴う効果の最大化を強く求めていらっしゃることでしょう。
研修を活性化させ、着実に成果に繋げるためには、LMSを中心としたPDCAサイクルを設計し回し続けることが不可欠です。しかし、このサイクルを成功させるには、深い人材育成の知見が必要となります。
30年以上にわたり人材育成に携わってきたグロービスが提供する「グロプラ」は、単にシステムを導入して終わりではありません。研修が成果に繋がるよう、知見を活かしたサポートをご提供しています。その一例を下記にご紹介します。
| サポートのフェーズ | サポート内容の一例 |
|---|---|
| 導入支援 |
・研修や学習の目標設定 |
| 活用支援 |
・オペレーション業務を洗い出しフローの見直し |
| 学習活性化支援 |
・導入支援の際、設定した目標を達成できているか分析して改善するアドバイス |
「グロプラ」のサポートの大きな特徴は、人材育成の経験豊富なコンサルタントが、貴社に最適な育成体系・必要な育成施策について、ご一緒に検討・策定を行う点です。
コンテンツの整理や可視化、データを活用した進捗管理や分析、研修の効果測定などを総合的にご支援し、「導入して終わり」ではない、効果的なLMS活用・組織への確実な定着までサポートいたします。
「グロプラの機能や操作性を詳しく知りたい」「自社に合うLMSはどういったものなのか悩んでいる」といった場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
この記事では、LMSを活用すると研修でできることやLMSの選び方などをまとめて解説しました。
最後にこの記事の内容を、簡単に振り返ってみましょう。
〇LMSは管理の効率化と学習の活性化ができるため研修に必須のシステム
1.管理の効率化ができる理由は次の2つ
・自動化・簡略化で無駄な業務がなくなる
・一元管理で業務効率化が進む
2.学習の活性化ができる理由は次の3つ
・受講者の学びを可視化して現状に応じたフォローができる
・研修のPDCAサイクルを高速で回せる
・受講者の自律的な学びをサポートできる
〇LMSを選ぶ際のポイントは下記のとおり
1.LMS導入の目的を果たせる機能が備わっている
2.直感的に使いやすいUI・UXにこだわっている
3.セキュリティ対策が備わっている
4.運用サポートが充実している
5.外部連携・データ量などの機能、性能に問題がない
LMSは研修の課題を解決して、学習の活性化を目指せるシステムです。
グロービスでは使いやすさにこだわった「グロプラ」を提供していますので、まずはお気軽にお問い合わせください。