自律型人材育成研修
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自律型人材の育成において重要なこと
近年、組織開発において「自律型人材」の育成に注目が集まっており、グロービスへも多くの企業から「自律型人材を育成したい」という相談が寄せられています。
自律型人材とは、仕事の意義や意味を理解して主体的に行動を起こし、成果を生み出す人材を意味します。自律型人材の育成は業務プロセスの見直しや組織風土の変革を伴うことも多く、一定の時間がかかる取り組みです。育成の過程で「なかなか成果を感じられない」と壁にぶつかる育成担当者の方もいるでしょう。しかし「自社における自律型人材」を明確に定義して適切なアプローチを取れば、自律型人材の育成は必ず前に進めることができます。
グロービスはまず、経営戦略と育成課題にもとづいて「自律型人材」像を描くところからお客様をサポートします。長期的な視点から段階的な育成プロセスを設計し、それぞれのフェーズで必要な研修テーマを組み合わせ最適な育成プログラムを提案いたします。
自律型人材育成研修の特長
年間3,300社におよぶ研修実績から導いたノウハウ
グロービスはこれまで多種多様な業界で自律型人材の育成を支援するソリューションを提供してきました。個々の企業にフィットする研修企画・設計のノウハウを確立しており、自律型人材の定義から研修プログラムの設計、実施後のサポートまでの全プロセスをサポートできます。また育成過程で直面しやすいハードルを把握しているため、それらを解決するための工夫をプログラムに組み込み、社内事情を踏まえた最適な内容でご提案できます。
企業ごとの「自律型人材」の定義に応じた研修プログラムを提案
グロービスのコンサルタントは、その多くがMBA(経営学修士)を取得しており、体系的な経営学の知識を持っているため、経営戦略に基づいた人材育成の課題を議論することができます。企業に表れている育成課題から議論を行い、短期間では実現が難しい自律型人材の育成を、段階的に課題を解決しながら設計することができます。たとえば自律型人材に求められるリーダーシップや論理的思考力などの習得を、階層別の研修プログラムとして提案することも可能です。
幅広いテーマを組み合わせ相乗効果のある育成施策を提供
自律型人材の育成には、リーダーシップや汎用的なビジネススキルなど、幅広い知識・スキルの習得が求められます。このため単発の研修施策で終わらせず、複数の施策を組み合わせ、長期的に取り組むことが必要です。グロービスは経営大学院の科目開発をベースにした、幅広い研修テーマを取り揃えています。そこに、ベンチャーキャピタルの運営やベンチャー企業支援を通じて得た最新のビジネス知見を掛け合わせ、組織開発や人材育成のトレンドを加味した提案を行います。
自律型人材育成に必要な研修テーマを網羅
「自律型人材」像の定義から、育成プロセスの設計、研修プログラムの企画・実施まで一貫して支援します。幅広い研修テーマから、育成プロセスの各フェーズに必要なものを組み合わせ、企業ごとに最適なプログラムを提案します。
自律型人材の育成研修の成果
お客様の声
自律的に学ぶ環境を整備し、主体的なキャリア形成を支援する
主体的なキャリア形成を望む若手・中堅社員が増えてきました。それを支援するには、自分に必要な分野を必要なタイミングで学べるグロービス・マネジメント・スクールの導入が最適と判断し導入に至りました。学びと業務のつながりを意識するための仕掛けをつくり、自律的に学ぶ環境を整えられた点において、主体的なキャリア形成の支援として一歩前進できたと感じています。
受講者の声が自発的な学びの文化醸成につながる
変化の激しい時代を生き抜くためにも、自律型人材の育成が急務でした。まずグロービスの『クリティカル・シンキング』講座を全社公募で導入し、社員が自ら手を挙げて参加できる機会を作りました。研修後は受講者の声を社内に発信し、自発的な学びの文化醸成を図りました。5年にわたって取り組みを継続した結果、若手・中堅層が自ら課題を見つけ、解決策を考え実行する姿が増えたと感じます。現在は、部門を超えた自主的な勉強会も頻繁に開催されるなど、自律型組織へ変化が表れているところです。
複数の研修を組み合わせ自律的に学べる環境を整える
「自律」「個の成長」「共感」を軸とした人材育成を目指しています。社員が自律的に学べる環境を整えるため、GLOBIS 学び放題やGMAP、企業内研修(講師派遣型)を組み合わせて導入しました。昇格試験と連動させることが、学びへの動機づけのひとつになったと思います。社員間で学びを共有する文化も生まれ、管理職からも「メンバーが自ら考え、行動するようになった」という声がよく聞かれています。
研修の満足度
自律型人材育成研修のプログラム形態
リアル・オンラインの研修サービスはもちろん、効果測定や研修の仕組みづくりまで、お客様の育成施策を全方向からサポートいたします。
企業内研修(講師派遣型)
体系化されたプログラムを組み合わせて提供する定型プログラムと、個々の課題に対して設計したテーラーメイド型プログラムを用意しています。どちらのプログラムでも、自律型人材の育成につながる研修を企業に応じた内容で設計します。講師数460名超と国内最大級の研修体制があるため、全社へ向けての大規模な研修でも問題なく実施できます。
定型プログラム | テーラーメイド型プログラム | |
---|---|---|
概要 | 学習効果を最大化できるよう標準化したサービス/プログラムから、お客様ごとに組み合わせたソリューションを提供する | お客様ごとにサービス/プログラム設計を含めて、テーラーメイドしたソリューションを提供する |
提供方法 | リアル/オンライン | リアル/オンライン |
定員 | 1クラス8名~25名 | 1クラス8名~25名 |
研修時間 | 1日7時間(リアル) 1日3時間×2回(オンライン) | 1日3.5時間~(リアル/オンライン) |
プログラムの例
環境変化の中で課題を自ら把握し、自己成長を続ける人材を育成するために、学びの促進者である管理職層と、学びの主体者であるメンバー層へ、それぞれのプログラムを提供した例です。
より詳しい内容は以下のページをご覧ください。
スクール型
スクール型研修プログラム(オープンスクール)をリアルとオンラインの両方で提供します。1名様からご参加いただけるのはもちろん、企業内研修(講師派遣型)と組み合わせた長期の研修プログラムとしてもご活用いただけます。スクールはさまざまな業界・業種のビジネスパーソンが集まる「他流試合」です。社外の価値観に触れることでビジネスパーソンとしての知見が深まり、視野が広がるきっかけとなります。
将来の経営幹部を養成することを目的に、日本で唯一、管理職の能力開発に特化した型研修プログラムです。育成目的やキャリアにあわせて全6プログラムからご選択いただき、自社をけん引するリーダーに必要な経営スキルを体系的に学びます。他社から同じ階層の受講者が集まるため、高いレベルで切磋琢磨するのはもちろん、役職に特有の課題感や悩みを共有できる場にもなります。
累計取引企業数3,750社以上、14万人のビジネスパーソンが選んだ研修サービスです。経営に関する「ヒト」「モノ」「カネ」「思考」の4領域・計14科目から選択でき、全6回・3か月にわたって実践的なプログラムを行います。
各領域の理論・フレームワークの理解や、それらの活用方法を学ぶSTEP1(基礎科目)と、各領域の知識・スキルをもとにビジネスの現場での意思決定力や実践力をさらに高めるためのSTEP2(応用科目)があります。個々人の課題感やレベルに合わせてプログラムを選択できるため、複数階層の育成にも対応可能です。
在校生と累計卒業生数は約11,260名(2024年5月1日現在)と、日本で最も選ばれている経営大学院です。経営に必要なスキルとマインドを約24科目・標準2年(~最大5年)で体系的に学習し、経営者と同じ目線・共通言語をもった次世代リーダーを育成します。
eラーニング
3,400コース以上の動画コンテンツを定額で提供します。動画が短時間に区切られているため各自の隙間時間を活用して効率的に学習でき、クイズや理解度確認テストで知識定着も促進できます。自律的な学習を促す受講機能として、グロービスの知見が詰まった精緻なDXアセスメント機能(経済産業省提唱「デジタルスキル標準」に完全準拠)を搭載しており、個人と組織の能力を多面的・客観的に評価することが可能です。またアセスメント結果をもとに、個人・組織に必要な学びをリコメンドし、受講者個人の課題に沿った学びを提供。学習終了率は93%に達しています。
MBAの基礎科目を1科目から受講できます。クリティカル・シンキング、マーケティング、経営戦略、アカウンティング、ファイナンス、人材マネジメント、組織行動とリーダーシップの計7科目から、身につけたい知識やキャリアに応じてお選びいただけます。
GLOBIS 学び放題を英語ネイティブの方にむけて最適化しました。リーダーシップ、戦略、マーケティング、ファイナンスなど、MBAプログラムに対応したビジネスナレッジを英語で学べる定額制の動画学習サービスです。
多言語対応
グローバル人材として力を発揮するための人材育成プログラムを、英語、中国語、日本語の3言語にて幅広く提供しています。
GLOBIS 学び放題を英語ネイティブの方にむけて最適化しました。リーダーシップ、戦略、マーケティング、ファイナンスなど、MBAプログラムに対応したビジネスナレッジを英語で学べる定額制の動画学習サービスです。
アセスメント・テスト
GMAPはビジネスパーソンの能力を客観的に測定するテストです。考える力・論理思考(クリティカル・シンキング)と経営の定石(ビジネス・フレームワーク)の領域でビジネスパーソンの理解度と実践度合いを測定します。累計65万人(2024年3月時点)の受験データを基に、日本のビジネスリーダー層と自身のスキルレベルを比較することができます。研修後の効果測定はもちろん、昇格試験や評価指標としてもご活用いただけます。
学習管理システム
GLOPLA LMSは、研修運営のノウハウを熟知したグロービスが開発した学習管理システムです。学習活性化や育成施策の改善など、組織全体の育成を加速させます。また、社内外の研修のオペレーション業務や受講履歴を一元管理することで、複数の運営プロセスを自動化・省略化し、1研修あたりの作業工数を最大で1/3にまで圧縮できます(※当社推計)。
研修サービスの品質を支える体制
ビジネスの最前線で活躍する実務家講師
グロービス独自の厳しい基準をクリアした人材のみが講師として登壇。講師は経営者やコンサルタントなどの実務経験を持ち合わせるビジネスのプロフェッショナルでもあります。数々のクラスで磨きこんだティーチングスキルによって、受講者が考えアウトプットするための場づくりを行います。
最新かつ実践的な教育コンテンツを届け続ける体制
グロービスの研究開発部門では、研修などの教育現場やベンチャーキャピタルの投資先から収集した最新のビジネス知見を基に、独自の教育コンテンツを開発しています。研究開発部門には現役・実務家教員が属し、研修/スクールプログラム、GLOBIS 学び放題の動画教材、書籍、ウェブサイトなどのコンテンツを、ビジネスの現場で役立つ内容にブラッシュアップし続けています。
自律型人材の育成研修の活用事例
地域・階層を超えて多くの人が学ぶ組織へ
業種 | 製造業 |
対象層 | 全社員 |
育成ストーリー | 全国に製造拠点が存在する組織で、管理職以上の研修は人事が担うものの、現場の育成は各拠点や事業部の内製に頼ってきた。 近年、大口取引先の事業再編による受注減少や、流通業と提携した提案を得意とする他社の台頭など、厳しい環境変化が起きている。「現場も含めた1人1人の社員が変化への感度を高め、今の仕事を変えていかなければ生き残れない」と経営トップが危機感を表明。人事部が全社員対象の育成機会を創設することになった。 「学ぶ組織」をキーワードに、変化に強い体質への転換を図っている。 |
プログラムの狙い/ポイント | 指定期間に幅広い領域を好きなだけ学べる動画サービスを使い、学びたいと思うすべての人が学べる仕組みとする 必修科目を設けることで、組織の共通言語化を促進する より深く学びたい人は希望すればグロービスのスクール型研修(通学クラスまたはオンラインクラス)を追加受講できる 個人受講に開かれたサービスを選び、学び続ける重要性を人事部から伝える |
導入サービス | ・グロービス・マネジメント・スクール ・GLOBIS 学び放題(eラーニング) |
▼プログラムの全体像
全社員 | 左を修了した希望者 | |
6か月間 | 3か月間 | |
テーマ | ・視野を広げる ・組織の共通言語化 ・いつでもどこでも学べる環境づくり | ・学びを深める ・他社人材と切磋琢磨し成長への刺激を得る ・どの勤務地でも学べる環境づくり |
実施内容 | eラーニング「GLOBIS 学び放題」 | グロービス・マネジメント・スクール 通学クラスまたはオンラインクラスを選択 |
自律型人材育成に関する質問
- 自律型人材の育成には、どのくらいの期間が必要ですか?
人材だけの問題なのか、組織的な問題なのか、ある部門だけの特定の問題なのか、など課題の種類によって必要な期間は異なります。そのため、まずは自律型人材の障壁になっている自社の課題を絞り込む必要があります。たとえば、自律型人材の育成課題が「管理職の権限移譲不足」が原因の企業と「公募など主体的な学ぶ機会の提供不足」が原因の企業ではアプローチ方法も必要な期間も変わります。
グロービスでは、自社ならではの課題や目的に合わせて効果的な研修プログラムを設計しますので、お問い合わせください。研修ごとに育成のゴールを決めて、段階的に育成の結果を評価していきましょう。
- 自律型人材の育成効果をどのように測定すればいいですか?
複数の指標を組み合わせて評価を行うことをおすすめします。そのためには研修の目的を明確にすることが不可欠です。研修のゴールが定まれば、社員の行動の変化、組織全体の生産性や効率性の向上、部下の自律性に関する管理職の評価など、さまざまな観点から達成度を測ることが可能になります。
- 研修やeラーニングなどを公募制度で設けていますが、研修の参加者が増えない、動画の視聴が継続しない、などの課題があります。自律学習につなげるには、どうすればいいでしょうか?
公募制度を導入すれば、自然に受講者が増えるというわけではありません。担当者からの働きかけが必須です。たとえば社員が受講の必要性を感じていない場合は、動機づけがポイントになります。担当者や経営層からの説明、アセスメント・テストと紐づけて適切な危機感を醸成するなどのアプローチが有効です。他にも受講のモチベーションを保つための施策などグロービスには豊富なノウハウがありますので、ご相談ください。
- 忙しいビジネスパーソンが業務と研修を両立できるか不安です
受講者の多くが、働きながら学ぶビジネスパーソンの皆さんです。クラスの予習・復習は企業内研修(講師派遣型)・スクール型研修いずれも各回5〜10時間程度行うことを推奨しています。学びを業務に取り入れ生かすためにも、むしろ業務と並行して学ぶことをおすすめします。業務の中で気づく自身の「思考の癖」や行動パターンを発見し、課題感をクラスに持ち込んでいただくことで学びがより深まるからです。
なお、スクール型研修では急な出張や会議でどうしても授業に参加できない場合に、振替制度をご利用いただけます。(申込科目においてクラスが複数開講しており、振替希望先に空席がある場合に限りご利用いただける制度です)
- 管理職が部下の主体性や自律性を促すマネジメントができていません。
そのような場合には、まず管理職の意識改革が必要です。せっかく意欲ある若手が入社しても、管理職が仕事を抱え過ぎて仕事を適切に任せなかったり、マイクロマネジメントになったりすると、自律型人材とは真逆の指示待ちの社員をつくりだすことになってしまいます。管理職向けに質問力や論理思考力などの対話スキルを向上させることが必要です。また人事評価や組織風土の観点から、管理職が部下の主体性や自律性を引き出すマネジメントが求められるような制度づくりを行うこともポイントです。
自律型人材育成の考え方
持続的な組織成長に欠かせない自律型人材
自律型人材とは、自ら課題を発見し、主体的な行動を重ねて問題を解決できる人材を指します。現代はビジネス環境の変化や労働人口の減少、働き方改革の進展といった複数の要因が同時に存在し、社員一人ひとりが自律的に行動することが、企業の持続的な成長には欠かせないと言われています。
VUCAと呼ばれる変化が激しいビジネス環境においては、将来の見通しが立ちにくく、前例のない課題が増加しています。さらに業界を超えた企業合併や提携が盛んになっているため、多様なステークホルダーとの協働も求められます。しかしテクノロジーの発展に伴いビジネススピードが増している昨今では、細かい業務の一つひとつに対して上司に判断を仰いでいる余裕がないのが現状です。このような状況下では、指示待ちや前例踏襲で仕事を進めるのでなく、社員一人ひとりが自ら考え行動する姿勢が重要になるのです。
自律型人材に求められる要件
自律型人材として成長し成果を生み出すためには、能力とマインドの二つの側面から要件を考えることが重要です。具体的な要件は企業ごとに異なりますが、グロービスでよくお伝えする内容を例としてご紹介します。
たとえば、能力としては、組織やチームが成果を出すためにはどうすれば良いか自分で考える課題設定力や論理的思考力、ステークホルダーとの交渉スキル、人を巻き込む力が挙げられます。マインドとしては、仕事の意義や意味を理解し、自分で動機づけを行えることが求められます。また自分自身のキャリアを考え、仕事の変化やチャレンジに対して前向きな姿勢も必要です。
こうした能力やマインドは、管理職、中堅社員、新入社員のどの階層向けの自律型人材なのかによっても求めるレベルは異なります。自社にとって必要な自律型人材の要件を言語化しましょう。
自律型人材の育成には研修を含めた総合的な施策が必要
自律型人材に必要な能力・マインドを組織で発揮するには研修を含めた総合的な施策が必要です。
なぜなら能力やマインドがあったとしても、適切な権限委譲やチャレンジ可能な環境がなければ、自律的に行動することが難しいからです。たとえば若手社員に対して自律型人材をテーマにした研修を実施しても、管理職層が自律を促すマネジメントができていないと、研修での学びを実践しづらくなってしまいます。組織全体で自律型人材が活躍する風土になっているかどうかにも注意を向けてください。
従って自律型人材の育成には、育成施策以外にも人材マネジメント全体を考えた整合性が不可欠です。人材配置や評価制度などの人材マネジメント施策を、研修施策と共通の人材要件定義に基づいて設計しましょう。経験や視野を広げる配置転換や業務アサイン、チャレンジへの評価や成長を実感するための昇格機会があってこそ、実際に社員が自律的にキャリアを築くことができるのです。
また短期間でのゴールを目指すと壁にぶつかりやすくなってしまいます。経営層のコミットメントや支援など、組織全体での取り組みも求められるため、段階的に自社なりの自律型人材を育てていくことが必要です。
自律型人材の育成を成功させるポイント
育成課題を十分に議論してから施策を検討する
自律型人材を育成するための組織課題は何か、人材育成課題がどこにあるのかを議論し、本質的な解決策を導くことが重要です。とくにメンバーシップ型の組織文化を持つ企業では、従来の業務プロセスや組織風土の改革を伴うことがあり、研修体系から育成の設計から見直す場合もあります。経営課題を基に育成課題を整理し、施策検討の前に関係者で目線を合わせておきましょう。
社員個人への研修だけでなく、組織全体の環境整備も行う
自律型人材育成に対する課題は複合的であり、原因が社員個人以外にある場合も少なくありません。人事部門の仕掛けや管理職からの働きかけも、自律型人材の育成に大きな影響を持つからです。このため社員個人への研修や啓蒙に偏った施策は避ける方がいいでしょう。さらに組織風土や評価制度も重要です。社員が「自律的な行動が報われる組織である」と認識できるような制度設計や、組織文化をつくっていきましょう。
育成手段と育成目的を混同しない
「自律型人材の育成施策を打っているのに成果が得られない」という、お悩みの声をよく聞きます。先に述べたように、自律型人材の育成は短期的に実現できるものではありません。公募やeラーニングの導入は育成手段のため、導入したからと言って育成目的が達成されるわけではありません。手段と目的を分けて考え、施策を導入した結果、どんな人材にしたいのかゴールを明確にしましょう。成功につながる育成施策を行うためには、現状の育成課題の整理から始め、目的に見合う手段を選択することが不可欠です。