次世代リーダー育成研修(管理職)

次世代リーダー育成研修は新たな時代へ

日経225企業
取引実績

88 %
2024年4月グロービス調べ

企業内研修
有益度

4.6 5段階
評価
2024年3月「テーラーメイド型プログラム」を除く平均値

導入
企業数

3,300 社/年

受講
者数

43.8 万名/年

企業内集合研修、社員・経営幹部の人材育成プログラムなどを多くの企業に提供しているグロービス・コーポレート・エデュケーション。マネジング・ディレクターの西恵一郎が、企業の次世代リーダー育成研修の潮流と研修を超えたグロービスの取り組みをご紹介します。

  • 西 恵一郎(株式会社グロービス マネジング・ディレクター)
  • 楠田 祐氏(HRエグゼクティブコンソーシアム代表)

「テクノベート時代」のリーダーをどうつくるか

企業の次世代リーダー育成の潮流を語る西恵一郎(株式会社グロービス コーポレート・エデュケーション マネジング・ディレクター)
「今求められているのは<テクノベート時代>のリーダーです」西恵一郎(株式会社グロービス コーポレート・エデュケーション マネジング・ディレクター)

楠田 グロービスさんが創業されたのは、まだ国内にMBAホルダーが少なかった頃ですね。多くのビジネスパーソンが国内でMBAプログラムを学ぶという流れが生まれたのは、「グロービス経営大学院」の開校がひとつのきっかけだったと思います。そのグロービスさんが、時代が変わってきた今、企業の人材育成をどのように支援されているのか、最近の方向性を教えてください。

西 次世代リーダーに求められるものとして、従来のMBAプログラムはどちらかというと、ビジネスの常識として若手ビジネスパーソンが学ぶものと捉えられる傾向が強くなっています。

では、今、リーダー層に求められるものは何かということで、「テクノベート」というキーワードを打ち出しています。これはテクノロジーとイノベーションを組み合わせたグロービスの造語です。テクノロジーによってビジネスの変革が急速に進む今の時代には、いかに新しいテクノロジーを使ってビジネスをドライブさせていくかといったことが求められています。

そこで、MBAのカリキュラムも、テクノベートコンテンツを組み入れ、デザインシンキングなどの新しい領域を従来のMBAのエッセンスと組み合わせて学ぶものに進化させてきています。法人向けの次世代リーダー育成研修のプログラムとしても、例えば、テクノベート時代の経営戦略の立案や組織マネジメント、リーダーシップを学ぶ、「テクノベート・マネジメント・プログラム」を新たに開講します。

楠田 テクノロジー時代、デジタル時代のリーダー育成を支援されているということですね。

事業開発と人材育成を同時に行うOn the Project Training

企業の人材育成の潮流をインタビューする楠田祐氏(HRエグゼクティブコンソーシアム代表)
「企業の人材育成はマスから個へ変わっていきますね」楠田祐氏(HRエグゼクティブコンソーシアム代表)

楠田 人材育成に関する企業のお客様のニーズは、最近、どのようなものが多くなっていますか。

西 従来は、企業で行われる人材育成というと、コーポレートを主体とした階層別研修のイメージが強かったと思いますが、最近は、事業部からご依頼を受けて、事業開発と人材育成を同時に行っていく機会が増えています。というのも、事業責任者の方々は、新しい戦略を立てて成果を出す必要がありますが、戦略に組織がついてこられないという問題意識を持っている方が少なくありません。そこで、戦略を立案・実行できる組織を構築して事業成果を出していくために、私たちがパートナーとしてサポートし、お客様とご一緒に3、4年かけて組織をドライブさせていくプロジェクトを数多く実施しています。  

楠田 面白いアプローチですね。

西 コーポレートの研修の場合はいろいろな部門から受講者が集まりますが、事業部が行う場合は、集まるのはその事業に関係する人だけです。取り上げるのもその事業の具体的なテーマです。

楠田 確かに、コーポレートの研修だと、リアルなビジネス課題を扱っても、自分たちの事業の話ではないということになるので、一般論になりがちです。

西 かつ、事業責任者がオーナーとなって進めていきますから、かなり違ってきます。コーポレートが行う場合は育成という観点が強くなりますが、事業部が行う場合は成果が先に来るわけです。

具体的には、事業部主体のさまざまなプロジェクトにおいて、私たちはプロジェクトメンバーの思考や行動での躓きのポイントを踏まえて、成果創出に向けたプロセスを設計し、必要な知識やスキルを最適なタイミングで補ったり、メンバーが意見やアイデアを出しやすい場をつくったりといったサポートを行っていきます。

プロジェクトを成功に導いて成果を出しながら、その体験を通じて自主自走できる人材を育て、そうした人材があふれる組織をつくっていくことが狙いです。私たちはこのアプローチを「On the Project Training」と呼び、OJT、Off-JTに並ぶ第3の選択肢としてご提案しています。

楠田 育成と言うとかつては知識ベースの研修だったのが、アクションベースへ、そしてさらに成果ベースへと変わってきているということですね。

大企業とスタートアップによるオープンイノベーションも

西 新規事業開発を目的に、スタートアップを支援し大企業の新規ビジネスにつなげる「アクセラレータープログラム」も実施しています。スタートアップのネットワークを持つCreww株式会社と業務提携を行い、スタートアップとのマッチングから事業化までのプロセスをご支援しています。

イノベーションを起こしたいとおっしゃるお客様は多いのですが、それができる人は簡単には生まれませんし、そもそも既存事業の決まったやり方に慣れてしまっているため難しいのが現状です。そこで、グロービスが新規ビジネス開発の考え方をお伝えし、スタートアップの起業家と一緒になって新たなビジネスコンセプトを創造するデザイン思考ワークショップを行い、事業化に向けたプランニングを伴走しながらご支援しています。

大企業の論理とは全く異なる場で起業家と一緒に新しい事業を生み出していく議論・経験を通じて、関わった部門、メンバーは大きな成長機会になったり、登用機会になっていたりします。

楠田 そういう取り組みが日本企業の年功序列を壊すかもしれませんね。人事制度でも評価制度でもなく、そこから壊していく可能性があると思います。

西 また、これからの方向性ということでは、グロービスの研修プログラムをご利用のお客様に、法人向けの「グロービス・ラーニング・プラットフォーム」を2018年9月から無料でご提供しています。グロービスのオンライン研修プログラムの申込み、受講者管理、研修実施について、人事担当者の方々に一括管理していただけるものですが、さらに開発を進め、本年12月より独自の学習管理システム(LMS)の提供を開始しました。

今後、このプラットフォームに受講者の学習データが蓄積され、その人の目指しているキャリアやアセスメントデータなども組み合わされて、今、その人は何を学ぶべきかがリコメンデーションされるといった世界を実現させていきたいと考えています。

楠田 データを蓄積して個を見える化し、個に合わせたリコメンデーションができるようになると、企業の教育はマスから個に合わせた教育に変わっていきますね。今日はありがとうございました。

(本インタビューは「HRエグゼクティブコンソーシアム会報誌(2018年12月発行)」に掲載されました。)

※文中の所属・役職名は原稿作成当時のものです。

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