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“事業変革する人・組織を、創る。”を目指して
過去40年の世界の不確実性指数を見ると、1980年代に6~7年周期で起きていたインパクトが、2012年以降は毎年、同程度のインパクトが発生し、さらに大きなインパクトが3年の周期で発生しています。今後も予測不可能な状況は続き、高頻度で経済や社会に大きな影響を与える、「不確実性の時代」を私たちは生きていると言えるでしょう。
不確実性の時代に生じる、戦略と組織能力の乖離問題
グローバル化・デジタル化・SDGs対応・70才定年の推奨、働く人の価値観等、企業が対応すべき課題は多岐に渡ります。経営の舵取りにおいては、長期の方向性は据えつつも、変化に対応する柔軟性とスピードがより求められています。「中期経営計画や戦略方針が未達に終わった」という話をよく聞きますが、不確実性の状況下では戦略と組織能力の乖離が起きやすくなります。つまり、変化に対応する戦略は描けても、戦略にアジャストする組織創りが追いつかず、期待した成果が期待したスピードで実現しない、実行不全に陥ってしまう状態です。例えば、DXを戦略に掲げている企業は多いですが、エンジニアの採用や一部データ化による業務改革は進んでも、掲げた戦略の実現には至りません。変革(X=Transformation)をどう行いたいのか、そのために経営基盤、事業運営をどのように変えるのか、目的を踏まえた組織の変革能力が伴っていないと、DX戦略を正しく実行に移すことはできません。
事業経営を実現し、経営のスピードを上げる
では、描いた戦略に対して、どのように組織をアジャストさせていくのか。不確実性の時代において、もはやトップ一人が全てを知り、全てを決められる状態ではなく、権限を事業部門に委譲し、現場が経営にアジャストする状態を創っていくことが大切です。すなわち、事業の権限移譲を加速させ、各事業部門の戦略実行能力を高めることです。権限移譲を進めるためには、“事業運営”ではなく“事業経営”が出来る人材の育成や採用が重要です。加えて、事業経営を実現するために、各事業にヒト・カネのリソース配分を行うための仕組み(タレントマネジメントやROIC等のポートフォリオマネジメント、ジョブ型の人事制度等)と、経営を支えるパートナーの存在が重要になると考えます。
ヒト・組織という観点では、CEOはCHROが支え、事業責任者はHRBP(ビジネスパートナー)が支えるという仕組みが必要です。人材版伊藤レポート(※)でも指摘されているように、これまでの人事は役割範囲が狭く、戦略を共に実現するパートナーとして認識されてきませんでした。人の側面からいかに事業を支えるかという視点が必要不可欠になっており、専門性が高い機能があれば、より戦略は加速していきます。
戦略に柔軟に対応できる組織能力を獲得し、事業変革を実現する
グロービスでは、事業変革の実現に向けて、「経営者が新しい戦略・方向性を創るプロセス」、「創った戦略や方向性を組織に浸透させ、メンバーがコミットできる状態を創るプロセス」を伴走・支援しています。誰をどのポジションにつけたら組織がうまく機能し、戦略が実現できるか。何を組織的に行い、どのような能力・マインドを持った人材をいつまでに、どう育成していくのか。これまで多くのお客さまの変革に伴走・支援し続けた経験、培ってきた知見を持って、各社の経営陣や人事の皆さまと活発に意見交換しています。
これからは、戦略の優劣よりも、「戦略に柔軟に対応できる組織能力をいかに獲得するか」が事業変革の実現の成否を分けると思います。多くの企業が実行力ある組織に変わることができれば、日本企業はもっと強くなると確信しています。
私たち、グロービスは、「事業を変革する人・組織を、創る。」をコンセプトに、人・組織の観点から、企業競争力を高める取り組みを行っています。貴社の事業戦略や変革実現に向けて、「伴走するパートナー」として、ぜひご一緒させてください。
(※)経済産業省が2020年9月に公表した、「持続的な企業価値の向上と人的資本に関する研究会報告書」の通称名