学びを生かし、メンバーのスキルアップの仕組みを構築。テクノロジーの進化に合わせ、自社も自身もメンバーも変革を。
ディストリビューション&DX本部 ディストリビューションストラテジーセンター 海外営業部 部長 津田 郁子さん
受講科目:ミドル・マネジメント・プログラム(2021)、テクノベート・マネジメント・プログラム(2021)
※部署・役職はインタビュー当時
- 電子/電気機器
- ミドル・マネジメント・プログラム(MMP)
- テクノベート・マネジメント・プログラム(TMP)
- リアル
- 論理的、定量的に考える経験が少なかった
- その結果、事業戦略の策定において、意思決定がうまく行かないことが増えていた
- 動画学習の知識を、受講者同士の議論で実践できた
- 他社との議論を通じて、企業文化の浸透が自社の強みであると再認識できた
- 学んだフレームワークを生かし、メンバーのスキルアップの仕組みや、部内の各種制度を整備した
背景と課題
海外営業部門の部長として、国内外のメンバー60名弱をマネジメントする立場
海外営業部門の部長として5つの事業の責任者を務めており、メンバー60名弱のマネジメントをしています。コロナ禍が落ち着いてからは海外出張にも行 き、海外拠点のメンバーとも直接コミュニケーションを取っているところです。
当社には、海外でチャレンジしたいという思いを抱いて新卒入社し、国内営業部門や経営戦略部門で経験を積んできました。経営戦略部門では科学事業のグローバル戦略立案を担当した後、2022年から海外営業部門を統括しています。
論理的・定量的に考える経験が不足し、意思決定がうまく行かないことが増えていた
当時担当していた事業戦略の策定において、議題が大きいほど、あるいは関与するメンバーが多いほど、意思決定がうまく行かないことを痛感していました。
当社は「おもしろおかしく」という社是を掲げ、常にやりがいをもって仕事に取り組むことを大切にし、何事も手を挙げた人が実行していく社風です。
私はこの社是に惹かれて入社し、自分の意思で仕事の幅を広げてきたように思います。ところがキャリアを積み重ね、対峙する課題が大きくなるにつれて、今の自分のままでは解決策や実行計画を考えきれず、事業を前に進められないと感じる場面が増えていました。
その理由を考えてみると、私は物事を推進するためのパッションは十分にある一方、論理的、定量的に考える経験の少なさからスキルが不足していたことが挙げられます。ロジカルさがあるからこそ関係者間で合意に至り、戦略を聞く立場である社員も納得し、実行に移していけるのだろうと感じていました。
役職の変化に対応するため、動画学習での学びを実践に生かし 成果に繋げたいと感じていた
当時はちょうど、海外営業へのより直接的なチャレンジを打診されていたタイミングでもありました。海外事業の成長戦略を策定し、海外営業部門の役割をどう変えどのように付加価値を示していくのかを議論していた立場から、実行する立場に移ろうとしていた時期だったのです。
また、以前から個人で動画学習サービス(GLOBIS 学び放題)の有料会員になって動画視聴をしており、知識が増えていくにつれ、得た知識を実践に生かして 部員と共に成果を上げていきたいと思っていました。
事前準備と受講内容
「講師や他社の受講者との対話から学べることが多い」と姉から聞いていた
そのような課題を感じている時に人事部門から、ミドル・マネジメント・プログラム(MMP)とテクノベート・マネジメント・プログラム(TMP)の、2つのプログラムを受講する話をもらったのです。
議論への不安と実践への楽しみを共存させつつ、通学を開始
TMPに関しては、技術面での具体的な議論になった際にどこまでついていけるだろうか、という不安がありました。
しかしながら、技術革新がビジネスにどのような影響を与えているのかを学び、ケースで実践できることへの楽しみの方が大きく、ワクワクとした気持ちをもって初回を迎えたことを覚えています。
動画学習で蓄えていた知識を、受講者同士の議論で実践できた
GLOBIS 学び放題で蓄えていた知識をクラスで実践できたことは、良い体験になりました。知識を得ることと、ケースを通して考えることは、大きく違うものですね。受講して初めて納得できたことも多くあり、自分の視野の狭さも認識できました。
こうした気づきを多く得られたのは、私たち受講者が活発に議論し、学びに没頭できるよう講師がファシリテートしてくれたことも大きかったと思います。他のメンバーの意見から多くの刺激を受けましたし、多様な意見を集約してひとつの結論を出す経験ができたことも、良い学びになりました。
自社の強みは企業理念が浸透していることなのだと、他者との議論で再認識できた
組織文化について議論する回では、クラス内の様々な意見を目の当たりにして、会社によって社風はここまで違うのかと感じさせられました。それぞれの考え方の背景には業界の慣習が影響していることを感じられたのも、面白い体験でしたね。
この回の学びはとても印象に残っており、HORIBAは企業文化を重視している企業であることを改めて感じました。当社の社員は誰もが企業理念を理解し、組織風土を大切にして仕事をしています。その一方で、理念浸透が思うように進まず、悩んでいる企業もあると気づくことができました。
成果と今後の展望
テクノロジーの進化によって、顧客も競合も変化していることを再認識
特にTMPでは、自社に対する脅威が増えていることを実感しました。
当社が深く関わっている産業界は、テクノロジーの進化によってお客様が求める価値が急速に変化しています。特に自動車産業は変革の真っ只中です。これまで競合だと認識していなかった企業の新規参入によって業界勢力図が一気に変わる可能性も大いにあり得るのですよね。
今後、自社をどう変革していくべきかを考えるための、実務に直結する学びが得られました。
クラスで学んだフレームワークを業務で実践。メンバーのスキルアップの仕組みを構築した
2つのプログラムを受講した半年間は、海外営業のビジョン策定に携わっていたので、学んだことを即実践することの繰り返しでした。
クラスで学んだ7Sというフレームワークなども生かして、メンバーのスキルアップの仕組みや、部内の各種制度を整えていきました。論理性のある戦略を描くために、学びを実践しています。
海外ビジネスを成長させるために、変革し続けるリーダーへ
当社では、次の中期経営計画を控え、事業体制を組み替えていっています。これに伴い、海外営業部門の組織も変えていくことになります。事業戦略が各機能に落とし込まれ、海外グループ会社も含めた現場が迷わず実行できる体制とプロセスを考えることが目下の課題です。
海外ビジネスを成長させるために、私自身は変革し続けるリーダーになりたいと思っています。変化が激しい時代ですので、環境が変わればゴールを変え、部下が変わればマネジメントスタイルを変えていくなど、変化に対して柔軟な自分であり続けたいですね。
また、最新技術と地政学リスク、それらに伴う市場の変化にも常にアンテナを張り続け、ビジネスチャンスを捉えていきたいと思います。
社内のメンバーには、評価を気にするよりも、まずは自分が何を成し遂げ、どうありたいのかを考えるよう伝えています。そうすれば自ずとリーダーシップが育まれ、フォロワーが集まり、成果が生まれると思うのです。メンバーとこうした対話を重ねることで組織を成長させ、次世代のリーダーを育てていくことも私の役割だと考えています。