

投資判断と資金調達の考え方を学ぶ
「限られた予算。どちらのプロジェクトに投資すべきか?」
このような意思決定の場面で、感覚や経験だけではなく、根拠に基づいた判断ができていますか?マネジメント層を目指す方々には、さまざまなビジネスシーンにおいて、ファイナンスを用いた論理的な意思決定力が求められます。
本科目の目的はファイナンスの全体像とエッセンスを理解することです。ファイナンスを実務に即した形で解説し、企業価値を高めるメカニズムやリスク管理の本質を学びます。これによって、企業経営においてファイナンスがどのような役割を果たしているのかを、自分の言葉で説明できるようになります。
具体的には投資判断の手法や資金調達の基本的な考え方を習得していただきます。難解な数式を覚えるのではなく、定性的な経営分析も合わせて行うことで、リーダーに必要な総合的な判断力を養っていきます。
科目の構成
学びのストーリー
大都市圏を中心に自然派のインテリアや服飾、雑貨を展開する「ウッドマーク社」。経営企画部に所属する「あなた」は、財務に詳しい緒方先輩と事業開発部の藤本早紀さんと一緒に、経営者に向けた資料を作りながら、投資の意思決定手法や企業価値の算出など企業財務の基礎を学びます。
-
新規事業開発のプロジェクトを経営陣に説明するにあたり、財務の観点をどのように盛り込めば良いか?
-
新しいプロジェクトにはどの程度の事業価値が見込めて、どの程度の投資が必要になるのか?
-
ファイナンスを用いた意思決定手法には何がある?

第1章 経営とファイナンス
ファイナンスの基本的な考え方であるキャッシュフローと時間価値の考え方を学び、全体像を掴みます。
- キャッシュフロー
- 現在価値
- 割引率
第2章 キャッシュフロー
フリーキャッシュフローの考え方と計算について学びながら、「フリー」の意味を深めていきます。
- 会計と財務
- フリー・キャッシュフロー
- ワーキングキャピタル
第3章 割引率
割引率の考え方とその背景にあるリスクについて学び、資産価値の算出方法について学びます。
- ディスカウントレート
- 機会費用
- ハイリスク・ハイリターンの原則
第4章 投資評価
具体的に現在価値の算出方法と意思決定の手順について学びます。また、意思決定に必要となる資本コストや残存価値の考えを深めていきます。
- DCF法
- NPVとIRR
- 資本コスト
- ハードル・レート
- サンクコスト
- 継続法と精算法
第5章 経営への応用
企業価値の算出、資金調達のコスト、市場全体のリスク、最適な資本構成などより経営的な視点での応用を学びます。
- 企業価値
- 加重平均資本コスト
- ベータ
- 資金調達
- 最適資本構成
学習の進め方
一般的なeラーニングとは異なり、ストーリー形式でインプットとアウトプットを繰り返すことで、深く学んでいく学習方法です。グロービスのケースメソッドを採用し、単なる理論のインプットではなく、実践的な学びを実現しています。
まずは実際のビジネスで起きうる課題解決を疑似体験し、理論や知識のインプットを行います。そして約100問の演習でアウトプットを行うことで、学んだ内容の定着を促します。科目ごとにスキルチェックテストを設けており、合格すると修了証が発行される仕組みです。受講者が科目ごとのゴールに向かって「学び切る」プログラムです。

受講者の声
基本事項から解説があり、実際に計算して投資判断を行うなどの演習も充実していたので、大変勉強になりました。とくに事例問題が実務的でよかったです。受講後にファイナンスについての案件が出てきたのですが、 基本的な用語・概念を理解できていたのでスムーズに議論に加わることが出来ました。
ファイナンスに関する知識が不足していることに危機感を抱いていました。この講座でファイナンスの全体像や基本原則を学んだことで、事業価値の算定や投資判断の数値予測に活用できそうです。実際のビジネスの事例にもとづいて学ぶので、初めての概念でも理解しやすかったです。
数字に苦手意識があったのですが、「なぜそうなっているのか」「どう扱うべきか」を理解できていなかったからだと気づきました。前提知識がなくても、インプットとアウトプットを繰り返して学ぶことで、数字を見る方法を学んでいくことができました。
学びの効果を高める科目の組み合わせ
ファイナンス+アカウンティング
財務状況に基づき最適な投資判断を行う
アカウンティングでは 財務諸表(P/L、B/S、キャッシュフロー) を分析し、企業の過去と現在の財務状況を理解するスキルを学びます。一方、ファイナンスでは DCF法(割引キャッシュフロー法) や NPV(正味現在価値) などの投資評価手法を学び、将来の成長性を予測します。これらを組み合わせることで、企業の現状を適切に把握した上で、投資判断の精度を高めることができます。
経営陣や投資家へ数字で裏付けたプレゼンをする
経営陣や投資家に対して戦略提案を行う際には、説得力のある財務データの提示が成功の鍵となります。そのためにはアカウンティングで学ぶ財務諸表の分析力と、ファイナンスで学ぶ投資評価の知識を組み合わせることが重要です。例えば新規事業のプレゼンにおいて 「過去の収益性分析(アカウンティング)」×「将来のNPV予測(ファイナンス)」 を示すことで、数字に裏付けられた提案が可能になります。
ファイナンス+経営戦略
戦略を財務的な視点で評価する
経営戦略の立案において「どの事業を強化するか」「どの市場に参入するか」を決める際に、その施策を実行するかを、企業価値にプラスになるかどうかで判断する必要があります。投資に対するリターンや資金調達のコストなどファイナンスの分析手法を学ぶことで、企業価値をふまえた戦略立案の力を養えます。
事業ポートフォリオの最適化ができる
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント) を用いて各事業へのリソース配分を決定する際には、財務的な視点が不可欠です。ファイナンスの知識を活用することで、各事業の資本コストやキャッシュフローの健全性を評価し、成長性の高い事業に資本を配分することにつながります。
M&A(企業買収・合併)の成功確率を高める
M&Aは成長戦略の重要な選択肢のひとつですが、適切な買収先の選定や買収後の財務管理が不十分だと、失敗のリスクが高まります。企業価値算出手法(DCF法・NPV分析)や最適な資本構成の設計方法を学ぶことで、M&Aの成功確率の向上に寄与できます。
ファイナンス+クリティカル・シンキング
財務データを論理的に分析し意思決定を行う
ファイナンスではキャッシュフロー分析や投資評価法(DCF法、NPV、IRR)を用いて意思決定を行います。しかし財務データだけでは経営判断の本質にたどり着けないこともあります。クリティカル・シンキングの考え方を活用することで、財務データの背景にある課題や本質を理解し、的確な意思決定を促進します。
不確実な状況下で投資判断の精度を高める
新規事業や設備投資のリターン予測においては、将来の市場や経済環境における不確実性を織り込まねばなりません。クリティカル・シンキングで学ぶ仮説と検証の考え方を活用することで、複数のシナリオを検討し、リスクとリターンを論理的に分析することが可能になります。不確実性の高い状況下でも、より確度の高い投資判断へつなげられます。
財務戦略をより説得力のある形で伝える
CFO(最高財務責任者)や財務部門の担当者は、経営層や投資家に対して、投資判断や資金調達などファイナンスの意思決定を説明する必要があります。このプロセスにおいてクリティカル・シンキング を活用することで、財務データに基づいた戦略的な提案を、より論理的かつ説得力のある形で伝えられるようになります。
導入企業の事例を用いながら
eMBAの効果的な活用方法を
ご提案

科目の詳細や料金体系を
まとめてご覧いただけます
関連する他の科目
-
グロービスMBA科目
グロービス経営大学院のMBAプログラムから9科目を厳選。
リーダーが身につけておくべきビジネスの理論やフレームワークを学びます。 -
クリティカル・シンキング
客観的な視点で物事を捉え、効果的なコミュニケーションを実現するための、一連の思考プロセスを学びます。
-
組織行動とリーダーシップ
社会学や心理学をベースに、戦略実現のためにどのように「人を動かす」かを考える力を身につけます。
-
人材マネジメント
戦略の実行を効果的に行うために、マネジメントの視点から組織構造や人事システムを活用する力を磨きます。
-
マーケティング
マーケティング戦略を体系的に理解し、お客様に継続的に購入していただける仕組みの構築方法を学びます。
-
経営戦略
経営戦略における基礎理論を理解し、成功確率の高い戦略策定に必要な思考プロセスを強化します。
-
アカウンティング
ビジネスの現場で必要とされる会計の基礎知識を学び、組織や事業の課題を数字の面から判断する力を身につけます。
-
ファイナンス
企業価値を高めるためのメカニズムやリスクについて学びます。定性的な経営分析による意思決定力の強化も行います。
-
ミドルマネジメント実践
経営の意図を現場に伝え、チームの生産性や士気を高めるための、リーダー層に必要なスキルとマインドを学びます。
-
ファシリテーション&ネゴシエーション
ファシリテーター・ネゴシエーターの基本的な役割や考え方、会議・交渉における具体的なスキルを学びます。