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東京海上日動あんしん生命保険株式会社

環境が激変する生命保険業界において自社が末長く発展するために、先陣を切って学びの場にチャレンジ

東京海上日動あんしん生命保険株式会社
東京海上日動あんしん生命保険株式会社

執行役員 関東営業部長 原田 政人さん

受講科目:ミドル・マネジメント・プログラム(2022)

※部署・役職はインタビュー当時

まとめ
業種
  • 金融
受講科目
  • ミドル・マネジメント・プログラム(MMP)
受講形態
  • オンライン
課題
  • 経営会議の場で、自分の経験則でしか議論ができていなかった
  • DXなど環境の変化を捉え、これまでとは異なる営業戦略を立てるミッションがあった
受講内容
  • 消費財メーカーのマーケティング戦略を学び、「こんなにもコンセプトを練り込むのか」と衝撃を受けた
  • 新商品開発のケースで、「保険業界もまだまだ新商品開発できる」と考えを改めた
  • オンラインクラスは全員の顔を覚えやすく、意見も把握しやすい。学習効果は十分に高いと感じた
成果
  • 経営会議で、経験則に頼らない議論ができるようになった
  • 他社の皆さんとの議論を通して、自分に足りない価値基準に気づくことができた

背景と課題

執行役員として、首都圏の営業部門を統括する立場

当社に中途入社し、営業部門を中心に経験を重ね、15年ほどが経ちました。

2022年4月に執行役員となり、首都圏の営業部門を統括する立場になりました。経営会議や役員間のミーティングの場で、当社の経営にまつわる議論を重ね、営業現場の改善につなげています。

経営会議の場で、経験則でしか議論ができない点に課題を感じていた

執行役員になり、自分がレベルアップしなければならないと日々痛感していました。経営会議の場で、自分の経験則でしか議論ができていなかったのです。

執行役員は、これまで経験してきた部門以外も俯瞰した、全社視点が求められます。経験がない分野であっても、一定の物差しや判断軸をもって経営を考え、議論できるようにならなければならないと考えていました。

DXなど環境変化を捉え、これまでとは異なる営業戦略を立てるミッションがあった

また、私が統括する営業部門が成長するためにも、自分自身のアップデートが必要でした。生命保険業界は、DXの進展等環境が大きく変化する中で、お客様へより大きな付加価値を提供するために、ビジネスモデルの変革が迫られています。

生命保険は無形商材です。これまでのようにお客様との信頼関係を築きつつも、これからはデータを積極的に活用して、最適なタイミングでお客様一人ひとりに合ったオーダーメイド型の保険をご提案できなければ、お客様から選ばれない時代になりました。営業担当者に求められるスキルのレベルが、一段も二段も上がっているのです。

私自身がこうした環境の変化を捉え、これまでとは異なる営業戦略を立てるミッションがあることも実感していました。

事前準備と受講内容

執行役員の役割を全うすべきか、学びに時間を使うべきか葛藤

人事部門の担当者から話をもらったことがきっかけです。人事部門が部長以上の役職者が外部で学ぶ機会を検討しており、私に声がかかりました。

その時、私は執行役員に就いてまだ3か月でした。ようやく会社の全体像が見え、今後やるべきことを描き、いよいよ実行に移していくタイミングだったので、「グロービス・エグゼクティブ・スクール(GES)に通いませんか」と話をもらった際には正直なところ即答できず、考える時間をもらいました。執行役員としての役割に全力を注ぎたい気持ちと、自分は圧倒的にスキルが足りないという気持ちとの間で、葛藤していましたね。

家族と常務の後押しで、MMPの受講を決意

そんな自分の背中を押してくれた出来事が、2つありました。1つは、私の家族からの後押しです。偶然にも実家で兄と話す機会があり、GESの受講を迷っているとの話を何気なくしたら、兄が以前にGESを受講していたことを聞かされました。クラスの様子も詳しく教えてくれ、最後に「大変だったけど、受講した方がいい。もっと早いタイミングで受講してもよかったと思うよ」

そしてもう1つは、常務からの言葉でした。当社が今後も発展し続けるには、管理職層の成長が不可欠であること。そして、今の部課長層が経営を担うようになるまでの道筋を作ってほしいということ。こうした言葉が、受講の決め手になったように思います。私が外部のビジネススクールで先陣を切って学ぶ姿を見せ、部下たちが後に続くことで、後進を育てる流れを作るべきなのだろうと感じました。

多くの管理職層を育成するという背景から、対象層が広い「ミドル・マネジメント・プログラム(MMP)」をあえて選びました。私がMMPを受講しておくことで、今後、部課長層が後に続きやすくなると考えたのです。自分自身の成長だけでなく、会社の継続的な成長のために、一歩を踏み出しました。

GESは「業務に活かすための思考や訓練の場」

会社の将来を見据えて受講を決めたものの、目の前の業務との両立はやはり不安でした。ところが受講を始めてみると、その不安は、「仕事と学びとを分けて考えていたから生じていたものだった」と気づかされたのです。

これまでも様々な社内研修を受講してきましたが、「研修のために時間を割かなければならない」という気持ちで、業務とは別のものとして取り組んでいたように思います。ところがGESでは、学ぶ内容と当社の戦略や課題とがつながっていることを理解してくると、どうやって両立させようかという気持ちそのものが消えていきました。回を重ねるごとに、業務に活かすための思考や訓練の場であると感じるようになったのです。

顧客価値を基軸とした、マーケティングの考え方が学びになった

受講内容で特に印象に残っているのは、マーケティングです。
消費財メーカーを題材にしてマーケティング戦略について学び、有形商材はこんなにもコンセプトを練り込んで考えているのか、と衝撃を受けました。また、競合と比較して自社のポジショニングを考える際も、お客様へ与える価値を基軸に考える点が学びになりました。

この学びを自社や保険業界に引き寄せて考えると、お客様が保険に求めることをもっと突き詰めて考える必要があると気づきました。ポジショニングを考える際も、年齢や家族構成といった属性だけでなく、お客様の価値観や嗜好性にも踏み込んで考えなければなりませんね。

他の回では、これまで世になかった商品を次々と生み出す組織のケースにも触れ、保険業界も前例のない商品開発はまだまだできるのだろうと勇気をもらいました。

オンラインクラスは仲間の顔を覚えやすく、全員の意見を把握しやすい

また、私はオンラインで受講し、その学習効果の高さに感銘を受けました。グロービスの知見が詰まった進め方がスムーズで、一切のストレスなくクラスに集中できました。また、一緒に受講する仲間をカメラで一斉に見られるので、顔を覚えやすいですね。皆、この点は納得しているな、ここは理解していないのだろうな、という様子も感じられます。これはオンラインならではの良さだと思いました。

チャット機能もいいですね。リアルだと話が長くなってしまいがちですが、チャットは全員の意見を端的に把握できます。受講仲間との交流の面ではリアルに会う方がいいのかもしれませんが、オンラインの学習効果は十分に高いことを実感しました。

成果と今後の展望

GESでの議論を通じて、自分に足りない価値基準に気づくことができた

他社の皆さんとの議論を通して、同じ問いに対する意見が様々であることを感じ、自分がいつの間にか「自社の色に染まっている」と痛感しました。

たとえば、ある経営判断をする際、利益優先に考える人もいれば、理念を重視する人もいます。思考の癖や価値基準、何を優先的に考えるのかなど、誰もが偏りをもっているのですね。

「論語と算盤」と言われるように、経営は理念と利益追求の両方が必要ですが、ふとした意見にその人の価値観がにじみ出るように感じました。

私は保険業界一筋でキャリアを歩んでいます。歴史の長い業界ですから、脈々と築き上げられている価値観があるのでしょう。しかしながら、それを客観的に見ることは滅多にありません。GESでの議論は、自分に足りない価値基準に気づく貴重な体験となりました。

経営会議で、経験則に頼らない議論ができるようになった

こうした学びや気づきを経て、経営会議などでは経験則に頼らない議論ができるようになったと感じています。

具体的な結果を出すのはこれからになりますが、当社の将来像を描くにあたって、今回の学びはすべて活かせる手応えが得られました。

お客様に選ばれ続けるため、変革をけん引するリーダーでありたい

今後10年ほどの間に、生命保険は存在価値そのものが変わっていくでしょう。

お客様が病気に罹患したときだけ接点をもつのではなく、モバイルアプリなどによって、常にお客様と繋がる状態が既に実現されています。病気の時に保障が受けられる安心感だけでなく、ほしい情報が得られたり疑問に答えてもらったりすることも含めた安心感へと、提供価値のレベルを上げていく必要がありますね。

当社のビジネスモデルも、大きく改革しなければいけないタイミングが訪れると思います。他社との提携もあるかもしれません。今後、そうした変革をけん引する存在でありたいと考えています。歴史の長い業界ですので、従来のやり方との摩擦は少なからず起きると思いますが、それを乗り越え、お客様に選ばれる会社であり続けたい。自社の将来像を描き、それを実現するリーダーになりたいと思います。