

ビジネスパーソンに必須の「考える」力を身につける
「社内でどうしても通したい企画案。何をどう整理すればよい?」
せっかく練り上げた企画案なのに、なかなか社内の承認が得られない。そんなときには企画の本質的な価値の整理や、相手の視点に立った論理展開をすることなどが必要です。このようなケースを始め、ビジネスにおける課題解決や意思決定に活用できるのがクリティカル・シンキングです。
クリティカル・シンキングとは、健全な批判精神をもって自身の考え方や前提条件を客観視する思考法です。経験や勘に頼るのではなく客観的な視点で物事を捉え、効果的なコミュニケーションを実現するための能力ともいえます。あらゆるビジネススキルの基盤であり、とりわけ現場の課題解決や意思決定を担うリーダー層には不可欠です。
本科目ではクリティカル・シンキングの思考プロセスを体系的に学びます。そしてアウトプットを繰り返し行うことで、学習した内容を実務で活用できるレベルに引き上げることを目指します。
科目の構成
学びのストーリー
舞台は大都市圏を中心に自然派のインテリアや服飾、雑貨を展開する「ウッドマーク社」。業務改革部に所属する「あなた」と商品開発部の藤本早紀さん、品質保証管理部の千葉慎さんは、打ち合わせや上司とのコミュニケーションなどの日々の業務でさまざまな課題に直面します。上手く仕事が進まない状況の中で、クリティカル・シンキングを学び、ビジネスを前に進める「考える力」を学びます。
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なぜあの取引先とは話が噛み合わず、プロジェクトが前に進められないのか?
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お客さまへのダイレクトメール施策を検討するにあたり、アイディアを網羅的に出せているか?
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仲の悪い店舗スタッフ間で生じるトラブル。どのように解決すべきか?

第1章 イシュー
クリティカル・シンキングのスタート地点である「イシュー」を取り上げます。そもそもイシューとは何か、イシューを意識すると何が良いのか、注意点は何かを学びます。
- イシュー
- ここで答えるべき問い
- イシューに集中する
- イシューは外しがち
- 無駄な議論を無くす
第2章 枠組み
イシューに答えるために考慮・判断すべき論点のセットである「枠組み」について学びます。枠組みを考える際のポイントを反復しながら身に着けていきます。
- 枠組み
- 具体的な問い
- 見落としを避ける
- 二度手間を避ける
- フレームワーク
- 効率的な検討
第3章 主張と根拠
主張を根拠で支えることを学びます。自分の説得力が増すだけでなく、他の人の主張に対して、根拠やどのような前提が置かれているかなどの感度があがります。
- 説得力を増す
- 理解力が増す
- 隠れた前提に気づく
- 多くの人が納得できる論理の組み立て方
第4章 仮説と検証
仮の答え(仮説)を考え、確実と言えない推測について検証を行いながら、仮説の確からしさを判断し、仮説を進化させる考えを学びます。
- 仮説
- 検証
- 限られたリソース
- 意思決定
- 効率的な検証
- ファクトを押さえる
第5章 分析・分解
5章では、物事の状況や特徴、傾向などをより詳細に具体的に理解できるようになるための分析について学びます。分析・分解には、感度の良い切り口・切り方があります。
- より詳細に理解する
- MECE
- 切り口と切り方
- 判断に繋がる示唆
第6章 事象のつながり
6章では、個別の事象だけでなく、事象のつながりを把握することで、ビジネスの仮説や施策の立案に役立てることを学びます。
- 背後の原理や共通点
- 表面的な現象
- 因果関係
- 根本の問題解決
学習の進め方
一般的なeラーニングとは異なり、ストーリー形式でインプットとアウトプットを繰り返すことで、深く学んでいく学習方法です。グロービスのケースメソッドを採用し、単なる理論のインプットではなく、実践的な学びを実現しています。
まずは実際のビジネスで起きうる課題解決を疑似体験し、理論や知識のインプットを行います。そして約100問の演習でアウトプットを行うことで、学んだ内容の定着を促します。科目ごとにスキルチェックテストを設けており、合格すると修了証が発行される仕組みです。受講者が科目ごとのゴールに向かって「学び切る」プログラムです。

受講者の声
クリティカル・シンキングの受講経験がある社員から「まず受けるべきはクリティカル・シンキング」と聞いていました。実際に自分で受けてみると、答えがうっすら見えるような安易なものでなく、自分でしっかりと考えて進める歯ごたえのある内容でした。実際に現場で発生しそうな課題を扱っていたのも良かったと思います。
ストーリー形式の学習方法は初めてでしたが、登場人物からの問いを起点に「どこから考えればいいのか」「どのように進めると解決できるのか」などを自然と考えながら学べました。実際の業務に近い場面でフレームワークや議論の組み立て方を学べるので、具体的な活用シーンをイメージしやすかったです。
クイズや演習などで何度もアウトプットを求められるので、知識が確実に身につくのを感じます。学習ボリュームは大きいですが、その分、しっかりと学んでいるという手応えを得られますね。スキマ時間などを利用しながら、難しい部分を繰り返し学習しています。
学びの効果を高める科目の組み合わせ
クリティカル・シンキング+マーケティング
マーケティング戦略の本質的な課題(イシュー)の見極め
マーケティング施策を成功させるには、本当に解決すべき課題(イシュー)を見極めることが重要です。クリティカル・シンキングでは、思考の出発点となるイシューを決めるための考え方について学びます。クリティカル・シンキングの考え方を活用することで「なぜ売上が伸びないのか?」といった本質的な問いを立て、マーケティング戦略の核心を定められます。
市場や顧客の論理的な分析
市場セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングからなるSTP分析は、マーケティングにおける重要な分析のひとつです。このプロセスでは、クリティカル・シンキングの仮説と検証、分析と分解といった考え方が役に立ちます。顧客層の体系的な分類や、競合との差別化ポイントの明確化が可能になり、精度の高いマーケティング戦略につながります。
市場の変化に対応したマーケティング戦略の立案
マーケティングはトレンドや競争環境の変化が激しい領域です。このような環境下では、個々の事象を関連付けて因果関係を把握し、将来の展開を予測する考え方が重要です。クリティカル・シンキングで学べるこの考え方は、環境変化の要因を体系的に分析する際に役立ち、長期的な市場の変化を見越した柔軟なマーケティング戦略の策定に寄与します。
クリティカル・シンキング+ファシリテーション&ネゴシエーション
会議や交渉の場における議論の質を高める
ファシリテーションでは参加者の意見を引き出しながら議論を進めますが、本質的な問い(イシュー)がずれると有意義な結論に達しません。クリティカル・シンキングでイシューについて学ぶことで、「このミーティングの結果実現したいことは何か?」を明確にでき、目的に沿った建設的な議論の展開につながります。
交渉相手の主張の論理構造を分析し戦略を立てる
ネゴシエーションでは、相手の主張や立場を理解した上で交渉を進める必要があります。クリティカル・シンキングで学ぶ、主張と根拠の考え方や隠れた前提といった知識は、双方の利害を適切に調整し、Win-Winな合意を実現を習得するために、大いに役立ちます。
多様な意見の論点を整理し合意形成を促す
会議や交渉の場では、意見がまとまらず議論が堂々巡りに陥ることがあります。このような状況を打開するためには、クリティカル・シンキングで学ぶ、適切な分析と分解の考え方が有効です。参加者の意見を分類し、論点を構造的に整理することで、議論の全体像を参加者全員で共有しながら、建設的な結論を導き出すことにつながるでしょう。
クリティカル・シンキング+ミドルマネジメント実践
ミドルマネジメントの意思決定力を高める
ミドルマネジャーは部門の目標達成と人材育成の両方を担うポジションです。しかし感覚や経験だけに頼った判断は主観的になりやすく、誤った指示や不適切な評価につながることがあります。クリティカル・シンキングを活用することで、事実と根拠に基づいた分析が可能になり、客観的に把握した上での適切な意思決定につなげられます。
部下の主体性を引き出す組織文化を醸成する
上司の指示に対して「なぜそうするのか?」を問わずに従う文化は、メンバーの主体性が育ちにくくなり、組織の成長を妨げます。ミドルマネジャーがクリティカル・シンキングの思考法を学ぶことで、判断の根拠を明確に説明でき、部下も納得感を持って業務に取り組めるようになります。この双方向のコミュニケーションによって、組織の生産性と士気の向上が期待できます。
ミドルマネジャーに求められるリーダーシップを強化する
クリティカル・シンキングの理論を実践し、部下へ「なぜそう考えたのか?」「他にどんな方法があるか?」といった問いかけを行うことで、部下の思考力を鍛える機会を提供できます。また、上層部への提案や報告においても論理的に構成された説明ができるようになり、自身のキャリア形成にも役立てられます。
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ファシリテーター・ネゴシエーターの基本的な役割や考え方、会議・交渉における具体的なスキルを学びます。