IT技術が発展し続ける現代において、教育分野では「Edtech(エドテック)」の注目が高まっています。Edtechを活用すれば、人材教育におけるさまざまな課題を解決できるでしょう。本記事では、Edtechのメリットや領域、注目される背景、eラーニングとの違いについて解説します。
目次
Edtech(エドテック)とは、「教育(Education)」と「テクノロジー(Technology)」の2つを組み合わせた造語です。教育分野において、ビッグデータやAI(人工知能)、既存のアプリやソフトなどのテクノロジーを活用した教育やサービスの総称を指します。テクノロジーとの組み合わせによって新たな価値が生まれることを「X-Tech(クロステック)」と呼び、EdtechもX-Techに含まれます。
Edtechの種類は幅広く、学習管理システムや受験用アプリ、オンライン学習ツールなど、さまざまです。学習者・管理者の双方にメリットがあることから、教育機関のみならず、企業内研修や個人の学び直しなど、あらゆる場面でEdtechが活用されています。
なお、Edtechは世界的に注目されており、日本でも国によってEdtech推進のための取り組みが多数行われています。先が読めないVUCA時代ともいわれる現代では、社会人も常に学び続けることが求められており、今後さらにEdtechの市場規模は拡大していくでしょう。
Edtechのサービスは幅広いですが、主に「toC(学習者)」と「toB(企業)」の2つの領域に分類できます。それぞれの領域におけるEdtechの特徴は、以下のようになっています。
toCのEdtechサービスの主な目的は、学習者の自主学習の支援です。オンライン学習や受験アプリ、VRを使った疑似体験学習などが当てはまります。
オンライン学習は、インターネット環境があればどこでも学習が可能です。繰り返し学習できるため、理解度の向上が期待できます。時間や場所を問わず社員が自主的に学習できることから、学習者の主体性も養われるでしょう。
VR(仮想現実)を使った疑似体験学習は、現実では難しい分野の学習が可能です。たとえば、災害現場における危険事態を体験したり、クレーム発生時の対応方法を体験したりというように、仮想空間で現実のような疑似体験ができるようになります。臨場感のある体験によって、画面上の学びでは難しいとされる実践的な知識やスキルの習得が可能になるでしょう。
toBのEdtechサービスの主な目的は、業務効率改善や教育機会の均等化、自主的な受講機会の創出です。企業内の研修を管理する学習管理システムや、企業が社員に学習機会を提供するeラーニング・オンライン研修などが対象となります。
学習管理システムは社内のあらゆる研修を一元管理するとともに、学習状況やテストの結果、受講履歴なども確認できるシステムです。効率的に学習管理が行えるため、研修運営業務の負担軽減につながるでしょう。学習管理システムを導入することで、学習者一人ひとりに最適化された学習を実現できるアダプティブラーニングも可能になります。
また、eラーニングの導入やオンライン研修の開催によって、社員の勤務体系や勤務場所に関わらず、すべての社員に同一の教育機会を提供できるようになります。時間や場所の制約がない学習スタイルの提供によって、自主的な受講機会も創出できるでしょう。
Edtechが注目されている背景には、以下のようなものが挙げられます。
生まれ育った環境や経済条件などによって受けられる教育機会が異なることから、教育格差が生まれやすいという問題があります。Edtechを活用することで、インターネット環境下であれば均等に同じ教育を提供できるようになるので、経済格差や地域格差によって生まれる教育格差の解消につながると考えられています。
また、テレワークや時短勤務といった働き方の多様化、災害時における生活環境の変化などにおいても、Edtechは場所を問わず学びの機会を提供できる手段として注目されています。
グローバル化の加速に伴い、企業は人材を有効活用して競争力を強化することが求められています。Edtechを活用すれば、学習プラットフォーム上で語学や異文化に関する学習が可能になり、世界中の人との交流もできるようになるため、グローバル人材の育成につながるでしょう。
また、急速に変化する外部環境に対応していくには、常に学び続けていくことが求められます。Edtechを活用することで、主体的な学びの促進が可能になり、効率的にスキルアップをはかれるようになります。
企業の業務を改善する手段としても、Edtechは注目されています。たとえば、研修を実施する際は、会場の手配や教材の準備、受講案内、資料や教材の配布といった研修管理業務が発生するため、管理者には多大な負担がかかっていました。Edtechを活用することで、これらの煩雑な業務を効率化できるため、業務改善につながると期待されています。
Edtechを活用するメリットは以下の3つです。
Edtechを活用すれば、離れた場所でも学習が可能になります。オンライン学習によって時間や場所の制約がなくなるため、テレワークの社員や他社・海外に出向している社員も、自宅や出向先で同じ研修や教育を受けられるようになります。
また、インターネット環境下であればいつでもどこでも学習できるので、通勤時間や休憩時間を有効活用して効率的に学習を進められるのも大きなメリットです。
Edtechを活用することで、学習の個別最適化ができます。学習者の進捗状況や理解度、習熟度などを把握できるようになるため、社員一人ひとりのレベルや内容、理解速度に合った学習が可能です。
社員それぞれの強みや弱みに応じた学習ができれば、社員自身が高いモチベーションで学習に取り組めるでしょう。個々が効率的に能力を伸ばすことで、組織力の向上も期待できます。
Edtechによって学習管理の効率化がはかれるため、管理者側の負担軽減につながります。研修のオンライン化が進めば、従来の集合研修で発生する会場の確保や準備といった研修運営業務を削減できるようになります。
また、学習の進捗状況や成績状況を一元管理できるようになるので、学習管理にかかる負担を軽減できます。社員一人ひとりに合った個別フォローが可能になり、効率的に個別最適化された学習環境を提供できるのも大きなメリットといえるでしょう。
Edtechが注目される以前から教育分野で活用されていたテクノロジーとして、eラーニングがあります。eラーニングはインターネットを介して行う学習スタイルのことで、Edtechの一つです。eラーニングはインターネット環境下であれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスから、時間や場所の制約なく学習できます。
近年のEdtechにおいて、一方的に学習者に学習コンテンツを提供するeラーニングだけでなく、オンライン上での双方向性の学びやコミュニケーションを重視したオンライン研修・ハイブリッド研修の普及も進んでいます。このようなEdtechを活用すれば、eラーニングよりもさらにスムーズなオンライン上での学習が可能です。
Edtechを導入することで、人材教育におけるさまざまな課題を解決できるようになるため、人材育成の効率化に役立つでしょう。社内の研修運営業務を効率化するなら、Edtechの一つである学習管理システム(LMS)の導入がおすすめです。
「GLOPLA LMS」は、誰でも使いこなせる学習管理システムです。シンプルなUX&UIによって学習者も管理者も迷わず操作できるため、学習管理の業務効率化をはかれるとともに、社内へのツール定着が期待できます。導入・運用のサポートも用意していますので、初めてLMSを導入する企業様も安心でしょう。LMSの導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご連絡ください。