職種問わず誰でも使いやすいGLOPLA LMSで、社員の自律的な学習とキャリア構築を実現

職種問わず誰でも使いやすいGLOPLA LMSで、社員の自律的な学習とキャリア構築を実現

株式会社ワコール
キャリア開発一課 課長長谷川 万樹子さん(写真右)
キャリア開発二課 課長山本 純也さん(写真中央)
キャリア開発一課兵藤 法子さん(写真左)
導入実績

全社で取り組む「自律革新型人材」育成の一環として、2022年1月より、全国の店舗で接客を行うビューティーアドバイザー約3,000名の育成に『GLOPLA LMS』を導入。必須研修と公募研修をいずれも『GLOPLA LMS』で提供し、会社から貸与しているタブレットや個人デバイスで学習できる環境を整えた。

この記事のサマリー
  • 社内外の環境変化から、現場の社員(ビューティーアドバイザー)が自律的に学ぶ必要性が高まる
  • 別のLMSを導入済だったが、公募研修をLMS上で実現でき、あらゆる社員にとって操作しやすい点を重視し、新たに『GLOPLA LMS』を採用
  • 『GLOPLA LMS』導入により、受講者が前向きに学習するように。研修企画者も、受講者の意欲や理解度が把握できるようになり研修の質が向上した
  • 今後はさらに、自ら学び、自らキャリアを築いていく人材を増やしたい

株式会社ワコールは、インナーウェアを中心とする繊維製品の製造・販売を手がける、業界トップクラスの企業です。同社では、世の中の環境変化をふまえ、主体的に自己の能力を高め、挑戦を続け、キャリアを自律的に切り拓く「自律革新型人材」の育成に取り組んでいます。全国の店舗で接客を行うビューティーアドバイザー(以下、BA)向けの育成においては『GLOPLA LMS』を導入し、自ら学び、キャリアを切り拓く風土づくりを推進中です。LMS導入後の学習状況や研修運営の変化について、お話を伺いました。

自ら判断し、意思決定ができるビューティーアドバイザー育成を目指す

— LMS導入前の人材育成面での課題と、その背景にあるビジネスの状況を教えてください

山本さん(以下、敬称略):お客様の変化と、当社の経営方針をふまえ、全国約3,000名のBAが自律的に学習し、自らのキャリアを築いていく必要がありました。

コロナ以前はBAを各地の事業所に集めて、対面で研修を実施することが基本でした。ところが近年はお客様の特性やご要望が多様化し、店頭のみならずWebで購入されるお客様も増えつつあったところに、コロナ禍が直撃。当社の強みである対面接客ができない状況となったのです。

というのも、これまでは当社の先人たちが築いた“ワコール流”の接客ノウハウを受け継ぎ、業界でも圧倒的な地位を築いてきました。しかしこのノウハウは独自性も強く対面接客を前提としたものであったため、昨今の環境変化をふまえるとより一層BAがお客様一人ひとりの多様化するニーズに寄り添った接客ができる人材として、変化対応力を高める必要があると考えるようになったのです。そしてこのままではBAが環境変化に対応しきれず、ビジネスパーソンとしての基本スキルも足りないまま「井の中の蛙」になってしまうのではないかと懸念を抱きました。

また、コロナ禍の少し前からお客様と「深く広く長く」つながることを目的とし、ワコールでは販売体制の見直しや新たなシステムの導入を行っています。お客様もSNSを活用して、欲しい情報をリアルタイムで得られるようになり、BAは自店では取り扱っていない商品も近隣のどこの店舗で扱っているのかを把握するなど、より多くの商品知識に加えて、幅広い知識やITスキルが求められるようになりました。こうした社内外の変化から、BAが自ら知識を獲得して自ら判断できる「自律革新型人材」になる必要性が高まったのです。

かねてより、当社の人材育成は「WACOAL TERAKOYA(ワコール寺子屋)」と称して、基本を大切にし、実学と道学のバランスを大切にしながら自ら学ぶことを基本原則としています。これは、創業者の塚本幸一から受け継いでいる大切な考え方です。環境変化によって、BAがこの基本原則を実践するタイミングがまさに訪れました。

人事総務本部 ビューティーアドバイザー戦略室 キャリア開発二課 課長 山本 純也さん

長谷川さん(以下、敬称略):一方で、接客を行うBAは、店頭でお客様のご来店を待ち、お迎えする仕事であるため、業務の特性上、受け身の仕事スタイルになります。会社からの指示や日常業務は着実に進めてくれますが、自ら学ぶ、自ら成長するスタンスはどうしても持ちにくい傾向にあります。

お客様への応対に日々集中しているBAが、こうした業務特性を乗り越えて、主体性をもって学び、個々人のオリジナリティを発揮してもらうような風土に変えていきたいとの思いがありました。BAの学びや会社とのコミュニケーションを促進するツールとして、BA一人ひとりに貸与したタブレットをもっと活用して、自律学習をする風土づくりのきっかけにしたいとも考えていました。

社員が自律的に学ぶ秘訣は、使いやすさがもたらす「楽しい」学習環境

— BAの育成にLMSを導入するきっかけと、その中でGLOPLA LMSを選んだ理由を教えてください

山本:当社には既に、体系立てられた人材育成カリキュラムがありました。これを活かす形で社員が学びたい内容をいつでも学べる環境をつくり、自律学習を促すには、LMSでシステム化する方法が最適だろうと考えたのです。

実は、新入社員向けには他社のLMSを3年前に導入済みでしたが、LMSは新しいサービスがどんどん出てきているので、BA向けには新たに7社のサービスを候補として比較検討することにしました。

長谷川:LMSを選定するポイントとして大切にした点は2つありました。1つ目は、我々が目指す「自律革新型人材」を育成するために、学ぶ意欲がある人に学習機会を提供する公募制の研修を実現できることです。

もうひとつ重要視したのは、ITに不慣れな社員でもストレスなく使えることでした。BAは普段の業務でパソコンを使うことがほとんどなく、ITツールの操作は得意ではありません。タブレットを配布したものの、「怖くてなかなか使えない」という声が聞こえていたのも事実です。

そして管理者側である我々も、私を含めBA出身のメンバーが多くおり、やはりITに長けているわけではありません。管理者と受講者の両方にとってLMS導入は大きな変化になりますので、わかりやすい仕組みでないと使われないだろうと思っていました。

人事総務本部 ビューティーアドバイザー戦略室 キャリア開発一課 課長 長谷川 万樹子さん

山本:誰もが操作に迷わず使いこなせるという要件は必須でした。社員の学習を活性化させるためには、現場発のコンテンツを増やし続けることが欠かせないと考えていたからです。かつて導入したLMSは、研修企画者が研修や育成プログラムを組み立てた後に、ITツールの操作が得意な若手社員にコンテンツ作成を依頼していたので、作成に時間がかかっていました。それゆえにコンテンツが増えていかない課題も抱えていたんです。

こうした経験があったため、今回導入するLMSでは、企画する側も学ぶ側も「楽しく」使える仕組みを作りたいと考えていましたね。導入しても使われなければ、BAの学びも広がっていきませんから。

公募制で自ら学べる環境を作れることと、ITに不慣れでもストレスなく操作できること。この2点が揃っていたのがGLOPLA LMSでした。

兵藤さん(以下、敬称略):私は研修の実務を担当しており、山本からLMS導入の話があったときは、正直なところ抵抗感がありました。オンラインで学びが深まる実感がありませんでしたし、私自身もBA出身でITは不得意なので使いこなせる自信がなかったんです。その一方で、コロナ禍などの環境変化に沿った形で研修を変えていかなければならないし、人材育成のシステム化をどんどん進めている他社に比べて当社は遅れていることも感じていました。こうした状況から、このタイミングでLMSを導入しないとBAの学ぶ意欲を育めないだろうとも感じていて、私の中で強い葛藤がありました。

山本から候補となっていた数社のLMSデモ環境を渡され、後ろ向きな気持ちで触ってみたところ、GLOPLA LMSは学習画面も管理者画面も余計な機能がなくシンプルで、マニュアルを読み込まなくても感覚的に操作できたんです。この体験から、導入するならGLOPLA LMSがいいと思いました。

現在は、大きく3種類の研修コンテンツをGLOPLA LMSに搭載して運用しています。必須のオンライン集合研修、昇格要件としているeラーニング、そして公募研修です。必須と公募の両方のコンテンツをシステム化できました。

GLOPLA LMSで受講者の意欲が向上。予習の理解度も把握でき、研修内容を柔軟に変えられるように

— GLOPLA LMSを利用しての感想をお聞かせください

兵藤:まず、BAが事前課題の段階から意欲的に学んでくれていることが一番の収穫です。LMS導入前は、研修の事前課題を紙に書いてもらっており、BAからは「業務時間が割かれて大変だ」といったネガティブな意見が少なからず聞こえてきていました。

ところが、LMSに事前課題を搭載して、タブレットで動画を視聴してもらったりクイズ形式で回答してもらったりする運用にしてからは、このような声はなくなったんです。まさに、受講者がタブレットを「楽しく」触って、課題に取り組めているからだと思います。実際にBAからも、感覚的に画面を操作できるのでストレスなく学べているとの感想があがっていますし、必然的にITリテラシーも向上したのではないかと思います。

研修の企画者としてのメリットも感じています。管理者画面から受講者の課題進捗やアウトプットが見えるので、研修前の時点での理解度が傾向として掴めるようになりました。そのため、その時の理解度に応じて研修のインタラクションを変えられるようになったんです。今までBAの学習意欲や理解度は我々には見えませんでしたので、これは大きな変化だと感じています。

また、新たな気づきもありました。コロナ禍以降、集合研修からオンライン研修に形態を変えたものの、オンライン上で一方的に話すだけの内容になってしまっていたんです。そのような中、LMSの動画アップロード機能、アンケートやテスト機能、課題提出機能といったさまざまな仕組みを知るにつれて、研修そのものを組み立て直さなければならないと気づかされました。LMSを通して、事前課題・研修当日・事後課題まで研修設計の全体を俯瞰できたからだと思います。

GLOPLA LMSの操作画面イメージ

図:GLOPLA LMSの操作画面イメージ

オンライン研修の見直しにあたっては、GLOPLA LMSの機能を最大限使うことを意識しました。こうした機能を活用することもオンライン研修のトレンドだと学びましたし、私自身の研修企画スキルも向上したように感じます。

— その他、研修にまつわる日常業務での変化は感じますか

兵藤:はい、業務はかなり効率化されたと思います。以前のオンライン研修では、ログインURLを受講者に連絡する際、毎回QRコードを作って紙で送っていたんです。今はLMS上にURLを載せておくだけで、BAが各自で確認できます。小さなことではありますが、繰り返し行う負荷が大きい業務だったので、効率化されたと感じます。

そして、今の状態に至るまでには、グロービスのカスタマーサクセス担当のサポートは欠かせませんでした。受講者からの質問で不明点があった際など、いつでも問い合わせできて、スピーディーに対応してくださる存在は心強かったです。

人事総務本部 ビューティーアドバイザー戦略室 キャリア開発一課 兵藤 法子さん

山本:「楽しく」使えるGLOPLA LMSによって、メンバーが作成したコンテンツが数多く配信され、BAの学びが広がっていく環境が実現できていることを嬉しく思います。今では学習コンテンツが増えすぎて、もう少し整理しなければいけないと感じているほどです。グロービスさんにもGLOPLA LMSの更なるアップデートへの期待をお伝えしながら、一緒に成長していきたいと思っています。

自律的な学びとキャリア構築の両方を実現させたい

— GLOPLA LMSを通じて、今後実現したいことをお聞かせください

長谷川:GLOPLA LMSで自律的に学んでいるBAは、現時点ではまだ少ないと思っています。この割合をもっと増やしていきたいですね。風土づくりは簡単ではありませんが、学んで行動して成果があがった人はもっと学びたいと思うでしょうし、学んで成長した仲間の姿に刺激を受ける人も出てくると考えています。

山本:自律的な学びとともに、「キャリア自律」も最近の研修で伝えているポイントです。プライベートも含めたライフステージの中で、人によって学びたいタイミングは異なります。場合によっては、“今は学ばない”判断をすることもあるでしょう。今後は、自分が歩みたいキャリアや学びたいことをBA自身で考えてもらいながら、我々はBAが自分の意思で成長の道筋を選べる環境をつくっていきたいと考えています。GLOPLA LMSを活用して、学びもキャリアも可視化された状態を実現したいですね。

ワコールホールディングスでは今年、中長期経営戦略フレーム「VISION 2030」を策定しました。「高い感性と品質で、ひとりひとりのからだとこころに、美しさと豊かさを提供する」ことを目指すものです。その実現のためには、BA一人ひとりが自社の目指す姿を理解して、自分自身で判断し、意思決定をしながらお客様に寄り添っていかなければなりません。ダイバーシティ&インクルージョン時代の多様なニーズに応え続けるために、自分で判断できるプロフェッショナルとしてのBA育成に今後も邁進したいと思います。

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