研修業務効率の改善とデータの活用が生み出すリクルートの新しい人材開発・組織開発

研修業務効率の改善とデータの活用が生み出すリクルートの新しい人材開発・組織開発

株式会社リクルート
人事 横断人事統括室 人材・組織開発室 室長 兼ヒトラボ ラボ長堀川 拓郎さん(写真左)
人事 横断人事統括室 人材・組織開発室 人材・組織開発部石原 苑子さん(写真右)
導入実績

2021年の組織統合に際し、各事業会社の研修の多くを全社で統合。以前よりグループ各社で独自の運用を行っていた自由選択型研修『リクルートビジネスカレッジ(RBC)』を完全にオンライン化して統合した。研修管理の一元化、オペレーション工数の削減を目指しグロービスのLMS『GLOPLA LMS』を導入。『GLOPLA LMS』に『グロービス学び放題』の全コンテンツ、自社オリジナル研修コンテンツを加え、従業員の自律的な学びの機会の提供に活用している。2021年5月より、全従業員約1万6000人を対象とした研修環境の構築を進めており、順次対象者の受講がスタートしている。

この記事のサマリー
  • グループ7社の統合により、研修とその運用を一元化
  • 研修事務局は増員することなく、研修運営をスタート
  • オンラインの研修情報を集約し、受講者が「学び」にアクセスしやすい環境を実現
  • 今後はデータを活用し、社員の自律的なキャリア形成の支援を目指す

株式会社リクルートは2021年4月に主要な中核事業会社・機能会社7社を統合。「新生リクルート」としての人材開発や組織開発の方向性、新たな人材マネジメントポリシーを打ち出すと同時に、LMSによる研修運営の効率化を推進しています。『GLOPLA LMS』の導入によって同社の研修運営や人材開発がどう変わっていくのかを伺いました。

メールやExcelに依存するオペレーションから、システムでの一括管理へ

— LMS導入の背景を教えてください

堀川さん(以下敬称略):2021年の組織統合、そして新しいリクルートの船出に際し、研修運用を一元化、効率化することになりました。それまでは研修の内容もオペレーションもグループ各社で違っており、データもExcelなどで管理されてはいるものの、散在している状態。研修事務局の体制は変わらないままで、従業員1万6000人を対象としてどのように研修を運営すれば効率的に進められるか、という課題がありました。

研修を受講する社員側にとっても、研修に関する通知はメールで行っていたため、受講すべき研修やそれに関連する情報がつかみにくい状態でした。全ての研修がシステムで一元管理され、それを見れば研修に関連する必要な情報が全て集まっている状態になればメリットが大きい、というのが『GLOPLA LMS』の導入を検討した背景です。

株式会社リクルート 堀川さん

— 『GLOPLA LMS』を選んでいただいた理由は何ですか

堀川:LMSの選定に際し、重視したポイントが3点あります。1つめが、オペレーションを標準化して研修運営を効率化できること。2つめは研修そのもののコストを削減できること。すべての研修をまったくのゼロから企画・開発すると莫大なコストがかかるので、低価格で実現できるかどうかも重要です。3つめが、研修のコンテンツや受講者に関するデータを可視化できること。この3つを軸に検討し、GLOPLA LMSを導入させていただきました。

研修事務局にとっては業務効率の向上、受講者にとっては研修への取り組みやすさ向上につながる

— LMSの導入により、どのような変化が生まれましたか。利用されている人事の方、受講者の方からの声などがあれば、ぜひお聞かせください

石原:人事にとってはメールを送ることが少なくなり、オペレーションの効率化が実現しつつあります。これまでは研修や事前課題、アンケートなどの連絡を各々メールで知らせていましたが、今は「『GLOPLA LMS』のユーザーページ、『マナベル※』を見てください」と伝えるだけ。そこにアクセスすればどういった研修があるか、どのアンケートに答えればいいかといった情報が集約されているので、人事側から発信する手間が省けています。研修対象者が増えると、こういった連絡のためのメールの工数がかかるため、大きな変化ですね。

受講者からは関連資料が1カ所にまとまっているのが便利だという声が寄せられています。『マナベル』を見れば、研修に関わる情報がすべてあるので、メールを検索する、情報を自分でまとめておく、といった手間がかかりません。研修後に復習したい時も関連資料が1か所にまとまっているので、学びそのものに取り組みやすくなったのではないでしょうか。現時点では一部の研修のみの利用となっていますが、今後活用する従業員が増えていくと思います。

※マナベル
LMSの社内呼称。LMSを通じて「自律的に学びを得る機会を提供する」ことから「学びを得る」→「学び得る」→「マナベル」と名称づけた

株式会社リクルート 石原さん

堀川:人事は目の前にあるオペレ―ティブな業務に時間を取られがちですが、今後は人事一人ひとりが事業戦略や現場の組織体制を深く理解し、そこに人事としてどのように貢献すべきかを考えていくことが重要だと思っています。研修運営業務の効率化によって空いたリソースを新しい施策の企画や検討といった未来に投資することで、事業戦略や現場によりコミットできるのが理想ですね。

業務と人材のマッチング精度を高めるデータ収集にも取り組みたい

— 今後のLMSによるデータ活用において、どのような展望をお持ちですか

堀川:LMSだけで実現できるかどうかは別の話になりますが、今回の統合のコンセプトの一つとして、リクルートは「機会はもっと広い」というコンセプトを掲げています。統合を機に1万6000人が集結することで、人と人との出会いや人と仕事の出会いなど、従業員にとって、多種多様な新しい機会が生まれます。また新しい出会いを通じた新たな進化も期待できます。そして、その「機会」を創出していくためには、まずは「人材の見える化、仕事の見える化」を進める。

例えば新たな業務にチャレンジしたい社員には、「まずこういったスキルを身につけた方がよい」と、必要な研修やトレーニングを提供したり、逆に、ある仕事を任せたい人材を探している時には、「こんなスキルを持っている人なら適任なのではないか」とアサインを勧めたり。つまり、仕事と人とのマッチングをより進化させるためにデータを役立てたいという構想があります。リクルートは価値の源泉を「人」であるとおいています。データを活用して、人と人、人と仕事の出会いを創出し、一人ひとりのポテンシャルを発揮することができたら良いなと考えています。

堀川 拓郎さん、石原 苑子さん

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