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DX推進スキル標準とは? 全体像と効果的な活用法、育成の7ステップ

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  • 自社のDX戦略を実現できる人材が不足している……経済産業省が提唱する「DX推進スキル標準」を参考にしたいが、内容がよくわからない
  • どの社員に、どのようなスキルを身に付けてもらえばよいかわからず、育成施策を設計できない

DXリテラシー標準とは?必要性や効果的な学習方法を全て解説」でご紹介している通り、企業がDXを成功させるには、まず全社員がデジタル技術について理解・関心をもつ必要があります。そのうえで、DX戦略の推進フェーズにおいては、「DXに関連する専門性をもった人材」が必要です。
しかしながら、上記のように人材不足や育成方法にお悩みの方は多いのではないでしょうか。

そこで参考になるのが、経済産業省が策定した「DX推進スキル標準」です。これはDX推進の中核となる5つの人材類型(ビジネスアーキテクト/デザイナー/データサイエンティスト/ソフトウェアエンジニア/サイバーセキュリティ)について「果たすべき役割」と「必要なスキル」を定義したもので、DXを推進する専門性をもった人材を、企業が確保・育成するための指針となります。
DX推進スキル標準を参考にすることで、自社・組織に必要な人材が明確になり、育成や採用に着手できるようになることが期待されます。

この記事では、DX銘柄企業(※)の94%が導入している動画学習サービス「GLOBIS 学び放題(以降、グロービス学び放題)」の提供元であるグロービスが、DX推進スキル標準の全体像と具体的な活用方法を解説します。

最後までお読みいただければ、DX推進スキル標準がなぜ有用か、どのような場面で活用すればよいか理解でき、自社にとって必要なDX人材を育成するための一歩を踏み出せることと思います。DXの推進フェーズで人材不足の課題を感じている方は、ぜひ参考にしてください。

(※)東京証券取引所に上場している企業のうち、「企業価値の向上に繋がるDXを推進するための仕組みを社内に構築し、優れたデジタル活用の実績が表れている企業」として、経済産業省が東京証券取引所および独立行政法人情報処理推進機構と共同で選定

目次

1.「DX推進スキル標準」とは、DXを推進する専門性をもった人材を企業が確保・育成するための指針のこと

2. DX推進スキル標準が定義する5つの人材類型
2-1. ビジネスアーキテクト
2-2. デザイナー
2-3. データサイエンティスト
2-4. ソフトウェアエンジニア
2-5. サイバーセキュリティ

3. 企業がDX推進スキル標準を活用する3つのメリット
3-1. 人材育成やリスキリングの方針が明確になる
3-2. 適切な人材配置ができる
3-3. 未来への投資になる

4. DX推進スキル標準の活用がおすすめな企業の特徴4選
4-1. 社内にDX推進の中核人材を育てる土壌が整っていない企業
4-2. DXプロジェクトを推進する体制をつくりたい企業
4-3. 複数部門横断でDXを推進したい企業
4-4. DXを顧客価値の最大化や事業成長に繋げたい企業

5. DX推進スキル標準を活用した人材育成の7ステップ
5-1. 自社のDX戦略を深く理解する
5-2. 人材の現状を把握する
5-3. 自社のDX推進に必要な「人材類型」を明確にする
5-4. 求められるスキルを明確にする
5-5. 育成の対象者を決める
5-6. 人材育成プログラムを企画・実施する
5-7. 人材育成プログラムの効果検証を行う

6. DX人材育成の成功事例

7. DX推進スキル標準に沿った人材育成を成功させる4つのポイント
7-1. インプットとアウトプットの機会を組み合わせる
7-2. 常に学び続けられる体制を整える
7-3. 効果測定を行い、習熟度や課題を把握する
7-4. 自社のDX戦略を踏まえて、本人が価値創出できる配置転換を行う

8. DX推進スキル標準に沿った人材育成を行う際は、教材選びも重要

9. DX銘柄企業の94%が導入済みの「グロービス学び放題」ならDX推進スキルを効率よく学べる

10. まとめ

1.「DX推進スキル標準」とは、DXを推進する専門性をもった人材を企業が確保・育成するための指針のこと

DX推進スキル標準
概要DXを推進する専門性をもった人材を企業が確保・育成するための指針
対象者DX推進の中核として特定の役割を担う、以下の人材

⚫︎ビジネスアーキテクト
⚫︎デザイナー
⚫︎データサイエンティスト
⚫︎ソフトウェアエンジニア
⚫︎サイバーセキュリティ
ポイント⚫︎経済産業省が定めた「デジタルスキル標準」の1つで、DX戦略の具体的な推進フェーズに備えて必要となる

⚫︎企業が自社のDX推進に必要な人材とスキルを明確化し、人材育成や採用に活かすことを目的としている

冒頭でも触れたように、DX推進スキル標準とは「企業がDXを推進するうえで必要な専門人材を確保・育成するための指針」です。DX推進に関わる主要人材を5つの類型に分け、それぞれに求められる役割、スキルを定義しています。

5つの人材類型定義
ビジネスアーキテクトDXを通じて実現したいこと(=目的)を設定したうえで、関係者の協働関係を構築しながら目的の実現をリードする人材
デザイナービジネス視点やユーザー視点を総合的に踏まえて製品・サービスの方針や開発プロセスを策定し、それに基づいて、望ましい製品・サービスの姿をデザインする人材
データサイエンティストデータを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計、実装、運用を担う人材
ソフトウェアエンジニアデジタル技術を活用した製品・サービスを提供するためのシステムやソフトウェアの設計、実装、運用を担う人材
サイバーセキュリティデジタル環境下に潜むサイバーセキュリティ上のリスクを見極め、その影響を最小限に抑える対策を担う人材

※参考:独立行政法人情報処理推進機構「デジタルスキル標準DSS-P 分冊版 ver.1.2」、2025年9月に内容確認

企業がDXを成功させるには、全社員のDXリテラシー向上に加え、専門的なスキルをもった人材がその力を十分に発揮することが欠かせません。しかし、自社に必要な専門スキルを特定するのは容易ではなく、この不明確さが人材育成や採用を停滞させる一因となっています。

実際、「DX動向2025」によれば、日本企業の57.1%が「DX推進に必要な人材のスキルを把握できていない」と回答しており、多くの企業に共通する課題であることが明らかになっています。

※2024年度・日本企業の回答結果(n=1,190)
参考:独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2025」

こうした状況を打開する有効な打ち手となるのが、DX推進スキル標準を活用したスキルの可視化です。
自社に不足しているスキルや新たに必要とするスキルを明確にできれば、人材育成や採用をより戦略的に進められるでしょう。

DX推進に求められる専門スキルは短期間で習得できるものではなく、闇雲に学べばよいというものでもありません。だからこそ、DX推進スキル標準を指針として活用し、早期から計画的に自社に必要なスキルの習得を進めることが重要です。

【DX推進スキル標準はデジタルスキル標準の1つ】
経済産業省は、企業などのDX推進に必要なスキルを「デジタルスキル標準」にまとめています。
デジタルスキル標準は、「DXリテラシー標準」と「DX推進スキル標準」の2つに分類されています。

DXリテラシー標準が全ビジネスパーソンを対象とした基礎知識であるのに対し、DX推進スキル標準はデザイナーやソフトウェアエンジニアなど、専門職のスキルを対象としている点が大きな違いです。
※参考:経済産業省「デジタルスキル標準」、2025年9月に内容確認

2. DX推進スキル標準が定義する5つの人材類型

DX推進スキル標準では、企業や組織のDXの推進において中核となる人材を、以下5つの「人材類型」として定義しています。

これらはそれぞれ独立して存在するものではありません。どちらかがどちらかに指示をする、または依頼する、といった形ではなく、様々な場面で二つ(またはそれ以上)の類型が協業し、連携して取り組むことでDXの実現に繋がります。

この章では、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と経済産業省が定めた「デジタルスキル標準」に沿って、5つの人材類型を順に解説します。類型ごとに役割や必要なスキルが定義されているため、自社のDXの目的や戦略と照らし合わせることで、人材育成や採用を計画的に進める手がかりにしていただけたらと思います。

2-1. ビジネスアーキテクト

ビジネスアーキテクト
定義DXを通じて実現したいこと(=目的)を設定したうえで、関係者の協働関係を構築しながら目的の実現をリードする人材
期待される役割⚫︎デジタルを活用したビジネスを設計し、その実現に責任をもって推進する

⚫︎必要なリソースの確保、チームの組成、適材適所を意識したタスクの割り振り等を行い、協働関係の構築をリードする
特に求められるスキル例(※)⚫︎ビジネス戦略策定・実行
⚫︎プロダクトマネジメント
⚫︎変革マネジメント
⚫︎システムズエンジニアリング
⚫︎エンタープライズアーキテクチャ
⚫︎ビジネス調査
⚫︎ビジネスモデル設計
⚫︎ビジネスアナリシス
⚫︎検証(ビジネス視点) など

(※)経済産業省が提示する「ビジネスアーキテクトに必要なスキル」のうち、「重要度が最も高い(高い実践力と専門性が必要)」と位置づけられているものから一部抜粋しております。全てのスキルの詳細を知りたい方は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と経済産業省が定めた「デジタルスキル標準」(P.33~)をご覧ください。

ビジネスアーキテクトは、DXの取り組みにおいて、目的設定から導入、導入後の効果検証までを一貫してリードする人材です。関係者をコーディネートしながら推進することで、組織のDXを着実に進めていきます。

ビジネスアーキテクトの「ロール(活躍する場面や役割)」は3つに分けられます。

ロール主な業務特に必要なスキル
新規事業開発⚫︎社内外の環境や顧客ニーズ、技術動向を踏まえて新たな事業、製品・サービスの目的を定義し、ビジネスモデル設計、活用技術の選定を行う

⚫︎実現可能性やソリューションの有効性を検証し、ローンチに向けた事業計画を策定。実現まで責任をもつ

⚫︎顧客フィードバックやKPIモニタリングを基に、収益性を向上する施策を継続的に検討・実行する

⚫︎構想から効果検証まで、一貫して関係者全体の調整を行う(リソース確保、チーム組成、タスク配分、合意形成など)
⚫︎ビジネス戦略策定・実行
⚫︎プロダクトマネジメント
⚫︎変革マネジメント
⚫︎ビジネス調査
⚫︎ビジネスモデル設計
⚫︎ビジネスアナリシス など
既存事業の高度化⚫︎社内外の環境や顧客ニーズ、技術動向を踏まえて既存事業、製品・サービスの目的を再定義し、ビジネスモデル設計、活用技術の選定を行う

⚫︎実現可能性やソリューションの有効性を検証。既存の事業計画を見直し、実現まで責任をもつ

⚫︎顧客フィードバックやKPIモニタリングを基に、収益性を向上する施策を継続的に検討・実行する

⚫︎構想から効果検証まで、一貫して関係者全体の調整を行う(リソース確保、チーム組成、タスク配分、合意形成など)
⚫︎ビジネス戦略策定・実行
⚫︎プロダクトマネジメント
⚫︎変革マネジメント
⚫︎ビジネス調査
⚫︎ビジネスモデル設計
⚫︎ビジネスアナリシス など
社内業務の高度化・効率化⚫︎社内業務の課題と解決目的を定義し、データやデジタル技術を活用した新たな業務プロセスを設計。必要な技術やツールの選定も行う

⚫︎実現可能性や課題解決の可否、ソリューションの有効性を検証。計画策定から要件定義、実装を行う

⚫︎顧客フィードバックやKPIモニタリングを基に、収益性を向上する施策を継続的に検討・実行する

⚫︎構想から効果検証まで一貫し、リソース確保、チーム組成、タスク配分、合意形成を含む関係者調整を主導する

⚫︎構想から効果検証まで、一貫して関係者全体の調整を行う(リソース確保、チーム組成、タスク配分、合意形成など)
⚫︎変革マネジメント
⚫︎プロジェクトマネジメント
⚫︎データ理解・活用
⚫︎プライバシー保護 など

例えば、DX推進の一環として、新規事業でアプリを開発するケースを考えてみましょう。
アプリ開発には、目的の明確化や設計スケジュールの管理に加え、デザイナーやエンジニアとの連携が欠かせません。なぜなら、デザイナーはユーザー体験を形づくり、エンジニアはそれを技術的に実装する役割を担うため、両者の協働なくして実用的なサービスは生まれないからです。この場面でビジネスアーキテクトが全体の舵を取り、関係者間の協働を主導することで、プロジェクトを計画的かつ確実に進められます。

DX推進ではデータや技術そのものに注目が集まりがちですが、重要なのはビジネス変革の実現です。ビジネスアーキテクトが関与することで、組織全体の足並みが揃い、DXが進みやすく前進しやすくなるでしょう。

2-2. デザイナー

デザイナー
定義ビジネス視点やユーザー視点を総合的に踏まえて製品・サービスの方針や開発プロセスを策定し、それに基づいて、望ましい製品・サービスの姿をデザインする人材
期待される役割⚫︎DXの取り組みのあらゆる場面において、顧客・ユーザー視点のアプローチが欠落しないよう関係者を導く

⚫︎倫理的観点を踏まえて顧客・ユーザーとの接点をデザインする
特に求められるスキル例(※)⚫︎顧客・ユーザー理解
⚫︎新たな価値の発見・定義
⚫︎顧客・ユーザー体験の設計
⚫︎顧客・ユーザー視点でのユーザビリティ(分かりやすさ、見つけやすさ、使いやすさ)の検証・実現
⚫︎デジタルグラフィック、マーケティング媒体等のデザイン技術 など

(※)経済産業省が提示する「デザイナーに必要なスキル」のうち、「重要度が最も高い(高い実践力と専門性が必要)」と位置づけられているものから一部抜粋しております。全てのスキルの詳細を知りたい方は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と経済産業省が定めた「デジタルスキル標準」(P.33~)をご覧ください。

デザイナーは、ビジネスや顧客・ユーザーの視点を踏まえ、製品やサービスを深く理解したうえで、その最適な姿をデザインする人材です。かつてのデザイナーは、主に見た目を美しく仕上げる造形的な役割が中心でした。
しかし現在では、人を起点とした価値創造や、課題解決の仕組みづくりまで担う存在へと期待が広がっています。このような変化に伴い、DX推進におけるデザイナーの役割は、単なる造形を超えて、顧客理解や新しい価値創出を担うものへと拡張しています。

こうした観点から、デザイナーの「ロール(活躍する場面や役割)」は3つに分けられます。

ロール主な業務特に必要なスキル
サービスデザイナー⚫︎市場・顧客調査を通じて課題を特定し、事業・顧客・技術の観点からバリュープロポジション(顧客に提供する独自の価値)を定義する

⚫︎バリュープロポジションに基づき、製品・サービスの方針(コンセプト)を策定。継続的に実現する仕組みを設計する

⚫︎仮説検証・導入・運用の各段階で、バリュープロポジションや製品・サービス方針の実現可能性を検証する

⚫︎構想策定の場で関係者や顧客の意見を集約し、同じゴールへ導くための場のデザインやファシリテーションを行う
⚫︎顧客・ユーザー理解
⚫︎新たな価値の発見・定義
⚫︎顧客・ユーザー視点でのユーザビリティの検証・実現 など
UX/UIデザイナー⚫︎バリュープロポジションに基づき、顧客行動・思考・感情を可視化し、製品・サービスのユーザー体験を設計する

⚫︎製品・サービスの方針(コンセプト)をガイドライン等の形に具体化し、情報設計や機能配置、外観・動的要素(Look& Feel)をデザインする

⚫︎仮説検証・導入・運用の各段階で、ブランディングやマーケティング施策と連動したWeb・アプリのプロトタイプを作成する

⚫︎仮説検証・導入・運用の各段階で、ユーザビリティ評価(ユーザーが迷わず目的の情報に到達できるかの検証)を行う
⚫︎顧客・ユーザー理解
⚫︎新たな価値の発見・定義
⚫︎顧客・ユーザー体験の設計
⚫︎顧客・ユーザー視点でのユーザビリティの検証・実現 など
グラフィックデザイナー⚫︎ブランドのイメージを具現化し、デジタルグラフィック、マーケティング媒体等のデザインを行う⚫︎デジタルグラフィック、マーケティング媒体等のデザイン技術
⚫︎マーケティング
⚫︎ブランディング など

例えば、ある企業では、これまで店舗での対面申し込みを前提にサービスを提供していました。そうした中、DXによるペーパーレス化の推進に伴い、サービスそのものを非対面型へと再設計するケースを考えてみましょう。このような場面では、デザイナーがそれぞれの専門性を活かして以下のように役割を分担し、業務を遂行します。

【対面型→非対面型サービスを転換する場合の連携例】

⚫︎サービスデザイナー:非対面型のサービス全体を再設計
⚫︎UX/UIデザイナー:Webサイトやアプリケーションにおける情報設計・機能設計
⚫︎グラフィックデザイナー:統一感のある画面デザインやビジュアル設計

このように、DX推進におけるデザイナーの役割は階層的に整理されており、保有するスキルや専門性に応じて担当範囲が分かれています。

2-3. データサイエンティスト

データサイエンティスト
定義データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを 収集・解析する仕組みの設計、実装、運用を担う人材
期待される役割⚫︎データの発掘や活用を通じて、DXの取り組みの推進、更にはDXの最終目的である自社の競争力向上に貢献する

⚫︎関係者と連携しながらDX推進時のデータ活用領域を担う。時には、関係者がまだ十分に認識していない潜在的なニーズから、新たなビジネス創出の機会や業務改革の可能性を発見する
特に求められるスキル例(※)⚫︎データ理解・活用
⚫︎データ・AI活用戦略
⚫︎データ・AI活用業務の設計・事業実装・評価
⚫︎数理統計・多変量解析・データ可視化
⚫︎機械学習・深層学習
⚫︎データ活用基盤設計
⚫︎データ活用基盤実装・運用 など

この基礎から応用へのステップアップは、日々の業務における実践を通して実現します。職種ごとに、具体的な活用場面の例を見ていきましょう。

職種具体的なAI活用例
営業⚫︎提案資料の骨子作成

⚫︎商談の議事録作成・要約・TODOリスト抽出

⚫︎顧客へのメール文面案の作成
マーケティング⚫︎広告メッセージやSNS投稿文などのアイデア出し

⚫︎マーケティング施策の壁打ち

⚫︎ペルソナ設定の壁打ち

⚫︎データ分析とインサイト抽出
事務・バックオフィス⚫︎定型業務のマニュアル作成

⚫︎議事録や音声データの文字起こし

⚫︎データ入力・集計作業の自動化
企画⚫︎情報収集・リサーチの効率化

⚫︎企画案のブレインストーミング

⚫︎企画書の骨子作成

⚫︎プレゼンテーション資料のドラフト作成

(※)経済産業省が提示する「データサイエンティストに必要なスキル」のうち、「重要度が最も高い(高い実践力と専門性が必要)」と位置づけられているものから一部抜粋しております。全てのスキルの詳細を知りたい方は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と経済産業省が定めた「デジタルスキル標準」(P.33~)をご覧ください。

データサイエンティストは、データやAIを活用し、業務の変革や新しいビジネスの実現を推進する人材です。データの収集から仕組みの設計・実装・運用までを担い、企業におけるデータ利活用を支えます。

その役割は、単なるデータ分析に留まりません。ビジネス戦略の検討や仕組みの設計、データを活用できる環境整備など、幅広い領域に関わるのが特徴です。

データサイエンティストには高度な専門性が求められます。保有するスキルや得意分野に応じて、以下3つの「ロール(活躍する場面や役割)」に分けられます。

ロール主な業務特に必要なスキル
データビジネスストラテジスト⚫︎事業戦略におけるデータ活用の是非を判断し、活用する場合はその戦略を策定する

⚫︎データ活用戦略を実現するプロセスを企画・主導し、関係者との連携やプロジェクトマネジメントを行う

⚫︎現場部門と連携し、データを活用する業務の設計・見直しを通じて新規事業の創出や業務変革を推進する

⚫︎成果や課題を把握し、次の取り組みに活かす
⚫︎データ理解・活用
⚫︎データ・AI活用戦略
⚫︎データ・AI活用業務の設計・事業実装・評価 など
データサイエンスプロフェッショナル⚫︎AI・データサイエンスの専門知識に基づいてデータ処理・解析し、結果を分析する

⚫︎解析結果から事業創出や業務改善に繋がる知見を生み出し、適切に可視化する

⚫︎現場部門でのデータ活用の仕組みづくりや、エンドユーザーへの教育・サポートを行う

⚫︎運用状況や新たな要求を踏まえ、分析モデルを改善する
⚫︎AI・データサイエンス領域の新技術を把握し、その可能性を検証する
⚫︎数理統計・多変量解析・データ可視化
⚫︎機械学習・深層学習 など
データエンジニア⚫︎目的に応じたデータの収集・処理・解析を効率的に行うためのシステム環境を設計し、実装の主導および最適な稼働を実現する

⚫︎状況変化に応じて、リアルタイム・動的・自動的に、最適な分析環境を調整する

⚫︎解析に必要なデータ加工やデータマートの作成を行う

⚫︎他のロールが適切にモニタリングできる環境を整備する
⚫︎データ活用基盤設計
⚫︎データ活用基盤実装・運用 など

例えば、DX推進の一環として「データを活用した意思決定を強化したい」と考えても、次のような壁が立ちはだかることがあります。


  • 営業部門のデータはExcelで個別に管理されている
  • マーケティング部門は部門独自のシステムを使っている
  • 顧客データは店舗ごとに個別のフォーマットにまとめられている

このように、社内のデータが一か所にまとまっておらず、部門ごとに管理ルールも異なる場合、全社的なデータ活用は容易ではありません。
こうした状況では、データサイエンティストの各ロールが専門性を活かして以下のように役割を分担し、連携しながら取り組みを進めていきます。

【データ活用時の連携例】

⚫︎データビジネスストラテジスト:経営戦略に沿ったデータ活用の方針を定め、データを統合する基盤の整備や、部門横断で使えるルールづくりを主導する
⚫︎データエンジニア:分析に必要な環境を設計・構築し、最適なデータ処理を実現する
⚫︎データサイエンスプロフェッショナル:高度な解析やモデル開発を行い、事業や業務改善に繋がる知見を得る

このように、データサイエンティストの各ロールが互いに役割を補完し合うことで、企業のDXにおけるデータ活用の価値を最大化します。

2-4. ソフトウェアエンジニア

ソフトウェアエンジニア
定義デジタル技術を活用した製品・サービスを提供するためのシステムやソフトウェアの設計、実装、運用を担う人材
期待される役割⚫︎高い技術力で自社の競争力向上に貢献する

⚫︎社内関係者や顧客の要望・ニーズを十分に理解したうえで、その期待に沿った、またはその期待を上回る水準のシステムやソフトウェアを実現する

⚫︎競争力のあるソフトウェアを創り出せる高い技術力を維持・獲得する
特に求められるスキル例(※)⚫︎コンピュータサイエンス
⚫︎チーム開発
⚫︎ソフトウェア設計手法
⚫︎ソフトウェア開発プロセス
⚫︎Webアプリケーション基本技術
⚫︎フロントエンドシステム開発
⚫︎バックエンドシステム開発
⚫︎クラウドインフラ活用
⚫︎SREプロセス
⚫︎セキュリティ運用・保守・監視
⚫︎フィジカルコンピューティング など

(※)経済産業省が提示する「ソフトウェアエンジニアに必要なスキル」のうち、「重要度が最も高い(高い実践力と専門性が必要)」と位置づけられているものから一部抜粋しております。全てのスキルの詳細を知りたい方は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と経済産業省が定めた「デジタルスキル標準」(P.33~)をご覧ください。

ソフトウェアエンジニアは、デジタル技術を活用したシステムやソフトウェアの設計・実装・運用を担う人材です。「エンジニア」や「ITエンジニア」ではなく「ソフトウェアエンジニア」と定義されているのは、ソフトウェアによって、今後の競争優位性が大きく左右されるからです。他社との差別化や価値創出の源泉として、ソフトウェアの役割はますます重要になっています。

ソフトウェアエンジニアも高度な専門性が求められます。保有するスキルや得意領域に応じて、以下4つの「ロール(活躍する場面や役割)」に分けられます。

ロール主な業務特に必要なスキル
フロントエンドエンジニア⚫︎利用者のニーズを理解し、顧客体験価値を高めるソフトウェアを設計・実装する

⚫︎プロトタイプを試作し、利用者からのフィードバックを踏まえて、主にインターフェース(クライアントサイド)を実装する

⚫︎サービス運用後のフィードバックを基に、継続的な改善・改良を行う
⚫︎コンピュータサイエンス
⚫︎チーム開発
⚫︎ソフトウェア設計手法
⚫︎ソフトウェア開発プロセス
⚫︎Webアプリケーション基本技術
⚫︎フロントエンドシステム開発 など
バックエンドエンジニア⚫︎デジタル技術を活用したサービスの利用者ニーズを理解し、課題解決に繋がる正確で信頼性の高いソフトウェアを設計・実装する

⚫︎プロトタイプを試作し、利用者からのフィードバックを踏まえて、主にサーバーサイドの機能を実装する

⚫︎サービス運用後のフィードバックを基に、継続的な改善・改良を行う
⚫︎コンピュータサイエンス
⚫︎チーム開発
⚫︎ソフトウェア設計手法
⚫︎ソフトウェア開発プロセス
⚫︎Webアプリケーション基本技術
⚫︎バックエンドシステム開発
⚫︎クラウドインフラ活用 など
クラウドエンジニア⚫︎利用者ニーズを理解し、それを実現するためのソフトウェア開発・運用環境構築を行う

⚫︎他のロールからのフィードバックを踏まえ、運用環境を最適化する

⚫︎サービスを継続的にモニタリングし、信頼性向上に必要なシステム・ソフトウェア対応を行う
⚫︎コンピュータサイエンス
⚫︎クラウドインフラ活用
⚫︎SREプロセス
⚫︎セキュリティ運用・保守・監視 など
フィジカルコンピューティングエンジニア⚫︎利用者ニーズを理解し、顧客体験価値を高めるデバイスを含むソフトウェアを設計・実装する

⚫︎物理的なデバイスを通じて、データを取得したり、現実に作用をもたらすソフトウェア機能を実現する

⚫︎デバイスを含むプロトタイプを試作し、利用者からのフィードバックを踏まえて機能を実装する

⚫︎サービス運用後のフィードバックを基に、継続的な改善・改良を行う
⚫︎フィジカルコンピューティング など

例えば、顧客ニーズを踏まえて新しいアプリケーションを開発する際には、それぞれの専門性に応じて以下のように役割を分担し、連携しながら開発を進めます。

【アプリケーション開発時の連携例】

⚫︎フロントエンドエンジニア:画面実装やレスポンシブ対応を行い、ユーザーが快適に操作できる環境を整える
⚫︎バックエンドエンジニア:サーバー側の処理やセキュリティ、API設計を担い、安全に使える仕組みを構築する
⚫︎クラウドエンジニア:クラウド基盤を設計・運用し、サービスが安定して稼働する環境を整える
⚫︎フィジカルコンピューティングエンジニア:必要に応じてデバイスと連携し、現実世界との繋がりを設計する

このように、ソフトウェアエンジニアの役割は一人で完結するものではありません。複数の専門性が相互に連携してはじめて、実用性と信頼性の高い開発・運用ができます。

2-5. サイバーセキュリティ

サイバーセキュリティ
定義デジタル環境下に潜むサイバーセキュリティ上のリスクを見極め、その影響を最小限に抑える対策を担う人材
期待される役割⚫︎DXによる価値提供とセキュリティ対策とのバランスを取り、組織の戦略遂行に貢献する

⚫︎外部のサイバーセキュリティ専門事業者を活用しながら、兼務でも可能な範囲で業務を遂行する

⚫︎他の人材類型と連携しながら、DX推進に伴うデジタル環境のリスクを抑制する
特に求められるスキル例(※)⚫︎セキュリティ体制構築・運営
⚫︎セキュリティマネジメント
⚫︎インシデント対応と事業継続
⚫︎プライバシー保護
⚫︎セキュア設計・開発・構築
⚫︎セキュリティ運用・保守・監視
⚫︎クラウドインフラ活用
⚫︎SREプロセス など

(※)経済産業省が提示する「サイバーセキュリティに必要なスキル」のうち、「重要度が最も高い(高い実践力と専門性が必要)」と位置づけられているものから一部抜粋しております。全てのスキルの詳細を知りたい方は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)と経済産業省が定めた「デジタルスキル標準」(P.33~)をご覧ください。

サイバーセキュリティは、デジタル環境に潜むリスクを見極め、その影響を最小限に抑えるための対策を担う人材です。DX推進ではデータやシステムの利活用が広がる一方で、サイバー攻撃や情報漏洩などのリスクも高まっています。こうしたリスクに備えるためには、インシデントを未然に防ぎ、万一の際も被害を最小化できる体制が不可欠です。その中心的な役割を果たすのがサイバーセキュリティ人材です。

サイバーセキュリティの「ロール(活躍する場面や役割)」は、以下2つに分けられます。

ロール主な業務特に必要なスキル
サイバーセキュリティマネージャー⚫︎新規ビジネスにおけるサイバーセキュリティ、セーフティ、プライバシー保護に関するリスクを評価する

⚫︎リスクとリターンのバランスを踏まえ、リスク抑制の戦略や対策体制を検討する

⚫︎セキュリティ対策の実施状況を管理・監査する

⚫︎デジタル環境で発生するサイバーセキュリティインシデントに対応する
⚫︎セキュリティ体制構築・運営
⚫︎セキュリティマネジメント
⚫︎インシデント対応と事業継続
⚫︎プライバシー保護 など
サイバーセキュリティエンジニア⚫︎リスク抑制のため、セキュリティ対策製品やサービスを導入・実装する

⚫︎導入したセキュリティ製品・サービスを運用・保守する

⚫︎デジタル活用におけるシステム、サービス、設定等の、サイバーセキュリティに関わる変更管理を行う

⚫︎デジタル活用におけるパフォーマンス評価や脆弱性対応を行う
⚫︎セキュア設計・開発・構築
⚫︎セキュリティ運用・保守・監視
⚫︎クラウドインフラ活用
⚫︎SREプロセス など

例えば、DX推進の一環として新しいソフトウェアを導入する際には、利便性の向上だけでなく、セキュリティリスクへの対応も欠かせません。なぜなら、万一の情報漏洩やシステム障害は、顧客の信頼や事業継続に直結するからです。 このような場面では、専門性に応じて以下のように役割を分担し、連携しながらセキュリティ対策を進めます。

【セキュリティ対策時の連携例】

⚫︎サイバーセキュリティマネージャー:新ソフトウェア導入に伴うリスクを評価し、戦略的な対策方針を定める
⚫︎サイバーセキュリティエンジニア:選定したセキュリティ製品やサービスを導入・運用し、日常的な管理・改善を担う

このように、セキュリティ領域においても一人の専門性だけで完結することはなく、複数の役割が相互に補完し合うことで有効な対策を実現できます。

3. 企業がDX推進スキル標準を活用する3つのメリット

DX推進スキル標準の全体像を把握したうえで、次に考えたいのは「なぜ、企業はDX推進スキル標準を活用すべきなのか」という点です。
この章では、DX推進スキル標準の活用によって、企業のDX推進にどのような好影響がもたらされるのかを具体的にご紹介します。


企業がDX推進スキル標準を活用するメリット

  1. 人材育成やリスキリングの方針が明確になる
  2. 適切な人材配置ができる
  3. 未来への投資になる

3-1. 人材育成やリスキリングの方針が明確になる

1つ目のメリットは、人材育成やリスキリングの方針を明確にできることです。
DX推進スキル標準では、DXを担う人材像や求められるスキルが体系的に整理されています。そのため、自社に不足しているスキルや育成すべき人材を可視化でき、育成の道筋を明確に描けるようになります。

ここで、独立行政法人情報処理推進機構の調査「DX動向2025」を見てみましょう。「DXを推進する人材の獲得・確保に関する課題」として多くの企業が「戦略上必要なスキルやレベルが定義できていない」ことと回答しており、これが人材確保の大きな障壁となっていることが窺えます。

※2024年度・日本企業の回答結果(n=1,189)
参考:独立行政法人情報処理推進機構「DX動向2025」、2025年9月に内容確認

自社のDX推進に必要な人材を定義できなければ、採用・育成・配置の方針が曖昧になり、人事施策は戦略性を欠いてしまいます。反対に、それを明確に定義できれば、採用要件の定義から研修体系の設計、リスキリングの優先順位付けまで、経営戦略と結びつけて設計することが可能です。

このように、DX推進スキル標準は「戦略的に人材を育てる」ための指標となります。

3-2. 適切な人材配置ができる

2つ目のメリットは、適材適所の人材配置を実現できるようになることです。
「社員がDX推進にどのように貢献できるのか」が見えないままでは、闇雲に外部採用を行ったり、社員の再教育に余分なコストをかけてしまう可能性があります。DX推進スキル標準を活用することで「誰がどの役割を担えるか」「現在のスキルレベルとのギャップはどのくらいか」を可視化できるため、配置転換や育成の優先順位が明確になります。

例えば、DX推進スキル標準と社員のスキルを照らし合わせた結果、ある社員が特定領域のスキルを既に備えていたとします。そのような場合は、新規採用に頼ることなく、その人材をDXプロジェクトや関連部門に配置転換することで、DXを一歩進めることができるでしょう。

このように、DX推進スキル標準は「どの人材を、どの役割に配置すべきか」を見極めるための実践的な指針となります。

3-3. 未来への投資になる

3つ目のメリットは、企業にとって「未来への投資」になることです。
この点については、「DXリテラシー標準」と「DX推進スキル標準」の違いを踏まえて解説します。まずは以下の図をご覧ください。

DXリテラシー標準は「全てのビジネスパーソンがDXに関する知識やスキル・マインドを身に付けるための指針」で、組織全体で足並みを揃えてDXを推進するための、基礎知識を体系的に整理しています。

一方で、DX推進スキル標準は、データサイエンティストやサイバーセキュリティなど、実際にDX戦略を推進する人材に求められる専門的なスキルを提示しています。対象となる人材が限られていることもあり、「今すぐには必要ないのではないか」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、DXの実行フェーズに入ったとき、必要なスキルを備えた人材が社内にいなければ、戦略の実現は極めて困難になってしまいます。反対に、予め人材育成を進めていれば、機が熟したときにすぐ行動に移せるのです。このことから、DX推進スキル標準を活用して将来を見据えた育成に取り組むことは、企業が競争優位を築くための「未来への先行投資」といえるでしょう。

※関連コラム:DXリテラシー標準とは?必要性や効果的な学習方法を全て解説

4. DX推進スキル標準の活用がおすすめな企業の特徴4選

ここまでお読みいただいて、「正直大変そうだ」「自社にできるだろうか」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
実際、DX推進は社内の人材育成から体制づくり、部門間の連携に至るまで、幅広い課題が伴います。一筋縄ではいかない取り組みですが、だからこそ、DX推進スキル標準は心強い指針となります。

DX推進の中核人材に求められる役割やスキルを体系的に整理しているため、「何から手を付ければよいのか」「どのような人材を育てればよいのか」といった迷いを減らし、自社に合った打ち手を描きやすくなるのです。

そこで本章では、とりわけDX推進スキル標準を活用する意義が大きい企業の特徴を4つご紹介します。


DX推進スキル標準を活用する意義が大きい企業の特徴

  1. 社内にDX推進の中核人材を育てる土壌が整っていない企業
  2. DXプロジェクトを推進する体制をつくりたい企業
  3. 部門横断でDXを推進したい企業
  4. DXを顧客価値の最大化や事業成長に繋げたい企業

4-1. 社内にDX推進の中核人材を育てる土壌が整っていない企業

企業DX推進に必要なスキルは幅広く、どこから育成に着手すべきか見えにくいものです。
DX推進スキル標準を基準にすれば、自社の現状と理想とのギャップが明確になり、育成すべきスキルの優先順位をつけやすくなります。

その結果、採用・育成・評価・定着といった人材マネジメントを一貫して進める土台をつくることができます。

4-2. DXプロジェクトを推進する体制をつくりたい企業

DXの推進は、一部の情熱ある担当者の力だけでは実現できないものです。社内にきちんとした推進体制がなければ、外部コンサルタントや専門家のアドバイスを受けたとしても「良い話で終わってしまう」ことになりかねません。

DX推進スキル標準を活用すれば、自社に必要な役割やスキルが整理されるため、専門性をもちながらリーダーシップを発揮できる人材を計画的に育成できるでしょう。外部の知見を自社に根付かせる体制づくりに繋がります。

4-3. 複数部門横断でDXを推進したい企業

DXの多くは一部門で完結するものではなく、営業・マーケティング・情報システム・管理など、複数の部門横断で取り組む必要があります。しかしながら、現場では「それはうちの仕事ではない」「専門用語が通じない」といった壁が生まれがちです。

DX推進スキル標準を共通言語として活用すれば、部門間で役割やスキルの認識が一致し、協働がスムーズに進みます。DX推進スキル標準が部門ごとの視点を繋ぐ“橋渡し”となり、DXを全社的な課題として共有しやすくなるでしょう。

4-4. DXを顧客価値の最大化や事業成長に繋げたい企業

単にシステムを導入するだけではDXとはいえません。DXの目的は、顧客に新しい価値を届け、事業を継続的に成長させることです。
しかし実際には、「技術導入が目的化してしまう」「顧客目線の変革に結び付かない」といった壁に直面される方も少なくありません。

DX推進スキル標準を活用すれば、人材に求められる役割とスキルが整理され、「どの技術をどこに活かせば、顧客体験や事業成長に繋がるのか」を具体的に描けるようになります。これにより投資の優先順位や役割分担、KPIが明確になるため、取り組みのスピードと精度が高まります。
結果として、技術活用を顧客価値の向上と事業成長へと直結させられるのです。

5. DX推進スキル標準を活用した人材育成の7ステップ

DX推進における中核人材の育成は一朝一夕に実現するものではなく、段階的に進めることが重要です。

この章では、DX推進スキル標準を活用して人材育成を進めるための7つのステップを、順を追って解説します。


DX推進スキル標準を活用した人材育成の7ステップ


5-1. 自社のDX戦略を深く理解する

DX人材育成の成功の鍵は「逆算すること」です。具体的なゴールイメージがないままでは、人材育成はスタートできません。なぜなら、DXの目的によって必要な組織体制や人材要件が変わってくるためです。

そのため、まずは経営チームを含めた関係者間で「自社が目指すDXとは何か?」を定義しましょう。
「何を育成する(学ばせる)べきか」から議論が始まってしまうことが多いですが、具体的な施策検討の前段階で、経営チームと目線合わせをすることが重要です。

5-2. 人材の現状を把握する

次に取り組むべきは、自社にいる人材の現状を正しく把握することです。DX推進の中核人材を育成するには、「どの人材が、どのようなスキルや強みをもっているのか」を明らかにする必要があります。現状を把握しなければ、育成の方向性や優先順位を定めることができないためです。

社員のスキルや意欲は目に見えにくいため、意識的に情報を集めることが大切です。例えば以下のようなデータが有効です。


【人事部が保有するデータ】
・過去に携わったDX関連業務・プロジェクト
・過去に受講した研修の内容や成果
・アセスメント・テストの結果
・スキルマップ

【事業部が保有するデータ】
・上司や同僚・部下からのヒアリング
・DX関連プロジェクトで協業したメンバーの声から、仕事ぶりを推測 など


グロービスでは、事業部が保有するデータを積極的に集めることをおすすめしています。現場での行動や意思決定のプロセスを踏まえることで、専門スキルを実際の業務に活かせる人材かどうかを見極めることができます。ぜひ多面的な情報を収集し、現状を把握するようにしてください。

5-3. 自社のDX推進に必要な「人材類型」を明確にする

続いて取り組むのは「自社のDX推進に、どの人材類型が必要なのか」を明確にすることです。
2. DX推進スキル標準が定義する5つの人材類型」でご紹介したように、DX推進スキル標準では、DX推進の中核となる人材を、以下5つの「人材類型」として定義しています。

ただし、必ずしも全ての類型を同時に揃える必要はありません。重要なのは、自社のDX戦略を実現するうえで「どの類型の役割が欠かせないか」を見極めることです。

例えば、新規事業の創出を重視するなら「ビジネスアーキテクト」や「デザイナー」が不可欠になりますし、既存事業の効率化やデータ活用を進めたいなら「データサイエンティスト」や「ソフトウェアエンジニア」が中心的な役割を果たします。「サイバーセキュリティ」は、いずれの領域でも欠かせない土台として考慮すべきでしょう。

このように、自社の戦略に即した人材類型を見極めることが大切です。

5-4. 求められるスキルを明確にする

自社に必要な人材類型を定めたら、次に行うのは「その人材類型に求められるスキル」を明確にすることです。
DX推進スキル標準には、類型ごとに必要なスキルが体系的に整理されています。まずは自社の戦略に照らし合わせ、どのスキルを重点的に育成すべきかを洗い出しましょう。

なお、必要なスキルは一度定めたら終わりではなく、技術や事業環境の変化に応じて更新が必要です。自社のDX戦略や事業特性に合わせて重点スキルをアップデートすることで、常に現場で役立つ知識・スキルの習得機会を社員に提供できます。

5-5. 育成の対象者を決める

必要な人材類型とスキル要件を整理したら、次に育成の対象者を決めていきます。
DX推進の中核人材は、誰もが担えるわけではありません。自社の戦略に合った適性をもつ人材を選ぶことが成果に繋がります。

対象者を決める際には、以下の観点を意識するとよいでしょう。


  • 戦略との適合性:自社のDX戦略に直結する領域における強みや経験があるか
  • スキルの伸びしろ:現状不足しているスキルがある場合、学習意欲があるか
  • リーダーシップや影響力:組織を巻き込み、周囲を動かす力を備えているか
  • キャリアとの整合性:本人のキャリア展望やモチベーションと一致しているか

特にDX推進は長期的な取り組みになるため、短期的に即戦力となる人材だけでなく、中長期で活躍が見込めるポテンシャル人材も候補に含めることが重要です。

5-6. 人材育成プログラムを企画・実施する

ここまで来たら、いよいよ具体的な育成プログラムの企画・実施に進みましょう。
社員のDX推進スキル習得を後押しする方法として、「内製研修」「外部委託研修」「eラーニング」の3種類があります。
どれか1つを選択するのではなく、それぞれの特長を把握したうえで、組み合わせて活用することがおすすめです。

研修手法向いているケース
内製研修
(自社で企画・運営)
⚫︎自社のDXの目標や業務プロセスに即した実践的な内容を学ばせたい場合

⚫︎該当スキルに十分な知識や経験があり、講師を務められる人材が社内にいる場合

⚫︎自社のDX戦略やビジョンを社員に共有・浸透させたい場合
外部委託研修
(外部の研修会社を活用)
⚫︎自社に不足している専門的なスキルを習得させたい場合

⚫︎研修の企画・運営にかかる工数や負担を削減したい場合
eラーニング
(オンライン上で動画やテキストを視聴)
⚫︎各スキルの基礎知識や概念を体系的に学ばせたい場合

⚫︎時間や場所を問わず学習機会を提供したい場合

なかでもおすすめなのが、eラーニングによる基礎知識のインプットと、集合研修による実践的なアウトプットの組み合わせです。

eラーニングでは、社員一人ひとりが自分のペースで学習を進められる環境を整えられます。DX推進スキル標準で示される幅広い専門知識を体系的にインプットできるため、効率的な学びが実現するでしょう。
そこに集合研修を掛け合わせることで、学んだ知識を現場での実践に結びつけ、「わかる」から「できる」へのステップアップを図ります。

例えば、自社のDX戦略を題材にしたディスカッションや、導入予定のデータ活用ツールを実際に操作してみる演習を行うことで、知識が具体的な行動変容に繋がっていきます。
更に、eラーニングだけでは理解が難しい内容や、学習状況の分析によって社員が苦手意識をもっていることが明らかになった領域については、集合研修で補完することも有効です。

このように、eラーニングと集合研修を適切に組み合わせることで、DX推進スキル標準に沿った学習を着実に進められるのです。

5-7. 人材育成プログラムの効果検証を行う

どのような育成施策においても、スキルの習得自体がゴールではありません。実際に業務で活用され、組織の成果に繋がっているかどうかを確認することが大切です。

具体的には、以下のような方法が考えられます。

【効果測定手法の一例】

⚫︎育成前後のスキルマップやアセスメント・テストの結果を比較する
⚫︎育成対象者にアンケートを取り、業務での活用実感を確認する
⚫︎DX関連プロジェクトにおける行動変容を確認する(例:提案のスピード、データ活用の件数など)

効果測定を行わなければ、実りのある研修だったのか、改善が必要なのか、といった判断ができません。成果を確認し、次の育成施策に活かす仕組みを整えましょう。

6. DX人材育成の成功事例

続いて、企業が社員のDXスキルをどのように育成しているか、具体的な成功事例をご紹介します。

八千代エンジニヤリング様は、DX推進を加速するため、デジタル人材育成のためのリスキリングを推進しています。

全社員のデジタルスキルの基礎知識習得のため、グロービスの動画学習サービス「グロービス学び放題」を全社導入されました。動画視聴に留まらず、DXリテラシーアセスメント(以下、DXアセスメント)を活用することで知識定着を図っています。

課題⚫︎ビジネス環境の変化に対応し、既存事業の変革、新規事業や新たな領域への進出が必要で、そのために必要なマインドセットやスキルを習得する必要があった
⚫︎技術管理本部が主導し、ゼロから「リスキリング実施計画」を作成する必要があった
導入理由⚫︎デジタルスキル標準に準拠したDXアセスメント機能があり、社員の学習状況を定量的に把握できる
⚫︎DXアセスメントの活用により、個々のスキルに合わせた学習プランを提供できる
⚫︎学習しやすいコース設計、コンテンツが短時間で区切られており、スキマ時間を活用しやすい
活用方法⚫︎スキルレベルを4段階に分け、まずは全社員をLevel1からLevel2にするため、社員のスキルに合わせた学習を促進(※)
⚫︎社員はDXアセスメントを受験し、その結果に基づいてリコメンドされたコンテンツを学習
⚫︎DXアセスメントの正答率目標を設定し、目標を明確化
⚫︎目標達成率を可視化し、達成状況をSlackで全社共有
⚫︎BI基礎講座といった自社で作成したe-ラーニングコンテンツも組み合わせることで、デジタル技術の知識取得に留まらず活用を促進
導入後の効果・成果⚫︎DXアセスメント受験率99%、正答率70%達成者86%を実現
⚫︎社員のデジタルスキルが向上し、DXに対する意識が高まる

(※)4段階のスキルレベルと定義

※提供:八千代エンジニヤリング様

※インタビュー全文はこちらから:
DXアセスメントを活用し、全社リスキリングを推進。八千代エンジニヤリングのDX人財育成

7. DX推進スキル標準に沿った人材育成を成功させる4つのポイント

DX推進スキル標準は人材育成や採用の指針として大いに役立ちますが、活用の過程では多くの企業がつまずきやすい難所があります。

事前に注意すべき点を押さえておくことで、育成施策を効果的に進められます。ここからは、DX推進スキル標準に沿った人材育成を実効性あるものにするための4つのポイントをご紹介します。


DX推進スキル標準に沿った人材育成を成功させるポイント


7-1. インプットとアウトプットの機会を組み合わせる

DX推進スキルの定着を図るには、インプットだけでなく、アウトプットの機会を設けることが大切です。

研修を受けただけ、動画を視聴しただけでは、学びが本当の意味で“自分のもの”にならず、実務に活かす前に忘れてしまうことも少なくありません。そのため、学んだ内容をアウトプットする場を設けましょう。
「自分の言葉で説明する」「実際の業務に当てはめて考える」といった機会をもつことで、理解が深まり、現場での活用に繋がります。

アウトプット機会の例
個人単位⚫︎上司や同僚との1on1で、学びを言語化・共有する

⚫︎学習内容を自分の言葉でまとめたレポートを提出する
組織単位⚫︎研修の受講者同士でディスカッションをする

⚫︎習得したスキルを踏まえてDX推進のための計画を立てる

⚫︎DXを推進するための、部門横断のプロジェクトを立ち上げる

ポイントは、インプットとアウトプットを一度きりで終わらせないことです。こうした仕組みを整えることで、「学んで終わり」ではなく「学びを活かす」文化が組織に根付き、DX人材育成の効果も持続していきます。

7-2. 常に学び続けられる体制を整える

DX推進に必要なスキルは、社会や技術の変化に合わせて常にアップデートされます。そのため「一度学んで終わり」ではなく、学び続けられる体制を整えることが不可欠です。

【DX推進スキル標準に関するスキルを学び続ける方法】

⚫︎eラーニングを活用し、最新の技術やトピックを自律的にインプットできる環境を提供する
⚫︎最新の動向に関するセミナーや講座への参加を支援し、外部から刺激を受けられるようにする
⚫︎新しい技術や事例について議論できる社内コミュニティやディスカッションの場を設計する

実際に、DX推進スキル標準も定期的に改訂されており、2024年7月の改訂では生成AIの活用やリスクに関する項目が新たに追加されました。これは、DXに求められるスキルが変化し続けることを象徴しています。

スキルを習得した時点をゴールとせず学びを継続的に更新できる人材こそが、組織のDXを持続的に推進し、成果を生み出せるのです。

7-3. 効果測定を行い、習熟度や課題を把握する

5-7. 人材育成プログラムの効果検証を行う」でも触れたように、研修を実施するだけでは、人材育成は完結しません。学んだ内容がどの程度定着しているのか、どの領域に課題が残っているのかを把握するために、定期的な効果測定が欠かせません。効果測定の手法としては、以下のようなものが挙げられます。

【効果測定手法の一例(再掲)】

⚫︎育成前後のスキルマップやアセスメント・テストの結果を比較する
⚫︎育成対象者にアンケートを取り、業務での活用実感を確認する
⚫︎DX関連プロジェクトにおける行動変容を確認する(例:提案のスピード、データ活用の件数など)

進捗や課題を定期的に確認する仕組みを整えることで、「学びっぱなし」で終わらせず、着実に実務へ活かせる状態を実現しましょう。

※関連コラム:DX人材育成をする際に押さえるべき「効果測定ツール選定の3つのポイント」とは

7-4. 自社のDX戦略を踏まえて、本人が価値創出できる配置転換を行う

3-2. 適切な人材配置ができる」で解説したように、DX推進スキル標準を活用するメリットの一つに「適材適所の適切な人材人員配置を実現できるようになること」があります。

DX推進スキル標準に沿ってスキルを習得した人材は、学びを実務に活かせる配置へと転換してこそ、真の価値を発揮します。そのため、学習機会を提供するだけで終わらせずに、本人が価値創出を担える場へ配置するところまで、人事施策をやり切ることが重要です。

習得度に応じて戦略的に配置転換を設計することで、社員一人ひとりの強みを最大限に引き出せます。その積み重ねが、組織全体のDX推進力を大きく底上げすることに繋がるのです。

8. DX推進スキル標準に沿った人材育成を行う際は、教材選びも重要

ここまで、DX推進スキル標準の概要や活用方法を見てきました。改めて押さえていただきたいのは、DX推進スキル標準は「自社に必要なスキルを明らかにし、戦略的な人材育成を実現するための指針として活用するもの」ということです。DX推進スキル標準は、あくまで“指針”です。示されたスキルを社員が実際に身に付けて、初めて組織の力になります。

そのためには、定義されたスキルを効果的に学べる教材を選ぶことが欠かせません。なぜなら、教材選びを誤ると本来必要な知識を効率的に習得できず、育成の成果が限定的になってしまうからです。

教材を選定する際は、次のポイントを意識するとよいでしょう。

【教材をチェックするポイント】

⚫︎DX推進スキル標準に沿った内容を学べるか
⚫︎現場での活用イメージが湧くか
⚫︎効果測定やアウトプットの設計があるか

「何を学ぶか」と同じくらい、「何で学ぶか」も大切です。DX推進スキル標準を活用して成果を上げるために、教材の選定にもこだわることをおすすめします。

9. DX銘柄企業の94%が導入済みの「グロービス学び放題」ならDX推進スキルを効率よく学べる

DX推進スキル標準が示す項目は多岐に渡り、専門性も高いものばかりです。そのため、自社に必要なスキルを理解できても「どのように学習機会を提供すればよいのか」とお悩みになる方もいらっしゃるかもしれません。

そうした中で多くの企業から支持されているのが、DX銘柄企業の94%が導入済み(※)の「グロービス学び放題」です。「デジタルスキル標準」に完全準拠したコンテンツが揃っているため、実践的で網羅的な、質の高い学習が可能です。
(※)2023年6月時点算出。法人契約終了日の翌日までに新たに契約がある法人割合

グロービス学び放題」では、学習目的に応じて最適な動画を組み合わせた「ラーニングパス」を約100種類ご用意しています。
「DX推進スキル標準」に対応したものも複数あり、ラーニングパスに沿って学べば、自然とテーマ通りの知識を身に付けられます。

経済産業省「DX推進スキル標準」対応!~データ活用編(基盤・運用)~

DX推進のために必要な、データ活用に関する知識を学びます。環境構築・データ収集・蓄積・加工・AIシステム運用などに関する知識を習得しましょう。

動画:11コース 視聴時間:5時間18分

経済産業省「DX推進スキル標準」対応!~ビジネス変革-戦略・マネジメント・システム編(基礎)~

DX推進のために必要な、戦略マネジメントに関する基礎知識を学びます。ビジネス戦略策定・実行、プロダクトマネジメント、変革マネジメント、システムズエンジニアリングに関する知識を習得しましょう。

動画:16コース 視聴時間:8時間28分

経済産業省「DX推進スキル標準」対応!〜テクノロジー編〜

DX推進のために必要なテクノロジーに関する知識を学びます。コンピュータサイエンス、チーム開発、ソフトウェア設計手法、ソフトウェア開発プロセス、Webアプリケーション基本技術、フロントエンド・バックエンドシステム開発、クラウドインフラ活用、SREプロセス、サービス活用、フィジカルコンピューティング、テクノロジートレンド、その他先端技術に関する知識を習得しましょう。

動画:21コース 視聴時間:3時間10分

経済産業省「DX推進スキル標準」対応!〜セキュリティ編〜

DX推進のために必要なセキュリティに関する知識を学びます。セキュリティ体制構築・運営、セキュリティマネジメント、インシデント対応と事業継続、プライバシー保護、セキュア設計・開発・構築、セキュリティ運用保守に関する知識を習得しましょう。

動画:13コース 視聴時間:1時間20分

全てのコンテンツが無料で視聴可能です!
お問い合わせはこちらから

また「グロービス学び放題」には受講促進や知識定着を促すことを目的とした様々なアセスメント・テストがあり、DX推進スキル標準に対応したものもご用意しています。

評価結果はグラフなどで直感的に可視化されるため、組織全体の傾向や個別の課題もすぐに把握できます。更に、結果に基づいて、苦手分野の強化に最適なコースが自動レコメンドされる機能も搭載。人事担当者が個別対応しなくても、社員が主体的に学習を進められます。

10.まとめ

最後に、本記事でお伝えしたポイントをまとめます。


●「DX推進スキル標準」とは、DXを推進する専門性をもった人材を企業が確保・育成するための指針のこと

● DX推進スキル標準が定義する、DX推進の中核となる5つの「人材類型」は以下の通り
ビジネスアーキテクト:
DXを通じて実現したいこと(=目的)を設定したうえで、関係者の協働関係を構築しながら目的の実現をリードする人材
デザイナー:
ビジネス視点やユーザー視点を総合的に踏まえて製品・サービスの方針や開発プロセスを策定し、それに基づいて、望ましい製品・サービスの姿をデザインする人材
データサイエンティスト:
データを活用した業務変革や新規ビジネスの実現に向けて、データを収集・解析する仕組みの設計、実装、運用を担う人材
ソフトウェアエンジニア:
デジタル技術を活用した製品サービスを提供するためのシステムやソフトウェアの設計、実装、運用を担う人材 
サイバーセキュリティ:
デジタル環境下に潜むサイバーセキュリティ上のリスクを見極め、その影響を最小限に抑える対策を担う人材

● DX推進スキル標準を活用するメリットは以下の3つ
・人材育成やリスキリングの方針が明確になる
・適切な人材配置ができる
・未来への投資になる

● DX推進スキル標準を活用した人材育成の7ステップは以下の通り
・STEP1 自社のDX戦略を深く理解する
・STEP2 人材の現状を把握する
・STEP3 自社のDX推進に必要な「人材類型」を明確にする
・STEP4 求められるスキルを明確にする
・STEP5 育成の対象者を決める
・STEP6 人材育成プログラムを企画・実施する
・STEP7 人材育成プログラムの効果測定を行う

● DX推進スキル標準に沿った人材育成を成功させるポイントは以下の4つ
・インプットとアウトプットの機会を組み合わせる
・常に学び続けられる体制を整える
・効果測定を行い、習熟度や課題を把握する
・自社のDX戦略を踏まえて、本人が価値創出できる配置転換を行う


DX推進スキル標準の活用方法や社員の育成設計にお悩みの方は、お気軽にグロービスまでご相談ください。

法人向けグロービス学び放題は初期費用無料。
最短6ヶ月、1ID「11,550円(税込)」から導入いただけます。

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何でもご相談ください。


執筆者プロフィール

加藤 理美 Kato Rimi

慶應義塾大学文学部人文社会学科図書館・情報学専攻卒業後、花王株式会社に入社。法人営業、日用品・化粧品の売場戦略策定に携わる。
その後、2018年にグロービスへ。エンタープライズ企業の役員に対するナーチャリング施策の立案・運用、および、20名規模のセミナーから400名規模のカンファレンスまで、各種イベントの企画・運営を担当。
現在はBtoBマーケティング部門に所属し、Webコンテンツの企画・制作を担う。


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