インターネット環境下であれば時間や場所の制限なく学習できるeラーニングは、多くの企業で導入されています。eラーニングの学習コンテンツ(教材)はさまざまな形式で配信されていますが、「具体的にどのような種類があるのか分からない」「作り方が分からない」という方も多いでしょう。本記事では、eラーニングのコンテンツの種類と自作する際のポイントをご紹介します。
目次
eラーニングのコンテンツには、以下の5つの種類があります。
資料アップロード形式は、紙の資料やWordやPowerPoint、PDFなど既存の文書ファイルをアップロードして配信する形式です。集合研修の資料をアップロードすることも可能で、簡単にコンテンツを作成しやすいのが特徴といえます。ただし、紙の資料をそのままアップロードする場合、資料の状態によっては可読性が低くなる可能性があります。
アニメーション形式は、キャラクターを登場させて、スライドやアニメーションで学習するコンテンツのことです。資料アップロード形式よりも親しみやすく飽きにくいため、企業研修だけでなく子供向けコンテンツにもよく使用されています。ただし、シナリオ作成や動画の制作に手間やコストがかかる点がデメリットといえるでしょう。
動画配信形式は、講師が実際に講義を行っている様子を撮影・収録した動画を配信する形式です。画面を分割して動画とスライドを同時に配置することも可能で、本当に講師から講義を受けているような感覚で受講できるのが特徴といえるでしょう。制作の手間もかからず、マルチデバイス対応もしやすいため、多くの企業研修で活用されています。
漫画形式は、絵やセリフを組み合わせてストーリー性を持たせながら説明してくれるコンテンツのことです。視覚的に分かりやすいため飽きにくく、特に子供や若者向けコンテンツに適した形式といえます。また、イラストや図解を用いることで、コンプライアンスや専門知識などの抽象的かつ複雑で理解が難しい内容でも比較的簡単に理解できるでしょう。クイズやキャラクターとの対話形式のコンテンツを通して、さらに理解度やモチベーションを高めることも可能です。
VR講義形式とは、VR(仮想現実)技術を活用したコンテンツのことです。学習者はVRヘッドセットを装着することで仮想空間のシナリオに没入でき、本当に目の前で起こっているような臨場感のある学習体験が可能になります。災害・地震などの緊急時のトレーニングや手術のシミュレーションといったリアルな場面の再現にも活用できるため、主体的かつ実践的な学習で知識やスキルの習得をスピーディーに促進できるでしょう。
eラーニングのコンテンツにはさまざまな配信形式がありますが、階層やテーマごとの研修コンテンツもあります。eラーニングの階層別研修コンテンツは、主に以下のようなものが挙げられます。
新卒採用を行っている企業は、新入社員向けの研修が必要不可欠です。ビジネスマナーやWord・Excelといった基本的なパソコンスキル、社会人としての心構えなど、社会人としての基礎的なスキルを身につける研修コンテンツを活用すれば、自社の一員として活躍できる人材の育成につながります。新入社員向け研修は、内定者向けのオンライン研修にも活用できるでしょう。
企業が成長していくためには、入社して数年経つ中堅社員に向けての研修も必要です。中堅社員向け研修では、新入社員向け研修の内容よりもレベルアップしたコンテンツが中心になります。コミュニケーション研修や課題発見力研修、若手社員へのメンタリング、専門領域への応用的な研修などのコンテンツを活用できます。キャリアの自己決定や後輩の育成ができるリーダーになるための仕事の方法を学ぶことで、企業の中核を担う人材としての必要なスキルの習得につながるでしょう。
管理職には、中堅社員向け研修の内容よりさらに一段階上のレベルの研修が必要です。組織マネジメント研修や労務管理研修、リーダーシップ論、データサイエンス研修、マーケティング研修などの高度な研修コンテンツを通して、人材や業務の管理をするうえで必要なスキルを習得します。時代や企業ごとの文化に応じて管理職が学ぶべきことは異なるため、自社のマネジメントスタイルに適した研修を活用することが大切です。
eラーニングを導入するには、自社に必要なコンテンツを用意しなければなりません。eラーニングのコンテンツを準備する方法として、以下の3つが挙げられます。
市販のコンテンツを購入する場合は、ビジネスマナーやビジネス文書作成、セキュリティ教育、語学など、一般的で時代によって変わりにくいテーマのものを選ぶと良いでしょう。導入する際は、eラーニングをはじめとした社内のあらゆる研修や学習コンテンツを管理できるLMS(学習管理システム)が必要となります。自社にLMSがない場合は、ベンダーからクラウド型LMSサービスの提供を受けると良いでしょう。
オリジナルのコンテンツを作成する場合は、コンテンツ制作の代行会社に依頼するという方法もあります。ベンダーによっては、アニメーションや漫画の制作が可能なところもあるため、自社に必要なコンテンツを整理して外注先を比較・検討しましょう。外注する際は、コストの見積もりや仕様の決定など、ベンダーと打ち合わせを重ねて詳細を決定していきます。
すでに自社でLMSを導入している場合、教材作成ツールを活用すれば自社でコンテンツを作成することもできます。PowerPointやExcelで作成した資料や動画ファイルなどをツールに取り込んでLMSに登録することで、簡単にコンテンツ化できます。特別なスキルがなくても作成しやすく、外注費などの制作コストを削減できるのが大きなメリットといえるでしょう。
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eラーニングのコンテンツを自社で制作する場合は、いくつか注意しなければならない点があります。その際のポイントは、以下の4つです。
eラーニングのコンテンツは教材によって解決できる課題や達成できる目標が異なるため、研修を受講する対象者を明確にする必要があります。先述したように、新入社員や内定者向けのコンテンツと既存社員向けのコンテンツでは、研修の内容は異なります。階層や職種、分野などを明確にしたうえで、必要なコンテンツを制作しましょう。
eラーニングのコンテンツを通して、学習者がどのような状態になっていてほしいのかを明確にすることが大切です。目的や目標を明確にすれば、コンテンツに盛り込むべき内容を整理しやすくなります。また、設定した目標に対して到達レベルがどの程度かをチェックできるような仕組みを用意しておくと良いでしょう。
eラーニングのコンテンツをより良いものにするには、学習者からのフィードバックをもとに定期的に改善を行うことが大切です。学習効果を高めるためには、分かりやすさはもちろん、情報の正確性や鮮度も欠かせません。定期的にコンテンツの内容を見直して、更新性を高めていきましょう。
eラーニングのコンテンツを制作するにあたり、雑誌や論文などの文書、写真やイラストなどの画像を用いるケースも少なくありません。その場合は、使用する文書や画像の著作権や肖像権を侵害しないように、権利元の許諾を得るか、著作権フリーのものを使うなどの対応が必要です。文化庁が公表する「著作物の正しい利用方法」を確認のうえ、正しく使用しましょう。
eラーニングのコンテンツにはさまざまな種類があり、自社の課題や目的に適したものを選ぶことで学習効果を高めやすくなります。
また、eラーニングのコンテンツを自作するには、LMSの教材作成ツールを活用すると便利です。LMSは学習者の学習状況や理解度をリアルタイムで把握するのに役立つため、eラーニングを効果的に運用できるでしょう。
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