「グロービス学び放題」を昇格要件に。半年で2,800件の受講コメントを生んだ、東宝の自律学習の仕組みとは

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東宝株式会社

【東宝株式会社様】※写真中央
コーポレート本部 人事部 人材戦略室 人材開発グループ 岡林 孝治郎さん

【グロービス担当】※写真右から
上野 勝哉
池田 菜々


「映画会社」から「グローバルIP企業」への転換を進める東宝株式会社。アニメ市場の世界的な拡大やIP(知的財産)の価値向上など、ビジネス環境が大きく変化するなか、2025年6月に人事制度を刷新し、職能資格制度から役割等級制度へと移行しました。この人事制度の刷新に伴い、同社は「GLOBIS 学び放題(以降、グロービス学び放題)」を導入し、研修受講を各等級における昇格の必須要件としました。導入から半年で2,800件もの受講コメントが寄せられるなど、熱量の高い自律学習を引き出した研修体系の構築・運用について、お話を伺いました。(※所属、役職は取材当時のものです)

課題
  • 事業環境の変化に対応するため、次世代のリーダーをどう育てるかという人材育成の方針をアップデートする必要があった
  • 役割等級制度の導入に伴い、各等級の昇格要件に対応した学習機会の提供が急務となっていた
  • 各部署に点在していた知見を全社的な資産として活用するために、知見の集約が必要だった
導入理由
  • 昇格の必須要件として、ビジネスの原理原則を「高水準かつ均一な品質」で体系的に学べる信頼性があったため
  • 社員が迷わず自発的に学べる環境を整え、自律的なキャリア形成を支援するため
  • 知見を共有し学び合う文化醸成の第一歩として、いつでもどこでも学習でき、知識が確実に定着する学習環境を構築する必要があったため
活用方法
  • 学習管理システム「GLOPLA(グロプラ)」も同時に導入し、等級ごとに必要な研修を「ラーニングパス(目的別にパッケージ化したコース群の総称)」として提供した
  • 各部署に散在していた社内セミナー動画やナレッジを集約し、全社で活用できる基盤を構築
  • 「上映会機能」で複数人が同じコンテンツを学べる場を創出し、学習への心理的ハードルを下げた
導入後の効果・成果
  • 社内に「学びのインフラ」が整ったことで、昇格要件という枠組みを超えて「自分のキャリアのために学ぶ」という自律的な学習姿勢に移行した
  • 多忙な現場でも学びへの熱量が高く、必須コンテンツ以外の受講も進み、半年で合計2,800件もの受講コメントが寄せられた
  • 知識の蓄積・共有に対するハードルが下がり、一部の部署では現場主導で独自のコンテンツを共有する動きも始まっている

「映画会社」から「グローバルIP企業」へ。エンタメビジネスのプロとして、新たな視座を促す学習環境の整備に注力

御社を取り巻くビジネス環境についてお聞かせください。

コーポレート本部 人事部 人材戦略室 人材開発グループ 岡林 孝治郎さん

岡林さん:「グローバルIP企業」への転換を目指すなか、人材に求められる視座も大きく変容しています。これには大きく3つのポイントがあると考えています。
1つ目はアニメ市場の世界的な拡大です。配信プラットフォームの普及により、日本のアニメが同時多発的に世界へ届くようになりました。
2つ目はIP(知的財産)の重要性の高まりです。「ゴジラ」のような強力なIPを自社で育て、その価値を最大化させることが経営の重要テーマになっています。
3つ目はお客様の可処分時間をめぐる競争です。SNSやゲームなど多様なサービスが台頭するなかで、映画館でしか味わえない体験価値の提供が一層求められています。

こうした変化を受け、当社は「映画会社」から「グローバルIP企業」へと転換していく過程にあり、これまでの延長線上ではない「新たな視座」を持った人材の育成が不可欠となっています。そのため、社員一人ひとりの力を最大限に引き出し、発揮できる制度や環境の整備が、重要な課題になっています。

人材育成における課題について教えてください。

岡林さん:課題は3つありました。
1つ目は多様なキャリアパスへの対応です。従来は年次に応じた一律の教育が中心でしたが、役割等級制度の導入によって、個々の志向や専門性に合わせて、自律的にスキルを習得できる機会をどうつくるかが急務になりました。
2つ目は教育リソースの最適化です。各部署やプロジェクトごとに蓄積されてきたノウハウやセミナーが点在しており、全社資産として活用しきれていませんでした。
3つ目は人材育成方針の再定義です。変化の激しい環境のなかで、エンタメビジネスのプロとしての視座を持つ次世代リーダーの育成のために、方針そのものを時代に合わせて見直す必要がありました。

具体的にどのような人材育成に取り組まれているのでしょうか?

岡林さん:現在は大きく2つの柱で取り組んでいます。
1つ目は2025年6月の人事制度刷新に合わせた研修体系の再構築です。「成長・自律・安心」をキーワードに役割等級制度を導入し、各社員に求められる役割を明確にしました。それに連動して、等級ごとに実践的な研修体系の構築と運用を進めています。
2つ目は中期経営計画2028で掲げている企業内大学「東宝大学」の総合大学化です。これは単なる研修制度ではなく、若手から管理職までが事業の垣根を越えて学び合い、知見を共有するプラットフォームとして機能させたいと考えています。今回の取り組みは、その基盤づくりの意味合いも大きいです。

「昇格要件としての信頼性」が最大の決め手に

eラーニングサービスの選定にあたり、どのような点を重視されましたか?

岡林さん:最も重視したのはコンテンツの「質」です。今回は人事制度の根幹に関わる昇格要件としての導入ですから、信頼できるコンテンツであることが大前提でした。
具体的には、各等級に必要なテーマを網羅できているか、内容が時代に合わせて適切に更新されているか、といった観点で比較検討を行いました。人事部内でのトライアルでも、グロービス学び放題はどの講座も一貫して高いクオリティが保たれているという安心感がありました。
これに加えて、画面の操作性やUIの使いやすさも重視しました。その理由は、受講者が日常的に使うスマートフォンなどのインターフェースと同様に、学習環境も直感的で優れたユーザー体験が求められると考えたためです。これが受講意欲の維持に不可欠だと考えました。

数あるサービスのなかから「グロービス学び放題」を選定された理由をお聞かせください。

グロービス学び放題のコンテンツラインナップ

グロービス学び放題のコンテンツラインナップ

岡林さん:最大の決め手は「昇格要件としてのコンテンツの信頼性」です。昇格要件に使う以上、学びを定着させていく仕組みが備わっていることは重要でした。当初はグロービスに対して「アカデミックで“堅い”教材が多いのではないか」という先入観があり、正直なところエンタメビジネスの当社にフィットするのだろうかという懸念もありました。
しかし、実際にトライアルで多様なコンテンツを視聴してみると、その不安は払拭されました。そこには、昇格前後の社員が即実践できる学びが豊富に用意されていたからです。ビジネスの原理原則を体系的に習得できるだけでなく、各所に配置された「理解度確認テスト」によって、単なる“流し見”では修了できない設計になっています。この「学習の形骸化を防ぎ、ポイントの理解と確実な定着を促す仕組み」こそが、公平性が求められる昇格要件の運用において、非常に適していると確信しました。

多角的な施策で受講を促進し、自発的な学びの文化を醸成

受講促進のために、どのような工夫をされていますか?

岡林さん:まずはサービスを浸透させることが重要だと考え、ログイン率80%を目標として設定しました。そこで最初に取り組んだのが、多忙な現場社員が隙間時間にスマートフォンで手軽に受講できるよう、アプリ利用の許可を社内の情報システム部門と調整することでした。
また、昇格要件や評価制度に関する各種説明会の場で、グロービス学び放題について定期的に周知を行いました。さらに、学習管理システム「GLOPLA(グロプラ)」で各等級別のラーニングパス(※1)を設計し、必要な研修に迷わずアクセスできる導線を整えたことで、社員が「何を学べば良いか」を理解しやすくなりました。上映会機能(※2)も積極的に活用しており、1人ではなかなか始められない社員のログインのきっかけになっています。匿名でコメントし合える点も好評で、仲間と学ぶことで学習文化の活性化にも繋がっています。

※1 ラーニングパス:目的別にパッケージ化したコース群の総称
※2 上映会機能:同じ組織の受講者同士がリアルタイムで同じ動画を視聴し、チャットで交流できる機能

予想を超えた「学びへの熱量」と、学習文化の活性化

今回の施策を通じて、社員の学習行動や数値に対する変化はありましたか?

コーポレート本部 人事部 人材戦略室 人材開発グループ 岡林 孝治郎さん

岡林さん:一番の発見は、社員の「学びへの熱量」が予想以上に高かったことです。導入前は、多忙な社員も多く、昇格に必要な最低限の受講に留まるのではないかと想定していました。しかし実際には、昇格要件として設定した必須コンテンツは着実に受講され、そのうえで必須以外のコースを学ぶ人も大勢いました。社員の熱量が目に見える形で現れたのがコンテンツに対する受講コメントの多さです。導入1か月で約600件、半年で2,800件にのぼり、グロービスのカスタマーサクセスの方からも驚かれるほどでした。「もっと早くこのコンテンツに出会いたかった」「この講師の話をもっと聞きたい」といった前向きなコメントも多く、良質なコンテンツによって学ぶ意欲を引き出せたと感じています。

「グロービス学び放題」を導入して、どのような価値を実感されていますか?

岡林さん:社内に「学びのインフラ」が整い始めたことが最大の成果です。昇格要件として必須のコンテンツを指定したことを受講のきっかけとしつつ、必須以外のコンテンツも幅広く学べる環境をつくることができました。「自分のキャリアのために学ぶ」という自律的な姿勢へシフトする足がかりができたと感じています。また、マネジメント系のコンテンツを受講した方から「自分はまだ現場の実務に集中していた」と行動を見直すコメントがあったり、マネージャー層から「部下にこのコンテンツを学ばせたい」といった具体的な相談が増えたりと、育成への関心も着実に高まっています。これまで体系的な教育の仕組みが十分ではなかった分、学ぶきっかけを得たことへの前向きな反応が多く、導入して本当に良かったと実感しています。
加えて、グロービスの営業担当やカスタマーサクセスの方には、定期的なフォローアップミーティングを通じて、目標達成に向けた具体的なアドバイスをいただいています。単なる導入支援に留まらず、「どうすれば社員に使ってもらえるか」という運用の定着まで伴走していただけたことにも感謝しています。

エンタメビジネスをけん引する次世代リーダー人材の育成を目指して

今後の人材育成の展望についてお聞かせください。

岡林さん:2025年10月にコーポレートスローガンを「Moments for Life その時間が、人生の力になる。」へと刷新しました。このビジョンを実現するため、まずは新人事制度の定着と「東宝大学」の本格稼働を成功させることが直近の目標です。そのうえで、世界を見据えたグローバルIP企業への転換に向けて、経営視点やグローバルな視点を持った次世代リーダーの育成を加速させます。
グロービス学び放題を単なるツールで終わらせるのではなく、グロプラを活用した「学びのプラットフォーム」を構築する構想です。社員が自律的に成長し、互いに知見を高め合う場として「東宝大学」を定着させ、東宝らしい人材の育成につなげていくことを見据えています。
グロービスには、時代を先取りするコンテンツを期待するとともに、「東宝大学」を一緒に育てていく良きパートナーとして、これからも伴走いただけると心強いですね。

【グロービス担当者の声】

東宝様の取り組みで最も印象的だったのは、職能資格制度から役割等級制度へ人事制度を刷新される大きな転換点において、学びが循環する仕組みを短期間で立ち上げられた点です。昇格要件とする以上、受講者である社員の皆様の納得感を得られる品質と公平性、そして学習を形骸化させない設計が欠かせません。トライアル段階からグロービス学び放題の一貫したクオリティや学びやすいUIを高く評価いただき、「これなら昇格要件として運用できる」と確信いただけたことが、導入の後押しになったと感じています。

運用面では、グロプラを併用し等級別にラーニングパスを整備したことで、「何を学ぶべきか」が明確になり、受講開始までの迷いが大きく減りました。また、アプリ利用による「手軽に学べる環境」や、上映会機能や匿名コメントといった「他者の存在を感じる仕組み」を構築しました。このような取り組みによって、個人で学び始める心理的ハードルが下がり、「社員の自律学習」が浸透する初速に繋がっているのではないかと思います。

結果として、導入半年で2,800件もの受講コメントや社員の皆様からのポジティブな声が上がっているのは、丁寧な運用設計に加えて、社員の皆様の学びが進むように人事の皆様が適切にサポートをされてきたからだと思います。今後「東宝大学」の構想が進むなかでも、グロービス学び放題が社員の皆様の自律学習により寄与できるよう、引き続き伴走してまいります。

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