受講で気づけた、ファシリテーションスキルの伸び代。経営幹部から現場まで円滑にコミュニケーションし、全社ビジョンの実現へ邁進する
- インフラ/物流
- ミドル・マネジメント・プログラム(MMP)
- オンライン
- 土地の取得や資産管理をする用地部の業務において、ファイナンスや経営戦略のスキルアップが必要だった
- 秘書室に異動し、経営に近い立場で仕事をする中で、この課題感を更に痛感した
- 受講によって、当初の課題感にはなかったファシリテーションスキルに伸び代があると認識
- 多様なメンバーと学ぶことで多くの刺激を受け、成長意欲をもつことができた
- 経営幹部から現場まで、幅広いステークホルダーとのコミュニケーションに学びが生かされている
- 全社ビジョンの実現に向け、多くの意見を取り入れながら新しい価値を生み出せるリーダーになっていきたい
背景と課題
送電に必要となる土地の取得・管理をする業務に従事
中部電力に入社後、キャリアの大半を用地部で歩んできました。送電に必要な鉄塔や変電所などを建てるための土地の取得と管理をする仕事です。具体的には、土地の取得にあたって地権者と交渉し、契約を結び、取得した土地を永く管理するといった業務内容になります。
数年前には本店の秘書室へ異動し、様々な部門と調整する仕事を経験しました。その後、再び用地部に戻り、現在はグループ長を務めています。
ファイナンスや経営戦略のスキル不足を痛感していた
用地部では、土地という資産がどのように計上されるのか、取得した土地を活用することにより、将来どのくらいの収益を生み出すのかを考えるため、ファイナンスの知識が必要になります。
これまでは業務を通してスキルを得てきたものの、不十分であることを感じており、いつか学ばなければいけないと思っていました。しかしながら、書籍ひとつとっても膨大な種類があり、何から手をつければいいのかが見えていなかったのです。
また、当社の「経営ビジョン2.0」では、地域や社会の持続的な発展へ貢献することを目指すため、電気事業以外にもビジネス領域を広げようとしています。このビジョンを実現するにあたり、経営戦略のスキルも足りないことも感じていました。
課題感にマッチしていると感じ、受講を決意
グロービス・エグゼクティブ・スクール(GES)を受講したのは、秘書室に在籍していた時期、私の上司から話をいただいたことがきっかけでした。
上司からは、GESはかなり負荷が高いスクールだと聞いていました。ですがカリキュラムが自分の課題感にマッチしていること、また当時は全社経営を間近に感じる環境で、成長の必要性を痛感していたこともあり、迷わず受講を決断できました。
事前準備と受講内容
実例をもとにして学ぶことで、興味深く取り組めた
GESは予習や復習が大変だと理解していたものの、予習の案内をもらうとその負荷の大きさを肌で感じ、「これはしっかり学ばないといけない」と気が引き締まりました。
マネージャーになったばかりの忙しい時期に受講するので、予習や復習は、平日の昼休みなど隙間時間をフル活用するとともに、休日にも時間を作って進めました。ただ、たしかに負荷は高かったものの、ビジネスの実例をもとにした課題ばかりで、興味をもって取り組めたのは良かったですね。様々な業界のビジネスモデルを知ることは新鮮で、楽しく経営を学ぶことができました。
受講によって、ファシリテーションスキルに伸び代があると気づけた
ファイナンスと経営戦略に課題感をもっていたものの、実際に受講がスタートすると、ファシリテーションのスキルにまだ伸び代があることに気づきました。
長くキャリアを重ねていると、会議や交渉の進め方にも「自己流」ができてしまっていて、それを振り返ることもしていませんでした。ですがロールプレイの演習を通して、自分の改善点が浮き彫りになりました。
私は考える前に行動してしまうタイプで、課題を表面的に捉え、すぐに打ち手に走ってしまう癖があります。以前から感じていたものの、やはり改善すべき点なのだと納得しました。人を巻き込んで話を進める前に、イシューをしっかり整理すべきだと常に意識できるよう、メモに書いて今も持ち歩いています。
また、自分の課題として認識していたファイナンスや経営戦略についても、期待通り、スキルを得られました。企業戦略には財務や会計が密接に関係しますから、これからキャリアを積み重ねていくにあたり、更に学び続けるべきだとも感じましたね。
業界もエリアも多様なメンバーから多くの刺激を得られた
様々な業界でリーダーとして活躍している皆さんと一緒に学べたことも、貴重な機会となりました。オンラインクラスを選んだので、業界だけでなくエリアも様々で、海外から受講しているメンバーもいるなど多様性に富んだクラスでした。
社外で学んだからこそ得られた気づきは、自分が身を置いている環境によって、物事の捉え方は変わるということです。私と同じエネルギー業界のメンバーは安全性を最優先するなどの考え方が似ている一方、別業界の方々は違う価値観をもっていました。
また、私が課題に感じていたファイナンスについては、講師だけでなく、経験豊富な金融業界のメンバーからも多くのことを学ばせてもらいました。数字に対する解釈が論理的で、知識をビジネスへどう落とし込むのかの考え方も勉強になりました。
GESは、責任が大きく多忙であるはずのメンバーが成長機会を求めて学ぶ場で、大きな刺激を受けました。受講を終えて数年経った今も、真剣なディスカッションを重ねていた当時を思い出すたびに「自分もまだまだがんばらないといけない」と感じます。
成果と今後の展望
事業の転換期において、自分の役割を深く考えられるように
マネージャーになって間もないタイミングで経営を学べたことは、良かったと思っています。今、エネルギー業界全体が転換期を迎えており、当社も事業の幅を広げようとしています。用地部門においても用地交渉業務を専門とする会社を設立するなど、新たな動きが続々と出てきているのです。
GESで得られたスキルをもとに、自分は今後どのような役割を果たすべきなのかを深く考えられるようになりました。
経営視点と現場視点を往復させながらコミュニケーションをする
現場を司る私の役割は、経営が抱える課題を現場の業務執行に落とし込むことです。
用地部が経営にどう貢献しているかを幹部と議論し、現場のメンバーとは課題認識を揃え、日常業務が部門戦略とどう関係しているのかを伝える。相手によって物事を捉える視点を変え、伝えるメッセージも変えていくことを強く意識しています。
こうしたコミュニケーションにあたっては、クリティカル・シンキングやファシリテーション、経営戦略のスキルが大いに役立っています。課題の捉え方が揃うと、施策がスムーズに進むことを実感しているところです。
多様な意見を取り入れながら、新たな価値を生み出すマネジメントをしていきたい
当社が事業の幅を広げて地域社会により貢献し、収益構造を変えていこうとしている中、社員一人ひとりの考え方も転換していかなければなりません。正解がなく、難易度が高い事業環境ですが、自分の考えや過去の経験に固執することなく、多くの意見を取り入れ、新しい価値を生み出すためのマネジメントをしていきたいと考えています。
そして、自分自身としては、当社のビジョン実現に貢献することができるよう、ファイナンスや経営戦略のスキルを更に磨いていきたいと思っています。