役割等級制度を支える学習基盤構築――アセスメント活用で正答率11.4ポイント向上

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石油資源開発株式会社

【石油資源開発株式会社様】※写真左から
人事部 人材開発グループ長 小松 智子 さん
人事部 人材開発グループ 齊藤 理子 さん
人事部 人材開発グループ メンバーの皆様

【グロービス担当】※写真右
牧野 美里


暮らしや産業の基盤となるエネルギーの安定供給を支え、日本の経済発展に半世紀以上にわたって寄与してきた石油資源開発株式会社(JAPEX)。近年は、気候変動対応やカーボンニュートラルの実現に向けた動き、地政学リスクの高まりなどを受け、事業を取り巻く環境が大きく変化しています。こうした転換期において、同社は既存事業の深化と新たなビジネスモデルの構築による持続的成長を目指し、新たな人事制度「役割等級制度」を導入しました。

新制度を実効性のあるものにするため、社員一人ひとりに自律的な学習促進をおこなえる環境づくりの中核として導入したのが「グロービス学び放題」です。なぜ同社は「グロービス学び放題」を選んだのか。アセスメントを活用した取り組みと併せて、導入の背景と成果についてお話を伺いました。(※所属、役職は取材当時のものです)

課題
  • 外部環境の変化をふまえ、従来の石油・天然ガス事業に続く新規事業の展開と、新たな価値創造を担う人材の育成が求められていた
  • 2024年7月の人事制度改定に伴い、各等級に求められるスキルの体系化と、それに対応する学習機会の提供が必要だった
  • 従来活用していたeラーニングでは、講座数は豊富だったものの、役割等級制度と紐付けた学習の道筋を示すことや、学習前後の変化を把握する仕組みの面で改善の余地があった
導入理由
  • ビジネスリーダーに求められる要素が体系化されており、新たな人事制度の等級定義に沿った「ラーニングパス」の設定が容易だった
  • 学習コンテンツの質が均一で高く、AIアドバイス機能など「受講者が楽しみながら学べる」仕組みが充実していた
  • アセスメントによって「学びの成果」を可視化することで、受講者の成長を定量的・客観的に把握することが可能だった
活用方法
  • 全社説明会にて「なぜ今、変革と思考スキルが必要か」を発信し、学習の納得感を醸成した
  • 「アセスメント(現状把握)→指定コース受講→アセスメント(効果確認)」のサイクルを運用し、成長を可視化した
  • 中間面談にて受講状況を上司と共有し、学んだ思考法を実務の目標設定(アクションプラン)に落とし込んだ
導入後の効果・成果
  • 論理思考アセスメントの平均正答率が11.4ポイント向上した
  • テスト結果に基づいて自動レコメンドされる「復習コース」を修了した受講者は、非修了者と比べてスコアの伸びが大きい傾向が見られた。eラーニングによる知識定着を定量的に実証できた
  • 学びの習慣化により、会社が支援する大学院進学制度への応募が増えるなど、非管理職層が社外の学びに関心を持つ動きも生まれている

自律的に挑戦する組織を目指し、クリティカル・シンキングを全社で強化

石油資源開発株式会社 人事部 人材開発グループ長 小松 智子 さん

石油資源開発株式会社 人事部 人材開発グループ長 小松 智子 さん

御社を取り巻くビジネス環境についてお聞かせください

小松さん:当社は1955年の創業以来、石油・天然ガスの探鉱・開発(E&P事業)を主軸に、エネルギーの安定供給という社会的使命を担ってきました。一方で現在、気候変動リスクの顕在化や環境負荷の低いエネルギー需要の高まり、地政学リスクの増大など、事業を取り巻く環境は大きく変化しています。加えて、原油・天然ガス価格や為替の変動といった不確実性も高まっています。

こうした転換期において持続的な成長を実現するためには、祖業であるE&P事業の収益力をさらに強化すると同時に、ネットゼロ社会を見据えた事業領域の拡大にも取り組んでいく必要があります。この変革を形にするためには、これまで以上に「人」の力が重要です。前例のない課題に直面しても、自ら考え、ビジネスを切り拓いていける人材を育てていくことが、当社の未来を左右すると考えています。

石油資源開発株式会社 人事部 人材開発グループ 齊藤 理子 さん

石油資源開発株式会社 人事部 人材開発グループ 齊藤 理子 さん

人材育成における課題について教えてください

齊藤さん:不確実性の高い時代においては、多様な価値観を持ち、自律的に挑戦し続ける「エンゲージメントの高い人材集団」を形成することが重要だと考えていました。しかし、これまで当社はエネルギーの安定供給という社会的使命を担ってきた背景もあり、確実に業務を遂行する姿勢を重んじる風土が根付いていました。その強みを活かしつつも、自ら事業を構想する、あるいは既成概念を問い直すといった姿勢をさらに高めていく必要があると感じていました。

小松さん:また、事業領域が広がる中で、現場に求められるスキルの高度化に教育体制が追いついていないという懸念もありました。従来の年功的な要素が残る人事制度のままでは、挑戦する人材を適切に評価し、成長を後押しすることが難しい側面もあります。そこで、人材育成の在り方だけでなく、制度そのものを見直す必要性に直面していました。

具体的にどのような人材育成に取り組まれているのでしょうか

小松さん:課題解決に向けた大きな柱として、2024年7月より新たな人事制度(役割等級制度)を導入しました。従来の年功序列の要素を見直し、担う役割の大きさや行動、成果に対して適切に報いる仕組みです。現在はこの新制度を軸に、次の3つに取り組んでいます。

一つ目は、「期待役割の明確化と教育体系の再構築」です。役割等級制度のもと、各等級で担うべき役割や期待される行動、成果を具体的に定義しました。その上で、それらを実現するために必要なスキルを整理し、育成体系に落とし込んでいます。役割と能力の関係性を明示したことで、育成の方向性がより明確になりました。

二つ目は、「論理的に問い直す力を共通の基盤として育てること」です。既存のビジネススキルの習得に留まらず、「本当にこれで正しいのか」「別の選択肢はないのか」と多角的に考える「クリティカル・シンキング」を、全社で強化すべき基盤スキルと位置づけました。

グロービス学び放題「クリティカル・シンキング」

引用:グロービス学び放題「クリティカル・シンキング」

齊藤さん:三つ目は、「アウトプットを前提とした学びの実践」です。単に知識をインプットするだけではなく、学んだ思考法を実務の目標設定(アクションプラン)に反映させ、上司との面談を通じて実践をサポートする仕組みを整えています。これらを通じて、社員一人ひとりが自身の成長を主体的に描ける環境づくりを進めています。

「グロービス学び放題」×「アセスメント」で成長を可視化。学ぶ順番が明確なラーニングパス設計が、導入の決め手

そのような中で、なぜeラーニングの導入を検討されたのでしょうか

小松さん:「役割等級制度」を実効性のあるものにするためには、各等級で求められるスキルを着実に身に付けられる環境を整えることが不可欠です。そこで、まずは非管理職層の約500名を対象に、論理思考力を身に付けてもらうためにeラーニングの導入を検討しました。eラーニングは時間や場所を問わず学習機会を提供できるため、制度定着の第一歩として適した手段だと考えました。

これまでも他社のeラーニングサービスを活用しており、講座数が豊富で幅広いテーマに触れられる点は魅力でした。一方で、役割等級制度に紐付く形で「何から、どの順番で学ぶとよいのか」を示すには、もう一歩工夫が必要だと感じていました。特に初学者にとっては選択肢が多いからこそ迷ってしまうこともあるため、学びの道筋をより明確にできる、新たなeラーニングサービスが必要だと考えたのです。

石油資源開発株式会社 人事部 人材開発グループ長 小松 智子 さん

石油資源開発株式会社 人事部 人材開発グループ長 小松 智子 さん

eラーニングサービスの選定にあたり、どのような点を重視されましたか

小松さん:重視したのは、まずビジネスパーソンに必要なコアスキルが網羅されていること、そして内容が継続的に更新されている「コンテンツの質」です。変化の激しい現代において、更新頻度の高さと情報の信頼性は大切だと考えました。加えて、受講者が迷わず学べるよう、カテゴリごとに受講すべき講座が体系立てて整理されている「ラーニングパス」の明確さも重要視しました。

齊藤さん:管理者側の視点では、進捗や成果を把握しやすいことは重要なポイントでした。受講状況を一目で把握できることや、必要なデータを手間なく抽出・グラフ化できることは現実的な観点でした。また、受講者がスマートフォンでも取り組める操作性の良さや導入後も目標達成に向けて共に伴走していただけるサポート体制があるかどうかも、選定基準の一つでした。

数あるサービスの中から「グロービス学び放題」を選定された理由をお聞かせください

小松さん:決め手は、ビジネスリーダーに求められるスキルが非常にバランスよく、体系的に整理されていたことです。グロービスさんは経営大学院も運営されているので、実務で成果を出すための「考え方の型」がしっかりとプログラムに組み込まれている安心感がありました。特に、AIによる学びのサポート機能は秀逸で、間違った理由や振り返るべきポイントを具体的に示してくれるため、受講者が楽しみながら着実に理解を深められると確信しました。

また、アセスメント機能により学習効果を定量的に測定できる点は、「教育施策が社員の成長にどう結びついているか」を社内へ客観的に示したいという、事務局としての想いにも合致していました。導入後もグロービスさんとの定期的なミーティングを通じて、受講率の向上やデータ分析に基づいた具体的な施策提案をいただける手厚い伴走支援も大きな魅力だと感じています。

さらに、グロービスさんのeラーニングであれば、単なるインプットに留まらず、スクール型研修や大学院など、学びをアウトプットできる環境に接続しやすいだろう、という期待もありました。

「グロービス学び放題」のアセスメントは、AIから学習のアドバイスを受けられる

「グロービス学び放題」のアセスメントは、AIから学習のアドバイスを受けられる

人事・上司・本人が連携する運用で、学びを実務に定着させる

受講を促進し、学びを定着させるためにどのような工夫をされていますか?

小松さん:導入にあたって最も重視したのは、社員に「なぜ今、この学びが必要なのか」を腹落ちさせることでした。そこで、新たな人事制度の理念である「変革・挑戦・創造」と今回の施策との関係性を明確に示すため、管理職を含む全社員向けの説明会を実施しました。約500名が参加したこの説明会では、背景や目的を共有した上で、その場で実際に画面に触れてもらい、新しいツールに対する心理的ハードルを下げることを意識しました。

また、単に「受講して終わり」にしないための仕組みづくりにも注力しています。上期中に必須講座の受講を完了する目標を掲げ、2週間ごとに進捗を確認しながら、必要に応じて個別のリマインドを行いました。さらに、学んだ思考法を活用したアクションプランを策定し、上司との中間面談で実務への活用方法を擦り合わせています。この「人事・上司・本人が連携するサイクルを回す」ことで、学びが実務と切り離されないようにしています。

アセスメント機能を活用された背景と、その手応えをお聞かせください

小松さん:アセスメント活用の大きな目的は、スキル習得の「現在地」を客観的に把握し、学習による成長を可視化することでした。自分の強みや課題を正しく知ることは、自発的な学習意欲を引き出す強力なエンジンになります。実際に学習前後で測定を行うことで、受講者本人のモチベーション向上はもちろん、人事としても、施策が社員の成長につながっているという手応えを感じられました。

石油資源開発株式会社 人事部 人材開発グループ 齊藤 理子 さん

石油資源開発株式会社 人事部 人材開発グループ 齊藤 理子 さん

齊藤さん:私は人事部として本施策の運営に関わっていますが、非管理職として、自らも受講者の一人でした。受講者の視点に立つと、アセスメントは非常によい刺激になります。私自身、受講前にアセスメントを受けた際は、設問で問われている内容を理解しきれず、基礎から学び直す必要があると感じました。その後、学習を重ねて再受検し、90%超のスコアが出たときは確かな成長を実感できました。

小松さん:私たちが目指しているのは、スコアの向上そのものではなく、全社で共通の思考の土台を築くことです。論理的思考という共通言語があることで、意思決定の質とスピードは格段に向上すると考えています。アセスメントで現在地を把握し、「グロービス学び放題」で学びを重ねていく。こうした積み重ねが、組織としての思考の基盤強化につながっていけばと思っています。

復習コース修了者のスコア伸び率が物語る、継続学習の重要性

今回の施策を通じて、社員の意識や行動にどのような変化がありましたか?

齊藤さん:定量的な成果として、学習前後でアセスメントのスコアが着実に向上しており、社員のスキルが底上げされていると実感しています。特に1回目の受検後、テスト結果に応じて自動レコメンドされる「復習コース」を完了した受講者は、2回目の平均正答率が11.5ポイント向上しました。一方で、未完了の受講者は7.7ポイント低下しており、両者の平均正答率には13.6ポイントもの差がありました。繰り返し学ぶことの重要性が数値で証明されたと考えています。

小松さん:定性的な面では、外に目を向けようとする動きが、少しずつ見られるようになっています。例えば、会社が支援する大学院進学制度や、グロービス・マネジメント・スクールへの応募が増えてきました。今回の取り組みが直接的な要因かどうかはまだ分かりません。ただ、応募者から話を聞く中では「社内のOJTだけではなく、外で学びたい」「学びの場を求めていた」という声もありました。「グロービス学び放題」の導入が、そうした一歩を踏み出すきっかけの一つになっている可能性はあると感じています。

「グロービス学び放題」の画面イメージ

「グロービス学び放題」の画面イメージ:受講者はマイページから、管理者は管理画面から、アセスメントの結果を確認できる

アセスメント結果データから、どのような傾向が見えてきましたか?

小松さん:人事として特に興味深かったのは、学びの姿勢が成果として可視化された点です。今回の施策では、1回のアセスメントで終わるのではなく、弱点を補強して再度挑むサイクルを推奨してきました。その効果が、数字に如実に表れており、eラーニングが単なるインプットに留まらず、復習と組み合わせることで着実なスキルの定着に寄与することを定量的に裏付けるものとなりました。

「グロービス学び放題」を導入して、どのような価値を実感されていますか?

齊藤さん:カスタマーサクセスによる手厚い伴走支援には、非常に大きな価値を感じています。導入時の全社説明会への同席から、一年近く経った今も続く定期的なミーティングの実施まで、当社の課題を自分事として捉え、受講率向上のための具体的なアドバイスをいただけるのは本当に心強いです。

小松さん:やはり、アセスメントで学習効果を客観的に確認できる点は、他社サービスにはない強みです。役割等級制度に基づいた「各階層に必要なスキル」をラーニングパスとして提示し、その習得度を数値で確認できる。その結果を、施策の妥当性の根拠として経営層へ示すことができています。

制度・育成ともに「これからが本番」。現場を巻き込み、学びを確かな行動変容へ

今後の人材育成の展望についてお聞かせください

小松さん:新たな経営計画に伴い、これまでとは異なる人材が求められる可能性があります。その事業を担える人材をどう育てていくのか、改めて考えていく必要があると感じています。

また、教育施策はインプットだけで完結するものではありません。実際に現場でどう活かされるかが重要です。人事として学びの機会は提供できますが、実践の場そのものを用意できるわけではありません。だからこそ、各事業部や管理職と連携し、学んだことを実務の中で活かす機会をどう作っていくかを丁寧に検討する必要があると考えています。

グロービスの支援に対し、今後どのようなことを期待されていますか

齊藤さん:この一年、グロービスさんの伴走があったからこそ、ここまで進めてこられたと感じています。単にツールを提供するだけでなく、当社の課題を深く理解し、「次の打ち手」を共に考えてくださる姿勢を高く評価しています。

小松さん:グロービスさんは、ビジネスパーソン、あるいはビジネスリーダーを育成する“プロ”だと感じています。教育が体系的に整理されている点も、非常に心強いです。当社の社員にはE&P事業をはじめとする業界特有の知見が必要ですが、それを展開していくにも、ビジネスパーソンとしての「基本のキ」は欠かせません。そうした確固たる土台を築くために、今後もグロービスさんと連携しながら、一緒に人材育成を進めていければと思っています。

【グロービス担当の声】

石油資源開発様では、エネルギー業界の大きな転換期において、新たな人事制度「役割等級制度」の実効性を高める中核として「グロービス学び放題」をご活用いただいています。特に、単なるコンテンツの提供に留まらず、各等級に求められるスキルを「ラーニングパス」として体系化し、制度と学習をダイレクトに紐付けて運用された点は、戦略的な人材育成の極めて優れたモデルケースだと感じております。

ご導入にあたって印象的だったのは、小松様、齊藤様をはじめとする事務局の皆様が、社員の方々に対して「なぜ今、この学びが必要なのか」という目的意識の醸成を徹底されていたことです。全社説明会での丁寧な発信や、上司との面談やアクションプランの作成を通じた実務への落とし込みなど、現場を巻き込む真摯な姿勢に、私どもも大きな刺激をいただいております。さらに、「グロービス学び放題」でのインプットに留まらず、当社の集合研修や他流試合型スクールでの実践的なアウトプットの場を幅広く活用されていることが、学びを確かな血肉へと変える極めて効果的なサイクルへとつながっています。

また、今回のお取り組みの中で特筆すべき成果は、「アセスメント」による学習効果の可視化です。論理思考アセスメントの正答率が大幅に向上しただけでなく、復習コース修了者のスコアが顕著に伸びるというデータは、継続学習が着実なスキル定着につながることを証明するものでした。「やればできる」という実感が数値で示されたことは、受講者の皆様の自信と、次なる挑戦への原動力になっていると確信しています。

「持続的な安定供給」と「新たな価値創造」という両輪を担う皆様が、共通の思考基盤を持って変革に立ち向かうプロセスを、今後もパートナーとして全力でご支援させていただきます。自律的な学びが組織の力となり、エネルギーの未来を切り拓く一助となれば幸いです。

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